中田翔10日間出場停止&イースタン公式戦終了まで外出禁止
中田がやらかしてしまったのは一軍に籍を置いた状態で、一軍の試合が千葉マリンスタジアムでのナイトゲームで、昼間にイースタン・リーグ公式戦が鎌ヶ谷のファイターズスタジアムで行われるというシチュエーションで起きた。勇翔寮ではなく、一軍の千葉遠征用のホテルに泊まっていた中田はイースタンの試合にも出るためにファームに合流しなければならなかったのだが、集合時刻を間違えて遅刻したと言うから開いた口が塞がらない。
プロ野球の世界では一流、あるいは超一流と言われるスタープレーヤーの中に野球以外のことには極めて無頓着な豪傑も少なくないようだが、今や、グラウンドで結果を出していさえすれば多少のことには目をつぶってもらえるという時代ではない。遅刻云々は球団内での決めごとを守れなかっただけに過ぎないが、こういうことを放置しているといずれ社会のルール、モラルに欠けた行動を起こしかねない。今回の件で水上善雄二軍監督は「野球人の前に社会人だろ」と厳しく中田を叱責したと言うがまさにその通りだろう。
いみじくも中田が遅刻する二日前の先月31日、ファイターズの梨田昌孝監督が球団との間で新たに来年からの二年契約を結んだと報じられたが、球団フロントから梨田監督に求められた命題のひとつに中田の一本立ちがあったという。それを水上二軍監督も知っているからこそ、二軍として独自の処分を科したと言うことだろう。
ここで冒頭の写真の一枚、メッセージボードについて説明しよう。
ファイターズタウンにはイースタンの試合を行うファイターズスタジアム、選手が生活する勇翔寮、室内練習場がある。勇翔寮と室内練習場は隣接しているが、勇翔寮とファイターズスタジアムを行き来するには1~2分歩かなければならない。スタジアム側の出入り口は三塁側にあり、サインや記念撮影などを求めるファンはそこで出待ちをする訳だが、その出入り口の脇にファンが自由に応援メッセージを書き込めるホワイトボードがあるのだ。稀に荒らしと思われる悪意によって書かれたいたずら書きが見受けられるが、おおむねファンの本音のメッセージで埋まっている。写真は今日の試合前に撮影したものだが、おそらくその後も埋まっていったことだろう。
(写真:三塁側の出入り口にあるメッセージボードと、選手の出待ちをするファン。お目当てのダルビッシュ有は別出口から出てしまった!)
ところで中田は遅刻した日にイースタンの公式戦に出場し、2本の本塁打を放って今季28本塁打となり、それまで大森剛(当時ジャイアンツ)とコーリー・ポール(当時ライオンズ)が持っていたイースタン・リーグの年間本塁打記録27を塗り替えた。
また打点、打率もリーグトップとリーグ三冠王も狙える位置にいる。うがった見方をすれば、独走状態の本塁打、打点は心配なし。出場停止期間中に中田の打率は下がらないから、2位の中尾敏浩(スワローズ)の打率がよほど上がって来なければ中田にとっては結果オーライになりかねないのである<苦笑>。
もちろん鎌ヶ谷に足を運ぶファンの大半が考えているのはそんなセコイことではなく、メッセージボードに書かれた通り、中田翔のプレーする姿を観たいというだけなのである。実際、敗戦処理。も中田の打撃は観たい。C☆Bとアテンドスタッフの失笑を買いながら
もファイターズスタジアムではビジター側に当たる一塁側のスタンドに座り、カメラを構えるのも中田の豪快な打撃が観たいからだ。
しかし、球団の処分は妥当であると考えるし、悪いのはあくまで中田だ。昨日(5日)出なかった時点で怪しいとは思ったし、出場停止処分のことは今日家を出る前に知っていた。つまり中田が出ないことを承知で敗戦処理。は今日の鎌ヶ谷に向かったのである。
ファイターズのファームにおける中田の影響力は上記のようにリーグ記録を更新したり、三冠王も狙える打棒をふるっているのだから大きいのは当然なのだが、調べてみたら昨日まで今季のファイターズのファームは中田が不出場の試合に8勝13敗と負け越している。チームのトータルが46勝47敗4引き分けと五割を切っている状態と言うことと、中田が出場して無安打の試合にファイターズが勝ち越しているというデータがあるということを合わせて考えると、いかに中田への依存度が高いかと言うことがよくわかる。先週3日のように中田不在でも21得点などという猛打爆発の日もあることはあるのだが、それは明らかに例外<苦笑>。
中田は試合前のシートノックは普通に受けていたが、ボールボーイなどの雑用もせず、試合中は姿を見せなかった。そして中田を欠くスタメンはこんな感じだ。
一軍のインフルエンザ渦の時のメンツに比べれば、陽仲壽と村田和哉がいるだけましか。しかしこう言う時に限って
ゴールデンイーグルスの先発は朝井秀樹なのである<苦笑>。
ファイターズの先発は植村祐介。敗戦処理。が生観戦した先月30日のジャイアンツ球場での先発から中六日。
前回は打線の援護もあって勝利投手になったものの一回裏に3失点していた植村は今日も一回表に先頭の平石洋介にプレーボール後の二球目をライトスタンドに弾き返される先頭打者本塁打を浴びると、その後も安打と四死球で満塁にしてしまい、銀次にレフト鵜久森淳志の頭上を超える走者一掃のタイムリー二塁打を浴びてあれよあれよという間に4点を奪われた。
中田を欠く打線で朝井を相手にこれだけでも苦しいのに、植村は立ち直りの兆しを見せぬまま三回表にも中川大志のタイムリーで0対5とされ、さらに二死満塁のピンチで平石に初球を投じたあと、自らタイムを求めた。
投球内容よりもこちらが心配である。
ただ前回の登板で勝利投手になれたとはいえ、初回の3失点は大きな反省材料であるはずだったのに今日も4失点というのはいただけない。一軍ならともかく、二軍では「終わりよければすべて良し」とは言えないのだから。
急遽マウンドに上がった豊島明好が押し出しの四球で0対6とされ、三回表にしてさすがに鎌ヶ谷の三塁側にも暗い雰囲気がただようが、打線が意地を見せた。
三回裏、高口隆行と中島卓也の安打でつかんだ二死一、二塁から
村田がレフトの頭上を超えるタイムリー二塁打で2点を返す
ファイターズは四回表から三番手・谷元圭介を投入。これが好投し、立ち直った朝井とともに荒れた試合を落ち着かせた。そしてようやく六回裏。四球と死球でつかんだチャンスを高口隆行がバントで送って一死二、三塁と一打同点のチャンスを作り、帝京高校時代<?>の友人らの熱い応援を受けた杉谷拳士が二塁ゴロで走者を一人還し、5対6と一点差まで詰め寄った。
ライオンズとクライマックスシリーズ進出権を争っているゴールデンイーグルスとしては実績のある朝井の復活に期待したいところだろうが、6イニングで5失点という結果は物足りないものであったろう。
一点差に迫ったファイターズが七回表のマウンドに送ったのは四番手の宮本賢。3イニングを無失点に抑えた豊島に続きたいところだが、イヤな予感がした。先月は敗戦処理。が生観戦した試合だけでも宮本が二度敗戦投手になっているが、調べてみたら8月の宮本のイースタンでの成績は6試合に登板して0勝3敗。防御率に至っては13.50だったのだ。しかし今月に入ってからはまだ2試合だが計3イニングを自責点0である。月が変わっただけでなく、宮本自身に変化があったのか?
しかし、そんな淡い期待はもろくも裏切られた。
七回表、宮本は一死から連打を浴びると外野からの返球がそれたのを自らバックアップしたまでは良かったものの挟殺プレーを狙った送球が悪送球になり1点を献上。反撃ムードに水をさした。2イニング目の八回表にも一死から連続四球の末に楠木祐介、藤井彰人に連続二塁打で3点を加えられた。これで5対10。
そもそも宮本は昨日も2イニング投げている。設定自体に無理があったのではないか?植村のリタイヤと緊急登板した豊島を1/3イニングで降ろしたのが誤算だったのだろうが…。
そして、宮本の乱調がうつった訳では無いだろうが先週のジャイアンツ戦では見事な快投を見せた山本一徳まで九回表に炎上。2失点で5対12となり、今季鎌ヶ谷では最後の日曜日開催となる公式戦は無様な試合となった。
【6日・ファイターズスタジアム】
モ 402 000 132 =12
F 004 001 000 =5
モ)○朝井、渡邊恒、松本-銀次、藤井、山本
F)●植村、豊島、谷元、宮本、山本-渡部
本塁打)平石3号(植村・1回)=初回先頭打者、陽14号2ラン(朝井・3回)
5対6と一点差に迫ってからの投手起用が大誤算となったがファイターズ打線も三回以降は毎回走者を出しながら得点出来たのは三回裏と六回裏の二度だけと打線に勢いがなかった。中田に代わって四番に座っている鵜久森が四球を一つ得た他は4の0とブレーキで、しかもそのうちの三打席は走者を置いての凡退と、中田が不在だと勝率が下がる理由の一端が垣間見られたようでもあった。
中田の姿勢だけでなく、ひとりの選手への依存度が高すぎるチームのあり方にも疑問を感じた。当然のことながら良い選手はいずれ二軍を卒業するのである。
その中田が兄のように慕っているというダルビッシュ有はルーキーイヤーの春季キャンプ中に喫煙が発覚して謹慎処分を受けたが、その後の活躍は今さら言うまでもあるまい。中田も処分を糧に飛躍してもらいたいところだが、ダルビッシュの方はそれを乗り越えて一軍に上がると、すいすいと成長していった。しかし中田は今季二度の一軍昇格でまだ残念ながらその片鱗を見せていない。社会人としての常識が欠けていることをまず改善しなければならないのは当然としてプレーヤーとして一軍でまだ通用しないのは何故かと言うこともこの機に考えてもらいたいものだ。
P.S.
今日のオマケ
ファイターズスタジアムの随所にこんな貼り紙が…。
先月22日のファイターズスタジアムでのファイターズ対ライオンズ戦に来場した八名信夫さんはやはり「ぶらり 途中下車の旅」の収録だった。今週の土曜、12日の9:30AMから日本テレビ(地上波)で放送される同番組のタイトルは「東武野田線」。ファイターズスタジアムで収録した模様が流されるようだ。位置的には東武野田線の鎌ヶ谷駅からぶらりと来られる距離ではないような気もするが<笑>、どんな風に紹介されているか楽しみだ。5日放送分のエンディングの次回予告にはファイターズタウンのシーンは出てこなかったが…。
「ぶらり 途中下車の旅」は関東ローカルです。またBS日テレで毎週水曜日の10:00PMから放送しているが、だいたい地上波の一ヶ月遅れくらいなのでBS日テレでは10月放送と思われる。
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コメント
ナターシャ様、コメントをありがとうございました。
> 10日間の出場停止ならセーフですね。
外出禁止期間でも試合に出れるなら。
そうです。
余罪でもばれない限り、いらっしゃる時期には出場しているはずです。
一軍に復帰しているとか、大雨で中止とかがないかぎり、生中田を堪能出来ると思います。
> 私は嫌われているみたいです
でもいいです!鎌ヶ谷は一度は行きたかったから。
万一、中田君がいなくても、C☆Bが笑顔で迎えてくれますよ。
私も、楽しみにしています。
投稿: 敗戦処理。 | 2009年9月10日 (木) 01時28分
10日間の出場停止ならセーフですね。
外出禁止期間でも試合に出れるなら。
投稿: ナターシャ | 2009年9月 7日 (月) 09時19分
敗戦処理さん、こんにちは
残念です。
鎌ヶ谷せっかく行くのに見れないんですね。
以前イースタンと公式戦のダブルヘッダーの時も中田は怪我で札幌のファンはがっかりしました。
私は嫌われているみたいです
でもいいです!鎌ヶ谷は一度は行きたかったから。
中田は遅刻した日ダルビッシュにでこピンされたそう。。。
同じように大人の階段のぼって立派になって欲しいですね┐(´д`)┌ヤレヤレ
中田君は走塁とか細かいところで集中できてないのが一軍の試合でわかりました。
総合的にまだまだ通用しないですよね。
社会人としても甘えがあるようでは野球も駄目ですね。
遼君を見習って欲しいです!
投稿: ナターシャ | 2009年9月 7日 (月) 07時01分