信じている限り 夢は終わらない
どこまでもどこまでも果てしない空 信じている限り 夢は終わらない (学校法人立志舎 CMソング「夢は終わらない」より) シーレックスの北川隼行の打席でシーレックスの応援団はこの曲を歌う。各球団が選手のヒッティングマーチをCDにして商売に利用するようになって久しいが、選手のヒッティングマーチはその影響かオリジナル曲作成へとシフトされていったが、いまだに既存の有名な曲が使われているものももちろん少なくない。しかし、それらの大半は歌詞を変えて使われているのが普通だが、シーレックスの応援団はCMで使われている元の歌詞をそのまま応援歌として使用している。冒頭に記したのがその歌詞だが、専門学校のテーマ曲だけあって、そのまま選手へのエールとして使用出来るからだろう。 北川は大阪桐蔭高、法政大、川崎製鉄水島を経て2003年にベイスターズに入団した今年7年目の右投げ左打ちの内野手だ。昨年までの一軍通算成績は34試合で打率.184に過ぎず、本塁打、打点ともに一軍では0で、ベイスターズというよりはシーレックスの選手と言った方がわかりやすい。今年の1月に30歳になっているがこのチームには右投げ左打ちの内野手が他に藤田一也、北篤、梶谷隆幸といて、右投げ両打ちの石川雄洋まで含めるとキャラがかぶる選手が四人もいることになる。しかもライバル四人はすべて北川より年下。かなり崖っぷちにいる選手であることはシーレックスファンではない敗戦処理。でも容易に想像出来る。率直に言って、シーレックス応援団があのCM曲を応援に使用しているからインパクトがあり、敗戦処理。にインプットされていると言って過言でもない。 そんな北川だが、今季は一時期ベイスターズに昇格し、試合で殊勲打を放ったこともあった。イースタンの観戦で印象に残っている選手が一軍で活躍したりすると、ジャイアンツやファイターズの選手でなくても何となく嬉しい気分になるものだが、北川が活躍した日の翌日のスポーツ紙を読んでびっくりした。北川のここまでの苦労ぶりが書かれているが、愛称は「まむし」となっており、ファームの試合で使われる応援歌のことは全く触れられていなかった。 応援歌はともかく、北川の愛称が「まむし」? イースタン・リーグの試合を観戦する者の間では北川の愛称は「横分けハンサムボーイ」で通っているはずではないか。食らいついたら離さない、しぶとい性格で「まむし」と言われているのならそれはそれでいいが、シーレックスの北川を応援し続けているファンの気持ちももっと考えて欲しいものだ。ケチャップさんも、もっとしっかりPRして欲しい。 ところで、今日は冒頭でも触れたように年に一度の「鎌スタ☆祭」だ。ファイターズのファームのマスコット、C☆Bは海の日が誕生日だという設定で、デビュー二年目の2007年から毎年、海の日にこのお祭り騒ぎをしている。海の日は7月の第三月曜日と決まっているから毎年三連休の最終日で、どこの球団にとってもかき入れ時のはずだが、三年連続して主催試合を組めているファイターズの営業部門は優秀なのだろう。球場の外には出店がならび、開場時には選手がウェルカムハイタッチをしてくれる。 今日は鎌スタ限定ユニでプレーもする。 そして、ファイターズのファームのこの種のイベントには欠かせない、速水けんたろうお兄さんももちろん登場。ファイターズのファームの新しい応援歌、「KAMAGAYAトキメキファイターズ~鎌サポ・ヴァージョン~」やファンも大合唱した「ファイターズ賛歌~鎌熊ヴァージョン~」を収録したCDの発売を記念しての即売会、サイン会も開かれた。 選手はウェルカムハイタッチだけではなく、入口付近でファンに気軽にサイン、 と思ったらフジテレビのカズ渡辺こと渡辺和洋アナウンサーだった。 「お台場合衆国」にいなくて良いのかという疑問はさておき<苦笑>、同じスポーツ担当の別のアナウンサーのセクハラによる異動が取り沙汰されている時に過去のこととはいえ不倫が表面化して自分の担当番組で生謝罪を余儀なくされたアナウンサーをイベントに引っ張り出すとはさすがフジテレビ。担当する「CSプロ野球ニュース」の取材絡みだったようで、試合前のアトラクション開催中には共演する佐々木梨絵の姿もバックネット付近に観られた。 さて、「鎌スタ☆祭」ではC☆Bの誕生日をスタンドのファンばかりでなく、相手チームも一緒になってお祝いするのが恒例だ。一回目の一昨年はマリーンズが十万円分のロッテのお菓子をプレゼントしてくれたし、昨年はスワローズがヤクルト製品を大盤振る舞いしてくれた。今年はきっとマルハの缶詰一年分とか豪勢に振る舞ってくれるかと思ったが残念ながらシーレックス(ベイスターズ)の現在の親会社は食品会社でなくテレビ局だ。何をくれるのかと思ったら何もくれないようで、 この後、速水けんたろうお兄さんによる国家独唱と始球式という段取りだったようだが、お兄さんは始球式をC☆Bに譲った。 おとなだ…。 試合はファイターズが糸数敬作の先発で、シーレックスは那須野巧。 敗戦処理。はファイターズの先発を多田野数人と予想していたが外れていた。実現していれば「ホモビデオVS裏金」という味わい深い対戦になっていたのだが…。 両先発とも立ち上がりからピリッとしなかった。 一回表にシーレックスが下窪陽介と内藤雄太の長短打で1点を先制すれば、ファイターズもその裏、先頭の陽仲壽がセンター前安打で出て、続く紺田敏正の左中間二塁打ですぐに同点に追いつく。ただ紺田はこの時送りバントを二度ファウルにしているのであまり誉められたものではないが…<苦笑>。続く今浪隆博がバントで送って一死三塁になり、四番・中田翔のレフト線二塁打ですぐに2対1と逆転。 二回表のシーレックスは簡単に二死を取られてから八番の北篤が四球。九番の北川が初球を右中間二塁打し、同点に。 二回裏のファイターズは安打の中島卓也を一塁に置いて紺田が今度はライトオーバーの勝ち越し2ラン。一軍では「守備の人」でたまに回ってくる打席でもあまり存在感を示せないが今日の紺田の打撃は鋭かった。この後もシングル安打を2本放ち、三塁打が出ていたらサイクルヒット達成という大暴れぶりだった。 三回表のシーレックスは二本の一、二塁間安打で一死一、二塁とし、野口寿浩の打席で糸数が暴投。二、三塁となって野口の犠飛でまず1点。この後、続く高森のレフト前の浅いフライをショートの中島が深追いして捕球出来ず安打とし、4対4の同点とする。さらに四球と死球の満塁から糸数がセットポジションを制止しないボークで勝ち越し点が入った。 ファイターズも三回裏にジェイソン・ボッツに左中間芝生席後方のネットを直撃するソロ本塁打が出て5対5の同点とする。ここまで両軍ともスコアボードに0が入らない。三回終了で1時間15分もかかっていて、先が思いやられる。 この試合だけを観る限りでは、「糸数って本当にこの間まで一軍で先発していた投手なのだろうか?」という疑問を感じざるを得ない。糸数も那須野もこの回を最後に降板した。 投手が替わって少しは試合が落ち着くかと思いきや、ファイターズ二番手の豊島明好も乱調。テキサスヒットを二本も打たれる不運な面もあったが二死一、三塁から野口にレフトフェンス直撃のタイムリー二塁打を浴び、5対7とされる。豊島は続く高森勇気に四球を与えると、水上善雄監督の堪忍袋の緒が切れて1イニング持たずに降板。谷元圭介が三番手でマウンドに上がった。 幸い谷元は好調で、代わりばなのピンチで大西宏明を遊ゴロに打ち取ると、この後六回まで無失点。試合を引き締めた。 ファイターズ打線は那須野以降の投手に手こずっていたが六回裏、四番手の松家卓弘に対し、先頭の金子洋平の代打、大平成一が四球。続く高口隆行の一、二塁間へのプッシュバントが内野安打となり一、二塁。中島のバントに備えようと松家が初球の前に二塁に投げた牽制球が悪送球になると完全に動揺したのか、中島にも四球で無死満塁に。シーレックスは慌てて陽の打席で「和製ランディ・ジョンソン」こと山北茂利を投入するが、陽がセンター前にタイムリー。さらに続く無死満塁から紺田がセンターに犠牲フライで7対7の同点に追いつく。左対左も全く苦にならず、打者としてこんなに頼りになる紺田を観るのはいつ以来だろうかと感慨にふけってしまった。 この後、左の今浪が山北に打ち取られ、中田はサイドスローの吉川輝昭に打ち取られ、ファイターズは同点止まり。 ファイターズは七回から山本一徳を投入。山本も好投で7対7のまま試合は八回裏へ。 先頭の高口が死球で喜んで一塁に出る。二死から紺田が三遊間を破るつなぎの打撃で二死一、二塁と一打勝ち越しの場面をつくった。二番打者として当然の仕事だがファイターズファンの思いは紺田に勝ち越しの三塁打を打ってほしかったのではないか。 ここでここまで3打数0安打の三番・今浪がレフト前に運ぶ。三木肇三塁コーチの制止を振り切り高口がホームに突入し、ついに勝ち越しの1点を奪った。8対7だ! 九回表、ファイターズはこの1点を守るべく五番手の坂元弥太郎を投入。 しかしシーレックスは諦めない。先頭の内藤がセンター前に運び、すぐに同点の走者を出した。代走は野中信吾。続く野口の打席で、坂元は野中の足を警戒して執拗に牽制球を繰り返す。野口もバントで送ろうとするがファウルで失敗の後、強攻策に切り替えてファウルで粘る。坂元VS野口-どう考えても一軍戦で顔を合わせるべき対決だ<苦笑>。最後は野口がフォーク?を空振りし、三振。続く高森も簡単に中飛を打ち上げ二死。野中は一塁に釘付けだ。 「あとひとりだ」 ファイターズファンが最後の気合いを入れる中、大西の打球は坂元の足を直撃し、三塁前に転がる強襲安打で二死一、二塁。もう三塁側ブルペンで投球練習をしている投手はおらず、心配したが坂元はトレーナーの治療も振り切る頑強さを見せた。しかし北に四球で二死満塁に。そして北川に逆転の一打を打たれる。 北川が放ったレフトフェンス際への大飛球にレフトの大平は追いついてグラブに触れるところまで入ったが捕球出来ず満塁の走者を一掃する逆転タイムリー二塁打となった。8対10!! これで終わればまだ良かったが、続く梶谷隆幸にとどめの2ランを右中間スタンドに運ばれ、8対12とされた。 九回裏は八回に今浪の勝ち越し打が出て中田の打席から登板の加藤武治が続投し、1点を失ったもののファイターズの反撃を最小限にとどめ、9対12でファイターズとしては大逆転負けとなった。 【20日・ファイターズスタジアム】 SS 113 200 005 =12 F 221 002 011 =9 SS)那須野、高宮、秦、松家、山北、吉川、○加藤武-野口 F)糸数、豊島、谷元、山本、●坂元-尾崎、今成 本塁打)紺田2号2ラン(那須野・2回)、ボッツ7号(那須野・3回)、梶谷6号2ラン(坂元・9回) 坂元は大西の打球直撃で球威を失っていたのではないだろうか。試合序盤には投球練習をしていた榊原諒は終盤にはブルペンにその姿を見せなかった。他に星野八千穂も試合途中ではブルペンに入っていたがベンチの判断は坂元と心中。 この三連休。敗戦処理。は二日間をファーム観戦に充てようと決めていた。ジャイアンツ戦を二試合観るか、ファイターズ戦を二試合観るか…? 結果、シーレックス戦を二試合観ることになった。イースタン・リーグの首位を走るシーレックスの終盤の粘り、集中力をまざまざとみせつけられた二日間だった。このチームは本当にベイスターズのファームなのだろうか?という禁断の疑問を敗戦処理。は感じざるを得ない。 P.S. 試合後、球場正面広場で行われたファイターズ選手によるトークショー (写真:試合後のトークショーに出演した杉谷拳士、今成、尾崎匡哉、ダース・ローマシュ匡。トークショーというより、一発芸披露合戦だったが…。) 悪夢のような九回表の大逆転負けから一時間足らず。マスクをかぶっていた今成亮太をはじめ、選手達の切り替えの速さに舌を巻いたのは敗戦処理。だけだろうか<苦笑>。 5日の観戦時に予約した敗戦処理。も商品を引き取り、首尾良くC☆Bと速水けんたろうお兄さんのサインをゲットした。今にして思えば、本日最大の収穫だったかもしれない。ちなみにCDジャケットに直筆のサインをいただいたのは立花夢果さん以来だ。
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コメント
logyoutube様、初めまして。
コメントをありがとうございました。
> 中田翔は2軍では圧倒的ですね
こういう時サッカーのレンタル制度みたいのが
あればいいのにと思います。
なるほど、そういう発想ですか。
まあしかし、昨年、今年と中田に相当高い授業料を球団も投資している訳で、他では働かせたくないでしょうね。
一軍の打撃好調が最後まで続くとは限りませんし、中田が気持ちを切らさずにいれば、チャンスは来ると思いますよ。
投稿: 敗戦処理。 | 2009年7月30日 (木) 01時23分
中田翔は2軍では圧倒的ですね
こういう時サッカーのレンタル制度みたいのが
あればいいのにと思います。
投稿: logyoutube | 2009年7月28日 (火) 13時06分
jiRo様、コメントをありがとうございました。
いやぁ、本当にお疲れ様でした。
> ここは羨ましい位、野手は育つんですよね。投手の補強だけに本腰入れてればよいものを…
右投げ左打ちを育てるの、本当に巧いですね。
野中なんか肩身狭そうですものね<苦笑>。
本当にベイスターズのファームとは思えませんよ。
> 滅多にないですが、HRのスイングと打球は美しいんですよね。フォロースルーがちょっと木元っぽい?
確かに美しいですね。
木元ですか。それは気がつかなかった。
私はホームランのスイングを観て往年の篠塚を思い出しました。
> >選手達の切り替えの速さ
だから一軍もあぁなんですよ(苦笑
はははは。確かに。
尾崎と今成は反省会をして欲しかったですね<苦笑>。
投稿: 敗戦処理。 | 2009年7月22日 (水) 01時23分
疲れましたね…
>ヨコワケ
9番とか反則ですわ。。
ここは羨ましい位、野手は育つんですよね。投手の補強だけに本腰入れてればよいものを…
>ホモビデオVS裏金
自分もそう予想してました(笑
だったらもっと早く終わったことでしょう(爆
>コンタ
滅多にないですが、HRのスイングと打球は美しいんですよね。フォロースルーがちょっと木元っぽい?
>選手達の切り替えの速さ
だから一軍もあぁなんですよ(苦笑
投稿: jiRo | 2009年7月21日 (火) 21時07分