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2009年8月25日 (火)

アジアシリーズ中止はNPBの自覚不足による自業自得!?

01_10 少し前の話題になるが、先週、北京で日本プロ野球組織<NPB>・長谷川一雄事務局長、韓国野球委員会<KBO>・イ・サンイル事務総長、中華職棒大連盟<CPBL>・李文彬秘書長、中国棒球協会<CBA>・申偉秘書長)らが出席して討議が行われ、今年度のアジアシリーズの中止が確認されるとともに、その代替として日本と韓国のそれぞれの優勝チームが対戦する大会の開催が決定的となった。一試合限定で日本で行うとのこと。

敗戦処理。が存続を願っていたアジアシリーズはわずか四年で幕を閉じることになってしまった。

 

(写真:敗戦処理。が生観戦したアジアシリーズのパンフレット。左の2006年版に比べ、右の2008年版は…)

昨年のアジアシリーズには冠スポンサーがつかず、約二億円にものぼる赤字が出たという。NPBではもう懲り懲りとばかりに、アジアシリーズの中止と代替行事の検討に動いていた。この動きに敏感に反応したのがCPBLでアジアシリーズの台湾での代替開催を申し出る動きもあったようだが今年の開催は見送られた。この四カ国、地域で日本以外にドーム球場の施設がなく、日本シリーズ終了後の開催に日本球界が難色を示しているのが実情らしいが、例えば五輪で野球が開催される場合にアジア地区の出場枠を争う大会は日本以外で開催なら11月または12月に屋外の球場で試合をしなければならない。「オリンピックで野球競技の復活を」などと言っておきながらアジアシリーズでは日本以外の開催を考えないというのは何とも懐の狭い発想で情けなく感じる。

WBCが国別のナンバーワン決定大会であるとしたら、アジアシリーズはクラブチームナンバーワン決定大会への足がかりとしなければならない大会なのだ。もちろんその先に見据えるのはアジアナンバーワンのチームとワールドシリーズを制したチームとの対抗戦だ。台湾球界が開催に意欲的であるならば、NPBとしても協力すべきだろう。ワールドシリーズを制したチームとの対戦が遙か遠い先の話だとしても、アジアにおける野球の先達である日本の優勝チームが台湾や韓国、中国で試合をするのはアジア全体の野球のレベルの底上げにも意義のあることだと思う。特にWBCが実質的にMLBとMLB選手会の営利事業と化している現状では対抗馬として発展させなければならないはずだ。

ひょっとして選手会が二の足を踏んでいるのか?

選手会は二年に一度の日米野球を、「真剣勝負の場でない」として拒否反応を示した。彼らは「11月はポストシーズンの真剣勝負の時期にしたい」として声明し、その結果パ・リーグ東西対抗も中止となった。選手会として条件が整えばアジアシリーズの国外開催に協力できないはずはない。それこそ喉元過ぎて熱さを忘れてしまったのか?

そもそもアジアシリーズがわずか四年で幕を閉じなければならなくなったのは(あるいは三年でスポンサーがつかなくなってしまったのは)NPBの怠慢が大きな要因ではないのか。

過去四回、すべて日本シリーズを制して出場した日本のチームがアジアシリーズを制する形になっているが、各年度の日本シリーズ優勝チームがアジアシリーズをそれこそ選手会が日米野球に拒否反応を示した「真剣勝負の場」として考えているのかという疑問がある。外国人助っ人の何人かは日本シリーズを最後に去ってしまっている。それはそもそもそのような契約条件だからだという。球団がはなからアジアシリーズを軽視している証拠だろう。

「asia_series_gap20052008.xls」をダウンロード

添付したEXCELのファイルには四回のアジアシリーズの日本の出場チームの日本シリーズ最終戦(日本一を決めた試合)とアジアシリーズ決勝戦のスターティングメンバーの比較だ。投手はローテーションの関係でベストの投手が先発するとは限らないから、野手の推定年俸の差で日本シリーズに比べてアジアシリーズで格落ちしたメンバーで戦っているかを調べてみたのだ。各球団とも、日本シリーズ最終戦のスタメン野手の平均年俸を100とすると、アジアシリーズ決勝戦のスタメン野手の年俸は格段に落ちる。

2005年マリーンズ→73.5

2006年ファイターズ→62.5

2007年ドラゴンズ→57.3

2008年ライオンズ→79.0

ライオンズが最も差が小さいのはスタメン野手に外国人がそもそもいないからだろうが、日本シリーズには故障をおして出場した中島裕之がアジアシリーズを完全欠場した。逆に最も格差が大きいドラゴンズはアジアシリーズを欠場した主砲のT.ウッズの推定年俸が群を抜いていたこともあろう。

それでも日本の出場チームが必ず勝つので面白味に欠けるというのもあるだろう。だから日本以外での開催をすべきなのだ。これまで二年に一度行われていた日米野球が常に日本で開催され、アメリカで開催されないのと同じことだ。

いっそのこと台湾の失礼ながら多少レベルやステータスの劣る球場で日本シリーズ優勝チームが戸惑い、アジアシリーズでチャンピオンになり損ねるなどという事態が起きた方が日本のプロ野球界も目を覚ますかもしれない。

メジャーリーガーの不参加と、レベルの高い参加国の少なさから五輪での除外につながったと言われる野球。今、アジアの野球熱を挙げる努力を怠ると、さらに国際的にはマイナースポーツになりかねないと憂うのは敗戦処理。だけだろうか。

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コメント

うまんこ様、コメントをありがとうございました。

> 今、中止を知りました。無念です。単年度赤字でも将来的な投資として長い目で見れないものですかね。プロの興業中心の野球の国際発展は難しいですね。

冠スポンサー無しで開催した昨年の大会の赤字は2億円だったそうです。このご時世、シャレにならない額だとは思いますが…。

早い時期から台湾が開催を申し出ていたにもかかわらず、はじめに中止ありきのような形で話が進んだのが残念でした。

来年は台湾開催を含め再開の方向で検討して欲しいですね。

投稿: 敗戦処理。 | 2009年10月 6日 (火) 00時50分

今、中止を知りました。無念です。単年度赤字でも将来的な投資として長い目で見れないものですかね。プロの興業中心の野球の国際発展は難しいですね。

投稿: うまんこ | 2009年10月 5日 (月) 01時33分

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