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2009年1月31日 (土)

ついに現役日本人力士が逮捕-で激震の日本相撲協会を野球界は他山の石とすべし

30日、大相撲の十両力士、若麒麟真一が大麻取締法違反の容疑で逮捕された。角界では昨年8月にやはり現役力士だった若ノ鵬寿則が大麻取締法違反の容疑で逮捕され、同9月に日本相撲協会が行った尿検査で陽性反応が出た白露山佑太、露鵬幸生の両力士が解雇される事件が発生したばかりだった。この三人はいずれも外国人力士で、今回の若麒麟には「ついに日本人力士が…!」という意味でも衝撃は大きく、再発防止検討委員会の設置や理事長交代による協会体制立て直しで襟を正そうとしていた相撲協会幹部への厳しい批判が寄せられるのは必至だ。

 

 

若麒麟にはこの時の検査でもグレーゾーンにいたという報道が当時成されており、八百長裁判で旗色が悪い<>週刊現代(講談社)が朝青龍明徳も顔負けのガッツポーズをしている姿が目に浮かぶが、昨年ドーピング問題で二選手が解雇されたり、球団の選手会納会で未成年の選手に飲酒を強要していた事実が明らかになったばかりの野球界も他山の石とすべしニュースだろう。

日本の大相撲では、いまだに外国人力士という存在がある意味異端であり、東西の横綱をモンゴル勢が独占する時代であっても、その一方の朝青龍の品格問題が常に取り沙汰されるなど、単なる競技という以外の日本の伝統文化としての様式美などで求められる点を一部の外国人力士が理解して実践出来ていないという問題を抱えている。その意味で若ノ鵬の件や昨年九月の抜き打ちの尿検査で大麻汚染が発覚しても、それが外国人力士によるものだけだったということは(それらにより当時の北の湖敏満理事長が辞任を余儀なくされてトップが交代したといっても)日本相撲協会にとっては本当の意味での深刻な危機ではなかったのかもしれない。それが今回はついに日本人の現役力士が逮捕された。しかも上述のごとく二力士の解雇に至った昨年9月の検査で極めてグレーゾーンに位置し、角界批判の急先鋒である週刊現代誌上で名指しで疑いをかけられていた力士だっただけに協会幹部や当該力士の師匠らに対して極めて厳しい批判の眼が向けられることは避けて通れない。

 

 

もちろん罪の大きさという意味では時津風部屋での力士リンチ事件の方が人の生命を失っているという点で大きいのだが、組織としての根幹を揺るがすという意味において今回の逮捕という事実も大きな問題である。

翻って日本のプロ野球では昨年ジャイアンツのルイス・ゴンザレスとスワローズのダニエル・リオスにドーピング検査で陽性反応が出たためにともに出場停止処分がくだり、球団は解雇という処分を下した。大麻とドーピングを同じ基準では裁けないにしても、こちらも外国人選手だけ。球界関係者の中には摘発されたのが外国人選手だけだったことで安堵したものもいたのではないか。

また、つい最近も昨年行われたホークス球団の選手会納会で未成年の選手が先輩選手に飲酒を強要された結果、病院送りになる事件が起きていたことが週刊文春1月22日号(文藝春秋刊)のスクープで発覚した。

もちろん未成年の選手に酒を飲ませる時点で問題なのだが、病院に送るほどの状態になるまで誰も止めなかった、あるいは気付かないほどの状況だったのかという疑問もある。一年間の納会という性質上、また選手と裏方さんらのみの参加で監督、コーチや球団首脳が不在の宴席で羽目を外しやすい状況下にあったにせよ、限度という点でも疑問が残る。さらにいえば発覚してからの取材でも球団フロント関係者が一様に「知らなかった」と語っているのも疑問。もしも本当に球団フロント関係者が誰もこの事態を把握していなかったのだとしたら、今時珍しい情報セキュリティーの守られている集団だとホークス選手会を誉めてやりたいくらいだ<苦笑>

いずれにせよ、行為(未成年への飲酒強要)自体が問題であるという前提を決してないがしろにしない上で、このような不祥事がマスコミの報道によって初めて白日の下に晒され、そこから初めてしおらしく謝罪をするというのは昨今の不祥事の企業と同様、リスクマネージメントが欠如しているという点でも球界はホークスに対して問題視しなければならない大問題なはずである。

ホークスの選手会納会での出来事は、報道によると未成年選手が先輩選手達にお酌をして回り、その返杯という形で次々と先輩選手から飲まされた結果だという。春先に大学生の新歓コンパで未成年の下級生が酔っぱらってダウンして病院に送られる事件が勃発するケースに欲にいる感じがし、未成年選手の側に立ってみれば、先輩選手から強要されると断れないという面があり、上下関係の厳しさが歪んだ形で発生した結果の悲劇と言えよう。

この事件は事態の規模の大小という点で次元が異なるが大相撲での時津風部屋でのリンチ事件と根は一緒だと敗戦処理。は感じている。立場が上の者が暴走した場合に下の者がそれを止めることが容易でないことの弊害が顕在化したという点で。角界の大麻問題と野球界のドーピングも同様だ。さらには長年疑惑がかかっている大相撲の八百長問題とプロ野球の契約金裏金疑惑もやはりオーバーラップして感じてしまう。そして一連の角界の疑惑を精力的に追求しているライターの武田賴政は当blog200612月9日付 週刊ベースボール、Cultural Review では紹介されない衝撃の告発本「Gファイル 長嶋茂雄と黒衣の参謀」 でも紹介した「Gファイル 長嶋茂雄と黒衣の参謀」(文藝春秋刊)の著者でもある。同書はこれまであまり触れられることの無かったジャイアンツの第二次長嶋茂雄政権下の内部事情を生々しく描写している大作だ。

日本のプロ野球も、その国民的人気と規模から、時に「日本の国技」的に国民的人気スポーツと言われる。比較的後発と思われる日本サッカーを別にすれば、プロ野球と大相撲は長く日本国民に認知された国民的娯楽スポーツの文字通り「両横綱」と言えよう。その一方の大相撲が未曾有の不祥事続きで揺れている今、プロ野球界も対岸の火事と傍観せず、他山の石とすべきであるのは言うまでもないが、敗戦処理。の指摘のように規模の大小を別にすれば根に共通のある問題を内包していると思われる。プロ野球界に二の轍を踏んで欲しくない。

P.S.

敗戦処理。はかつて大相撲にプロ野球と同じくらいの愛情を注いでいた。

 

最も熱い愛情を注いでいた時期、一番のお気に入りだった力士は今回の若麒麟の師匠である尾車親方-現役時代の琴風豪規。ボクシングの亀田三兄弟の長兄の命名の由来ともなったこの元大関の取組に一喜一憂していた時期が懐かしいが、まさかこんな形でクローズアップされるとは。琴風は相撲以外にも歌のうまさにも定評があり、「まわり道」は増位山太志郎の一連のヒット曲と並ぶ、力士による演歌の名曲として呼び声が高かった。日本相撲協会は長年にかけてつちかってきた威信を取り戻すためには相当の「まわり道」を余儀なくされるだろうが、早く立ち直って欲しいものだ。

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