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2009年5月 3日 (日)

ファイターズのファームがイースタン混成チームに完敗

01 ゴールデンウイークにはファームの試合でも大盛況になる。そんななか、あまり人の多くない鎌ヶ谷の方が落ち着いて観戦出来ると考え、今日(2日)のフューチャーズ戦を選んだのだが…。

イースタン混成チームのフューチャーズに3対11と惨敗してしまいました!

 

(写真:捕手としてフル出場し、11失点した尾崎匡哉を勇翔寮の前で診察するC☆B。本人もまだ絆創膏が取れないが、C☆Bは尾崎をどう診断したのか?)

4月22日の東京ドームでの謎の逃走以来、後頭部に絆創膏を貼ってファンサービスを続けているC☆Bだが、今日の試合後は白衣を着て注射器を持ってファンに注射をしまくるという自虐的なグリーティングをしていた。

Photo 「人に注射する前に自分に注射しろ!」などとファンに突っ込まれ、ファンが注射器を奪ってC☆Bにさそうとするといやがって逃げるふりをする。そんな微笑ましいグリーティングが続いていたが、冒頭の写真の様にその矛先は11失点の元凶<>である捕手の尾崎匡哉にも向けられた。

昨シーズンから捕手にコンバートされた尾崎だが、昨シーズンはまさかの故障者多発で内野手が不足し、内野手として試合に出場せざるを得ないケースが出て、一軍入りも果たし涙のプロ初安打も達成したが、捕手としての訓練を充分に積めないもどかしさがあった。

今シーズンは本格的に捕手に取り組んでいるが、バッテリーを組む投手達も一軍を目指して必死で取り組んでいる訳で、テスト中の捕手を起用する余裕はない。尾崎が実戦でマスクをかぶるのはおのずと今日のような非公式戦に限定されてしまう。

しかし捕手本格転向一年目とはいえ、トータルで考えれば今年入団7年目だ。もう24歳と見るか、まだ24歳と見るか。遅咲きで大成することの多いポジションだけにまだ間に合うという期待をしたいが、このチームの昨オフのドラフト1位は大学生の捕手。尾崎も自分の置かれている状況は充分わかっているだろう。

今日、尾崎とバッテリーを組んだ投手は先発の矢貫俊之に始まり、伊藤剛、江尻慎太郎、松山傑、豊島明好の5人の投手。こちらもイースタン公式戦では出番に恵まれないか、あっても勝敗の大勢に影響のない場面ばかりという顔ぶれだ。

対するフューチャーズはイースタン・リーグに所属する7球団の混成チーム。育成選手が多いが、れっきとしたプロであり、フューチャーズを格下扱いすることには抵抗があるが混成チームの悲しさか、対戦成績は芳しくないようだ。今日のフューチャーズのスタメンは下記の通り。

()桑原義行(SS)

()角晃多()

()佐藤賢治()

()山本和作()

()福元淳志()

()大谷龍次()

()梅田尚通()

()水野祐希(Ys)

()佐藤弘祐()

()小林憲幸()

斜体文字は育成選手

やはり育成選手を含めた選手数の多いジャイアンツとマリーンズの選手が主体になる。

ファイターズ先発の矢貫は三菱ふそう川崎から入団したルーキー。教育リーグから何度か生で観ているが、まだ長身を活かした投球が出来ていない感じで、同じ社会人出身のルーキー投手である榊原諒、谷元圭介が既に一軍入りを果たしているのに遅れを取ったばかりか、横浜高校から入団の土屋がイースタンで開幕から先発ローテーション入りしているのにも先を越された感じだ。

矢貫は序盤一、二回こそ無難に抑えていたが三回につかまった。

先頭の水野祐希にセンター前に弾き返され無死一塁から、続く佐藤弘祐を二ゴロに打ち取ったと思ったら二塁を守っている今浪隆博が二塁のベースカバーに入った中島卓也に悪送球し、うまくすれば二死無走者になるところが無死二、三塁のピンチになってしまった。まだ0対0。先制点を阻止しようと前進守備を敷くファイターズの内野陣をあざ笑うかのように続く桑原義行の打球はセンター前に抜け、二者生還。しかもセンターの市川卓が間に合わないホームに返球する間に打者走者を二塁に進めてしまった。この当たりから矢貫はもう自分を見失っていたようだ。さらに角晃多、佐藤賢治、山本和作にも連打を浴びて5失点。とどめは福元淳志にライトスタンドまで運ばれてこの回だけで7失点。今浪の失策の打者をはさんで6連打を浴びた計算になる。まさかの0対7という展開に非公式戦ということでどこかのんびりした空気が漂っていたスタンドが凍りついた。

「うまくすれば二死無走者になるところが無死二、三塁のピンチになっ」たアンラッキーさはあったにしても矢貫の急激な崩れ様はお粗末だ。敗戦処理。は同じようなシーンを3月15日の教育リーグでも目撃している。打たれ出すと止まらない傾向があるようだが、早い時期にこの欠点は克服したいところだろう。同じ過ちを何度も繰り返すようだと、出身が出身だけにリコールされかねない。

       

今日はファイターズが先攻で、直後の四回表に今日も四番に座る中田翔がフューチャーズ二番手の坪井俊樹からレフトスタンドにソロ本塁打を放つが、後が続かず反撃の気運が高まらない。

01_2  

四回裏から二番手には伊藤が登板。こちらもイースタン公式戦では出番に恵まれない。金森敬之、星野八千穂、宮本賢といった顔ぶれがほぼ二試合に一回の割合で登板している反面、32歳、入団十一年目のベテランの影が薄くなっている。伊藤の実戦登板は4月8日以来。実はその時もフューチャーズ戦。

伊藤は四回には二死から連打で一、二塁のピンチを招くがフューチャーズの四番、ジャイアンツの育成選手・山本和作を打ち取って無失点に凌いだ。が、2イニング目の五回にマリーンズの育成選手・大谷龍次にソロ本塁打を浴びてしまった。結局2イニングを投げ、この1失点。

三番手はこれまたベテランといっていい年齢であろう江尻。

2007年のシーズン中に痛めた肘痛からの再起の年になるはずだが調子が上がってこないようだ。実は今年初めて生で観るのだが、下の写真の様に腕が下がったイメージだ。一昨年まではもう少し上から投げ降ろす感じだったように記憶しているが…。

C001 小林繁コーチ就任の影響か?

 

江尻は内野安打1本を打たれるも盗塁刺があって1イニングを3人で片付けた。

ファイターズ打線は六回表にジャイアンツの高校卒ルーキー笠原将生を攻めて中田と尾崎のタイムリーで2点を返して3対8とし、続く七回表にもジャイアンツの育成選手・尾藤竜一を攻めて二死満塁のチャンスを得たが頼りの四番、中田がキャッチャーファウルフライに倒れてしまった。中田の後の五番には途中から陽仲壽が入っており、一気に同点までとの期待が高まったが、凡退で逆に勝負あったという感じになった。

逆にファイターズ四番手の松山傑が七回裏に敗戦処理。が注目しているジャイアンツの育成選手・谷内田敦士に二死満塁から走者一掃のタイムリー二塁打を浴びて3対11とされ、万事休すという感じだった。

【2日・ファイターズスタジアム】

F 000 102 000 =3

FT007 010 300 =11

F)●矢貫、伊藤、江尻、松山、豊島-尾崎

FT)○小林憲()、坪井()、加藤(Ys)、笠原()、尾藤()、山本歩()、大抜()-水野(Ys)、谷内田()

本塁打)福元2ラン(矢貫・3回)、中田ソロ(坪井・4回)、大谷ソロ(伊藤・5回)

イースタン・リーグチャレンジマッチ特有のルールで後攻めのチームが九回表を終えてリードして勝った後でも九回裏を続行するのだが8点ビハインドの九回裏を守ったファイターズナインはどこか恥ずかしい思いをしたのではないか。

「恥ずかしかったら、次はリードして九回裏を迎えろ!」

イースタン・リーグチャレンジマッチは2007年から始まった試みで、2005年の球界再編以降、イースタン・リーグの球団数が奇数になったため常に試合を出来ないチームが存在することへの対策として、イースタン7球団の育成選手や、実戦での出場機会に恵まれない選手で一チーム(フューチャーズ)を編成し、試合を組めないチームと対戦するという試みだ。試合を組めないチームが試合を出来ることになり、なおかつチーム内で試合に出る機会のない選手に出場機会を提供する、ある意味一石二鳥の企画である。その趣旨からフューチャーズと対戦するチームも普段のイースタン公式戦とは異なるメンバーで臨み、あまり試合に出られない選手をオーダーに入れることが少なくない。今日のファイターズでいえば、前出の尾崎や、大平成一がスタメンでフル出場し、陽、村田和哉が外れていた。陽は途中出場したが、村田は一塁コーチを務めていた<苦笑>

Photo_2  

 

どうせなら浅沼寿紀とか津田大樹とかなかなか生でマウンド姿を拝めない若手投手を観たかったのだが…。

また、個人的にはイースタン・リーグチャレンジマッチを生で観るのは二年ぶりなのだが、三年目を迎えてフューチャーズもリニューアルされていた。一年目のフューチャーズはWBCの日本代表ユニを意識したデザインのユニフォームが印象的だったがフューチャーズオリジナルは上着と帽子のみで、アンダーシャツとズボンは各所属球団で使用しているものをそのまま使っていた。今年からユニフォームがリニューアルされたがアンダーシャツとズボンが自前なのは相変わらずのようだ。

C

(写真:左が二年前の初代フューチャーズユニ。右の左投手が今年からリニューアルされたフューチャーズのユニフォーム。モデルはジャイアンツの育成選手・尾藤竜一)

そんないつもと違うチャレンジマッチだが、もちろん普段のイースタン公式戦と変わらない点もある。冒頭の写真の様にC☆Bは元気にファンの間を動き回っているのだ。始球式の人選を決めるジャンケン大会などの大がかりなコーナーはお休みになるが、スタンドでのファンとのふれあい、試合前後のグリーティングはいつもの通りだ。いや、普段よりファンの数が少ない分、ファンとのふれあいは濃密だったかもしれない<>。4日からのゴールデンウイーク三連戦はもちろんこうはいかないだろう。今年は7月の鎌スタ☆祭を別にすれば、あまりに人が多いのは(敗戦処理。は苦手なので)避けようと思っていたのであるが今年のゴールデンウイークは最後の6日だけは鎌ヶ谷に行こうと思っている。

理由はもちろん田中幸雄が帰ってくるからだ。

P.S.

今日のオマケ

試合後にミーティングをするフューチャーズ。ベンチの中の選手に檄を飛ばすフューチャーズのキム監督(=ジャイアンツ。写真右下)ら首脳陣。左上は昨年まで現役だった「せえの、タカノリィ~」こと鈴木尚コーチ(=シーレックス)

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コメント

jiRo様、コメントをありがとうございました。

選手のblogとかあまり読まないもので<苦笑>。

周知の事実だったのですね。

まぁしかし、実際ラストチャンスかもしれませんね。

そうした点も含めて、フューチャーズとのチャレンジマッチっていろいろとテストケースとして利用されるのでしょうね。

江尻のblog中に出てくる投手コーチって小林繁の方ですよね、島崎コーチではないですよね。

であるなら、突然のトレード通告を受けた時の気の持ち方とかも聞いておいた方がよいかもしれませんね、いや、江尻に限らず。

話は変わりますが、この日の鎌ヶ谷。あまり人が多くなくて、かえって落ち着いて観戦出来た様な気がしました。

駐車場が埋まるくらいの人の入りでの賑やかさももちろん楽しいですが、ゴールデンウイークのど真ん中にこういう人の入りの日があると、何かホッとします。C☆Bも一人一人のファンと濃密に遊べたんじゃないですかね。

個人的には今年のゴールデンウイークはイースタン・リーグ観戦三昧にする予定だったのですが、挫折しました。エントリーに書いたように幸雄さんが来る日くらいは行こうと思っていますが。

投稿: 敗戦処理。 | 2009年5月 5日 (火) 00時18分

鎌ヶ谷帰りです、暑かったです。

>江尻
本人ブログにも載ってました。
http://ameblo.jp/ejiri-shintaro/entry-10251495697.html
何やら下半身を使うためのようで…
でもカマケンよりはまだ高い位置のようですね。

投稿: jiRo | 2009年5月 4日 (月) 18時51分

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