ダルビッシュ有、来季もファイターズでプレー
昨日(19日)はクライマックスシリーズにアドバンテージが付与されて以来初めて、最終ステージが最終戦までもつれ、なおかつ日付が10月19日だったことから「平成の10・19」と語り継がれる名勝負をとファンの期待が高まっていた。
その1988年の「10・19」ではパ・リーグの優勝がかかった大事なダブルヘッダーの最中にパ・リーグの名門、阪急ブレーブスがオリエント・リースに身売りするという話が飛び込んで来たことがあったため、今回も「10・19」ならベイスターズ以外の新たな身売り話が出てくるのではないかと危惧する向きもあった。
1988年にはこの時点で南海ホークスの身売りは公になっていたが、阪急ブレーブスは寝耳に水だった。
幸いにもベイスターズに続く身売り話は報じられず、逆に大リーグに売らざるを得なくなるかもしれなかったダルビッシュが残留表明するというファンにとっては嬉しいニュースもあった。
* 余談だがテレビ朝日系「報道ステーション」のスポーツコーナーのトップニュースはCSでもダルビッシュでもなく、タイガースの星野仙一シニアディレクターの退団会見だった。
何はともあれ、ファイターズどころか日本のエースと形容されることもある我らのダルビッシュは来季もファイターズでプレーしてくれる事に決まったようだ。本当に一安心だ。
こうなると気になるのが、いずれなされるであろう今オフの契約更改。ここでダルビッシュが球団と複数年契約を結ばなかった場合、来季もダルビッシュが昨日と同じ声明を発しない限り、再びマスコミはシーズン後のポスティング移籍説を流布することだろう。
一方で、同じくポスティング移籍が噂されたゴールデンイーグルスの岩隈久志は海外FA権取得を一年後に控えるこのオフにポスティングにかける旨を表明した。報道によると、自ら球団との交渉が出来なくはなるが、ポスティングで移籍する事によって球団に高額な移籍金を残していくのが岩隈流の球団への恩返しなのだそうだ。
もしもダルビッシュが今回はたまたま見送っただけで、いつかは大リーグでプレーしたいと思っているのなら岩隈と同じ決断をして欲しい。
ただそんななか、今日(20日)付けのスポーツ報知によると、大リーグ側で入札という、いくら金がかかるかわからないポスティングシステムに疑問を持つ球団や関係者が少なくなく、早晩MLBサイドからポスティングシステム見直しの機運が上がるのではないかという状況だという。今までの報道は何だったんだよ、と言いたくなるが、本人に払う年俸以外に元所属球団に多額のトレードマネーを払わなければならないこの制度をメリットとして享受出来る球団は大リーグでも限られるようだ。今から四年前。日本のエース松坂大輔を何が何でもライバルのニューヨーク・ヤンキースに落札されたくなくてヤンキースの二倍レベルの落札額を提示したボストン・レッドソックスは松坂のヤンキー推理を阻止した点でレッドソックス以外のファンからも喝采を受けたそうだが、景気の問題もあり、今後あのような過熱はないだろうという分析だった。
それであるならFAでの大リーグ移籍に対し、補償金をルール化するというのも日本球界としては考えねばなるまい。
話を元に戻す。
今回ダルビッシュの残留表明がパ・リーグにとっての大事な日に重なったことがファンの間で議論となっているようだが、個人的にはそのこともさることながら何故今まで明確にダルビッシュはポスティング移籍を否定しなかったのか?
当blog5月25日付け 三日連続で東京中日スポーツを買ってしまった。でも触れたが、東京中日スポーツが一面で特集した時には「よっぽどネタないんだろうな」という反応を示したが、移籍に関して完全否定した訳ではない。そこからダルビッシュ自身、移籍を視野に入れて水面下でいろいろと調査していたが最終的に見送ったのが昨日またはその直前で、それですぐに自身のブログで発表したのがたまたまパのクライマックスシリーズ最終戦と重なったのではないかとも言える。いずれにしても最初にも書いたように、ダルビッシュが複数年契約でも結ばない限り、来シーズン中も同じ事の繰り返しになりかねない。
ダルビッシュがまだFA権を取得していないから(現行制度のままなら順調にいっても2014年海外FA取得らしい)、ポスティングの噂が出るのだろうが、この話に説得力を付けるために付記されるのが、いずれファイターズ球団がダルビッシュに支払う高額年俸を払いきれなくなるだろうという憶測。これについても同 三日連続で東京中日スポーツを買ってしまった。で触れたが、既に推定年俸3億3000万円とも言われるダルビッシュの年俸が今後も鰻上りとはいかないのではないかということ。現実に今季の26試合、12勝8敗、防御率1.78という成績は昨年の23試合15勝5敗、防御率1.73に比べて著しくアップしていると言えるだろうか?成績そのものは素晴らしいのだから、ダウンはないだろうが、ベースになる現年俸が高いのだから、ノルマも高いはずだ。あとは引き留め料がいくらかかるかだ<苦笑>。
差し当たってはこのオフのダルビッシュの契約更改に注目しよう。
敗戦処理。は前出の東京中日スポーツの記事や他のスポーツ紙が書いてきたポスティング云々の記事がどれほどの下調べによって書かれたのか知るよしもないが、それら報道に惑わされるのではなく、ダルビッシュほどの高いレベルの持ち主であれば、今よりも高いステージに身を置いてみたいというチャレンジ精神を持っていても不思議ではないと思う。それがポスティングシステムという制度によって現実になる可能性がある以上、ダルビッシュがそれを求めても不思議ではないと思う。
なおかつ現状、FA権行使での大リーグ移籍では所属球団に何のメリットもないというシステムがその時まで不変であれば、ダルビッシュがその気なら岩隈のような選択をして欲しいと思っている。敗戦処理。は大リーグのマウンドで投げるダルビッシュを応援するだろうし、ダルビッシュが抜けた後のファイターズも応援するだろうから。今回の「表明」は一時的な沈静化を保証したに過ぎないという覚悟も出来ている。
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