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2009年2月 6日 (金)

ファイターズ-MICHEALが抜けた穴より大きい穴?

Micheal 春季キャンプが始まり、ファイターズファンとしてもそろそろ妄想から現実的な展望に移らなければと思っているところだが、今シーズンの昨シーズンとの最大の違いは昨年までの最近三年間のチームの躍進を引っ張ってきた「勝利の方程式」が崩れたこと。MICHEALがジャイアンツにトレードされ、武田久が昨シーズン中盤くらいから絶不調に陥ったことで今シーズンどのような方程式を組むのかということ。

敗戦処理。なりに考えてみた。

 

(写真:トレイ・ヒルマン前監督時代からの「勝利の方程式」武田久とMICHEAL。今季はどんな方程式を組むのか?)

MICHEALの抜けた穴は間違いなく大きい。

しかし、いなくなった者を嘆いても仕方がない。どうやってその穴を埋めるか考えなければならない。真っ先に浮かぶ新ストッパー候補は武田久だ。

昨シーズンもMICHEALが5月に右ハムストリング軽度の筋挫傷でリタイヤした際に武田久は代役を務め6セーブを挙げた(その間に黒星1つ)。おそらくここまでは大方のファイターズファンは同じ考えであろう。だが、不安なのは昨シーズン中盤からの絶不調。素人考えではあるがこの三年間の金属疲労であることは想像がつく。オフの契約更改交渉では代理人を務めた北村晴男弁護士が「三年連続60試合以上登板」の大変さをデータ化して年俸アップを勝ち取ったが、その登板過多が投球内容に影響を及ぼしていることは想像出来、さらなる激務のストッパーへの配置転換が成功するのかという疑問が生じるのは当然だ。

敗戦処理。は逆転の発想で考えた。

武田久がセットアッパーを務め、MICHEALがストッパーを務めていた三年間の二人の登板状況を調べてみた。

2006

武田久    75試合 5勝3敗3S、45HP 812/3回 防御率2.09

MICHEAL 64試合 5勝1敗39S、9HP 652/3回 防御率2.19

2007

武田久    64試合 7勝6敗2S、35HP 741/3回 防御率2.42

MICHEAL 56試合 1勝1敗34S、3HP 581/3回 防御率2.16

2008

武田久    62試合 4勝7敗6S、25HP 611/3回 防御率4.40

MICHEAL 46試合 2勝2敗28S、4HP 461/3回 防御率2.14

過去三年間、セットアッパーの武田久の方がストッパーのMICHEALより登板数も投球回数も多い。原則的にリードしている試合の最終回の頭から投げるMICHEALに対し、展開によってはリードしている試合のみでなく同点の場合や、若干のビハインドでもマウンドに上がらざるを得ないセットアッパーの方が登板数や投球回数が多くなるのは当然の結果である。

それを逆手に取り、武田久をストッパーに配置転換することで登板数や投球回数の負荷を減らそうというのが敗戦処理。の発想だ。

もちろん物理的な登板数や投球回数の数値だけで負荷を語るのは危険だ。ストッパーには「自分の後には誰もいない。自分に何かあったらその試合を失うことになる」という極限のプレッシャーがあるのだろう。しかしセットアッパーとして三年連続60試合以上登板し、その金属疲労が出ての不調と思える投手を再生するには環境を変えるしかあるまい。だからといって先発転向というのでは破天荒だし。

ちなみに敗戦処理。はMICHEALが残留していても武田久とMICHEALの配置転換を提案しようと思っていたほどだ。

ところでこの「三年連続60試合以上登板」だが、この三年間、年間で60試合以上に登板した投手は十二球団全体で延べ36人しかいない。そしてこの三年間連続で60試合以上登板しているのは武田久以外には藤川球児と加藤大輔(ともに2005年から四年連続)しかいない。

武田久の場合、2007年の64試合、741/3回登板というのが疲労蓄積に直接結びついていると敗戦処理。は推測している。登板数と投球回数では前2006年より減少しているが2006年にはチームに岡島秀樹がいて、相手打線に左打者が並ぶ場面では岡島、そうでなければ武田久と負荷を分担できたが、2007年には岡島が抜けたため、MICHEALにつなぐセットアッパー役を100%一人で背負わなければならなくなった。その結果、一登板あたりの平均投球回数は2006年の1.089イニングから2007年には1.161イニングに増大している。

本来、リードしている試合の八回の守りの頭からマウンドに上がるのが武田久の理想型。平均投球回数が1に近いのが理想なのだ。この点でもMICHEAL2006年が1.0262007年が1.0422008年が1.007と武田久より1に近い。念のために補足すると1.333…を超えると、一度の登板で四つのアウト、即ち1・1/3回を投げている計算になるが、この三年間で年間60試合以上登板した延べ36人の投手で一登板あたりの平均投球回数が1.333…を超えた投手はいない。最大でも2006年に63試合で791/3回を投げた藤川の1.259である。

【参考】2006年から2008年の間に年間60試合以上登板した投手の一登板あたりの平均投球回数ランキングTOP10

1.259 藤川球児 2006(63試合、791/3)

1.237 久保田智之 2008(69試合、851/3)

1.200 久保田智之 2007(90試合、108)

1.200 横山竜士 2007(60試合、72)

1.174 加藤武治 2006(65試合、761/3)

1.169 藤川球児 2007(71試合、83)

1.161 武田久 2007(64試合、741/3)

1.159 加藤大輔 2007(63試合、73)

1.100 山口鉄也 2008(67試合、732/3)

1.097 松岡健一 2008(65試合、711/3)

2008年の武田久は62試合に登板して611/3回だから一登板あたり1イニングを投げきっていない計算になる。それだけリリーフ失敗が多かったことを物語っている。素人考えながら技術的にライバル球団が武田久攻略法を編み出したのではないと思う。武田久の方がおかしかったのではないか。そう考えると、ストッパーへの配置転換をしても、オフやキャンプ期間の調整を上手くすれば、MICHEALに近い安定したストッパーになれるのではないかと敗戦処理。は考えているがどうだろうか?

話は横道にそれるが、昨年の不振にもかかわらず推定年俸1億1000万円から1億1500万円への年俸アップを勝ち取ったのは上述のごとく北村晴男弁護士の代理人としての交渉力と球団の査定の賜であろうが、同じく金属疲労が元で成績を下降させたと見て間違いなさそうなタイガースの久保田智之は推定年俸1億2000万円から11000万円に下げられてしまった。久保田は武田久と違って二度の二軍落ちを経験してチームに穴を空けてしまった(しかも一回目は藤川が北京五輪で抜けているとき!!)のがダウンにつながったようだが、それとても登板過多が遠因となっているのではないか?そして裏を返せば二度の離脱がありながらも69試合で851/3回も投げているというのは…。久保田が一度の更改交渉であっさりと判を押したのは更改の場で念願の先発転向が認められたからと報じられている。タイガースの場合は監督が替わることもあるが、久保田にとって環境が変わるのが救いのような気がする。

さて、武田久がMICHEALに遜色のないストッパー役を務めたとしても、今度は武田久の役を誰が代わりに務めるのかという、もっと厄介な問題を抱えることになる。個人的にはMICHEALの代わりのストッパーより、武田久を配置転換したことによるセットアッパーの穴をどうやって埋めるかの方が頭が痛い問題だと思っている。

昨年は武田久が不調の後半戦、建山義紀が獅子奮迅の働きで何とか武田久不調の穴を最小限にとどめた感じだった。建山は入団十年目にして自己最多の58試合に登板。投球回数も16試合に先発した1999年、13試合に先発した2000年を除けば最多の671/3回を記録した。一登板あたりの平均投球回数は2007年の武田久に匹敵する1.161であった。建山の健闘がなければおそらく昨年のファイターズはクライマックスシリーズ進出を逃していたと言っても過言でない救世主だったと敗戦処理。は思っている。ただ、その建山にも武田久同様の登板過多の恐れがあり、年齢的にも武田久より三歳上。昨年と同じ結果を期待するのは酷であろう。

ここで頼りにしたいのがジャイアンツから移籍してきた林昌範と新外国人のライアン・ウイングの二人。ともにサウスポーだ。

林は先発型からリリーフに転向した2005年に頭角を現し、54試合で18セーブを挙げた。イニング数は67回で一登板あたりの平均投球回数は1.241にも上った。翌2006年は豊田清の加入でセットアッパーに回り、62試合と登板数は増えたがイニング数は561/3回と減少した。投手を信用しきれない原辰徳監督の復帰一年目ということもあったが、調子を崩したようでその後二年間は左ひじの痛みと闘いながらのシーズンとなっている。2008年終盤にようやく手術後の回復具合が良くイースタンでたびたびマウンドに上がるようになったがクライマックスシリーズや日本シリーズでベンチ入り登録されることはなかった。

さらにウイングも本人は先発より中継ぎに向いていると言っている。ライアン・グリンを解雇して獲得した外国人選手であることを考えると先発向きであって欲しいところではあるのだが…。

他にはやはり復活期待組で江尻慎太郎。右肘の負傷で昨年一年間を棒に振ることはわかっていたが、シーズン終盤にイースタンのマウンドに上がった。だが敗戦処理。が生観戦した9月14日の対ジャイアンツ戦の1イニング4失点を含め7試合で防御率10.80と復活は遠い印象を抱かせたが、オフシーズンにどれだけケアが出来たか期待したい。

そして故障組ではないが昨年期待したほど伸びなかった金森敬之の奮起にも期待したいし、ルーキーイヤーより二年目ということで宮西尚生にも期待したい。

と、期待するだけならいくらでも名前を挙げられるが、故障からの回復具合によるなど、不安定な名前ばかりでもある。武田久の三年間の功績が如何に大きかったかがわかる。その意味ではMICHEALの代わりよりも、武田久の代わりを探す方が大変なのかもしれない。

ちなみに、首尾良くMICHEALが抜けた穴や、武田久がストッパーに回ってセットアッパーが抜ける穴を埋められたとしても、もう一つ肝心な穴が残っている。

トレイ・ヒルマン前監督の抜けた穴だ<苦笑>

 

昨年は二年連続優勝の監督の直後でやりづらい面もあっただろうが、今季、昨年よりさらに低い成績に終わった場合、内容も理由も無く容赦なく批判されることは間違いない。そんなことは監督就任要請を受けた時から覚悟の上だろうが、そういう結果にならないよう、いつまでも過去を神格化する輩の批判を吹き飛ばすような結果を残して欲しいものだ。

 

 

 

 

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