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2008年9月21日 (日)

32年ぶりのワンツーフィニッシュへ-敗戦処理。の秘かな念願

19日からのジャイアンツ対タイガース三連戦にジャイアンツが三連勝し、ついにジャイアンツが今シーズン初めて首位に立った。最大13ゲーム差からの追いつきは、あの1996年「メークドラマ」の時の11.5ゲーム差を上回る。もちろんまだ最後までどちらに転ぶかわからない状況だが、これで敗戦処理。の秘かな念願にかなり近づいた気がする。

敗戦処理。が日本のプロ野球に興味を持ち始めたのは1973(将和48)、ジャイアンツV9の最後の年だ。この年、ジャイアンツの不振もあってセ・リーグは空前の大混戦となってジャイアンツとタイガースの優勝争いは両軍の最終戦までもつれ込んだ。甲子園での最後の直接対決を前にして首位タイガースと2位のジャイアンツのゲーム差は0.5だった。タイガースは勝つか引き分けで優勝。ジャイアンツが優勝するには引き分けではダメで、タイガースに勝つしかなかった。その試合にジャイアンツは9対0と圧勝。見事9年連続リーグ優勝を果たし、日本シリーズも制覇した。

この時に野球の魅力に虜になった敗戦処理。はジャイアンツファンになりながらもタイガースという球団に特別な感情を持った。

この時代に野球に興味を持ち始めてジャイアンツファンになった方はほとんど当てはまるだろうが、ジャイアンツのライバルはタイガースなのである。いまでもこのチームの対決は「伝統の一戦」と括られるが、この時代くらいまでにジャイアンツファンになった世代と、それ以降にジャイアンツファンになった世代とではタイガースという球団に対する感覚が大きく異なるように思える。

何故ならこのV9最後の年以降、シーズン終盤までジャイアンツとタイガースが優勝争いをしたのは1976年の一回だけだからだ。

日本プロ野球草創期からのライバル関係にあるジャイアンツとタイガース。沢村栄治VS景浦将の時代から、村山実VS長嶋茂雄、江夏豊VS王貞治、星飛雄馬VS花形満と続くライバル関係は単なる一対一の関係ではなく、優勝を争う両チームの看板対決だった訳だ。

それがこの両チームが直接優勝争いをしなくなると、様相を異にしてくる。

江川卓の入団をめぐる禍根で、小林繁がジャイアンツからタイガースにトレードされるという出来事があって両チームの因縁は続くが、タイガースが1985年の優勝以降、長い低迷期に入ってしまい江川卓と掛布雅之がともに若くしてユニフォームを脱ぐと、若い世代のファンには「巨人と阪神の一戦は『伝統の一戦』」というフレーズのみにライバル関係を感じるようになりがちである。江川と掛布のライバル関係にしても、当人同士が同じ年齢であるなど、個人的なライバル関係という感じがしてならない。ましてやそれ以降となると、せいぜい藪恵壹VS清原和博の死球渦による遺恨対決や、松井秀喜VS遠山奨志のワンポイント対決、長嶋茂雄VS野村克也という本筋から離れたライバルのストーリーが語られる程度だ。

タイガースが長い低迷期を脱して2003年に優勝する時、ジャイアンツが逆にトンネルに入る時代が来る。タイガースは2005年にも優勝するがジャイアンツはその年Bクラス。そしてジャイアンツが2007年にリーグ優勝を果たした年、タイガースも3位と健闘したが、ジャイアンツと優勝争いをしたのはどちらかというとドラゴンズだった。

今年、ようやくジャイアンツとタイガースのシーズン終盤での優勝争いが実現したのだ!

1976年以来、32年ぶりに秘かな念願が叶ったのだ。

ここで蛇足ながらタイガースとタイガースファンの名誉のため、一部のファンがタイガースの低迷期に関して誤解している点をフォローしておこう。

前述のタイガースの1985年の優勝は、1964年の優勝以来21年ぶりの優勝であり、その後また優勝から遠ざかり、次の2003年の優勝が18年ぶりだった。しかし1964年の後の20年間と、1985年の後の17年間では実は状況が全く異なる。

後者はよく知られているように、その間ほとんどの年が最下位に沈んでおり、17年中15年間がBクラスだった。これに対して前者は優勝出来なかった20年間の前半はジャイアンツのV9時代でタイガースは「万年二位」的存在であった。同じチームに毎年優勝を持って行かれる屈辱こそあったものの、タイガースの順位自体は上位安定していた。同じ、優勝出来なかった期間でもこの二つは全く状況が異なるのだが、ごっちゃにしているファンが一部にいるようだ。

おぼろげながら当時子供だった敗戦処理。の記憶をたどると、周囲の大人が「巨人は自民党、阪神は社会党」とたとえていたのが印象に残っている。当時のタイガースを、当時の野党第一党であった社会党(現在の社民党)にたとえていたのだ。

閑話休題。

セの他の四球団のファンの方には申し訳ないが、残り少ない今シーズン、ジャイアンツとタイガースで最後まで優勝を争ってもらい、そしてそれを見届けたい。クライマックスシリーズも上位二球団だけでやって欲しいくらいだ。

「伝統の一戦」-本当にこのフレーズにふさわしい闘いを最後まで続けてほしい。もちろん「最後」とはこの場合、クライマックスシリーズ第二ステージを指す。

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コメント

にしたく様、コメントをありがとうございました。

> メークレジェンドへまっしぐらのジャイアンツですが、苦手広島四連戦で勝ち越せば、かなり明るい未来が見えるはず。阪神も東京ドームで萎えたはず。がんばれ、ベイスターズ。

二勝一敗一引き分け。まずまずでしょう。

宇宙狼さんへのコメントでも書きましたが、連勝はいずれ止まるものですから、誰で負けたとか言うことより、明日一日頭を冷やすことが出来る、このタイミングで止まったことがよかったのではと勝手に前向きに捕らえています。

ベイスターズはともかく、本当に「メークレジェンド」を結実するためにはジャイアンツが二試合残しているタイガース戦を二つとも獲ることです。もちろん甲子園でも勝つことです。これまでは他球団がタイガースを倒すことでゲーム差を縮めてくれましたが、これからはジャイアンツがタイガースを倒すことだと思いますよ。

投稿: 敗戦処理。 | 2008年9月26日 (金) 00時32分

宇宙狼様、コメントをありがとうございました。

> ジャイアンツ首位奪取、おめでとうございます(^_^)
凄すぎる。勢いが。

ありがとうございます。

25日、ついに連勝が止まりました。そして併走していたタイガースは勝ったのでジャイアンツは再び2位に後退しました。

よりによってグライシンガーで…というショックはありますが、考え方を変えれば、連勝はいずれとまるもの。明日一日頭を冷やせることを考えると、連勝が止まるタイミングとしては悪くないのではと思います。

そ・れ・よ・り・も、

> 我がファイターズは終盤までCS出場はわかりません..

五輪期間中の低迷は想定していました。2位~3位間をうろちょろする姿を予想していましたが、まさかこんな展開になるとは…。

札幌ドーム開催時のクライマックスシリーズのチケットを申し込んでいるのですが<苦笑>、どうなることやら…。

投稿: 敗戦処理。 | 2008年9月26日 (金) 00時25分

メークレジェンドへまっしぐらのジャイアンツですが、苦手広島四連戦で勝ち越せば、かなり明るい未来が見えるはず。阪神も東京ドームで萎えたはず。がんばれ、ベイスターズ。

話は逸れますが、巨人の「清水・清原・松井・江藤」というジグザグ打線に、「遠山・葛西・遠山・葛西」という面白い投手リレーを展開したあの監督にWBCを任せたいとも思います。

投稿: にしたく | 2008年9月22日 (月) 09時10分

ジャイアンツ首位奪取、おめでとうございます(^_^)
凄すぎる。勢いが。
我がファイターズは終盤までCS出場はわかりません..

投稿: 宇宙狼 | 2008年9月22日 (月) 08時24分

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