東尾修、野球殿堂入りで感じたこと
今日(12日)、本年度の野球殿堂入りが発表された。元ライオンズのエースで監督としても二度のリーグ優勝を果たした東尾修氏とドラゴンズを皮切りに四球団でプレーして両リーグでそれぞれ首位打者を獲得した故江藤慎一氏、そしてアマチュア一筋で主に都市対抗野球の充実に尽力して貢献した故古田昌幸氏の三人が野球殿堂入りを果たした。
敗戦処理。が注目していた落合博満監督は昨年に続き、一票差で選に漏れた。二年連続で一票に泣いたのは落合監督が初めてとのこと。
しかし敗戦処理。にとって驚きだったのは東尾元監督の殿堂入り。現役時代プラス監督としての成績で申し分ないのだが、殿堂入りに足枷になる点があったからだ。東尾元監督の殿堂入りにケチをつけるつもりはない。敗戦処理。が考えたのはそれならば、ということ。
(写真:野球殿堂入りを果たした東尾修。2003年11月撮影)
2010年という年は東尾にとって忘れられない当たり年といえよう。
娘さんの結婚に続く、二つ目のおめでたい話だ。監督就任を実現しなかったゴールデンイーグルスは後悔するかもしれない<笑>。東尾元監督、本当におめでとう。
(写真:東尾修の娘でプロゴルファーの東尾理子プロ。2003年11月撮影)
冒頭に書いた「足枷」とは現役末期のある出来事。東尾の野球人生における最大の汚点と言っても良いだろう。「黒い霧事件」で弱体化していた当時の西鉄ライオンズで孤軍奮闘に近い働きをし、球団が身売りを繰り返す中も投げ続け、西武の時代になってようやく広岡達朗、森祇晶両監督の下、常勝球団のエースとしてチームを牽引することになったが、晩節を汚すことになってしまった。
もちろんそのことに対する禊ぎも済ませたので、後の監督就任、そして今回の殿堂入りという栄誉があるわけだが、今回敗戦処理。がエントリーで言いたいことは東尾がそうであるならば、江夏豊に対しても野球殿堂入りの栄誉を与えても良いのではないかということだ。
(写真:「こどもの日」の野球教室に参加した江夏豊。余計なことだがこの時江夏は元ジャイアンツの杉山直樹とバッテリーを組んだ。 2003年5月撮影)
もちろん、東尾と江夏とでは犯したことの次元が違う。それこそ落合監督殿堂入り反対の件ではないが、「(昨年世間を震撼させた件との兼ね合いで)このタイミングで…」というのはあろう。しかしもういい加減、江夏豊という野球選手にその実績にふさわしい栄光を讃えようではないか。
江夏が現役を引退して四半世紀が過ぎた。競技者表彰でプレーヤー表彰の対象者は「現役を引退したプロ野球選手で、引退後5年以上経過した人。その後15年間が選考対象」という規定だが、2008年に改められた新規定のため、今年は経過措置で引退後18年となる。いずれにせよ江夏は対象外。江夏が選出されるとしたらエキスパート表彰「②現役を引退したプロ野球選手で、引退後21年以上経過した人。」(同じく経過措置により24年以上)の方だろう。
来年以降、候補者としてぜひ再考してもらいたいものだ。
最後になりましたが、今回野球殿堂入りを果たされた三名ならびにそのご家族の方、関係者の方、本当におめでとうございました。
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