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2009年8月 8日 (土)

育てながら勝っていく、勝つために育てる野球

01 今日(8日)のデーゲーム、ジャイアンツ対スワローズ戦。十回裏に亀井義行にサヨナラ本塁打が出てジャイアンツが2対1で勝った。

しかし、この試合をテレビ観戦していた敗戦処理。はスワローズの、というか高田繁監督の懐の深さに舌を巻いた。

チーム事情はそれぞれ異なるとはいえ、ジャイアンツの原辰徳監督にも参考にして欲しいくらいだ…。

  

(写真はスワローズの高田繁監督。 2008年3月撮影)

スワローズ先発のユウキは故障上がりということもあってかこれまで先発しても6イニング未満での降板が相次いでいたが、今日は今季初めて6イニングを投げきった。

ジャイアンツに0対1のビハインドで迎えた六回裏、二死から鶴岡一成に二塁打を浴び、八番の田中大二郎を歩かせて相手投手のセス・グライシンガーと勝負したものの制球定まらず四球。二死満塁で坂本勇人という局面になってしまった。

次の回の攻撃では走者が二人でないとユウキに回らない。豊富な中継ぎ陣を擁するスワローズだが、この場面、ベンチはユウキに任せた。

結果、ユウキは坂本を一塁フライに打ち取ってピンチを切り抜ける。

そしてそのユウキの力投に答えるようにスワローズ打線は次の七回表に同点に追いついた。

一時の勢いの翳りが見えているとはいえ、坂本はジャイアンツ打線のキーマン。よくぞこの場面、ユウキは坂本を抑えたと思う。ジャイアンツを応援している敗戦処理。だが、率直にそう思った。そして敢えてユウキを代えなかった高田監督の懐の深さに恐れ入った。高田監督は敢えてユウキに壁を自力で超えさせる選択をしたのだろう。

現在、ジャイアンツはセ・リーグの首位を走っている。

しかし開幕から先発投手陣の調子が万全で無く、越智大祐、山口鉄也、豊田清、マーク・クルーンといったリリーフ陣のフル回転によって勝ち星を拾っているのが実態だった。越智と山口はチーム試合数の半分以上に登板している状況が続いていた。当然、越智や山口でも打たれる試合が増え、7月の対タイガース戦では越智と山口をベンチ入りさせない試合があったほど。そして豊田が腰痛で登録抹消される事態にいたり、慌てて先発投手を無理矢理に長く投げさせる措置を講じている。一般的にはこういう現象を「泥縄」という<苦笑>

計画性がない中、選手達の神懸かり的な活躍で勝ち星を重ねていくジャイアンツ。亀井は今日で今シーズン三本目のサヨナラ本塁打だが、坂本勇人もサヨナラ本塁打を二本放っている。若き戦士達が劇的な勝負強さを見せることで、監督の采配ミス、計画性の無さを補っているといったら言い過ぎか。

ユウキはバファローズ時代の昨年2月に右肩を手術して復帰にかけたが、うまくいかず戦力外通告を受けてしまった。スワローズは「治れば戦力になる」と考え獲得を決めたが、育成選手枠での採用にとどめた。登録名も本名の田中祐貴に戻し、三桁の背番号121を背負った。

5月6日、イースタンのファイターズ対スワローズ戦に田中祐は先発した。DHを使える試合でありながら、この日のスワローズはDHを使わずに田中祐を九番打者に入れた。田中祐は実際に打席に立った。この試合では田中祐は中田翔に本塁打を浴びるなど敗戦投手になってしまうがその後支配下選手登録をされ、一軍入りし、勝利投手にもなっていった。

 

 

現在3位にいて首位ジャイアンツをまだまだ射程距離に置くスワローズにとっては万全で無い先発投手陣に殻を破って欲しいという気持ちが強いのだろう。高田監督はハイリスク・ハイリターンでありながら、疲れが明らかなユウキを坂本と勝負させたのだろう。

対するジャイアンツはイニング数で区切るのか、投球数で区切るのか、先発投手の「限界」を勝手にベンチで決めていて、「後はよろしくお願いします」とばかりに毎度毎度リリーフ陣に頼っている。越智や山口に一時のキレが無くなるのは自明の理であるが、実際に限界を超えるまでリリーフ陣を酷使して、今度はやたらに先発投手を引っ張る方針にシフトしている。いくらジャイアンツファンの敗戦処理。でもこれを「臨機応変な起用法」とは言わない。

ジャイアンツはさすがに越智と山口への過度な依存から脱却しようと、ここに来て木村正太を1、2点ビハインドというまだまだ挽回可能な状況でのリリーフに使っているが、7日のスワローズ戦では10対2と大量リードの八回表にM.中村を注ぎ込んで走者を貯めて左打者を迎えるとサウスポーの深田拓也を注ぎ込むテスト的な起用を行ったがものの見事に裏目に出て四球と満塁本塁打で10対6と予断を許さない展開にしてしまい、最後はクルーンを投入しても、本塁打が出れば同点という状況になっての白星だった。

4対2から六回裏にジャイアンツが6点を加え10対2とし、おそらくは元々の予定で先発の内海哲也から越智にスイッチしたのだろうが、越智が七回表を抑えると、山口を使うのはもったいないとM.中村を使ったのだろう。しかし今シーズン、昨シーズンまでのファイターズでのストッパーぶりの片鱗を見せられないM.中村はこの日も不安定。左対左のテストとして登板させた深田も無様に散った。

深田は当blogで何度か取り上げているように基本的に先発型の投手だ。ファームでも先発投手としての登板がほとんど。結果もついてきている。山口の負荷を軽くするための存在として期待しているのであれば、まずはファームで先発からリリーフに転向して修羅場をくぐり抜けるテストをさせてから一軍に上げるべきだろう。敗戦処理。が「第二の成瀬善久」と期待している逸材が首脳陣の迷走で伸び悩むのを見るのは痛々しい。

あまりある戦力を持ちながら、育て方、使い方を見つけられないジャイアンツと育てながら勝っていくしかない、勝つために育てる野球をしなければならないスワローズ。どちらの球団により高い指揮官の腕が必要とされるかは明白だ。

  

高田監督は原監督にとってはジャイアンツの、そして背番号8の先輩。高田監督の域に達するには「読売グループ内での人事異動」を経ているだけではなく、他球団の釜の飯を食ったり裏方に回る経験を経ないとならないのだろうか…。

  

もちろん、今日のような延長戦で一振りでサヨナラ勝ちを決める選手を育てることも難しいことでジャイアンツもその意味ではまだまだ捨てたものではないのだが…。

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