いくら悪天候とはいえ…
日曜日のデーゲームだ。WBCでダルビッシュ有、稲葉篤紀、岩隈久志、田中将大がいないことが最初からわかっていたとはいえ、もう少し埋まってもおかしくはないのだが<苦笑>。敗戦処理。はこの試合の前売り発売の初日、2月7日にファイターズスタジアムまで出向いてチケットを入手した。二年前の2007年にファイターズスタジアムでマリーンズを相手に一軍オープン戦を開催した際には4,400人の観衆を集め、当日の鎌ヶ谷駅バスロータリーには「当日券はありません」という案内が出たほどだった。あの熱気を肌で感じているので初日に確実にキープしたのだ。
今回は前売りをファイターズスタジアムのみでの発売としていた。チケットぴあや、イープラス、前回二年前のオープン戦の時に扱っていたローソンチケットといったプレイガイドでの発売をしなかった。
前売りの売れ行きが芳しくないというのは聞いていた。これは敗戦処理。の推測だが、いつもファイターズのファームの試合を観戦している地元鎌ヶ谷市民に一軍戦観戦機会を提供するという趣旨なのではないかという気がしてきたのだ。ちなみに二年前の開催の時には当時のトレイ・ヒルマン監督以下現場の声として、前年の日本一の下支えとなったファームの本拠地で、ファームを応援してくれるファンの前で試合をしたいという意向を汲んだ形だった。社交辞令といえど、敗戦処理。には涙が出そうな嬉しい計らいだった。そして実際3月上旬の時期にもかかわらずほぼフルメンバーが揃っていた。
もうひとついえば、ファームは既にイースタン・リーグが公式戦をスタートしている。昨年7位のファイターズはビジターでシーレックスとの開幕カードを行っており、鎌ヶ谷のファンがこちらに流れたとも考えられる。実際、名物の応援団長は「22日は管轄外。平塚に行きますよ」と語っていた。その代わりという訳ではないが、開放された外野スタンドでは闘将会がトランペット応援をしていた。
敗戦処理。は普段いっしょに観戦していただくことが多いEさんと、コアな野球ファンではあるが鎌ヶ谷に来るのは初めてという二人組との観戦となった。初めて鎌ヶ谷に来るという方に粗相があってはと、開場時間より早く着くように待ち合わせ時間を設定しておいたが、その心配は杞憂に終わった。
勇翔寮に室内練習場、ファンが出待ちをする場所、食育プロジェクトの畑や、野球教室に来たケン・グリフィーJrが放った場外本塁打の記念碑など、ひととおりのファイターズタウンのガイダンスを終え、試合に。この頃から小雨が降ったり止んだり。
先発はファイターズが八木智哉でゴールデンイーグルスがマーカス・グウィン。
二回表、この日のスタメン発表ではファイターズファンからも大きな拍手を受けていたゴールデンイーグルスの四番、フェルナンド・セギノールの右中間二塁打を皮切りに牧田明久とリック・ショートのタイムリーでゴールデンイーグルスが3点を先制。
その裏、ファイターズも先頭の四番、ターメル・スレッジがライト場外にソロ本塁打。
セギノールの抜けた穴を埋める四番として期待されながら一年間もがき苦しんだスレッジとしては前任者の前でいいところを見せたかったのだろう。が、しかしこの打席のみでスレッジは次の守備から交代。続くルイス・ヒメネスの左中間に高々と上がったフライをレフトのリックがグラブに当てて落球。無死二塁とチャンスを続けた。そして続くジェイソン・ボッツのさほど深くないライトフライで二塁走者のヒメネスが巨体を揺すって三塁へ。この見かけによらぬ積極的な好走塁で三塁側スタンドが沸いた。そして二死後、鶴岡慎也がバットを折られながらもセンター前に弾き返すタイムリーでファイターズは2対3とした。
八木は今ひとつ安定せず、四回表には高須洋介にレフトスタンドに放り込まれ、2対4とされる。
五回裏二死、陽仲壽の打席で突如雨風が強くなる。陽が凡退すれば五回終了で試合成立。オープン戦だけに勝敗より故障者を出さないことを優先させたい両軍の意向を審判が読んでコールドゲーム、かと思いきやその後も続行。
六回裏、五回から登板の片山博視に対し、三番の小谷野栄一のライトフライを牧田が目測を誤ってポテンヒットにしてしまう。雨風で打球が見づらいのだろう。続く金子洋平の三塁線の痛烈な打球を好捕した塩川達也が二塁に悪送球し無死一、二塁。見た感じは悪送球というより野選という感じだったが…。
ここでヒメネスが一、二塁間を破る安打を放つと、雨を考えて小谷野を強引にホームに突っ込ませるがタッチアウト。
二死後、鵜久森淳志にタイムリーが出て3対4に迫るが、ここで雨風が一層強くなり試合中断。あっさりとコールドゲームが宣せられただけにホーム突入アウトがもったいない感じもしたが、いつ中断されてもおかしくない状況だったために一か八かで突っ込ませたのだろうと考えれば一概に判断ミスとは責められないだろう。
【22日・ファイターズスタジアム】
モ 030 100 =4
F 020 001+X =3
モ)○グウィン、S片山-藤井、伊志嶺
F)●八木-鶴岡
本塁打)スレッジ1号(グウィン・2回)、高須1号(八木・4回)
2点差から1点差に迫り、さらに一打同点、長打が出れば逆転と言うところでの中断、そしてすぐにコールドゲームという判断は公式戦ならもめていただろう。鶴岡の打席まで強引に続けるか、五回終了時点で割り切った方が後味が悪くない。 しかもコールドを確認後、直ちに飛び乗ったバスが西船橋駅に着いた頃には皮肉にも雨は完全に上がっていた。
始球式を務める人を決めるためにカビーとのジャンケン大会を行ったり、試合運営はファームスタイルで行われた。中原信広さんがリードするのもいつも通り。ネット裏からあの甲高い笑い声が聞こえなかったのと、稲田直人が打席に入っても「宇宙戦艦ヤマト」の替え歌が流れないなどの相違点はあったがスタイルとしては「いつもファイターズのファームの試合を観戦している地元鎌ヶ谷市民に一軍戦観戦機会を提供する」という推測は当たらずとも遠からずではないかと自負している。
西船橋で鎌ヶ谷ビギナーの二人に感想を聞いたが、意外に立派な球場ということと、ファンの盛り上がりに驚いた様子だった。もちろん私の手前、「大したことなかった…」とは言わないだろうが。
報道では田中賢介が今日の試合で復帰との構想になっていたがグラウンドコンディションのせいもあったのか、姿を見なかった。そういう理由なら、このところ連日DHで出場している二岡智宏も出なかったのも合点がいく。それでも「鎌ヶ谷の出世頭」として人気が高い森本稀哲が久しぶりに「一番・センター」で出てくれた。さしずめ凱旋試合という感じで他の選手より拍手や歓声が大きく感じられたが、そういう思い込みを持っているからではないだろう。
春のオープン戦には春季キャンプ期間の出銭を取り戻すための興行という側面がある。稼ぎ時の日曜日ということを考えると、鎌ヶ谷で主催試合をしたこと自体、首をかしげたくなる。例えばの話、今日はジャイアンツは横浜スタジアムで試合をしており、東京ドームを使うという選択肢もあったかもしれない。しかし何故か今日を含め、この一週間で二度も鎌ヶ谷で試合を組んでいる。東京ドームと違い、使用料を取られる訳ではないのでトータルで考えれば得ということかもしれない。地元ファンにはありがたいのだろうが…。
それにしても、1日の教育リーグ観戦から始まり、これでファイターズ戦は一、二軍合わせて今年四試合目の生観戦となったが、0勝4敗である。
先が思いやられる…。
【追記】
翌23日の日刊スポーツ紙によると、この試合の観客動員は2,938人。さすがに平日である18日の2,416人を上回っていた。それでもこの人数ではこの日の6試合中、最少かと思ったら上には上、いや下には下がいた。神宮球場のスワローズ対バファローズ戦は2,462人しか入らなかったようだ。本拠地でこれでは…。
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