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2010年4月12日 (月)

たちあがれ日本ハム

昨年、大躍進したものの今はその面影もない。昨年10月には.577もあった支持率が今年の4月9日には.214にまで落ち込んだ。沖縄のキャンプ地の移転問題もはっきりしない。六年前に選挙区を東京から北海道に替えて以来いいことずくめだったが、このままでは7月に行われる総選挙でもファン投票はおろか、監督推薦も議席数が激減するのが必至だ。事実、既に一部の有権者からは内閣総辞職を求める声も挙がっている。さらにもはや恒例となったエースの離党問題も一部の報道では取りざたされていて予断を許さない。

 

こんな状況にたちあがった男達がいる。開幕連敗スタートの危機に立ち上がった41歳でいくつかの党を渡り歩いた男と、人材難で慌てて出馬した41歳の捕手だ。新党という割りには若さがないとの批判は百も承知。男は吠えた。10代、20代、30代の中に、われわれと同じくらい、この国を憂えている選手がどれだけいるんだい?」

たちあがれ日本ハムファイターズ

ここ四年間で三度の選挙に勝利したので党員も支持者達も勝って当たり前のように思っているのかもしれないが、実はつい最近までは万年野党だった。しかもセ権与党と言われた政党と同じ選挙区でバッティングしていた期間が長く、常に苦汁をなめさせられていたのだ。極めつけは外国人選手を日本人と偽装して登録する選挙違反が発覚し、党をここまでにした創業者オーナーの辞任も余儀なくされた。そこで不退転の決意で北海道に選挙区を移転した。実はこの北海道選挙区も伝統的にセ権与党の支持者が多かったがこの選挙区に移るとともに

 

宇宙人は札幌の演説会場を満員にするという悲願を達成すると、遊説中にあっさりと宇宙に帰ってしまったが最近再び地球に降臨し、実はヅラだったことをカミングアウトした。

宇宙人とともに党を引っ張った侍があろうことかセ権与党に鞍替えしたり、有権者にそっぽを向きながら演説する左利きが、本場の政治を学びたいとかいってボストンに行ってしまうなど人の出入りが激しくなった。またその一方で東京時代から四期連続で当選を果たしていた党の顔が五期連続を目前にして公認を外され、「外国人の党首は個人の当選回数なんてどうでもいいんじゃない?絶対に許せない!」と公然と批判するなど党に不穏な空気が流れることもあった。しかしそのような計算違いはあったものの北の大地でこの党は生まれ変わった。

その外国人党首が「肩に小錦が乗っている感じだ」と意味不明な一言を残して辞任をすると、党外からこんにゃく畑出身の新党首を招聘した。この間、党のイメージキャラクターを務める熊が212ある道内の市を一カ所ずつ訪れて布教活動を続けたり、結婚相手を求める若い男女には婚活の場を設けるなど、道内の基盤を揺るぎないものにしつつある。普通に考えると、今の状態で内閣総辞職という声が出るのはまだ早いはずだ。

閑話休題。

ファイターズの勝率と鳩山由紀夫首相の支持率がいい勝負になってきた。

政権与党となった民主党の実質ナンバーワンといわれる小沢一郎幹事長に辞職を求める声が大きいようだ。幹事長辞職となった場合、十数人いる副幹事長の中から新任の幹事長が選ばれる公算が高い。中でも有力視されているのが細野豪志副幹事長

細野豪志―どこかで聞いた名前ではないか?

そう。山本モナと路上でキスをしている写真を撮られたあの細野代議士だ。この男が与党の重責を担うようになれば、当然同じ穴の狢がいるファイターズに追い風になるだろう。料金所で札幌ドームのチケット(帰りには半券)を見せれば高速道路は無料。子供をファイターズファンに育てることを約束すれば手当が増額されるファイターズファン子供手当の実施。また、ドラフトで生徒がファイターズに入団した高校の授業料を無料にする。これら、昨年の衆院選でのマニフェストが北海道限定で実現するのだ。当然、米軍が沖縄から撤退すればそのスペースはファイターズの春季キャンプ地となる。

ホンマかいな?

ところで冒頭にも書いたように支持率が低迷すると、まだ開票率(試合消化数)が一割に達するかどうかというところなのに、党の代表(監督)を辞めさせろなどと叫ぶ有権者(えせファン)がちらほら出てくるものだ。

しかし、よくよく考えてみよう。

なんだ、ちょっと前に戻っただけじゃないか。

なまじ期待の度合いが高いと、裏切られる。ファイターズはそういうチームだった。この四年間で三回優勝しているとはいえ、いつも評論家の順位予想ではノーマークに近い。そりゃぁ、25年ぶりのリーグ優勝となった2006年のシーズンの前評判が芳しくないのはわかるが、その翌年も、リーグ連覇を果たした翌年も、そして昨年も何故か評論家の順位予想ではイマイチだ。さすがにそれではまずいと野球評論家の連中が思ったのか、今シーズンの前はファイターズを高く評価する評論家が増えてきた。するとどうだ、開幕からこけた。

開幕から五カード連続で負け越し。

昨年は絶対的守護神でシーズンを通して負けなしだった武田久が開幕二戦目に同点の場面で登板して決勝本塁打を浴びていきなり敗戦投手になると、千葉マリンでは二日続けて最終回の二点リードを守れないという信じられない崩壊ぶり。新外国人のブライアン・ウルフとの配置転換で凌ごうとするも、今度は昨年は見事につなぎの野球を実戦した打線がつながらない。自慢の堅い守りを誇るメンバーがここ一番の場面でエラーをしでかす。すべてが悪循環だ。ここに来てチームの精神的支柱である稲葉篤紀が故障し、スタメンを外れることになった。

が、皮肉にも苦肉の策と思える打順変更がチームに今季初の連勝をもたらした。

稲葉の定位置だった三番には田中賢介が座った。

実はシーズン前、梨田昌孝監督は稲葉を五番に回して糸井嘉男を三番に入れる構想も頭にあることを明かした。実際に稲葉自身にもその趣旨を伝えたという。稲葉の三番から五番への打順変更は決して降格ではなく、田中賢介から森本稀哲糸井と機動力のある脂ののりきった年代の選手を並べてかき回し、四番には昨年同様高橋信二で、稲葉には年齢を考慮して動きまくる打順ではなく、その走者を還す役割を担ってもらうという。理屈としては理解できるが、チームの精神的支柱たる稲葉のモチベーションを下げてしまうのではないかという危惧がある。簡単には踏み切れないのだろう。

しかも悪いことに二番を予定していた森本が腰痛で離脱。実はファイターズにはつなぎの打線を標榜する割には二番打者タイプが少ない。オープン戦から二岡智宏、坪井智哉、紺田敏正らをとっかえひっかえやりくりし、ついにはファームでも上位打線を打つことは少なかった高口隆行を据えるなど未だに定着しない。こうなると糸井の三番構想も絵に描いた餅になる。

で、稲葉不在の暫定措置であるかもしれないが田中が三番を打っている。

稲葉とて不死身ではない。いずれ稲葉の後を継ぐ三番打者を育てなければならない。

ファイターズの三番打者といえば、稲葉の前は小笠原道大で、その前は片岡篤史だった。

 

小笠原も片岡も残念ながらFA権を行使して自らの選択でファイターズを去ってしまったが在任当時は単に結果を残す好打者というだけでなく、野球に取り組む姿勢、ファンに対する姿勢などを含め、誰からも一目置かれるチームの精神的支柱だったはずだ。この流れを汲むと、いつか稲葉の後を継ぐ三番打者にもその系譜の後継者足ることを求める。

そうすると、田中賢介という人物はうってつけなのである。

この四年間、二番打者を任されても、一番打者を任されてもチームが求める結果を出し続ける田中。今は暫定三番打者かもしれないが、前カードのホークス戦での暴れっぷりを観る限り、適性検査には合格という感じか。

また、北海道のファンが悲鳴を上げたという、人気者、江尻慎太郎のトレードに関してもチームの方向性は見える。いまだに「左投手が欲しいからといって江尻をトレードしたけれど、林がすぐ上がってきたじゃないか」と言う批判があるようだが、例えば林昌範、そして移籍の石井裕也が戦力としてめどがつけば、セットアッパーとして最も迫力のある宮西尚生を抑えに回せるのである。武田久が復活してくれればそれがベストだが、そうならない場合、ブライアン・ウルフに任せっきりと言う訳にはいかない。チーム編成とはそういうものだと思う。確かに江尻はもったいない気がするが…。

今シーズンを契機に、また東京ドームバブルがはじけた後のファイターズに戻るとしたらたまったものではないが、そうはならない地力があると、北海道のファンが育ててくれたこのチームを今は信じて見守りたい。まぁ万が一、元に戻ってしまったとしても、また25年間くらい待てば良いだけの話だ。少なくとも他者が見聞きしてうんざりするような罵詈雑言を並べるのだけは避けようと思う。

ただ、そうは言いつつも、仏の顔も三度までという諺もある<苦笑>。

たちあがれ日本ハムファイターズ

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コメント

えふひとすじ様、コメントをありがとうございました。

> 連敗も吹き飛ばすユーモア炸裂ですね。

ありがとうございます。少しでも発散していただければ<笑>。

10代、20代、30代に任せておれんと立ち上がってくれた木田ですが、ダースとともに今日(17日)二軍落ちしてしまいましたね。

木田がいなかったら少なくともあと二つは黒星が増えていたでしょうからね。また上がって来て欲しいですね。

それとこのところ二岡が四番を打っていますが幹事長交代近しというシグナルを読み取ったのでしょうか…?

投稿: 敗戦処理。 | 2010年4月18日 (日) 00時32分

参りました!
連敗も吹き飛ばすユーモア炸裂ですね。

投稿: えふひとすじ | 2010年4月17日 (土) 00時45分

にしたく様、コメントをありがとうございました。

当blogにいただいたコメントに対しては、たまにくるいわゆるスパム的なものを除けば極力お礼のコメント返しをしているつもりですが、久々にどうお返しして良いのか迷っています。

> かつてのハンパなく強かった頃栄華をきわめた頃やハンパなく弱かった頃を知っている人というのが、実は一番身近で役に立つ人材だったりするものです。

ファイターズだと、双方を知っているとなるとやっぱり田中幸雄になりますかね。

ベイスターズを例に出していますが、大魔神を監督にしてカミソリシュートの「ガラスのエース」をヘッドコーチか投手コーチに招聘するのも良いかもしれませんね。

もっとも現監督の尾花さんもスワローズが球団創立以来初優勝した年の翌年に入団して、次に優勝する年の前年で現役引退してまう不運な投手人生でしたがコーチになってから三つの球団で優勝を経験しています。

それならベイスターズも監督としてではなくコーチとして招聘した方が良かったようにも思えますが、ジャイアンツとの複数年契約期間中のコーチを引き抜くのに待遇が横滑りという訳にはいかないのでしょうね。

ファイターズも長い低迷から抜け出すことが出来たようにベイスターズやカープなども活路を見出す方法はあるはずなのですが、それをどう見つけるかでしょうね。

投稿: 敗戦処理。 | 2010年4月13日 (火) 23時19分

「まるでロボットアニメの主題歌のよう」「どう略すんですかね」と疑問が浮かんできそうですが、組織がおかしくなった(野球の場合、チームが弱くなった)ときに、“何も新しい血を入れる”ことだけが解決法ではありません。
そういうときこそ原点回帰、かつてのハンパなく強かった頃栄華をきわめた頃やハンパなく弱かった頃を知っている人というのが、実は一番身近で役に立つ人材だったりするものです。
僕の場合、小学校の級長や高校での生徒会長というような、組織と呼べるかビミョーほどの小さな組織しか率いたことはありませんが、それは大人の社会にも言えるのではないかと思うようになってきました。
その意味で、今のベイスターズを救えるのはベテランの移籍組だったり、今の自民党を救えるのは進次郎よりも与謝野さんだと思っていましたが・・・。
 
楽天の野村名誉監督(期間限定)は、「体力以外で選手に負けてはいけない」と著書で記されています。
この話の賛否はあるにせよ、組織を引っ張る人間、同じあるいは同類の組織に長く居る人間こそが、若い人間よりもはるかに組織のことを考えた行動ができると思いますよ。
体力面以外では。

投稿: にしたく | 2010年4月13日 (火) 16時24分

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