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2008年9月23日 (火)

鎌ヶ谷最終戦-中田翔、九番打者で出場

01 3月の開幕戦から半年。早いもので今日(23)、鎌ヶ谷は最終戦となってしまった。開幕をファームで迎えた話題の新人中田翔は、すぐに一軍に上がるだろうとの期待を裏切りついにここまで一軍からはお呼びがかからなかったが、最終戦、ついに打順は九番に下がった。

パ・リーグ開幕戦を観るために知人と北海道に飛んだ敗戦処理。は二日後、鎌ヶ谷にイースタン・リーグ開幕戦を観に行った。一軍もファームも開幕の相手はマリーンズ。そしてあれから半年。今日のファームの本拠地最終戦の相手もマリーンズ。

最終戦で「鎌スタふるさと祭り’08というイベントを行っており、15日の「鎌ヶ谷デー」に続き、またまた開場前から長蛇の列。観客が多くて賑やかで楽しいが、チケットを買うのに並び、入場するのに並びではたまらん。そして極めつけは仁陣で弁当を買うのにまた並ぶ<苦笑>。この日は11:30の開場予定を15分早めたほどだった。

 

実は敗戦処理。の最近の鎌ヶ谷観戦は7月の「鎌スタ☆祭」、今月15日の「鎌ヶ谷デー」、そして今日と三回続けてイベント開催日なのである。正直もう、お腹いっぱい…。来シーズンは出来るだけ普通の日に足を運ぶようにしよう。「鎌ヶ谷デー」同様に試合前にレフトスタンドに観客を入れはじめ、試合途中からライトスタンドにも入れた。観客数はまたも三千人を超え、年間45試合で六万人を超えたと中原信広さんが試合後に発表していた。

今日は敗戦処理。も開場よりかなり前に着いていたのだが、並ぶのがイヤなのでチケットだけ買って時間を潰していた。そして入場の列が途切れてから入ると、ひとつ重大なことを見落としていたことに気付いた。

サイン会参加選手が須永英輝と植村祐介なのだ!

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(写真:植村とともにサイン会に登場した須永)

須永は15日にもサイン会に出ていた。多くの選手がいる中でこのヘビーローテーション。植村はともかく、須永のサインは…

以下自粛。

このサイン会は、選手を当日発表するが50枚ある整理券は開場と同時にすぐに配布終了になるのが通例だ。敗戦処理。は今年一度だけ整理券をもらってふたりの選手からサインをもらったが、それはそのために早く並んだ訳ではなかった。入場したら整理券がまだ残っていてスタッフの人が眼で訴えていたところに目が合ったのだ。個人的には秘かに注目している両選手なのでラッキーと思ったが、ふたりとも開幕一軍入りを果たした期待の選手の割りには人気が今一なのか…。

当人の名誉のため選手名は秘す(ヒント:ふたりの背番号の合計はちょうど100!)。

さて、スタメンが発表になり場内がざわめいた。中田翔が「九番・三塁」でスタメン出場。中田は今月に入ってから手首の故障が回復してスタメンに復帰しているが、復帰戦で本塁打を放って以降、精彩を欠いているようだ。敗戦処理。もここに来て四試合を観ているが、中田らしい豪快な当たりにお目にかかっていない。

■今日の中田翔

第一打席 二ゴロ  対阿部

第二打席 中飛   対阿部

第三打席 三球三振 対相原

今でも中田の打席には他の選手とは比べものにならない大きな拍手、歓声が起こる。それは鎌ヶ谷のみならずビジターのジャイアンツ球場でも同様だ。

「中田らしい豪快な当たり」と書いたが、ファイターズに入ってからの「中田らしい豪快な当たり」とはそもそも何なのか。敗戦処理。的には6月の故障前の時期に見せた豪快な打球なのだが、人それぞれ、たまに出る豪快な一発を幸運にも直で観た人にとってはその時の打撃が「中田らしい豪快な当たり」ということになるのだろう。そういう一打を目撃した人の多くは、こう思う。

「凄い。この選手はファームに置いておく選手ではない!」

しかし、それが長続きしない。頻繁に起きないのである。

今日の打席でも、第三打席は一死満塁でファイターズファンにとってこの試合最大のハイライトであったが、右のサイドスロー、相原勝幸の前に赤子の手を捻るような感じで仕留められ三球三振。特に最後の空振りはボールの軌道とバットの軌道にかなりの開きがあった。

このイニング、サイドスローの相原の登場でファイターズは佐藤吉宏、三木肇と左の代打攻勢をかけていた。勝ちにこだわるのなら、中田の打席で大平成一を起用という選択肢もあったかもしれないが、中田翔という存在はファームにとってそういう選択の基準の外にいる存在なのだろう。今年のファイターズのファームはイースタンの最下位が決定していて、試合後の本拠地最終戦挨拶で水上善雄二軍監督が「すべて私の責任」と括っていたが、勝敗以外にも目的があったのだから、中田を一本立ちさせられなかったことをも含めて二軍監督の責任ということなのだろう。

23日・ファイターズスタジアム】

M 022 000 300 =7

F 000 010 100 =2

M)○阿部、古谷、相原、松本、中郷-金澤

F)●吉川、伊藤、豊島、金森、菊地-渡部

本塁打)青松8号2ラン(吉川・2回)、金子洋16号(相原・7回)

試合はハワイのウインター・リーグへの派遣が決まっている吉川光夫が先発したが、心ここにあらずなのか、二回表に青松敬鎔に豪快にツーランを浴び、三回表にも一死から代田建紀、角中勝也、竹原直隆に三連打を浴びてあっという間に2点を追加され、計4失点でこの回限りで降板した。昨シーズン途中から一軍の先発ローテーションの一角を担った若者の二年目のシーズンは大きく期待を裏切った形になったが、まだ高校を出て二年目の投手。ハワイでいろいろなものを身につけて欲しい。

二番手の伊藤剛はいつもより長い3イニングを投げ、9人目の金沢岳に安打を打たれるまでパーフェクトという好投を見せた。しかしこの間、ファイターズ打線がマリーンズ先発の中田と同学年の阿部和成に抑えられ、反撃不能。五回裏にようやく渡部龍一のタイムリー二塁打で1点を還したのみだった。

七回表、このところ登板が続いているこちらも高校卒ルーキーの豊島明好が三番手として登板。先頭の大谷龍次の二塁打がきっかけの一死二、三塁で角中にセンター前に運ばれて1対5とされるとすぐさま金森敬之に交代。しかしこの金森が竹原に四球を与えた一死満塁から新里賢に左中間に2点二塁打を放たれて1対7と一方的になった。

ファイターズはその裏、イースタン・リーグの本塁打王争いのトップを走る金子洋平がこの回から登板の三番手相原から16号ソロを放ち、前述の代打攻勢などで一死満塁と攻めたてたが中田が三球三振。続く村田和哉がサウスポーの松本幸大に抑えられて試合は決した。

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(写真:サイドスローの相原に全く手が出ず三球三振に終わった中田)

試合後には本拠地最終戦ということもあって選手、コーチ、監督がマウンドを中心に整列し、水上監督が挨拶した。

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(写真:監督、コーチ、選手、マスコットが整列。中央で頭を下げているのは水上監督。) 

水上監督は前述のように最下位低迷の責任を自分にあるとした上で、選手はよく健闘し、クライマックスシリーズ争いをしている一軍に参戦出来る選手が何人もいると述べていた。しかしファイターズがイースタンで最下位になるのは2006年以来二年ぶりだが、その時には橋本義隆、稲田直人ら一軍に戦力を送り込むなどファームの機能を果たしていたが、今シーズンは一、二軍の入れ替えが頻繁だった割りには本当に一軍に定着出来ているのは糸井嘉男くらい。首位打者を獲るであろう市川卓も、盗塁王を獲るであろう村田も、二年連続本塁打王を獲るであろう金子洋も一軍の戦力にはなれない。そして最大の注目だった中田に至ってはこの通り。残念ながら水上監督の言葉に説得力は弱かった。

 

その中田人気とイベントの増加で観客動員数は大幅に増えたのだろうが、顧客満足度は低かったのではないか。「ファイターズ鎌ヶ谷の会」が昨年9月に発行した「鎌スタFANS」に鎌ヶ谷を統括する首都圏事業グループの成田竜太郎グループ長のインタビューが掲載されていたが、同グループ長はファーム4つのミッションに「集客」、「地域貢献」、「育成」とともに「顧客満足アップ」を挙げているはずなのだが…。

敗戦処理。はたぶん27日にジャイアンツ球場でファイターズの公式戦最終戦を生観戦する。イースタン・リーグの優勝がかかる一戦になるかもしれないが、満足度の低いシーズンの最後に中田をはじめ、今年期待を裏切ったナインが何かをしでかしてくれないかと未練がましく期待してみたい。そしてその上でジャイアンツが二年連続リーグ優勝を果たしてくれればなおさらありがたいのだが。

今日はジャイアンツもスワローズも白星。ゲーム差無しの状態で21日にジャイアンツが勝ったのでジャイアンツが再び首位になったとばかり思っていたが、勝率でスワローズが若干上回っているのだ。ゲーム差ばかり見ていてはいけない。順位は勝率で決まるのだから<苦笑>

P.S.

今日のオマケ

水上二軍監督の挨拶、サインボール投げ入れなどの後に挨拶した鎌ヶ谷のスタッフ。

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マイクを持つのは前述の首都圏事業グループの成田グループ長。伊藤剛嗣氏の姿がないのがやはり淋しい。ところで「鎌ヶ谷の新垣結衣」ってどの娘?

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