あの賢介が1億円プレーヤーに…。
ショートを守ったり、二塁を守ったり。バッティングセンスが凄いのは素人目にもわかったが、守備がお粗末なのも素人目にも明らか。賢介はそんな選手だった。送球を焦ってお手玉したり、併殺を焦って二塁ベース上で送球を取り損なったり…、当時三塁を守っていた森本もそうだったが、とにかくヘタだった。
打撃が非凡だからちょくちょく一軍から声がかかるが、長続きしない。田口壮、福留孝介の前例があるだけにいっそのこと外野に転向した方が打撃も活かせて本人のためになるのではと敗戦処理。が考えていた時期もあった。実際、木元邦之の方が二塁手としての評価が上だった時期があったはずだし、2005年には一時期外野の守備に付いたこともあった。
本人は「練習の積み重ね」が上達の原因だと語っているが、途中から突然上手くなる選手はあまりいない。森本のように外野転向が吉と出る選手もいるが、田中の場合は例外に分類されるかもしれない。
2006年、木元邦之の故障、ホセ・マシーアスの日本野球不適合で回ってきたチャンスで田中は結果を出した。たまたま入った打順は二番。持ち味の打撃センスよりも、臨機応変なチームバッティングが求められるポジションで田中は結果を出し続けた。
2007年には全試合出場。2008年も全試合出場だが、1イニングたりとも休まないフルイニング出場を記録した。連続記録を更新している金本知憲ら、一握りの選手しかできない全試合フルイニング出場。今シーズンのパ・リーグでは賢介ただ一人だった。特に今シーズンは他の選手との兼ね合いで打順が二番、三番、一番ところころ変わりながら三割近い打率を残したのは評価出来よう。
「練習は嘘をつかない」-誰が言ったか知らないが、賢介にしろ、稀哲にしろ、多少時間がかかってもきちんとしたものを身につけたからこそ、1億円の大台に達する活躍が出来たのだろう。
賢介の活躍は、今鎌ヶ谷でもがき苦しんでいる若手にも刺激になるだろう。その意味であの頃の賢介や稀哲に比べれば、今シーズンの中田翔の三塁守備なんて可愛いものだ。ただ時折指摘される野球に対する取り組み方が不満なだけだ。
賢介、おめでとう。WBCの候補の中には選ばれなかったようだがその分シーズンに集中して来シーズンも大活躍して欲しい。こういう手順を踏んだサクセスストーリーが生まれるから、敗戦処理。はこのチームが好きだし、わざわざ鎌ヶ谷まで足を向けるのだ。来シーズンも頼むよ。
P.S.
ちなみに冒頭の画像は賢介がまだ売り出し中だった2001年、一軍入りをかけていたオープン戦で本塁打を放ったシーン。オープン戦ながら一軍で初めて放った本塁打のその瞬間だ。よく似ているが片岡篤史ではない<笑>。敗戦処理。お気に入りのショットのひとつ。この時まだ19歳だったがシャープなスイングに度肝を抜かれたのを今も記憶している。その勢いで開幕一軍入りを果たし、途中出場した開幕戦で旧バファローズのクローザー大塚晶文からライトスタンドに特大の本塁打を放った時には一気に大化けするかと期待したが…。
遠回りしたけど、それもまた無駄ではなかったのだろう。
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