ジャイアンツが今秋のドラフト会議でホンダの長野久義を1位指名すると明言!!
ジャイアンツの清武英利球団代表が今年の秋のドラフト会議でホンダの長野久義外野手を1位指名することを明言した。長野はジャイアンツ志望でありながら日本大学四年時の2006年秋のドラフトではファイターズに指名され、入団を拒否して社会人のホンダに進み、昨年のドラフトではマリーンズから指名を受けたがこれも拒否してホンダに残った。野球協約上、マリーンズの長野への交渉権が先月末で切れたこともあり、ジャイアンツ志望を貫く長野の姿勢にジャイアンツが応えた形だが、この時期に指名を明言するのは極めて異例と言えよう。
清武代表は今日5日にも埼玉県川越市のホンダの練習場に出向き、同野球部の安藤強監督にその旨を確約する挨拶をするという。
単に将来の指名予定というのなら、来年の秋のドラフトで早稲田大学の斎藤佑樹投手を指名すると名乗りを挙げている球団は既にいくつかあるようだが、ジャイアンツの長野指名確約はちょっと趣が異なる。
長野の場合、過去二回意中でない球団から指名を受けたのだが、二回ともジャイアンツに長野を指名するチャンスがなかった訳ではない。ジャイアンツのドラフトでの長野獲得への優先順位より、ファイターズやマリーンズの指名が早かったのである。その意味ではジャイアンツにとって何が何でも欲しい選手では無かったと言う見方が出来る。しかし当blog2月3日付 ジャイアンツは今さら35歳の元大リーガーをテストする必要があるのか? を参照していただければわかるが、外野陣は層が厚いように見えても高齢化という現実が忍び寄ってくることを考えると、そろそろ右打ちの強打の外野手が欲しいという発想になっても不思議ではない。そして過去二回、ジャイアンツからしてみれば指名をする前に先に他球団に交渉権を持って行かれた形なので「今年は1番で指名しますよ」というプレッシャーをかける意味合いもあるのだろう。
そしてこのタイミングでの明言は、マリーンズが既に獲得を断念しているとはいえ、野球協約上で交渉権が生きている期間(1月末まで)には口に出しては拙いという配慮もあったのだろう。
かつてはドラフトで指名した選手の交渉権は翌年のドラフト会議の前々日まで有効だった。それゆえに「空白の一日」なる事件も起きたのだし、実際に指名した翌年のシーズン後に入団した選手も存在する(例.小林繁は1971年秋のドラフト会議でジャイアンツから6位指名されたがすぐには入団せず、1972年のシーズン後にジャイアンツに入団。1973年がルーキーイヤーだった。)が、その後協約が改められた。また、江川と同じくジャイアンツ志望が強くて一年間浪人した元木大介の時にも、ジャイアンツは交渉権を持っていたホークスの交渉権が切れた日、即ち次年度のドラフト会議の前日に当時の正力亨オーナーが翌日のドラフト会議で元木を1位指名することを明言した。
ジャイアンツは仮に長野が今秋のドラフトまでに故障をしても1位指名するとまで言っているようだ。そこまでして取りたい選手と言うことなのだろう。考えてみれば、ファイターズにしてもマリーンズにしても入団する可能性が極めて低いことを承知の上でドラフトで強行指名したと言うことはそこまでして取りたい選手だったということだ。
強いて引っかかるのは、今の時期に今シーズン後にチームがどんな課題を抱えているかもまだわからない時期に1位での指名を明言するということが果たしてチーム編成上の制約にならないのかということ。今春から高校三年生になる選手や大学四年生になる選手、社会人のドラフト候補にどうしても欲しい大物が出てきたらどうするのかということ。今時珍しい「ジャイアンツ一本道」の長野に応えるという球団としての誠意と、それほどの力の持ち主というだけで割り切れるものなのか。 そしてもちろん、ジャイアンツが今の時点で今秋のドラフトでの指名を明言し、実際にドラフト1位で指名したとしても直ちにジャイアンツが長野の交渉権を得るとは限らない。何故ならこれまでに指名して拒否されたファイターズとマリーンズ以外の球団には長野を指名する権利があるからだ。逆指名も自由獲得枠もない現状のドラフト制度が続く限り、また競合する可能性が無いとは言い切れないことをジャイアンツも長野も認識しておくべきであろう。 出来れば機会を作ってホンダの試合を観てみたい。3月には恒例の社会人野球スポニチ大会にホンダは出場する。予定が合えば生で観てみたい。
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