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2008年12月14日 (日)

日本一ライオンズののびのび野球、寛容力を手放しで賞賛して良いものだろうか?

Photo_5 渡辺久信監督が率いるライオンズが日本一に輝いたことで、渡辺監督の手法、選手がミスをしても責めたりして萎縮させずに、のびのびとやらせて良い結果を出させる指導法が注目を集めている。渡辺監督による「寛容力~怒らないから選手は伸びる~」(講談社刊)なんて本まで出ちゃった。

たしかに今年のライオンズは強かった。その強さには素直に脱帽するしかない。

でも、でもですよ。自由にのびのびと、あまり管理しない野球が必ずしも長続きするとは限りませんよ。今から十年前にも似たようなチームが日本一になったじゃないですか?

(写真:大久保博元コーチの処遇について聞かれ、表情をこわばらせる渡辺久信監督。 ウソです。アジアシリーズの優勝監督インタビューです。)

 

 

 

 

 

今からちょうど十年前。1998年の日本一は38年ぶりにリーグ優勝したベイスターズでしたね。権藤博監督が放任主義というか、管理しない人で。

何しろ優勝した年のオフに、あっちこっちから講演会やら引っ張りだこなのですが、野村克也監督みたいに人の道やら管理職とは何ぞやなんてことを喋らない。

「私の仕事は最終回が来たら審判のところに行って『ピッチャー佐々木』と言うだけです」

なんて平気で講演会で言ってしまうものだから講演会の主催は皆がっかりだったそうだ。野村監督からも営業妨害だと非難されたとか。

そのベイスターズは38年ぶりの優勝、日本一に舞い上がることなく、次の年もその次の年も一応Aクラスに入って「一発屋」ではないことを証明したのだけれど、あまりの放置プ、じゃなかった放任主義ぶりに当時の選手会長だった石井琢朗がナインを代表して監督に「もっと選手を管理して下さい」と直訴したくらいでしたから。

で、権藤監督の契約期間が終わったら球団は更新せずに管理野球の権化のような森祇晶さんを監督に持ってきた。この時森監督が懐刀として連れてきたのが、今年若き渡辺ライオンズのお目付役として招かれてチーム内で浮いちゃって一年で辞めることになった黒江透修さんだったのですね。全然管理しない人からがんじがらめにする人に、それこそ180°近い変革だったわけで、一年目こそ前任者の時代の余力もあってAクラスをキープしたけれど翌年最下位に落ちて森招聘も二年でおしまい。

 

経営者がマルハからTBSに変わったのもこの時期でそれから生え抜きのプリンス山下大輔を監督に据えても二年連続最下位、その後の牛島和彦、大矢明彦と森監督から四人続けて最下位に落ちています。38年ぶりの日本一」の翌年から今シーズンまでの十年間で五回の最下位と完全に混迷の時代になっています。

ライオンズもそうなるとは言いませんが、一年だけの結果で、それがすべてだ。新しい理想の監督像だ、みたいな論調のマスコミを果たして真に受けて良いものか、これは報じる側の問題と言うより、受ける側の意識でもあると思いますがね。

ちなみに話が飛びますが、今シーズン、ライオンズに次ぐパ・リーグ2位に輝いたバファローズでは5月にテリー・コリンズ監督が突然辞任をしてしまい、その後を継いだ大石大二郎監督がチームを躍進に導いたというのが一般的な評価になっている様ですが、その原動力となった若い先発投手の一本立ちはコリンズ前監督が種をまいた結果ですからね。通算7勝の金子千尋を開幕投手に抜擢したのも、通算1勝の近藤一樹を先発ローテーションに入れたのも、小松聖を中継ぎから先発に配置転換したのもコリンズ前監督のお仕事でした。一から十まで大石監督の功績と断定するのは危険ですね。

ジャイアンツの原辰徳監督もそう。前にも書きましたけれど「13ゲーム差を引っ繰り返した劇的な優勝」であることは紛れもない事実ですが、シーズン半ばにして首位から13ゲームも離されるから、そうならざるを得ない訳で、名将と讃えるには但し書きが要りますよね。

そのジャイアンツに引っ繰り返されたタイガースの岡田彰布監督は引責辞任のようになってしまいましたが、今シーズンのタイガースの8259敗3分け、勝率.582という数字はもっともっと評価されて然るべき数字だと思います。

最近十年間の両リーグのレギュラーシーズン2位のチームで今シーズンのタイガースの貯金23を上回ったチームは3例しかありません。しかもそのうちの1つは2006年の岡田監督率いるタイガース。JFKに過度に頼りすぎる起用法とか、岡田監督の野球に疑問を持つファンが多いのはわかります。そうした面での批判なら理解出来ますが、残した成績が実は凄いということにもっと多くの人が気付いて欲しいです。

ただ、タイガースの場合、そのJFKのジェフ・ウィリアムスと久保田智之は今シーズン故障に泣かされました。あれだけ見境なくマウンドに上がっていたらその反動は来るでしょうね。岡田監督の退任を逆に「勇退」と持ち上げすぎると「一将功成って万骨枯る」なんて一、二年後に非難されそうですし…。

今年強かったチームが来年も強いとは限らない。逆に今年低迷したチームが来年もそのままとも限らない。昨年5位に低迷したライオンズが優勝したように来年はホークスが見違える強さを示すかもしれません。年末になり、スポーツメディアがこの一年を振り返って云々というのをいろいろとやっていますが、明らかに結果論で書いているものも結構あります。ライオンズファンの方にいつまでも余韻に浸っているなと言いたいのではありません。優勝した年の暮れくらい余韻に浸りましょう。ただ他の球団のファンまで感化される必要はないのです。

 

自分の目で観、耳で聞き、頭で考えましょう。

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コメント

ギガンテック様、コメントをありがとうございました。

> 最近十年間では特異な数字かもしれないですけど、この先十年間の中では珍しくないものとなるような気がします。
たった6チームしかないのにこれだけ差がつくっていうのは、明らかにリーグ運営が下手だという事だと思いますが。

敗戦処理。は「タイガースはたまたまジャイアンツの『メークレジェンド』があったから不名誉な優勝の逃し方をしたように思われがちだが、今シーズンのタイガースの貯金23と言う数字は胸を張って良い成績だ」という趣旨で書いたのですが、ギガンテックさんは2位のチームですら貯金が23もあるのは強弱がはっきりしていて今後ますますその傾向に拍車がかかることを懸念しているのですね。

うーん、

エントリーでも触れましたが、タイガースの象徴とも言えるJFKの三人のうち、今季は二人故障者が出ました。これは「勝利の方程式」の見直しの必要性を意味しており、併せて金本、下柳、矢野に代表される主力選手の高齢化と代替選手の不在を考えると、2009年もここ数年のタイガースの野球が出来るか、今は微妙だと思います。

ドラゴンズもエースと、クリーンアップが二人抜けますし、タイガースに負けず劣らず若手の伸び悩みが気になるところで曲がり角だと思います。

優勝したジャイアンツも、今年酷使された投手陣が来季も万全とは限りません。そうなると采配に疑問符のある指揮官ですから、毎年「メークレジェンド」とはいかないでしょう。

2009年は格差が広がるか、混戦の度合いを深めるか、結構微妙だと思います。

どうでしょうか?

ありがとうございました。

またいつでも、敗戦処理。blogに遊びにいらして下さい。

投稿: 敗戦処理。 | 2008年12月16日 (火) 01時39分

>最近十年間の両リーグのレギュラーシーズン2位のチームで今シーズンのタイガースの貯金23を上回ったチームは3例しかありません。

最近十年間では特異な数字かもしれないですけど、この先十年間の中では珍しくないものとなるような気がします。
たった6チームしかないのにこれだけ差がつくっていうのは、明らかにリーグ運営が下手だという事だと思いますが。
放送業界もかなりの不況ということだから、弱小3チームのうち、広島以外も更に沈んでいくだろう事を勘案すれば、ビッグ3との差はますますつくのでは?

投稿: ギガンテック | 2008年12月14日 (日) 21時48分

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