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2010年4月 6日 (火)

週刊現代はなぜファイターズを持ち上げるのか?

Dsc_0004 週刊現代(講談社刊)が現在発売中の4月17日号から短期集中連載としてノンフィクション作家の高井尚之による「北海道日本ハムに賭けた男たち」を特集する。今このタイミングでファイターズを持ち上げる特集を組んでも説得力に乏しいような気がするが…<苦笑>

どうも週刊現代→講談社→FRIDAYという感じでジャイアンツとしょっちゅうトラブっているイメージがあるが、だまされたと思って買ってみた。現実逃避の意味も込めて<苦笑>

週刊現代がファイターズ球団をクローズアップするのはこれが初めてではない。昨年も梨田昌孝監督の人心掌握術や組織論的な取り上げ方で、敗戦処理。が把握しているだけで二度もファイターズを絶賛する特集記事を組んでいたし、稲葉篤紀を「日本一美しい打者」としてグラビアで取り上げたこともあった。

今号では鳴り物入りで入団した中田翔を特別扱いしない点や、東京ドームバブルがはじけた後の低迷期、不人気期からいかにして脱却し得たかなどが分析されている。ちなみに次号ではトレイ・ヒルマン監督が家庭の都合で退任した後になぜ白井一幸ヘッドコーチを後任に据えずに外部招聘したかなどについて触れるそうだ。

今号の内容はファイターズファンであれば一度はどこかで聞いたようなものが大半を占めている感じだが、読ませる側としては、決して潤沢な資金力を背景に持つわけでもないのに最大の成果を挙げた成功事例から、この不況の中でもがき苦しむ企業の経営者や管理職に何か参考になるものがあればと言うことなのだろう。

プロ野球における優勝という現象から安直に経済効果に結びつけて語りたがったり、優勝監督の人心掌握術をサラリーマンの管理職に参考にさせたがるマスコミ、特に週刊誌の特集は枚挙にいとまがない。それらの中には「優勝」という結果から逆算して過程を誉め上げる結果論的なものも少なくなく、そのチームが何年かして再び低迷した時期に読み返すと失笑を禁じ得ないものもやはり少なくない。個人的にはそれらの特集、記事のたぐいは最初から話半分と割り切って読むようにしている。

記事の信憑性というものはヨイショ記事だろうと、ネガティブな記事だろうと、同じだ。ネガティブ記事の中に噴飯もののものもあれば、ヨイショ記事の中にも眉唾なものはある。肝心なことは読み手としてそれらに惑わされない判断力を持つことだ。

例えば最近では週刊文春(文藝春秋社刊)が今シーズン終了後のダルビッシュ有のポスティング移籍の可能性を取り上げた記事で、ダルビッシュが今シーズン終了後にポスティングの権利を得るのでFA権取得を待たずにメジャー入りが実現するポスティングを球団に主張するというのがあった。

冷静に考えれば、あるいは制度を正確に理解していれば、ポスティング制度に対し、入団から何年とか、一軍登録日数とかの資格が必要な訳ではないことに気付くはずだ。選手から申し出があった場合に球団が認めるか認めないかの問題で、しかもその判断は球団の一方的な判断。ジャイアンツのように球団がダメだと言ったらそこで話は終わりだし、球団が認めさえすれば入団一年目のシーズン後でもポスティングにかけることは出来る。あくまで例えだが、ライオンズの雄星が「やっぱりアメリカでやりたいから今シーズンが終わったらポスティングにかけて下さい」と球団に頼み込み、ライオンズ球団がそれを認めれば、今シーズン終了後に雄星がポスティングにかけられると言うことも制度上はあり得るのだ。「ダルビッシュが今シーズン終了後にポスティングの権利を得る」というのは例えば選手と球団が個別に複数年契約を結ぶとか、出来高払いのインセンティブ契約を結ぶというようにダルビッシュとファイターズ球団の間で個別の約束事として結んでいればともかく、FA権のように一定の要件を満たして取得するものではない。そう書いた時点でこの特集自体の信憑性が敗戦処理。的には揺らぐ。「このままダルビッシュの給料が上がり続けたら払いきれなくなる。」「ダルビッシュの年俸を確保するためにマイケル中村をトレードに出したりしたが、それと同じ手は何度も使えない」などのフレーズで説得力を付け、読み手の興味を煽っているつもりでも、敗戦処理。的には信用しない。もちろんダルビッシュのポスティング移籍が100%ないとは言い切れないが…。

まさか週刊現代も天敵・ジャイアンツと対極をなすチーム運営をするファイターズを持ち上げることで遠回しにジャイアンツ、読売批判をしている訳ではなかろう。一見すると力業で優勝を手にしているように思えるジャイアンツも、清武英利球団代表が就任してからは真っ当な企業努力を心がけるようになってその効果が上がっているのだ。だが、敗戦処理。の知人がよく比較するようにジャイアンツは最大の成果を得るために最大の投資をするが、ファイターズは最小限の投資で最大の成果を得ようとする。目的に向けてのアプローチが180°異なるのである。週刊誌の特集記事としてどちらを取り上げることがプロ野球ファンとは限らない読者の目を引きつけるか、考えるまでもないだろう。

まぁファイターズファンとして、読んで悪い気分がする特集ではないし、ひとときでも現実逃避をするには良い企画かもしれない。ただ、野球あるいはパ・リーグに関心のない上司から「へぇー、こんないいチームがあるんだ。そういえば野球始まったね。今何位なの?」と聞かれたら仕事に集中しているふりをするしかないが…。

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