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2008年9月13日 (土)

田沢純一は何処へ行く?

今秋のドラフト会議の目玉といわれている社会人野球・新日本石油ENEOSの投手、田沢純一が日本プロ野球を経ずに大リーグ入りをしたいと意思表示したことが物議を醸している。これまで日米球界間にはお互いのドラフト制度を尊重する紳士協定があり、互いに一方の有力アマ選手に手を出さないようにしていたが、田沢のような例が続出すると、日本のプロ野球界としてはたまらない。各方面から反対意見、対策の確立を求める声などが挙がり、11日には緊急の十二球団代表者会議が開かれ、16日には日米間でこの問題に関する協議が開かれるというが、果たして…

「日本のメジャーリーガー全部引き揚げさせる」

こう吠えたのはジャイアンツの滝鼻卓雄オーナーだ。しかし日本を代表すると言っても過言でない言論機関のトップの一人である同オーナーが、日本人大リーガーをMLBから引き揚げるなどということが現実的かどうか、わからないはずはない。暴言癖が球団会長に似てきたなと嗤うのは簡単だが、ちょっと考えてみた。

一昔、いや二昔前の安っぽい刑事ドラマ(や、刑事ドラマ仕立てのコント)では犯人捜しの段階で犯人が過剰なまでに自分の潔白を主張するのでテレビを見ていて誰が犯人だかわかりやすいものが、ままあったが、滝鼻オーナーの非現実的な叫びを聞いて、この人は何か裏があるのではないかと勘ぐってしまった。

「アメリカの方で挑戦してみたい気持ちが強い」

この田沢の言葉を、

「早稲田大学に進学します」

と置き換えたらどうだろうか?

決意の固さを信じた他球団はドラフトでの強行指名を断念し、田沢は大リーグの球団との交渉に入るのかと思ったら、日本のある球団が単独指名。

「『日本のプロから指名されたら絶対に行かない』とは言ってません」と記者会見で開き直る姿。

約四半世紀前にあっと驚いたドラフト会議の光景が甦ってくるようだ。あの時、ラジオでドラフト会議の生中継を聞いていた敗戦処理。は故・パンチョ伊東さんが読み上げたジャイアンツのドラフト一位指名選手の名に仰天した。

ちょうど十年前のドラフトの時期にも日本と大リーグを秤に掛けていた投手がいた。その投手は結局、当時の逆指名制度を利用して上記の例と同じチームに入団した。

ただ、早稲田大学に進学すると言っていた投手はどうか知らないが、大リーグと二股をかけていた投手は本気だったようで、今年めでたくFA権を取得。取得時点でシーズン序盤にもかかわらず大リーグに挑戦する意思があることを表明した。

逆指名制度、自由獲得枠、希望枠…

名称こそ変われど、その年のドラフトの目玉選手を前年順位やくじ運に影響されず獲得出来る制度がなくなって、ライバル球団を出し抜く戦力補強が困難になった球団が新たな奥の手を探す可能性は否定出来ない。

そんなときに社会人野球に大リーグのスカウトの目を引くほどの技量のドラフト候補がいたとしたら…。

「逆逆指名だな」

日本の球団からのドラフトでの指名を断る旨のFAXを送ったという話題に対し、滝鼻オーナーがこぼしたコメントに、かつていい思いをした制度の名前が出てくるのは偶然だろうか?

「それとも、FAXによる意思表示は無効だ!」とばかりに、二重契約騒動を巻き起こした球団が強行指名するのか?この球団にも今は故人となったが、ドラフトでの有望選手獲得にあの手この手を駆使する策士がいた。

考え過ぎかな<苦笑>

もう少しライトに考えると、今回の田沢のケースを例に出して、前述の逆指名制度などの制度を復活させる糸口にと考えている球団があるかもしれない。

報道によると、田沢が大リーグ球団と契約する場合にMLBのドラフト会議の対象にはならないそうで、希望する球団と交渉出来るのだという。ということは、現状、田沢が特定の球団を希望して入団交渉出来る可能性は日本にはなく、大リーグだけになる。「第二、第三の田沢を出さないためにドラフトでの希望枠の復活を」こんなことを言い出す球団が出てくるかもしれない。

さし当たっては16日に行われるという日米間協議の結果を待つしかないが、加藤良三コミッショナーの手腕が問われる場面が早くも登場した感じだ。

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コメント

宇宙狼様、コメントをありがとうございました。

> この人の場合、まだ日本のプロ野球球団には属していませんからね。真っさらの状態でありながら、なんで自分の行く道、望む道に難癖付けられなければならないのかと。

同感ですね。

元エントリーで書いたように、どこかの球団が陰で糸を引いていたり、MLBの球団がそそのかしたり…なんてことがあれば話は別ですが、基本的にはNPBの拘束の範囲の外にいるお方ですから、田沢本人に対してどうこうとは言えないはずなのだと思います。

それを踏まえた上で、如何にしてアマチュアの有望選手の眼を国内プロ野球に向けさせるかの方法を考えていかなければならないと思います。

もちろんそのくらいのことはわかっている上で、アメリカに横取りされないように「紳士協定」を結んでいるのだとは思いますけどね。

アマチュア選手のMLB挑戦の道を閉ざさず、なおかつMLBからの干渉をさせない制度が作れれば理想だとは思いますが、難しいでしょうね。

投稿: 敗戦処理。 | 2008年9月17日 (水) 00時19分

長緯様、コメントをありがとうございました。

> わっっ、その手がありましたか!
って感じで、そんな事を思いつくのは敗戦処理。さんならではの読みの深さと思います。

単に妄想力が強いだけだと思います<苦笑>。

しかし大数の法則、じゃなかった「風が吹けば桶屋が儲かる」の原則から考えていくと、裏で糸を引いている存在があるとしたらMLBの球団ではなくNPBのどこかではないかという気も…。

蛇足<?>ですが会見で田沢の気持ちを代弁していた、タレントの大東めぐみのダンナさんは元NPBの選手、コーチです…。

投稿: 敗戦処理。 | 2008年9月15日 (月) 10時04分

にしたく様、コメントをありがとうございました。


K投手って工藤公康のことですよね。隠す必要も無い様な気が<笑>。

本質的にはこの件は、宇宙狼さんが指摘されている通りだと思いますよ。

選手本人に強く要望されたら、それを何らかの規制を設けることで防ぐのは難しいと思います。

> 加藤コミッショナーにも尽力頂きたいですが、政界にもこういうことで動いて、国民の機嫌をとってほしいものです。

スポーツと政治の世界は切っても切れない関係だというのは認めざるを得ないと思いますが、政治に借りを作ると、倍になって還ってくるような気がするのでどうも…。

「せいぜい頑張って下さい」と言われるのがオチ?

投稿: 敗戦処理。 | 2008年9月15日 (月) 09時42分

おはようございます。
今回の件は、これに尽きると思います。

“職業選択の自由”

この人の場合、まだ日本のプロ野球球団には属していませんからね。真っさらの状態でありながら、なんで自分の行く道、望む道に難癖付けられなければならないのかと。大体、『将来の日本球界が・・』って言う人は、将来のプロ野球選手を目指す人全員が全員アメリカ大リーグに入る、入りたいという願望があると思っているんですかね?
そんな事はありえない筈だし、もし万が一そうであれば日本プロ野球に魅力がないからですよ。

俺自身はメジャーリーグにほとんど興味がないし、日本のプロ野球の方が大好きです。だけど、メジャーに行きたい選手は行かせてあげればいいと思うし、もしそんな事で駄目になる日本プロ野球だったら、無くなってもしょうがないかな、と思いますね。

投稿: 宇宙狼 | 2008年9月14日 (日) 10時41分

>大リーグの球団との交渉に入るのかと思ったら、日本のある球団が単独指名。

わっっ、その手がありましたか!
って感じで、そんな事を思いつくのは敗戦処理。さんならではの読みの深さと思います。

現状では田沢がメジャーに行くからと言って特にジャイアンツがどうなるものでもない気がしますしねえ。

ともあれ田沢の件は結果が出るまで静観するしかありません。

投稿: 長緯 | 2008年9月13日 (土) 22時21分

2000年、当時ホークスのエースだったK投手がFAで巨人に来た際、鷹党の祖父が「出ていきたい奴は出ていけばいいんだ!」と、相当腹かいておりました。
このことを含めて田沢個人で考えると、「日本から出ていきたいならどうぞ」と言いたいところですが、将来の日本野球を考えると、そんな簡単に物事を片付けたくないですね。
 
加藤コミッショナーにも尽力頂きたいですが、政界にもこういうことで動いて、国民の機嫌をとってほしいものです。

投稿: にしたく | 2008年9月13日 (土) 21時42分

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