B☆Bがこだわる鎌ヶ谷の良さ
ファイターズファン(特に北海道在住の方)はご存じだろうがファイターズのマスコットB☆Bが本を出版した。
ほぼ同時期に発行されたスワローズのマスコット、つば九郎の本が昨年大ヒットしたドアラ本に似たような構成になっているのに対し、B☆B自身の著作となる「B☆B Photo Book RUN」(北海道新聞社刊)はB☆Bのマスコットとしてのこだわりが自身の言葉で綴られている力作だ。
どこを読んでも感心するばかりだが、ファイターズのファーム、鎌ヶ谷に関してB☆Bが語っているくだりは鎌ヶ谷びいきの敗戦処理。には涙が出そうなくらいありがたい内容だ。B☆Bよ、ありがとう!!
※ 写真はイメージです。本エントリーの内容とは直接には関係ありません。
FARMという頁でB☆Bはこんな事を書いている。少々長くなるが引用させていただく。
僕が鎌ヶ谷に顔を出すのは年に1~2回程度だが、この静かな空気が大好きだ。ファンとの濃厚な時間が、そこにはある。スタンドで応援団と一緒に太鼓を叩いて応援し、試合が終われば日の暮れるまでファンとのんびり遊ぶ。一軍の試合では、もうこんな状況は望むべくもないだろう。ファンが増えるのは嬉しいことだが、その分一人ひとりとの絆は薄まっていく。世の中すべてが望み通りにはいかないものだ。鎌ヶ谷には、そんな「失ったもの」を取りに来ているのかもしれない。
今では、鎌ヶ谷もだいぶ様変わりしてきている。弟のカビーが登場し、様々なイベントも行われるようになった。カビーも真夏の炎天下、全力でファンとのふれあいを続ける。今や鎌ヶ谷のファンにとっては、カビーはかけがえのない「家族」の一員だ。これだけ鎌ヶ谷の観客が増えたのも、彼の努力に負うところが大きい。
年々増え続ける観客動員数。しかし、鎌ヶ谷の一番の魅力はいつまでも失ってほしくないとも思う。それはファンとの「近さ」。どんなにファンが増えても、鎌ヶ谷はいつまでもファンと距離の近い場所であり続けてほしい。そう願うのは、わがままだろうか?人に限らず、熊もないものねだりをする生き物なのだ(笑)。
とても年に1~2回程度しか鎌ヶ谷に来ない熊の文章とは思えませんね。鎌ヶ谷の良さ、今後の課題をずばっと書いている。またこの引用からも推測していただきたいのだが、この本には原則、振り仮名を振っていない。要するに子供相手の本ではない。もはや日本のプロ野球興行に無くてはならない存在と化したマスコットによる自己主張の書なのである。
ちなみに本書の随所にちりばめられている「B☆BTRIVIA雑学集」の「弟の存在」ではC☆Bについてこう書かれている。
B・Bには「カビー」という年の離れた弟がおり、千葉県鎌ヶ谷市にある、ファイターズのファーム施設で活動している。当初は選手のように、成長すれば一軍に呼び寄せることも考えていたそうだが、現在はすっかり地元のファンに親しまれ、カビー本人(熊)も鎌ヶ谷での活動を強く望んでいることから、今後もずっとファーム暮らし(?)が続きそうな気配だ。ちなみにカビーは自称3才だそうだが、B・B曰く「アイツはみんなに可愛がってもらいたいからって、相当サバを読んでるはず!」とのこと。
カビーに一軍入りの可能性があったとは初めて知った<笑>。実際、一、二軍の入れ替えが多かった昨年、「一軍に上がれなかったのは中田とカビーくらい」という陰口もあった<苦笑>。
それはともかく、B☆Bも言っているとおり、鎌ヶ谷の観客動員数は年々増加の一途である。一昨年にはついに一試合あたりの平均観客動員数でジャイアンツ球場を逆転してしまったほどだ。ジャイアンツが週末に遠征に出ることが多く、ジャイアンツ球場での試合をあまり土日に組まないという裏事情があるにせよ、これは快挙だ。C☆Bの奮闘が大きく寄与していることも明らかだろう。
敗戦処理。と鎌ヶ谷での観戦をよく付き合ってくださるEさんと時々話すが、千葉県の鎌ヶ谷市という、あまりメジャーでない場所にあるからこそ、選手とファンの距離が近い状態を保てるのだろう。もしもファームも北海道に行ってしまったら、北海道の地でファームがファンに受け入れられたにせよ、今度はファンが多すぎて鎌ヶ谷のようなコミュニケーションは出来ないだろうと思っている。
昨年1月、中田翔ら新人選手をファンにお披露目する新入団選手交流会がファイターズタウンで開かれた際に成田竜太郎首都圏事業グループ・グループ長がこれからは2ヶ月に一回、選手とファンの皆様が身近に接することの出来るイベントを行います。と言っていた。確かにイベントは増えたようだが、選手とファンが身近に接することの出来る機会が本当に増えたのだろうか?実際に毎年3月に行われていたツーショット写真撮影やサイン集めしたい放題のファーム交流会はなくなったし、シーズン終了後のファンフェスタもなくなった。既にB☆Bが懸念している事態の兆候が出始めているのかもしれない。
攻撃中にマスコットが応援団と一緒に太鼓を叩く。このシチュエーションは一見ありがちだが、おそらく他の球場、球団ではありそうでない光景であろう。他の球場では観られない光景がごく日常的に何の違和感もなく繰り返される、そんな魅力が鎌ヶ谷にはあると敗戦処理。は思っている。
もちろん、森本稀哲や田中賢介に代表される、ファームでじっくりじっくりと鍛えられた選手が一軍に巣立っていくのを観るという本来のファームの楽しみ方が出来るのも鎌ヶ谷の良いところだ。
「鎌ヶ谷はいつまでもファンと距離の近い場所」であって欲しいと敗戦処理。も願っている。野球と直接関係のない出店をスタジアムの入口前広場に並べてのお祭り騒ぎで「本日はここ鎌ヶ谷にX,XXX人のファンの皆様がお越しくださいました」と中原信広さんに言われても…、という思いはある。
ファンが増えることは良いことだが、それ故に失ってしまうものもある。鎌ヶ谷はこの先、どこに向かおうとしているのか?-そんなことも頭によぎらせながら、明日29日は中田翔VS大田泰示の第3ラウンドを観戦しに行こうと思っている。
やっぱりスタジアムの主役は選手であって欲しいから。そしてその選手を間近で体感出来るのもファームの球場から失われてはならないものだと思うから。
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