春の椿事か開眼か!?-4月度パ・リーグ月間MVP受賞の金子誠の今後は?
4月の両リーグの投打の月間MVPが発表され、パ・リーグの野手部門の4月度月間MVPにはファイターズの金子誠が選ばれた。
金子誠の4月度の成績は78打数33安打で打率トップの.423。7試合連続二塁打の日本新記録も達成した。二塁打12本もトップなら安打数33もトップ。なおかつ特筆すべきは得点圏打率も.500と堂々たる両リーグトップ。文句なしの受賞だが、金子誠にとって1996年の新人王獲得以来の、いや「ニュースステーション」(テレビ朝日系)の看板キャスターとの結婚以来の慶事か!?
4月だけに春の椿事か、それとも5月3日のファイターズ対ライオンズ戦を中継したNHK-BSの解説・武田一浩が分析したように「山崎武司の例もありますし、三十を過ぎて何かを会得したのかもしれません」なのか?
果たして金子誠は?
(写真:一年前の金子誠。故障もあって二軍落ちでロッテ浦和球場でのイースタン公式戦に出場した金子誠。まさに雲泥の差! 2008年4月撮影)
さすがに今の好調を維持したら、イチローでも成し遂げられなかった前人未踏のシーズン高打率ということになるが、いくらなんでもそれはないだろう。金子誠の過去のシーズン最高打率は2002年の.285。通算では.256に過ぎない。それだけにファイターズファンからでさえ「春の椿事」呼ばわりをされ、本人もにわかに増えた取材でも自虐的な対応に終始しているらしい。
今、通算打率.256と書いたが、通算打率とのギャップも大きいが、昨年が特に打撃不振だっただけにより一層ギャップが大きく感じられるのかもしれない。昨年の金子誠の成績は96試合出場、291打数63安打で打率は.216に過ぎなかったからだ。打率.216は金子誠が初めて一軍に出場した1995年以降で最低だ。出場試合数が100試合を切ったのは新人王を獲得した1996年以降ではあのエリック・アルモンテ重用で干されかけた2005年に79試合にとどまった時以来二度目だ。
昨年の開幕からの絶不調ぶりは悲惨で、昨年の4月の月間打率は一割にも満たない.091だった。4月11日には左足鼠径部炎症で登録を抹消され、22日に再登録されているが、体調不充分も重なっての極度の打撃不振だった。
もしも本当に春の椿事だとしたら、今後は逆に金子誠の打撃の急降下が懸念される。過去最高の打率.285を残したシーズンの成績から逆算したとしても、5月以降の成績は.251と、いつもの金子誠並みに落ちる計算になる。これは見方を考えれば、5月以降、仮にいつもの年の金子誠のペースに戻っても、4月の貯金で自己最高成績を残せる可能性があると言うことだ。
ただし、年間で打てる安打数、打率は決まっている-という考え方からすると、今シーズンもトータルでは通算成績の.256程度で終わることになる。二年前に金子誠が規定打席に達したときの打数は419。この打数で.256の打率になるには安打数は107本。今シーズンの成績が419打数107安打で終わるなら残りは341打数74安打で打率.217という低成績になってしまう。いやはや勘弁願いたい。
とすると、武田一浩が言っていたように三十歳過ぎての打撃開眼であって欲しいものだ。過去最高の.285どころではなく、自身初の打率三割を狙って欲しいものである。あの田中幸雄ですら年間で打率三割をマークしたことがない。となるとファイターズの右打ちの内野手としての打率三割到達は1985年に.300を記録した古屋英夫まで遡らなければならない!
まだまだ金子誠の打撃には半信半疑な敗戦処理。だが、武田一浩の言葉を信じ、もう少し長く夢を見続けたいものだ。 最後になってしまったが、金子誠、入団16年目にして初めての月間MVP獲得、本当におめでとう!!
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