「生」観戦した野球場(53)-富山市民球場
いろいろな野球場で日本のプロ野球を観てきました。だからどうしたと言われればそれまでですが。
毎月2日、この「生」観戦した野球場と「敗戦処理。生観戦録- my only one game of each year」のいずれか一方を掲載していますが、今月は10月3日に新たに富山市民球場、通称富山アルペンスタジアムにて初の生観戦をしましたのでこちらのコーナーでいきます。「敗戦処理。生観戦録- my only one game of each year」は来月に回します。
1974年3月に初めて後楽園球場でプロ野球を生観戦して以来、いろいろな野球場でプロ野球を観てきました。チケット代よりもはるかにかかる交通費をかけて北へ南へ…。社会人になって多少経済的に余裕が出てからは「十二球団の本拠地をすべて回ろう」と考え、それを2000年に達成してからは地方球場、ファームの試合を行う球場を積極的に回りました。そうしてついに50を超えました。
なおバックナンバーは左欄のカテゴリー別から敗戦処理。が「生」観戦した野球場を選び、ダブルクリックして下さい。
第53回 富山市民球場 観戦球場ファイル-53-
近年の敗戦処理。は一軍公式戦よりもイースタン・リーグ公式戦の方を多く観る傾向にあるが、贔屓チームであるジャイアンツもしくはファイターズがイースタン・リーグで優勝した暁にはウエスタン・リーグ優勝チームとの一試合勝負のファーム日本選手権を観に行くことにしている。ファーム日本選手権は一軍の日本シリーズのように出場チームの本拠地で行うのではなく、予め決められた地方球場で行われるのがパターン化されている。2003年、2004年とファイターズが連続優勝した時には2003年に南長野運動公園野球場に、翌年にはサンマリンスタジアム宮崎に行った。そして2007年にジャイアンツが優勝した時には山形県野球場(現山形蔵王タカミヤホテルズスタジアム)に行った。球場巡りを趣味の一つにしている敗戦処理。にとっては格好の機会になっている。
今年のイースタン・リーグは当初シーレックスが好スタートを切り、その後ファイターズが首位争いに絡む時期もあって期待をしたがやがて脱落。シーレックスとマリーンズの一騎打ちの様相を呈してきたため、富山市民球場で予定されているファーム日本選手権の観戦を諦めていた。しかし9月に入ってジャイアンツが昨年の一軍の「メーク・レジェンド」の再現を思わせる猛追で逆転優勝を果たした。そこでジャイアンツとドラゴンズの一騎打ちを生観戦しようと、ジャイアンツがイースタン・リーグ優勝を決めた9月27日に6日後に行われる富山市民球場での決戦のチケットと往復の交通の便をそれぞれネットで手配した。
富山市民球場-通称富山アルペンスタジアム。
最寄り駅はJR北陸本線の東富山駅ということになり、駅から徒歩で約20分ほどだそうだが、野球開催日にはJR富山駅からシャトルバスが出る。敗戦処理。が生観戦した日も運行していた。
余談だが当日移動となる敗戦処理。はネットの交通案内で自宅の最寄り駅から富山駅までのルートを探索したのだが上位に出てくるのは空路で富山に行くルートばかり。唯一の陸路がMaxときで越後湯沢まで出て、そこからはくたかに乗り換えて富山に出る。敗戦処理。は平日の出勤日より早い午前6時に家を出て新宿経由で大宮からMaxときに乗り込んだ。富山駅に着いたのは11:22。
シャトルバスの運行は随時ということだったが敗戦処理。が乗ったバスが富山駅を出発したのは11:45。ちょうど20人が乗った。片道540円で、行きは25分かかった。
バスの利用者が少ない理由がわかった。広大な駐車場がある。近隣からは車で来場する人が多いのだろう。
もちろん帰りの便も試合の進捗に合わせて用意されている。試合終盤に場内アナウンスで告知もあったし、試合後のセレモニーの合間には最終便の時間まで告げられた。
中に入ってみた。両翼が99m、センターは124mと本格的。人工芝が鮮やかで、6基の照明灯もある。1996年にはオールスターゲームが行われている。独立リーグ、BCリーグでは富山サンダーバーズのホームゲームにも使用されている。たしかに失礼ながら地方球場にしては素晴らしい設備だ。
ただ初めて観戦して、ちょっと不満も残った。
弁当類を球場の外ではグッズ類とともに販売しているのだが球場の中に入ると焼きそばだの唐揚げだの、食物は簡易的なものしか売っていない。しかもこの日は試合開始前に品切れになるものが何点もあった。飲料もノンアルコール類の売店はすぐに売り切れ、自動販売機に長蛇の列がいつまでも続く有り様で、観客の数を読み間違えていたとしか思えなかった。まさかジャイアンツが逆転優勝するとは思っていなかったのか<苦笑>。
BCリーグが創設されたとはいえ、NPBの球団がない地域にこれほど素晴らしい球場があることを考えると、NPB各球団は地域密着でホームタウンのファンを大切にするだけでなく、十二球団の本拠地のない府県への試合開催にもより積極的であるべきだと思う。それでこそ日本の野球の裾野が拡がるというものだろう。
富山でいえば、以前はジャイアンツが石川、福井とともに北陸シリーズ三連戦を東北シリーズと交互に隔年で開催していた。それは読売新聞社の拡販戦略の一環だったのかもしれないが、読売新聞社の創業者にして日本プロ野球の父と言われた正力松太郎氏の故郷ということもあったのだろう。息子の正力亨オーナーが徐々に実権を奪われ、渡邊恒雄前オーナーが力を得るにしたがって正力色を薄めようとする思惑の一つとして1993年を最後に北陸シリーズが途切れた。その1993年のジャイアンツ対スワローズ戦ではジャイアンツの宮本和知が投じた古田敦也へのビーンボールとも疑わしき投球に端を発し、ホームでのブロックを巡り乱闘劇が起きた。折しも皇太子殿下のご成婚を翌日に控えていたことがあり、機構から厳重注意を受けたものだった。そして試合後に「大正力の聖地で何て事を…」と嘆きのコメントを発したのは当時の長島茂雄監督、ではなく相手の野村克也監督の方だった。
なお、他に富山県営球場というものも存在するが規模、設備ともに市民球場にはかなわないものだそうだ。NPBの日程で「富山」と書いてあれば市民球場、アルペンスタジアムを指すと思って間違いないそうだ。
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