和田一浩が通算4000打数到達で通算打率ランクイン。
ドラゴンズの和田一浩が21日のバファローズ戦で3打数1安打を記録し、入団以来の通算打数が4002となった。通算打率を比較する規定打数は4000なので、和田はついにランクインしたことになる。
和田の通算成績は4002打数1262安打で、通算打率は.315となる。この通算打率は4000打数以上の歴代の選手の中で第6位に当たり、右打者ではブーマー・ウエルズの.317に次ぐ2位で、日本人の右打者では現時点で落合博満の.311を上回り歴代最高となる。
素晴らしい成績には違いないが、和田を第○位、歴代○位などと表現するのはちょっと待ったと言いたい。
ファイターズ時代の小笠原道大が4000打数に到達した時に当blog2006年7月30日付 意味のない比較?-小笠原歴代通算打率2位に! でもふれたが、現役バリバリの4000打数到達時の選手と、晩年の低迷期をも加えた引退した選手の通算成績を、4000打数以上という括りだけでひとまとめにして比較するのはナンセンスだと敗戦処理。は主張したい。
ちなみに和田が4000打数に到達した2009年6月21日現在の通算打率ベストテンは以下の通りである。
順位 通算打率/選手名 打数-安打 主な所属
1位 .320 レロン・リー 4934-1579 オリオンズ
2位 .31918 若松勉 6808-2173 スワローズ
3位 .31915 張本勲 9666-3085 フライヤーズ
4位 .3174 ブーマー・ウエルズ 4451-1413 ブレーブス
5位 .3173 小笠原道大 5495-1744 ファイターズ
6位 .315 和田一浩 4002-1262 ライオンズ
7位 .313 川上哲治 7500-2351 ジャイアンツ
8位 .3111 与那嶺要 4298-1337 ジャイアンツ
9位 .3108 落合博満 7627-2371 オリオンズ
10位 .309 松井稼頭央 4638-1433 ライオンズ
敬称略。青文字は左打ち。緑文字はスイッチヒッター。
今回の和田のように4000打数到達年次での通算打率ベストテンを調べると以下のようになる。
順位 通算打率/選手名 打数-安打 主な所属
1位 .3264 落合博満 4234-1382 オリオンズ
2位 .3257 若松勉 4258-1387 スワローズ
3位 .3232 レロン・リー 4072-1316 オリオンズ
4位※.3226 長嶋茂雄 4290-1384 ジャイアンツ
5位 .320 小笠原道大 4175-1335 ファイターズ
6位 .3174 ブーマー・ウエルズ 4451-1413 ブレーブス
7位 .315 和田一浩 4002-1262 ライオンズ
8位※.3143 加藤英司 4416-1388 ブレーブス
9位 .3142 川上哲治 4220-1326 ジャイアンツ
10位 .312 張本勲 4049-1264 フライヤーズ
敬称略。青文字は左打ち。
※印は上記歴代比較ベスト10圏外の選手。
ほぼ同じ条件で調べた結果、和田は日本人最高ではなくなるが、上に落合博満と長嶋茂雄しかいないということになるのだから、それはそれで素晴らしい偉業なのである。
また、和田と並んで現役選手でランクインしている小笠原だが、4000打数に到達した2006年終了時と比べると、二年半で通算打率が3厘も下がっていることが分かる。わずか.003とはいえ、下がっているということはこの三年間、小笠原の成績は打率に関しては既に下降線という見方にもなる。小笠原は2007年はセ・リーグのMVP。2008年は故障との戦いながら三割をキープ。今季も山あり谷ありながら三割をキープ。しかし通算打率.320だった小笠原にとってそれ以下の打率だと通算打率を下げることになるのだ。厳しいなぁ。
4000打数到達の二日前に37歳になった和田にとって「名球会」に名を連ねて後世に名を残すことは、残り738本という数字を考えると困難に思えるが通算打率という点では球史に残る位置に居続けることは間違いあるまい。
これからはそういう違った思いで和田一浩という打者の凄さを味わっていきたいものだ。
※ 2013年2月13日追記。
本エントリー掲出時には4000打数到達年次時点の打率ランキングで第7位に与那嶺要を入れていましたが、打率の計算ミスにより、第8位の和田一浩以下を繰り上げました。与那嶺は11位になります。つつしんで訂正いたします。
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