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2009年1月 3日 (土)

ONのいないプロ野球

On01 昨シーズン限りでホークスの王貞治監督がユニフォームを脱いだことで「長嶋さんに次いで、ついに王さんもユニフォームを脱ぐ日がやってきた。日本のプロ野球を約半世紀にわたって引っ張ってきたONがそろってグラウンドを離れる。ひとつの時代が終わった…」なんて声をこのオフに何度か聞きました。約半世紀にわたり日本のプロ野球界を引っ張ってきたと言っても過言でないONがいなくなることで、2009年のプロ野球界には新しい時代のスタートの年になって欲しいですね。

 

 

 

王が1988年にジャイアンツの監督を退任した時にもONがそろってユニフォームを脱いでいた時期もあったが、1993年に長嶋茂雄がジャイアンツの監督に再び就任し、王も1995年にホークスの監督に就任。昨シーズンまでユニフォームを着ていた。

たしかに敗戦処理。より上の世代の野球ファンにはONがともにグラウンドにいない事態というのは衝撃かもしれない。

いつまでもあると思うなOとN

NもOもいないということに衝撃を受ける世代の人達がプロ野球人気を実は支えているという見方がある。それはいわゆる、ジャイアンツ戦のテレビ視聴率を野球人気のバロメーターにする場合、年々そのデータは下がっているようだが、離れずに残っている視聴者層は4050歳代だという。(それより若い層は同じジャイアンツ戦の中継をテレビ観戦するにしても、地上波と同時に放送され、しかも最後まで放送するCSを選ぶだろうから。)

今球界は、各球団は様々な形でファンサービスを模索して、若い世代の野球ファンをつなぎ止めようと、また新たに開拓しようと躍起になっていることだろうが、ONの一打に自分の青春を投影した人、それこそ「巨人、大鵬、卵焼き」の世代達を手放さない注意を怠らないで欲しい。もちろんこれはジャイアンツやホークスといった特定の球団の問題ではない。ジャイアンツは今年が球団創立75周年に当たるから、歴史と伝統の重みを踏まえた周年行事などを展開し、オールドファンを楽しませてくれるのではないかと期待している。

一方で球界としてはいつまでもONに頼ってはいられないということで、新しい基軸を打ち立てていかなければならない一面もある。

初めてオールプロで臨むアテネ五輪の代表監督をミスタージャイアンツ長嶋茂雄に委託し、第一回WBCの監督を世界の王貞治に委託したのは、まだ日本のプロ野球界に確固とした国際大会へのベクトルが定まっていない状況においては誰もが一目を置かざるを得ない存在をトップに据えるというのは有効だったと思う。その意味では北京五輪ではアテネ五輪と第一回WBCを参考にして、如何にすれば勝てるかという基準で監督を選ぶべきだったが今となっては後の祭り。ただその敗戦監督の星野仙一が「火中の栗」と評した第二回WBCの監督が原辰徳に決まったことに関してはいろいろな意見があるだろうが、星野監督と原監督は年齢差ではちょうど一回り。確実に球界が若返りしているという点に限れば(まだ結果の出ていない現時点では)良いことだと思う。

せっかくだから、もう長嶋や王がチームを率いる訳では無いのだから、チーム名の前に監督の名前を冠するのはやめようではないか。「サムライジャパン」というネーミングに賛否両論なのはわかるが、少なくとも「原JAPAN」とか「タツノリJAPAN」と呼ぶのはやめよう。もちろん原監督を認めないという意味ではない。監督の名声に頼ろうという発想を古い考えだとあらためる第一歩にしたいのだ。

良きにつけ、悪きにつけONを象徴とするジャイアンツの人気を中心に栄えてきた日本のプロ野球。ON引退との直接の相関関係は無いが、今、日本のプロ野球はONの現役時代には考えられなかった敵を意識せざるを得ない状況に追い込まれている。サッカーJリーグや日本代表の国際試合という興行上の競合とアメリカ大リーグである。

ONを象徴とするジャイアンツの人気で野球界が引っ張られた時代にはプロサッカーリーグはなかったが、アメリカ大リーグはもちろん存在した。何年かに一度、秋に来日するアメリカ大リーグは日本の野球にとって目標ではあっても、脅かされる存在ではなかった。それが日本のプロ野球がレベルアップし、選手の権利意識が高まった結果、日本のプロ野球選手がアメリカ大リーグに挑むという段階になってきた。

また、サッカーのJリーグの創設は直接的にはスポーツ興行賭しての競合として脅威となったが、そもそもJリーグというプロサッカーリーグ創立の一つの目的にワールドカップに出場出来る陣容を整えると言う目的もあったため、サッカーに飛びついたファンの耳目もJリーグのリーグ戦からワールドカップをはじめとする国際大会に移っていった。そうすると、国内完結型の日本プロ野球は比較の上で苦しくなる。

Jリーグ誕生の年、プロ野球ではジャイアンツに長嶋茂雄が復帰した。そしてその年のオフにFA制と逆指名ドラフトが導入された。ジャイアンツはそれで有利になる、力のある新人や、ジャイアンツのユニフォームに憧れる有力選手がジャイアンツにFAで入ってくる、はずだった。

当初は目論見通りにいったが、FAはやがて、大リーグへの移籍のための手段と化してしまった。ジャイアンツ一極集中主義時代からの赤字体質に悩む球団の中にはポスティングシステムで大リーグ偽乳を手放す球団もあり、有力選手の流出に拍車がかかった。

ONはドラフト制度の無い時代にジャイアンツが懸命のスカウト力で、ともに他球団に決まりかけていたのを手に入れたのであり、そのONを中心にチーム力を強化していき、9年連続日本一などというとてつもない金字塔を達成してしまった。しかしその間、他球団はドラフト制度の恩恵を受けて戦力を徐々に整え、ジャイアンツのV9終了後、それまで一度も優勝出来なかったカープやスワローズがリーグの頂点に立つようになってきた。「夢よもう一度」江川問題のような世間を敵に回す裏技を使わずしても、良い選手を集められるよう、選手会の希望にも乗じてFAや逆指名を導入した。

しかし皮肉にもそのFA制が有力選手の大リーグ行きに拍車をかけた。ジャイアンツにとってもON以来のスーパースター松井秀喜の流出を止めることが出来なかった。

もはや、ジャイアンツ(に限らず特定の人気球団)に頼って野球界が反映するという時代は来ないだろう。五輪から野球が除外されたが、WBCでは勝たねばなるまい。そしてこれからも続くであろう、有力選手の大リーグ行きに耐えうる、新たなスター選手の育成を継続していかねばならない。そのうえでペナントレースを盛り上げていかねばならない。

「野球のおもしろさ」-この原点に返って各球団、プロ野球界はファンを引きつけるには何をすればよいか考えて欲しい。

何故なら「野球はおもしろい」からだ。

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コメント

にしたく様、コメントをありがとうございました。

> 「ON」の現役を知らない世代としては、「MKT(松井・清原・高橋)」と月刊ジャイアンツ誌上に躍っていたことや、地元スポーツ新聞に「MMK(松田・松中・小久保)」などと書かれていたアルファベットのほうが親近感もあるわけです。

これからは単なるイニシャルの並べ合わせではなく「JFK」の様にその言葉自体に元の意味のある言葉でないと、定着しないかもしれませんね。

> 数日前のスポーツ新聞に、「プロ野球新世代のON」として、巨人・大田(18)とファイターズ・中田(19)が取り上げられていました。
私(19)としては、彼らを、将来のプロ野球界を背負っていく世代の筆頭として期待しているわけです。
が、わざわざ「ON」という縛りで考える必要はないのかなとも感じました。

たしかに二人とも将来性有望な長距離砲だと思いますが、チームも違いますし、この二人のイニシャルを並べて一括りにするのは

NOですね。

お後がよろしいようで<笑>。

投稿: 敗戦処理。 | 2009年1月12日 (月) 00時22分

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
今年も勝手にいろいろ書き込ませて頂きます。
はんざt...いやいや。頻繁に、私のブログにもお越し頂けるとありがたいです。
 
 
数日前のスポーツ新聞に、「プロ野球新世代のON」として、巨人・大田(18)とファイターズ・中田(19)が取り上げられていました。
私(19)としては、彼らを、将来のプロ野球界を背負っていく世代の筆頭として期待しているわけです。
が、わざわざ「ON」という縛りで考える必要はないのかなとも感じました。
「ON」の現役を知らない世代としては、「MKT(松井・清原・高橋)」と月刊ジャイアンツ誌上に躍っていたことや、地元スポーツ新聞に「MMK(松田・松中・小久保)」などと書かれていたアルファベットのほうが親近感もあるわけです。
 
何はともあれ、プロ野球に興味がない人が、ヒイキの球団を作り、一人でも多くの人が、野球界を盛り上げていってくれることを、今年も期待しています。

投稿: にしたく | 2009年1月10日 (土) 21時32分

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