土井正三さんの訃報とジャイアンツのV3
原ジャイアンツの優勝決定後、長嶋茂雄終身名誉監督はV9時代より強いとか言っていたし、そのV9監督の川上哲治さんも同じようなことを言っていた。そんなに今のジャイアンツは強いのか?
たしかに、この三年間の優勝の中では今年が最もツッコミどころのない優勝だったと思う。敗戦処理。は贔屓チームが勝ち続けようと、おかしいと思うことがあれば吠えるし、過去二年間はそれが多かったと思う。そえゆえにジャイアンツファンの中には敗戦処理。を隠れアンチだと思っている人すらいるという。それが今年に関してはリリーフ投手の酷使以外はほとんどケチをつけていないと思う。
しかし、V9時代というのは(実は敗戦処理。はリアルタイムでは最後の年しか観ていないのだが)単に9年連続リーグ優勝したのではなく、9年連続で日本一になっていたのである。一年目はクライマックスシリーズで完敗し、二年目は日本シリーズであと一歩のところで敗れた今のジャイアンツの連覇とは根本的に次元が異なる。戦績という面では比較にならないはずだ。
祝福している大OB達はいわばご祝儀的なコメントをしているのだろうが、それを真に受けて報道するメディアの姿勢は如何なものかと思う。
そんな疑問を抱き始めた矢先に土井さんの訃報が飛び込んできた。今度はメディアは土井さんのプレーヤーとしての足跡を讃えるとともに、土井さんらが築いたV9と言う偉業の凄さを語っている。そのニュースのニュアンスを聞くと、V9時代の圧倒的な強さというのが垣間見られ、残念ながら今のジャイアンツの強さもまだまだだなとなってしまう。
正直に言えば、敗戦処理。にはV9時代のジャイアンツと今のジャイアンツを比較する能力はない。V9時代のほんの一年間だけしか観ていないからである。それに今ここで比較するつもりもない。
ただ、比較するには、即ち同じ土俵に乗るには少なくとも日本シリーズ制覇=日本一の実績がないことには話にならないと思うのは敗戦処理。だけだろうか。
個人的には日本シリーズとは参加することに意義があり、そこで負けたからといって非難されるべきものではないという考え方をしているが、仮に比較するのであれば「日本一」という実績が必要だろう。
ご祝儀に踊らされず、V9時代より強かろうが、そうでなかろうが今のジャイアンツのこれから先(クライマックスシリーズ、日本シリーズ)の闘い様をリアルタイムで味わえる喜びをかみしめつつ、楽しんでいきたいと思う。いささか不謹慎ではあるが、その意味では土井さんの訃報というものは目を覚めさせてくれるきっかけにはなったと思う。
ただ、これも言っておきたい。
土井正三さんの輝きは当時子供だった敗戦処理。にも焼き付いている。本当にいい選手だったと思う。
土井さんはV9時代だけでなく、長嶋監督時代の初期にもプレーしたが世代交代期にあって「二番、セカンド土井」というアナウンスを聞くだけで安心感があった。
また旧ブルーウェーブ監督時代の眼力を揶揄する声も多く、今になって実はイチローとの間に確執があった訳では無いなどと報じられているが、そういう輩は実際あの当時の鈴木一朗を観て将来性を予見出来る眼力を持っているのか?人の評価なんてその程度だと思う。
最後にもう一度いう。
土井正三さんは本当にいい選手だったと思う。
謹んでご冥福をお祈りしたい。
参考エントリー ジャイアンツV9の名二塁手:土井正三さんが大病と闘っている!? 2007年4月20日付当blog
冒頭の写真と参考エントリーへのリンクは2009年10月10日に追記しました。
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コメント
ラケル様、コメントをありがとうございました。
> 確かに、ここ数年は日本一になっていませんから、V9時代より強い云々と言い出すのはおかしいですね。
要はご祝儀的なコメントを真に受け過ぎないようにしようということです。
比較するかどうかはともかく、今年のジャイアンツは近年の中ではダントツに強いと個人的には思います。
投稿: 敗戦処理。 | 2009年10月 1日 (木) 00時47分
folomyにこのことを書かせていただきました。
確かに、ここ数年は日本一になっていませんから、V9時代より強い云々と言い出すのはおかしいですね。
ぜひ、日本シリーズに出て日本一になってほしいと思います。…日本ハムが相手の場合を除いては。
投稿: ラケル | 2009年9月29日 (火) 19時55分