一度落とした選手を再びエントリー。サムライジャパンは大丈夫なのか?
WBCの一次登録選手が現地時間の19日にメジャーリーグ機構のホームページで発表され、先に発表された一次候補選手以外に新たに9選手が加えられていることがわかった。新たに加えられた選手の中には一次候補34選手選出の際に“落選”した西岡剛らが含まれている。個人的には西岡は日本代表に必要な人物と思っているので返り咲きは大歓迎だが、朝令暮改のような人選。いったい何なのか?
サムライジャパン、大丈夫なのか?
新たに加えられた9選手を含む、一次登録選手42人は以下の通り。
(アンダーラインの選手が新たに加えられた9選手。青文字は投手なら左投げで、投手以外は左打ち。緑文字はスイッチヒッター。)
【投手】
松坂大輔、小林雅英、岡島秀樹、岸孝之、涌井秀章、小松聖、ダルビッシュ有、武田勝、渡辺俊介、田中将大、岩隈久志、馬原孝浩、和田毅、杉内俊哉、内海哲也、山口鉄也、岩田稔、藤川球児、永川勝浩、寺原隼人
【捕手】城島健司、細川亨、高橋信二、阿部慎之助、石原慶幸
【内野手】
岩村明憲、中島裕之、片岡易之、田中賢介、西岡剛、松中信彦、川崎宗則、小笠原道大、栗原健太、村田修一
【外野手】
イチロー、福留孝介、稲葉篤紀、亀井義行、青木宣親、福地寿樹、内川聖一
新たに登録された9選手は代表合宿には参加せず、いざという時のバックアップ部隊という位置づけであるとも言われている。しかし現実問題として、今から急に国内のレギュラーシーズン開幕より一ヶ月早くベストの状態にコンディションを整えるということが可能なのだろうか?
代表に選ばれるつもりで例年より一ヶ月早いペースで調整していた選手が代表から漏れ、ベストになる時期を遅らせるというのなら比較的容易であろうが、逆に早めるというのは容易ならざると思うのだが如何だろうか?このあたりに関しては Eagles fly free さんのblog ()とむプロ野球研究所~球界の危機はいまだ続いている~に 第二回WBC:徐々にそぎ落としていくは、易し。後から増やすは、難し。 というエントリーがあるので参照されたい。極めて論理的にまとめてある。
西岡に関しては週刊ベースボール(ベースボール・マガジン社刊)にコラム「閃・球・眼」を連載している石田雄太氏の説によると、日本人大リーガーの岩村明憲を招集した手前、二塁のポジションを確約せざるを得ず、その場合西岡を控えとしてベンチに置くのが問題があるというのだ。西岡は試合に出てこそが華で、ベンチウオーマーになった時にそれこそ宮本慎也のようにグラウンドに出ている選手と一体化して戦えるタイプではない、悪く言えば試合から外されたらふて腐れているように周囲に思わせてしまう存在だと見なされているのではないか、というのである。さもありなんとは思えるが…。
ジャイアンツの監督としてなら、このような一貫性の無さを発揮しても、ジャイアンツファンの敗戦処理。は一々驚いたりしないが、日本代表の監督がころころと方針を変えるようで大丈夫なのだろうか?
ところで昨年11月29日に会員制会議室のfolomyに敗戦処理。が書き込んだ日本代表24選手は下記の通り。この時点では先の一次候補は発表されていない。またドラゴンズ勢の不出場は報じられていた。
(斜体の選手は一次登録の42人に入っていない選手。青文字は投手なら左投げで、投手以外は左打ち。緑文字はスイッチヒッター。)
【投手】
松坂大輔、涌井秀章、岸孝之、ダルビッシュ有、武田久、岩隈久志、杉内俊哉、山口鉄也、MICHEAL、藤川球児、石川雅規、松岡健一
【捕手】
城島健司、阿部慎之助、細川亨
【内野手】
片岡易之、中島裕之、西岡剛、松中信彦、川崎宗則、小笠原道大、東出輝裕、村田修一、内川聖一
【外野手】
イチロー、青木宣親、福地寿樹、吉村裕基
岡島が入っていないのは大リーグに詳しい知人の「レッドソックスにしてみれば、第一回大会のMVPに当たる松坂が出たいと言って、日本側からも要請があれば出さざるを得ないが、ライバル国である日本に二人も投手を出したくないから、岡島は踏みとどまらせるだろう」との説を鵜呑みにしてしまったのだ。自分が戦力として活かしきれず、ファイターズで一軍と二軍を行ったり来たりしている選手二人とのトレードで放出したらたちまち大活躍し、あっという間に大リーグに行き、ワールドシリーズ制覇の立役者になった選手を原辰徳監督が今さら選べない…などと思って外すだろうと予想したのではない<苦笑>。そもそも上の24選手は「予想」ではなく、敗戦処理。の「希望」なのである。
ちなみにMICHEAL(改めM.中村)は日本代表ではなく、チームメートのエイドリアン・バーンサイドとともにオーストラリア代表の一次候補にエントリーしている。オーストラリアの代表候補にはかつてファイターズでプラスマイナス5点差以上の場面で投げると手も足も出ない好投をすることで有名だったブラッド・トーマスもエントリーしている。M.中村は不出場の意思表示をしているそうだが、揃って出場となれば2006年の日本シリーズ第四戦以来のトーマス、MICHEALのリレーが実現するかもしれない。
最終的には2月25日に登録28選手が決定、発表されるというが、昨年の一次候補発表と、今回の一次登録選手の発表との間に相関関係というか、方針のようなものが見えてこないのである。今になって9人増やすなら、なぜ一次候補発表の時点でこの9人を加えておかなかったのかというのが疑問なのである。一次候補の人数は最大45人を想定していたはずだ。
まだ見極める時期ではないかもしれないが、何だか急に不安になってきた。そう感じるのは敗戦処理。だけであろうか?
P.S.
本日のオマケ
本文中でかつてファイターズでチームメートだったM.中村とトーマスがオーストラリア代表でともにエントリーしていることをふれたが、他にも元ファイターズ勢ではフェルナンド・セギノールと2006年に一年だけファイターズでプレーしたホセ・マシーアスがそろってパナマの一次代表にエントリーされている。(M.中村もセギノールも出場しない意向を表明しているらしい)これらの情報は野球バカの、野球バカによる、野球バカのためのイベント「NPB非公認! プロ野球ナイト」の主宰者の一人、椎名マオさんがまとめた資料を参考にさせて頂いた。椎名マオさんからご了承を得たので以下に転載する。「おぉぉっ、あのダメ助っ人が頑張っているんだ!!」と驚いて懐かしがって頂ければ幸いである。
・韓国
林昌勇、李恵践(ヤクルト)、李承ヨプ(巨人)、李炳圭(中日)
・台湾
蕭一傑、林威助(阪神)、李杜軒(SB)、姜建銘(前巨人)、呉承達(紀州)
・中国
朱大衛(西武)、陳ウェイ、王靖超(横浜)、呂建剛(元中日)
・豪州
バーンサイド、M.中村(巨人)、オクスプリング(元阪神)、
トーマス(元日本ハム)、ブライス(前香川)、ラングレン(元赤べこ)
・メキシコ
デセンス(元巨人)、ガルシア(元オリックス)
・カナダ
ガイエル(ヤクルト)、ジョンソン(元近鉄)、ステアーズ(元中日)
・イタリア
セラフィニ(元ロッテ、オリックス)、パスクチ(元ロッテ)
・ベネズエラ
カブレラ(オリックス)、ベタンコート(元横浜)
・ドミニカ共和国
ソリアーノ(元広島)
・オランダ
サイモン(元オリックス)
・パナマ
セギノール(楽天)、ズレータ(前ロッテ)、マシーアス(元日本ハム)
・プエルトリコ
ボカチカ(西武)、フェリシアーノ(元ソフトバンク)
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