おめでとう上原浩治、ついに念願の大リーグ入り果たす!!
上原にとっては十年越しの悲願といったところか。ドラフトで迷い、その後もジャイアンツがポスティングシステムによる大リーグ移籍を認めない方針であるのを知りながら要望してみたり、とにかく大リーグ志向が強いのは外で見ているファンである敗戦処理。にもわかった。昨年のシーズン開幕早々にFA権を取得し、普通なら「今はシーズン中だから…」とか意思表示をしない選手が大半なのに正直にシーズン後の権利行使、大リーグ挑戦を口にしてしまったことには違和感を憶えた。そのことに関しては当blog昨年4月9日付 上原浩治が今オフの大リーグ行きを明言 で述べたが、とにかく本人の念願が叶ったのだから、ここはおめでとうと祝福しよう。
そして1999年のルーキーイヤーにいきなり20勝と大活躍し、以後十年間、主力投手としてジャイアンツのために投げ続けて、我々ファンに多くの白星をプレゼントしたことに感謝したい。十年間本当にありがとう。近年はクローザーとして驚異的な成功率を残した一昨年を除き、先発投手としては平凡な成績が続いていたが、上原でなければ勝てない時期とか、上原の投げる試合くらいしか安心して観ていられないと言う時期が長かったのは事実。偉大な諸先輩達とともに「巨人軍のエース」と並び称される存在と言って差し支えないだろう。本当にありがとう。
ただ、今も書いたように近年の成績が今ひとつなのが気になる。先発投手として起用されたシーズンに関しては昨年まで三シーズン連続で一桁勝利なのである。昨年は故障ではなく不振による二軍落ちで北京五輪直前まで一軍に戻って来なかったし、北京五輪から復帰したあとの先発ローテーションでの登板も、とても「エース」という貫禄を示す登板ではなく、単にローテーションを形成する投手陣の中の一人に過ぎない感じだった。言うまでもなく昨年のジャイアンツの先発ローテーションを支えていたのはセス・グライシンガーと内海哲也であって上原ではなかった。
これが肉体的衰えなのか、アメリカで大丈夫なのか?という疑問は残るが、本人の念願であったことと、環境が変わることでプラスに転ぶことを今となっては願うしかない。実際、もしジャイアンツに残っていても選手の格をあまり重んじるとは思えない今の原辰徳監督の下ではグライシンガーや内海の次のランクという扱いをされるかもしれず、それが元で第二第三の仁志敏久、清水隆行に…なんてなるくらいなら、初心に返ってプライドを捨ててチャレンジ出来る大リーグに進む方が上原にとってベターであろう。同年齢で日本での実績も拮抗しているドラゴンズの川上憲伸がアトランタ・ブレーブスと三年契約を結んだのと比較するとオリオールズとの二年契約は物足りないかもしれないが、結果を残せば延長されるだろうし。
上原の昨シーズンに見せた、FA権取得時の会見に代表される心ここにあらずといった姿勢を球団や首脳陣が容認していた様に思えるのが敗戦処理。的には許し難いのだが、十年間という長いスパンで振り返ると、ジャイアンツファンにとっての精神安定剤的存在であった期間の方が長く感じられるし、そのご褒美として正当に得た権利を行使しての移籍だから、今贈る言葉は「ありがとう」と「おめでとう」と「がんばれ」の三つしかない。全盛期の上原ではないとはいえ、抜けてしまうのはとてつもなく大きい戦力ダウンになるかもしれないが、そんなことを言っても仕方がない。FAという制度がある限り、こういう危機は避けられないのである。
十年間本当にありがとう。念願が叶ったのだから、オリオールズで悔いのない第二のプロ野球人生を送って欲しい。
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