松本哲也、ずれこむ戦列復帰。
ところで、そのCMにも出てくる松本のダイビングキャッチの映像。もはや松本のイメージカットのように昨年のゴールデングラブ賞受賞以降何かと流されている。松本のファインプレーというと、ほとんどは前進に前進を続けてダイビングするシーンの映像が使われる。 昨年、育成選手出身として初めてゴールデングラブ賞を獲得した松本。育成選手出身のゴールデングラブ受賞者第一号は中村紀洋だろう!というツッコミはさておき、そのことを報じるスポーツニュースなどでも松本と言えば前進してのダイビングキャッチ。一方昨シーズン終了後、突然の現役引退を表明した赤星憲広の場合は右中間、あるいは左中間の抜けそうな打球にダイビングしてキャッチするシーンの映像がよく流れた。松本と赤星、もちろんまだまだ松本は発展途上で、一時代を築いた赤星と同列に並べるのは失礼だが、同じダイビングキャッチのシーンの引用なのに、かたや前に、かたや左右にという違いに何か意味があるだろうか? まだまだ松本は発展途上-と書いたが、昨年何度かスタジアムで観た松本の守備位置は、巧いと言われる外野手にしては深い。深めに守っているから、前よりの飛球に前進に前進を重ねてダイビングキャッチになるという一面が松本にはある。巧いセンターの腕の見せ所は自分の後方に飛んだ打球を捕ることである。後方の打球への対応に自信があれば、前よりに守り、ポテンヒットを防げるとともにシングルヒットでの走者の進塁を最小限に防げるメリットがある。 スタジアムそれぞれに差違はあるが、レフト、ライトとホームの距離が約100mで、センターとホームの距離が約120mとすると、フェンスを基準に守備位置を決めると、センターからホームの距離が最も遠くなる。そのため走者二塁での単打でセンターからバックホームで刺すのは難しくなるのでセンターには強肩よりも広い守備範囲を求めるケースが多い。ファイターズの近年のSHINJO、森本稀哲、糸井嘉男はむしろ例外でセンターを守る超・鉄砲肩の選手というと最近では他にドラゴンズとカープでプレーしたアレックス・オチョワくらいか。 そこでセンターを守る選手は守備範囲、特に後方が肝心で、後方に安定感があれば浅めに守らせて二塁走者をセンター前の単打でホームに還さないような対策を講じられるのであるが、残念ながら松本は肩も強いとはいえず、なおかつ後方の打球に強くないので深めに、頭上を越される打球を減らすような位置に守るのである。 誤解の無いように言うと、敗戦処理。は松本のセンターの守備力を否定している訳ではない。守備が巧いことは認める。ただ、一流だとしても超一流ではない。まだまだ発展途上であると言いたいのだ。これから先、肩は強くならないかもしれないが練習によって後方の打球への対応を良くすることは出来るだろう。 松本よ、中途半端な状態で復帰してもさほど意味はない。センターを守れる状態で復帰して欲しい。工藤隆人が再び二軍落ちしたことを考えると、鈴木尚広を別にすればセンターの守備ではチームに敵はいないのだから。強いて言えば亀井義行をセンターに固定されてしまうと松本の出番が激減してしまう畏れもあるが、あれほどの守備力を誇る外野手を一塁に回して平気な首脳陣だから、松本は安泰だろう。 松本よ、日本生命に気兼ねせず、完璧に治してから出てこい。
| 固定リンク
« 三日連続で東京中日スポーツを買ってしまった。 | トップページ | 東京ドームこけら落としの記念トーナメントで起きたとてつもない快挙-【回想】敗戦処理。生観戦録-第15回 1988年(昭和63年)編 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント