なんでこんな事になってしまったのか…?
噂には聞いていた。「ソフトバンクが7月の東京ドームの時に社員を大量に動員するらしい」と。最初に聞いた時はバファローズや、今年のゴールデンイーグルスのように東京ドームで主催試合をして親会社とそのグループ企業の社員にタダ券をばらまく福利厚生目的の試合か、取引先企業に招待券を配りまくる接待興行かと思った。まさかファイターズ主催の東京ドーム公式戦でやるとは! もちろんチケットは誰が買っても良いのだから、大量買い占めも可能だろう。修学旅行で東京に来ている高校生などがまとめて来たりするように団体向けのチケットというのも前もって依頼すれば球団は受けてくれる。しかし一説によると今日が一万人近く、明日が二万人規模の動員らしい。そこまでやるのなら、バファローズやゴールデンイーグルスのように(地域権で保護されているジャイアンツとスワローズの許可を得て)主催試合を企画すればいいだろう。ホークスだって過去に東京ドームで主催試合をした実績がある。 この二試合はマスコットのハリーとハニーも上京。試合前と試合中に球団のPRCMをオーロラビジョンで流す。何でファイターズの主催試合でこんなことをされなきゃならないのか? 誤解の無いようにこの辺ではっきりさせておくが、ホークス球団に文句を言っているのではない。ファイターズ球団に対してだ。 年に8試合しかない、在京ファイターズファンの前でのホームゲーム。他に交流戦でジャイアンツ相手に東京ドームで毎年試合を行ってはいるが、あれはビジターだから観る側もどこかよそ行きだ。千葉マリンスタジアムやライオンズの本拠地で行うビジターゲームに在京ファイターズファンは足を運ぶが、ホームゲームとなると思い入れが微妙に異なるのだ。もちろん東京ドームでの集客力が悪いから北海道移転という決断がなされた訳で、東京ドームでホームゲームを行っても満員になるなんて事がないのはわかっている。場合によっては相手チームのファンの方が多いように感じる時もある。そんなことは慣れっこだ<苦笑>。だからといってライバル球団のCMまで流す事はないだろう? 権利関係はよくわからないが、オーロラビジョンに流れるCMの広告料は東京ドームに入るのか、ファイターズに(あるいはジャイアンツ戦ならジャイアンツに)入るのだろうか?ファイターズ球団に入るのだとしたら、相手球団から金をもらっていることになるぞ。敗退行為の一種と疑われかねないぞ。 以前敗戦処理。はパ・リーグの試合で外野席は熱心なファンで埋まっても、内野席、特にビジター側に空席が目立つ現象を何とかしないと、ということをここではない某掲示板で訴えたことがある。普段は意見が合わない他球団ファンの論客の方々が結構同意してくれた。テレビのニュースで試合のダイジェストが流れる時に右打者を一塁方向のカメラで写すと、ガラガラの三塁側スタンドが写ってしまい、「客が入ってないなぁ」というイメージを増幅してしまうからだ。内野席は外野席より料金設定が高い。安い席だけ売れて高い席が売れないのは興行の主催者としては頭が痛いだろうからだ。 その点では今日のファイターズ対ホークス戦はホークス球団だか親会社だかが大量に買い占めてくれたお陰でむしろ一塁側より三塁側の方が多く埋まっていたようだ。敗戦処理。も試合前に一塁側の通路を歩いていたら一目でそれと分かる四人組に「こっちは三塁側ですか?」と聞かれた。要するにそういうレベルの層まで巻き込んでいるのである<苦笑>。大勝で気分が良かったのだろう。試合終盤にはインプレー中なのにウェーブの真似事を始めた。 今日は孫正義オーナーもご観戦されたということだから、記念に始球式でもしていただき、打席には王貞治会長に立っていただいて、社員は全員立ち上がって「スコール」と叫んで乾杯すればよかったのだが、実は今日の始球式は宇津雄一というシンガーソングライターが行った。 前述したようにもしもオーロラビジョンでのCMが主催球団に入る仕組みだとしたら、この分は自社広告ということになる。もちろん次のカードの告知だとか、ファンクラブ入会促進とか自社広告は常時流されているが、おそらく一般企業のCMを流す時の広告料が入ってくる訳ではないだろう。この日は他に山梨県の笛吹市観光連盟がタイアップしていたようだがどうも相手球団の親会社に比べると地味だった。 さて、試合に大敗したせいで球団への不満が増幅したきらいはあるが、明日は諦めるにしても今後は考え直して欲しいものだ。そして肝心の試合も珍しいほどにファイターズファンにとっては見所のない試合だった。 先発の矢貫俊之は四回までは初回の1失点だけに抑えてはいたがスリーボールになるケースが多く不安定。案の定五回表に3点を追加されてこの回限りで降板。杉内相手で失点を最少にと意識しすぎて(捕手の鶴岡慎也ともども)窮屈になっていたような気が。 そして五回終了のY.M.C.A.では一塁ベース近辺を整備する人がサビで跳ばず、 六回に二番手の谷本圭介が二死走者なしから6失点で勝負あった。この後、高橋信二があの頭部死球以来の打席に立つも三振と、本当に良いところが無く、0対12で完敗。 東京ドームを埋め尽くしたソフトバンクの皆様にとってはこの上ない試合となった一日だった。 P.S. 今日のオマケ。 三塁側とレフトスタンドを埋め尽くした連中は抽選で選ばれたファンとでも思っていたかもしれないが、インターネットラジオ「鎌スタラジオ」で試合の実況をしたりDJをしている異色のシンガーソングライターだ。以前に放送で「一度始球式をやってみたい」と言ったのを聞いた記憶があるがたぶん本人がイメージしていたのは鎌ヶ谷での始球式だろう。
さらにこの日はファイターズスタジアムで撮影した、ファンが出演するCMという企画も実践され、試合前に鎌ヶ谷のCMが流れた。
試合中にも流れたがこちらはファンの人の声を拾ったりしたものでなく、イメージ映像だった。
一回裏に稲葉篤紀が杉内俊哉から左中間に二塁打を放ったがこれが通算350二塁打だったそうで、花束をもらって祝福されていた。プロ野球史上28人目だそうだ。ということは2000本安打達成者より少ない希少性の高い大記録ということになる。稲葉おめでとう。
B☆Bも怪訝そうだった。たしかいつもの人は眼鏡をかけていた。今日はかけていないのでコンタクトかレーシックかと思ったがお休みだったのか?
試合後恒例の22番ゲート前のグリーティングにはC☆Bよりやや遅れて、B☆Bがハリーホーク、ハニーホークの二人を引き連れて登場。あいにくサインは無しで写真撮影のみとのことだったがC☆Bとの記念撮影やサインを終えたファンが長蛇の列をなした。
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コメント
トーマス125様、コメントをありがとうございました。
> 急に鎌ヶ谷観戦に行った日に撮影された自分の姿がオーロラビジョンに映るのは、うれしさ半分、恥ずかしさ半分というところが正直な感想です。
その写真がボケているのはプライバシーに配慮したからではなく、my携帯で撮影したからです。どうも遠くのものを写すのが苦手です。
twitterのダイレクトメッセージをいただき、ありがとうございました。読ませていただきました。これなら個人を特定できないな(こう見えても一応意識はしています)と。不幸中の幸いかなと。
次はぜひ鎌ヶ谷でご一緒させて下さい。
投稿: 敗戦処理。 | 2010年7月10日 (土) 00時57分
宇宙狼様、コメントをありがとうございました。
返信が遅くなってしまい、申し訳ありません。
> 遥か昔、今は無き後楽園球場の、土日のファイターズvsライオンズ戦。レフト・3塁側はもちろん、1塁ジャンボスタンドまでライオンズのファンにほぼ埋め尽くされていたあの日・・
今も昔も、東京のファイターズ本拠地は人気チームに蹂躙される歴史の繰り返し。嗚呼。
ライオンズが所沢に来る前にはファイターズがパでナンバーワンの集客力を誇っていたのですがね。斬新で、やがて実力も圧倒されて水を開けられましたね。
> 結局の所、ファイターズファンが少ないからこうなってしまうんですよ。
まあ、それが一番なのはわかっているのですけどね。
それでもイチローや松坂大輔がいた頃は…ってオイ<苦笑>!
> さすがに昨日のインプレー中のウェーブには呆れましたが(あまり成功もしてなかったですけど)。
twitter情報によると、そもそもウェーブとは「お前らの試合つまんねーからこっちはこっちで勝手に楽しむぜ」という意味で始まったのだそうです。孫さんが知ったら激怒しそうですね。
それと、宇宙狼さんも三日間とも通われたのですね。一戦目の日にしかお会い出来ず失礼しました。ハリーとハニーは二日目も試合後に22番ゲート前に登場したのでしょうか?
投稿: 敗戦処理。 | 2010年7月10日 (土) 00時32分
にしたく様、コメントをありがとうございました。
返信が遅くなり、すみませんでした。
> マスコットの交流には大賛成です。
去年のオープン戦だったか、ジャビットとシスタージャビットが来福し、試合前に子供たちが参加するリレー競走に参加していました。
ホークスのような人気球団でも、球場の3~4割はビジターチームのファンがいるわけです。
そういう相手への気遣いは、されてしかるべきだと思いますよ。ただ度を越えれば、当然身内のファンは不信感が募りますよね。
たぶん度を越えていたと思うファイターズファンが多いのでしょう。
しかもそれにファイターズが手を貸している訳ですから話になりません。
> 東京からのファイターズファンの方々にとってはどんどん住みにくい世の中になっていっているようですが、年に数回、東京ドームの主催公式戦をやることを前提にファンへの還元を考えていくなら、相手球団ファンにも足を運んでもらう手段を広げていかないといけないのかもしれませんね。
東京は人口自体が多いこともあり、十二球団どのファンも潜在的にはかなりいます。だからファイターズもホームアドバンテージを得にくい(これはスワローズにも当てはまる)のですが、逆に言えば年間十試合程度ならどのチームとのカードを組んでもある程度の集客を読めるメリットがあります。
> 交流戦が始まったので、福岡ではジャイアンツのセリーグ公式戦が無くなりました。
歴史としては大きな違いがありますが、もしかすると、東京のファイターズファンにも他人事ではなくなるかもしれませんよ。
三連戦の初戦の時、マジでそういう恐怖で背筋がぞっとしました。
投稿: 敗戦処理。 | 2010年7月10日 (土) 00時06分
キバヤシ様、初めまして。コメントをありがとうございました。
返信が遅くなって申し訳ありませんでした。
> 本日スタンドで観戦しながら、同じことを感じました。
お気持ち、お察しします。
> ソフトバンクにとっては、今回のイベントは創業30周年のイベントの一環とのことなのですが、球団を経営している企業体である以上、ライバルのホームグラウンドで行うべきでは無い行為というものについて、もう少し敏感であって欲しい...。
普通はバファローズやゴールデンイーグルスのように主催試合を企画して行うでしょう。現在野球協約で定める保護地域の観点からすれば、東京都を保護地域としているジャイアンツとスワローズ双方から許可が下りればどの球団でも東京都内で興行を打てるのですから。
普通でないから普通でないことをしでかすのかもしれませんが、それ以上にそれを受け入れるファイターズ球団が信じられません。
まあその翌日にはホークスの勝利の方程式の一角を崩して逆転勝ち、三戦目はドームラン攻勢で圧勝と溜飲を下げる事が出来ましたが、試合内容以前の問題です。
> ホークスの黒いユニフォームを着て、一塁側の内野自由席でフラッグやメガホンを振り回す姿を見ながら、そんなことを思いました。
宇宙狼さんも書かれているように我々東京ドーム、後楽園時代を知る者にとっては宛球団のファンに圧倒されながらの観戦にはトラウマを感じますが、移転後にファンになられた方にはありえない光景だったと思います。
もちろん我々も免疫はあるとはいえ、球場の演出までやられたのは記憶にありません。
投稿: 敗戦処理。 | 2010年7月 9日 (金) 22時21分
急に鎌ヶ谷観戦に行った日に撮影された自分の姿がオーロラビジョンに映るのは、うれしさ半分、恥ずかしさ半分というところが正直な感想です。1軍と違う楽しさがあるのが鎌ケ谷のいいところですね。いつも行くたびに癒されています。
投稿: トーマス125 | 2010年7月 8日 (木) 22時41分
遥か昔、今は無き後楽園球場の、土日のファイターズvsライオンズ戦。レフト・3塁側はもちろん、1塁ジャンボスタンドまでライオンズのファンにほぼ埋め尽くされていたあの日・・
今も昔も、東京のファイターズ本拠地は人気チームに蹂躙される歴史の繰り返し。嗚呼。
結局の所、ファイターズファンが少ないからこうなってしまうんですよ。2006年のアジアシリーズでも、ファイターズの晴れ舞台を観に来たファンは少なかったですからね。
さすがに昨日のインプレー中のウェーブには呆れましたが(あまり成功もしてなかったですけど)。
投稿: 宇宙狼 | 2010年7月 7日 (水) 12時47分
マスコットの交流には大賛成です。
去年のオープン戦だったか、ジャビットとシスタージャビットが来福し、試合前に子供たちが参加するリレー競走に参加していました。
ホークスのような人気球団でも、球場の3~4割はビジターチームのファンがいるわけです。
そういう相手への気遣いは、されてしかるべきだと思いますよ。ただ度を越えれば、当然身内のファンは不信感が募りますよね。
今回の件は、ファイターズの苦肉の策だったと思います。
ファイターズの主催試合とはいえ、相手チームから観客動員に協力をもらってるんですから、無下にはできない・・・ということなんでしょうかね。
東京からのファイターズファンの方々にとってはどんどん住みにくい世の中になっていっているようですが、年に数回、東京ドームの主催公式戦をやることを前提にファンへの還元を考えていくなら、相手球団ファンにも足を運んでもらう手段を広げていかないといけないのかもしれませんね。
ただ、東京のファンへの還元を、“興行的なもの”ではなく“ファンサービス”だと考えるならば、言語道断。アナウンスもオーロラビジョンも、「球場にはファイターズファンしかいない」とも思われるようなサービスに徹してもおもしろいでしょうね。
交流戦が始まったので、福岡ではジャイアンツのセリーグ公式戦が無くなりました。
歴史としては大きな違いがありますが、もしかすると、東京のファイターズファンにも他人事ではなくなるかもしれませんよ。
投稿: にしたく | 2010年7月 7日 (水) 12時00分
北海道移転後からのファイターズファンで、現在転勤で都内在住のものです。
本日スタンドで観戦しながら、同じことを感じました。
年に数試合しかないホームゲームを楽しみにしているものとして、ホークスCM(テレビでは九州限定らしいです)を見ながらいたたまれなかったです。実はソフトバンクに食わせてもらっているという身の上もあり、なんとも微妙な気分を味わいました。
二階席にも客の入った東京ドームのファイターズ戦を見たいと常々思っていたのですが、それがこんな形で実現するとは...。
もちろん、ファイターズとしてみれば経営的な側面もあるでしょうから、こうした選択も百歩譲ってアリだとして、それでもホークスのCMの後にファイターズのCMを入れる程度には、自チームのファンへの配慮をして欲しかったと思います。
ソフトバンクにとっては、今回のイベントは創業30周年のイベントの一環とのことなのですが、球団を経営している企業体である以上、ライバルのホームグラウンドで行うべきでは無い行為というものについて、もう少し敏感であって欲しい...。
ホークスの黒いユニフォームを着て、一塁側の内野自由席でフラッグやメガホンを振り回す姿を見ながら、そんなことを思いました。
投稿: キバヤシ | 2010年7月 7日 (水) 02時47分