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2010年6月19日 (土)

同窓会~ファン・アゲイン症候群-移籍した選手を捨てられますか。

Dsc_0087 オフシーズンにファイターズとシーレックス、もといベイスターズの間で3対3のトレードが敢行されてから、いつかこういう試合を観ることになるとは覚悟していたが…。

(写真:試合後の練習中に昨年までのチームメート、弥太郎、松山傑と談笑するファイターズの選手達。手前の後ろ向きが弥太郎で、奥に立っているのが松山。)

このところドームでない屋外球場での生観戦はピーカンか暴雨のどちらかなのだが<苦笑>、今日(19)のシーレックス対ファイターズ戦が行われた横須賀スタジアムは当初ピーカンで、途中から強風が吹き荒れた。日本のプロ野球では来季から試合球をミズノの低反発ボールに統一すると言うが、それによって本塁打が激減したら野球の面白さが半減しかねないので今日は横須賀スタジアムでもテスト的に気圧を調整していたようだ。だがスタンドの観客の重さのない荷物などが飛ばされるなど散々だったのでドームのように観客には影響を及ぼさず打球だけ飛距離を伸ばすよう、来季までの課題にして欲しい<>

先発はファイターズが八木智哉で、シーレックスは田中健二朗と両サウスポーの先発。

ファイターズはこのところ一軍で先発投手が序盤にアクシデントで降板してしまうのが流行っている。幸いにも榊原諒が見事な火事場泥棒、じゃなかった好リリーフを見せて勝利に結びつけているが、増井浩俊に続き、糸数敬作も今日19日付けで登録抹消になったようだから先発投手不足だ。八木の復活は不可欠要素だ。

Dsc_0002 八木は一回、梶谷隆幸を三振、松本啓二朗を投ゴロ、吉村裕基を捕邪飛と簡単に三人で退けた。

二回表、ファイターズ打線がシーレックス先発の田中に襲いかかる。先頭の「四番・一塁」スタメンの尾崎匡哉が左中間を破る二塁打で出ると、続く大平成一がセンター前に。そして佐藤賢治が四球を選んで無死満塁。ここでDHでスタメンの渡部龍一が左中間の真ん中を抜き、満塁の走者を一掃する先制打を放った。

Dsc_0008 ファイターズにとって大きな3点の先制。ただ三塁に進んだ渡部が一死後の村田和哉のレフトライナーに帰塁がやや遅れ、タッチアップで本塁を突いたもののアウトになって3点止まりだったのは悔やまれた。無死または一死での三塁走者は外野にフライやライナーが飛んだらまずは三塁ベースに戻るという基本を、打球の勢いにつられてつい怠ってしまったようだ。

チームにとってだけでなく、八木にとっても大きな先制点と思ったら二回表終了後、八木ではなく吉井理人コーチがマウンドに上がった。このところ一軍で前述のように増井、糸数と試合序盤で姿を消すアクシデントが続いているだけに何があったのか不安だ。二番手には「ミスター緊急登板」榊原、ではなく金森敬之。

Dsc_0014 八木にアクシデントか?それとも榊原に続けとばかりに金森にも緊急登板の練習か。金森は落ち着いた投球で二回、三回とシーレックス打線を封じ込む。

Dsc_0024 四回表、シーレックスは先発の田中から二番手の小杉陽太にスイッチ。ここはベイスターズ先発陣が早々と炎上した場合に備える、より実践的なテストか<笑>。

しかしファイターズ打線は小杉を攻め、先頭の大平が歩いた後、佐藤が右中間二塁打で無死二、三塁。

Dsc_0025 (写真:二塁打を放った佐藤)そして一死後、今成亮太が流し打った打球は犠牲フライどころか、そのままドーム特有の気圧に後押しされるドームランで3ラン。6対0とリードを拡げた。

その裏、続投する金森にシーレックスが反撃開始。松本、吉村の連続二塁打で1点を還し、内野ゴロと死球で一死一、三塁と攻めて北篤の遊ゴロでもう1点を還して6対2となった。

Dsc_0056 六回表、シーレックスは三番手に昨年までファイターズの松山傑を投入。このあたりから敗戦処理。の隣にいた応援団長の様子がおかしくなる。愛着のあるファイターズの選手一人一人に皆が歌いやすい応援歌を考えてあげるあの名物応援団長は、もちろんチームとしてのファイターズを応援しているのだが選手個々を愛しているのである。トレードでたまたま対戦相手のユニフォームを着たとしても愛着が薄れる訳ではないからだ。

松山は元同僚ではない先頭の佐藤から三振を奪う。すると元カノ、じゃなかった元女房の渡部に代えてファイターズも坪井智哉を代打で起用。

Dsc_0054 相変わらず前足が打席を飛び出しているのではないかとグレーな坪井だがストレートの四球で出ると、二死から村田がレフトにドームラン。

Dsc_0061 完全に気圧、いや強風の後押しを受けてのフェンスオーバー弾だ。今季第1号だが、敗戦処理。自身、初めて村田の本塁打を生で観た。そりゃそうだ、調べてみたら入団三年目の村田にとって、これが一、二軍を通じて公式戦初めての本塁打なのだ。

これは貴重なものを観ることが出来た。今週の月曜日には観客数の実数発表が導入されてから六年目で神宮球場スワローズ主催試合の最少動員記録となった6,202人しか入らなかったスワローズ対ファイターズ戦を生で観たのも誇りにしたい快挙だが、村田の公式戦第1号を生で観られるとは追浜まで来た甲斐があったというものだ。松山には悪いけど。そうか、松山は村田と入団は同期だね。

これで82。ちょっと空気的に緊張感が抜けて来始めたがその裏、シーレックスの攻撃で二死二塁で高森勇気の代打にこれまた元ファイターズの稲田直人が登場。

Dsc_0067 ついに応援団長は、ファイターズ鎌ヶ谷時代の稲田のテーマ、「宇宙戦艦ヤマト」を大声で歌い出す。鎌ヶ谷で耳に心地よく響くあの縦笛のオジサンも来ていて、一緒に「宇宙戦艦ヤマト」のテーマを演奏する。点差があるからの余裕のエールかもしれないが、稲田も期待に応え<!?>、レフト方向に痛打を放つがラインドライブがかかって風の恩恵を受けることが出来ず大平のグラブに打球は収まった。

Dsc_0068 ある意味、今日のゲームのクライマックスだったかもしれない。

七回裏、5イニングを投げた金森に代わり、三番手の菊地和正がマウンドへ。昨年、一軍で宮西尚生とともにチーム最多の58試合に登板した右腕がいまだに精彩を欠いている。イースタンでも登板機会が多いが失点することが多い。この日も一死から梶谷を四球で歩かせると、松本に左中間二塁打で一死二、三塁。

Dsc_0071 ここで菊地以上にこんなところで試合に出ていてはいけないはずの吉村がとらえた打球はセンターへ!

しかしセンター方向への打球は風が味方せず村田のグラブにおさまった。犠牲フライとなって83。たまらんと思ったのか、左の筒香嘉智を迎えたところでファイターズは菊地から豊島明好にスイッチ。ここで筒香につながれると試合展開上もいやな場面だったが、豊島が流れを断った。

シーレックスはこの後、八回表のマウンドに寺原隼人を送るが敗戦処理的イメージがぬぐえなかった。

 

九回表にはついにリーサル・ウェポン弥太郎を送り込み、よりによって一塁手稲田がエラーをするなど、お腹いっぱいの試合になったが結局8対3でファイターズが勝利した。

19日・横須賀スタジアム】

F  030 302 000 =8

SR 000 200 100 =3

F)八木、○金森、菊地、豊島、須永、谷元-今成

SR)●田中、小杉、松山、吉原、高宮、寺原、弥太郎-黒羽根

本塁打)今成2号3ラン(小杉・4回)、村田1号2ラン(松山・6回)

シーレックスの元ファイターズ勢による、いわゆる恩返しはなかった。3対3のトレード組でシーレックスに行った三選手はそろって出場したがファイターズに来た三選手は出場なしだった(加藤武治は一軍登録中)。シーズンに入ってからトレードが成立した江尻慎太郎石井裕也はともに新天地で現在は一軍入り。ターメル・スレッジももちろん一軍打線の中軸だ。

そんななか、それこそ来季は他のユニフォームを着ることになりかねないと専ら揶揄される須永英輝が八回裏に登板して三者凡退に抑えたのも光明だった。

試合後、三塁ベンチ前でリラックスした感じで行われた投手陣のミーティング中、その輪から拍手が起きた。

Dsc_0078 拍手の主役は八木だったようだ。輪がとけたあと、徳田吉成バッテリーコーチを始め何人かから握手攻めだったから一軍昇格が告げられたのではないか。

Dsc_0084 一軍はパ・リーグ同士の対戦が再開してから昨日が糸数で今日がダルビッシュ有、そして明日はボビー・ケッペル。これに22日からの対ホークス三連戦は武田勝、矢貫俊之までは予想が付くが増井が離脱しているため先発投手が足りない。八木はこのホークス三連戦で先発させるために今日は先発でも1イニング限定の投球だったのではないか。

ミーティングが終わり、主催球団発表で765人いた観衆もまばらになった頃、ファイターズの選手数人が一塁側で軽い練習をしている弥太郎、松山の元に歩み寄った(冒頭の写真)。

今週17日に好評のうちに最終回を迎えたテレビ朝日系ドラマ「同窓会~ラブ・アゲイン症候群」は中学校時代の同窓会が開かれ、約三十年前の友達同士が久しぶりに再会し、それによって現状の生活にひずみが生まれだし…という展開で高橋克典、黒木瞳、三上博史、斉藤由貴らがドロドロの人間関係に陥っていく。敗戦処理。は、かつて青春という名のラーメンを美味しそうに食べ、ヨーヨーを使って悪を淘汰する刑事役を演じていた斉藤由貴の経時変化に驚きながらも毎週観ていたが、ファンも相手球団に移った選手に特別な感情を持つものだ。FAで出て行った選手には一様にブーイングを浴びせるというお約束行為とはまた別に、真の意味で応援してあげたくなるというか、敵という気がしないのだろう。

 

今日の松山のように出てきていきなりチームとしては致命的な追加点を許してしまうと、チーム内では松山の評価は厳しくなるのだろうが、それを今のファイターズナインがダメ押ししてしまうのはもちろんプロの勝負の世界では当然なのだが、観る側としては今ひとつ素直に喜べない。

Dsc_0089 ただ、いくら試合後とはいえ、昨年までのチームメートと公の場で旧交を温めるのは当面は控えた方が良いだろう。現在、日本の大相撲そのものを揺るがすような野球賭博が発生している。もちろん重要なのは単に野球の試合結果を予想して大金が動くということだけでなく、野球賭博の背後に暴力団の存在がちらつくからである。反社会勢力である暴力団は野球賭博の胴元となって結果にかかわらず利益を得てそれが暴力団の資金源となるのだが、賭博のゲームとしての魅力を高めるため、賭博に参加する人が飛びつく情報を求めるのである。かつてはプロ野球界も利用され、選手が野球賭博に絡んで八百長に荷担する「黒い霧事件」にまで発展した。角界を取り巻く今の事件も野球界にとって対岸の火事ではない。「野球賭博」が存在するということはその情報源としてプロ野球界、プロ野球選手が利用される危険性が無い訳ではないのだ。いくら昨年までのチームメートと言っても気を許して内部情報などを話すと、それがどこかから漏れてそういう連中にオイシイ情報となってしまうことになりかねないのである。日本野球機構としても暴力団追放に関しては不断の努力をしているようだが、情報セキュリティという点で選手の球団を超えた交流には制限を加えておくのが球界として必要な自助努力ではないかと敗戦処理。は考えるからだ。

とはいうものの(と言うより話は変わるが)、敗戦処理。も相手マスコットのレックに試合後に接近。一昨年のC☆Bとのスイカ割り大会の写真にサインを書いてもらった。最近のC☆Bは敗戦処理。の姿を観ると「またアイツか」という表情をすることがあるが、レックからサインをもらうのは初めて。スイカ割りの写真に懐かしそうに反応していた。

Dsc_0091 レックは今日と明日の対ファイターズ二連戦のテーマである「よこすかecoゲーム」にちなんでファンが捨てようとしたペットボトルに液が残っていないかチェックしていた。

C☆Bはたまに横須賀に行くのだから、レックも鎌ヶ谷に来て欲しいものだ。

P.S.

今日のオマケ

敗戦処理。がレックにサインをもらったのは

Dsc_0012_2 この写真で。今度C☆Bからサインをもらえば完成する<笑>。

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コメント

トーマス125様、コメントをありがとうございました。

> レックにも「今度鎌ケ谷に遊びに来てね」と声をかけておいたのですが、1日も早く来てほしいです。

自分もサインをもらってから、鎌ヶ谷に来て欲しい旨を伝えたのですが、何故かいやがってました<笑>。

何かトラウマでもあるのか気になっています。

投稿: 敗戦処理。 | 2010年6月20日 (日) 22時38分

レック、かわいいですね。

今年は1回だけ鎌ケ谷ファイターズビジターを見に横須賀まで行ったのですが、ナイターで着いたのが7回表だったので券売所が閉まっていて無料入場できる7回裏終了まで入り口で待っていたのですが、その時にレックが現われたので挨拶したら歓迎してくれたので、横須賀まで1時間半かけていった甲斐がありました。

レックにも「今度鎌ケ谷に遊びに来てね」と声をかけておいたのですが、1日も早く来てほしいです。

投稿: トーマス125 | 2010年6月20日 (日) 21時24分

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