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2008年11月17日 (月)

ジャイアンツとファイターズの2対2のトレードについて思うこと。

2 14日に発表されたジャイアンツ・二岡智宏、林昌範とファイターズ・MICHEAL、工藤隆人の2対2の交換トレードは両チームを応援している敗戦処理。にとっては複雑な心境だ。果たして両チームの思惑は…?

三塁手を固定出来ず、なおかつ右の強打者が欲しいファイターズにとって、ジャイアンツの二岡は喉から手が出るほど欲しい選手だろう。また岡島秀樹のFA移籍以降、左のリリーバーに人材を得ない点では林もうってつけの人材だ。過去二年、成績に翳りが見えたエースの金村曉をトレード要員とした政策に失敗したことを考えると、補強ポイントに合致した、なかなかな補強だと思う。

しかし…、

MICHEALを出してはいかんでしょう。

チームには、出してはならない根幹を成す選手というのが何人かいるものである。もちろんFA制があるゆえに、選手の方から出ていくことは避けられないが、チームの格になる選手はめったやたらに出してはならないものだと敗戦処理。は考える。ファイターズでいえば、ダルビッシュ有と稲葉篤紀はもちろんのこと、森本稀哲、田中賢介、武田久、MICHEAL

 

北海道に移転してから五年間で優勝2回を含むAクラス4回という安定した成績を残すチームになったが、その幹になっているのが今挙げた6選手なのだから。

一説にはMICHEALのバックには団野村がついており、クローザーとしての成績をタテに強気の契約交渉をされることを避け、高く売れるうちに売り抜けたいという発想がチーム内にあると言うが、二岡の方が今季の推定年俸は高い。FA権を取得した二岡に将来的に権利を行使されても、国内移籍であれば補償金がもらえるという発想かもしれないが、そういう発想は経営戦略上は誤りでないとしてもチーム編成上は誤りの元になる。チームに魅力が無くなればファンが去っていくと言うことを忘れてのそろばん勘定なら、いつかしっぺ返しを受けることを覚悟しておくべきだろう。

それでも百歩譲ってMICHEALを出すことを是とするならば、MICHEALの実績から考えて二岡と林で満足をするのでなく、これまた手薄な右の外野手の補充で矢野謙次をつけてもらうくらいのことをして欲しい。

ジャイアンツはどうだろうか?

クローザーのマーク・クルーンが時折ストライクが全然入らなくなったりするので不安だからMICHEALを補強するというのなら、それは違うだろうという気がする。

そもそも、クルーンに信頼を置けないジャイアンツファンを、MICHEALで満足させることは出来ないだろう。MICHEALも代わりっぱな先頭打者に四球を出したりするのはざらだ。それでも終わってみたら勝っているというのがMICHEALなのだが、気の短い、いや完璧主義者のジャイアンツファンを納得させられるだろうか。

余談だが敗戦処理。は勝ち試合の最後を締めくくるクローザーというのは、その存在意義ゆえに特別な存在として考えなければならないと感じており、クローザーに限っては、例えば3点リードしていれば2点までは取られても良い、とにかくチームを勝たせさえすれば良いという考えを持っている。毎日毎日、チームにとって最もプレッシャーのかかる場面のために準備をし、抑えることを求められる特別の存在ゆえに結果がすべてに優先し、細かいことにゴチャゴチャ難癖をつけるべきではないと考える。

ジャイアンツがMICHEALに求めていることはクルーンを補うという面もあるかもしれないが、来季開幕前に38歳になる豊田清の衰えを前提に入れてその後任と目論んでいるのではないか。

豊田は、選手のプライドをあまり考えない原辰徳監督が、かなりプライドに気を遣った一人と言えよう。日本シリーズを別にすればビハインドでの器用は無かったし、かつてライオンズを、いやパ・リーグを代表するクローザーだった男に対するリスペクトを心得た起用法だったと思うが、さすがに連投すると球威が落ちるなど衰えが顕在化してきた面があるのも確かだ。越智大祐、山口鉄也の台頭はあるものの、豊田のポジションを担えるかはまだ疑問だ。

ただそれを考えると、山口が一本立ちしたから林がトレード要員というのは安直な感じだし、坂本勇人が一本立ちしたから二岡もトレード要員というのもあまりにも安直だと思える。

ジャイアンツの中継ぎ陣では今シーズン、西村健太朗が疲労の蓄積から一度リタイヤした。前述の越智や山口が西村健の二の舞、三の舞にならない保証はない。

そもそもジャイアンツは上原浩治がメジャー移籍を求めてFA権を行使するのは見え見えだった訳で、先発ローテーション投手こそが必要なのではと思える。ファイターズなら八木智哉あたりで二岡とのトレードが成立すればと敗戦処理。は考えていた。そうでなければ越智、山口、さらには東野峻の成長を見越して本格派の西村健を先発ローテーションに回すというのもひとつの手であろう。そうなるとMICHEALに白羽の矢というのも説得力が出てくる。

つまり実績のあるクローザーなりセットアッパーがどうしても必要だから、二岡という生え抜きの看板を出してまで獲りに行くのだと。

ところでもう一人、忘れてはならないのが工藤隆人。

2005年の入団以来、鎌ヶ谷で元気に打ち、走る姿を観ていて非常に親近感のある選手だ。社会人野球ではJR東日本の所属で、先輩に当たるタイガースの赤星憲広のような選手になりたいと、同じ53番をもらってがんばってきた。2007年の交流戦の時期に一軍入りし、積極的な打撃ですぐに売り出した。同年には優勝決定翌日の、レギュラー選手達がお休みの試合とはいえ、四番に座ったこともあるがもちろん走者を還す役目のキャラではなく、チャンスメーカー。ジャイアンツでは鈴木尚広より隠善智也とキャラがかぶる感じだ。目指すところはもちろん鈴木尚なのだろうが…。清水隆行が抜けるが左の外野陣はまだまだ強敵揃い。

もちろん、ファイターズにおいても工藤は紺田敏正、糸井嘉男、坪井智哉とバッティングするし、同タイプの村田和哉もファームで実績を積んできた。チーム内の競争の中で工藤があぶれたのではなく、ジャイアンツが他の選手では納得しなかったのだと考えたい。

2006年の日本一とアジアチャンピオンを決めた時も、そして2007年にリーグ優勝を決めた時と、日本シリーズ進出を決めた時も最後のマウンドにいたのはMICHEALだった。そのMICHEALがいなくなるファイターズというのは、特に北海道に行ってからファイターズを応援するようになったファンにとって想像出来ないほどの変わりようかもしれない。梨田昌孝監督の就任以来、アンビリーバブルなことが続いているファイターズだが、これからも何が起こるやら。

なんて考えていたら、ドラゴンズの中村紀洋が移籍を視野に入れたFA宣言をするという。

2006年オフのバファローズとの契約更改でもめにもめ、喧嘩別れのような形で自由契約を勝ち取ったものの、なかなか獲得に乗り出す球団が現れず、ドラゴンズが育成選手として契約を結んだという経緯を考えたら、まさかFA宣言をするとは思わなかった。

その中村が梨田監督をしたっていることもあって貧打解消のためにファイターズが獲得に名乗り出ると言う見方があったようだが昨日(16)の各スポーツ紙によるとファイターズは乗り気でないようだ。「二岡選手に失礼」だからだとか。一塁に中村、三塁に二岡を入れれば、中田翔の一本立ちまでの間を埋めることが出来そうなものだが、このチームはそう考えないらしい。

何はともあれ、移籍が決まった四選手には新天地で大暴れしてもらいたい。また、二岡もトレードという形でケジメがついた<>ことだし、そろそろ山本モナにも報道番組のキャスターとして復活してほしいところだ。

それにしてもジャイアンツにはファイターズ出身が多い。

實松一成古城茂幸木村拓也小笠原道大に今回のMICHEALと工藤。さらにファイターズから戦力外通告を受けた歌藤達夫の獲得も決まったから総勢7人。一大勢力ですね。

 

そして一方のファイターズも、このトレードによって用稲千春、亀井京子と二人の元アナウンサー、キャスターを獲得したことも特筆されよう。金子誠夫人で元ニュースステーションキャスターの白木清かを含めた三人で営業に回れば、ファイターズが目指す地域密着が新しい展開を見せる?

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コメント

にしたく様、コメントをありがとうございました。

> 「プロ野球スピリッツ5」では、5点満点で
二岡5.0
林 3.5
中村4.5
工藤3.5
と評価されています。

ほぅ、そんな指標があるのですか。

やっぱり二岡は潜在能力が高い選手なのですね。

最近では仁志や谷が移籍により甦った感じがしますが、「チームを移る」という劇的な変化があったからこその復活ではないかと思います。それは単に監督とソリが合わないとかではなく、もちろん本人の努力もあるのでしょうが、劇的な環境変化があってこその為せる技ではないかと。おそsらくもう一年、元のチームに残っていても移籍先での成績に近いものを残せなかったでしょう。

今回の四選手ではジャイアンツから移る二人は、どちらかというと今季の成績が振るわず、悪い言葉で言うと「放出される」選手で、ファイターズの二人は成績には特に問題があるとは思えません。

二岡に仁志や谷のような復活を期待したいですね。

投稿: 敗戦処理。 | 2008年11月21日 (金) 23時50分

「プロ野球スピリッツ5」では、5点満点で
二岡5.0
林 3.5
中村4.5
工藤3.5
と評価されています。
機械的に見れば、どっちが損するわけでもないトレードかなと思いました。
 
クルーン投手が「来季限り」ということを示唆し始めました。豊田&藤田投手も、そろそr...でしょう。
M・中村投手に懸かる期待は大きいわけですが、最近、巨人にはパーフェクトリリーファーはほぼおりません。
槇原・桑田・岡島・・・強いて挙げれば上原投手ぐらいでしょう。
若いピッチャーが伸びてくるまで・・・M・中村さん、よろしくお願いします。

投稿: にしたく | 2008年11月17日 (月) 19時31分

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