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2009年5月25日 (月)

存続の危機に瀕しているのは関西独立リーグばかりでなく…

先週、日本で三つ目のプロ野球独立リーグ、関西独立リーグに存続の危機が訪れていることが判明した。運営事務局の株式会社ステラから所属四球団への分配金が支払われず、その目途も立っていないことから問題が表面化。運営事務局が撤退し、所属四球団が協力して資金集めに奔走することになったがその前途は明るくない。「ナックル姫」こと、吉田えり が日本プロ野球史上初の女性選手誕生ということで脚光を浴びている関西独立リーグだが、リーグ戦スタートから約二ヶ月で早くも存続の危機を迎えた。

NPB十二球団もほとんどが赤字で、社会人野球では歴史と伝統のある大会の開催を見直す可能性もある惨状。「百年に一度」と言われる世界的大不況下で独立リーグの運営が順調に行かないのは無理もないが…。

そして、もう一つ存続の危機に立たされている野球が…。

プロ野球マスターズリーグ20082009公式戦が23日の札幌アンビシャス対東京ドリームス戦を以て終了した。

「えっ、マスターズリーグってプロ野球のオフシーズンの間に始まって、シーズンが始まる前に終わるんじゃなかったの?」

とお思いの方も少なくないだろう。だが時節柄スポンサー収入が減少し、使用料の高いドーム球場での試合開催がままならなくなり、今季は例年の様に11月から翌年1月までの間に日程を組めず、仕方なく2月から5月を目途に使用料の高いドーム球場ではなく、地方球場開催で日程を完了させようと試みたが中途半端になってしまった。各チームの試合数が均一にならず順位や個人タイトルを決められなかったのだ。

当blogでは昨年暮れの開幕前からマスターズリーグの危機を案じていたが、最悪に近い形になった。

最終戦の結果を報じる24日付日刊スポーツによると「来季も引き続き開催するという」とのことだが、実際どうなのだろうか?ちなみに3月以降の試合に関しては、これまで大沢啓二最高顧問が出演していることもあってマスターズリーグの試合結果を取り上げていたTBS系「サンデーモーニング」でも取り上げられていない。

関西独立リーグに話を戻すと、四球団と来季からの加入が内定している三重の新球団とで新たに運営会社を設立する準備に入っているという。また今年10月まで四球団の選手への月額20万円の支給は保証したとのことだ。

将来の野球界を考えた時に、野球をやりたい選手のための受け皿は必要だ。高校、大学を出たもののすぐにはプロに入れない選手や、プロは無理にしても何とか野球を続けたい選手達にとって独立リーグの存在は必要不可欠だ。ただ、選手に野球だけでは食えない程度の月給しか払わないのにそれでも運営がままならないようなリーグを、いくら独立リーグとはいえ「プロ」と呼んで良いのかという疑問が敗戦処理。にはある。かの吉田えり にしても「日本プロ野球史上初の女性選手」と認定して良いものなのかどうか?と言う疑問があるのだが、運営がままならないようではなおさらだ。先行する四国・九州や北信越にしても決して順風満帆な訳ではない。また同じ設立主旨で野茂英雄が立ち上げたNOMOベースボールクラブも財政面ではかなり苦戦していると聞いている。

企業に依存する野球は規模の大小を問わず景気、不景気の波の影響を受けざるを得ない。もちろん規模の大小の大とはNPBプロ野球を指す。であれば企業への依存度を低くし、地元の地域に密着した地域密着型の市民球団を…という声が聞こえてきそうだが、いまや市民レベルで支えられる規模にはとても収まらない程度に脹れ上がっているのが今のNPBプロ野球。まだそうなる手前の独立リーグには何とか身の丈経営を身につけてもらって地域密着などに活路を見いだして欲しいものだ。そう考えると、独立リーグが成り立つ地域と成り立たない地域というものが出るだろう。サッカーではないが「百年構想」くらい考えないと、今後新たな地域での独立リーグ成功は難しいと思う。

 

関西独立リーグはここ何年かの間に複数の新球団加入を予定しているというが、慎重にした方が良いと思う。現実に二年目の来季には六球団になると報じられているが、今回の報道で出てくるのは四球団以外では三重だけで、もう一球団の姿が見えてこない。さらにその先にスタートを予定している首都圏、関東の新リーグなど推して知るべしだろう。

本当の意味で独立リーグの独立性が試されているような今回の関西独立リーグの騒動。この不況下で新しいことを成功させるのは並大抵のことではないだろうが、何とか「野球」が先細りにならないよう、がんばって欲しいものだが…。

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