ファイターズ四位指名の榎下陽大を見てきた!
ファイターズではドラフト1位指名の斎藤佑樹が所属する早稲田大学が慶應義塾大学との優勝決定戦を制してリーグ優勝を果たして明治神宮野球大会に駒を進めたのが有名だが、実は4位指名の榎下陽大が所属する九州産業大学も福岡六大学野球連盟の秋季リーグで優勝を果たしており、九州地区大学野球連盟、九州六大学野球連盟の三連盟の上位三球団参加のトーナメントを勝ち上がって本大会に駒を進めている。大会の組み合わせを見ると土曜の朝に九州産業大学が、北海道学生野球連盟の王者で札幌学生野球連盟の道都大学との2勝先勝制の大会に2勝1敗で勝ち上がった東京農業大学産業教育学部と対戦することになっている。これは観に行くしかないと。 ファイターズファンには有名だろうが、この榎下。既に一名を馳せている。注目の斎藤佑樹とメル友で、同じファイターズに指名されたことから電話で連絡を取り合い、斎藤佑樹に入団の意思があることを確認。それが功を焦った一部のメディアに載って拡散されたのだ。 榎下が出場予定の試合は学生野球のメッカにしてスワローズのホームグラウンドの明治神宮球場の隣にある明治神宮第二球場、通称神宮第二で行われる。今大会、大学の部、高校の部合計19試合の内、唯一神宮第二球場で行われるカードだ。 敗戦処理。が前回神宮第二に足を踏み入れてから四半世紀が過ぎているはずだ。東都大学リーグの二部の試合や、東京六大学野球優先の神宮球場でバッティングした場合に東都大学野球の一部リーグの試合を行う他、野球開催以外はゴルフの打ちっ放しにも使われている。 榎下は先発しなかった。先発マウンドには二年生の下平裕次郎。榎下の先発回避は覚悟していた。この試合の勝者は明日、東都大学野球連盟代表の國學院大学と対戦することになっている。今日勝たなければ國學院大と対戦出来ないとはいえ、エースを出来るだけ温存したいところだろうから。 ところがその下平が五回表に鈴木健史に先制3ランを浴びてしまう。0対3とされ、エースを出し惜しみしての取りこぼしという危機が出てきた。九産大もその裏、一死一塁から八番の加藤次郎の放った打球がライトの頭上を超え、フェンスの最上部に当たって跳ね返ってきたようにネット裏で観戦していた敗戦処理。には見えたが、一塁塁審(審判四人制)は本塁打と判定。東農大のライトの先制本塁打を放った鈴木が判定に不満なポーズをしたが、判定は覆らず。プロ野球ならビデオ判定必至のシーン。九産大は2対3と一点差に。ここで九産大は先発の下平に代打を出し、六回からいよいよ榎下が登板。 後がない九産大は八回に二死から四番の百崎一兵、途中出場の秋山謙太が連続二塁打で同点とすると、そこから両大学が譲らない。 結局延長十一回、九産大が死球とバントヒット、ポテンヒットでつかんだ一死満塁から加藤がライト前にライナーの安打を放ち、4対3とサヨナラ勝ちをした。 【13日・神宮第二】 東農 000 030 000 00 =3 九産 000 020 010 01X =4 農)陶久、●長谷川-比嘉 九)下平、榎下、武田、仲野、○新西-白川 本塁打)鈴木1号3ラン(下平・5回)、加藤1号2ラン(陶久・5回) お目当ての榎下以外では、東農大の四番、三年生のトマセン・ダニエルに未完の大器という印象を持ったのと、東農大で先制3ランを放った鈴木健史が、榎下との対決ではエンドランでコンパクトなスイングで一、二塁間を破り、延長十回にはあわや勝ち越し本塁打という大飛球を放ったのが目を引いた。 榎下を生で観るのはもちろん初めて。今日の榎下が通常の榎下に比べて良かったのか悪かったのかわからない。明日の國學院大戦では本当の榎下を観ることが出来るのだろうか? ファイターズが今年のドラフトで指名した選手では、他に6位の斉藤勝が所属するセガサミーが社会人野球日本選手権に出場。今年は一回戦を各地で分散開催したためセガサミーの初戦が日曜日に日立市民球場で行われるとあってこれまた生観戦のチャンスだったが、前日の大雨で前日の試合が順延となって日曜の試合が月曜にずれ込んだため観戦がままならなかった。ちなみに斉藤はリリーフで出て2イニングで4失点と火に油を注ぐ結果でセガサミーは東邦ガス相手に初戦敗退となった。 そして明日はいよいよドラフト1位の斎藤佑樹が所属する早稲田大学が愛知学院大学と対戦。斎藤以上、六球団一位競合でライオンズが交渉権を得た大石達也、カープの一位指名、福井優也の登板もあるかもしれない。しかもその試合が終わると、今日投げた榎下の九産大が國學院大と対戦。在京ファイターズファンは行くっきゃないでしょう。 ※ 早稲田大学の試合は13時30分試合開始予定だが、明日の神宮球場は8時30分から高校の部の試合が行われる。 P.S. 今日のオマケ 対戦相手の東農大と言えば、これでしょう! (写真:試合前の練習に励む。東農大の選手達。同じ苗字の選手が多い<!?>)
東都大学野球リーグの一部リーグにいる大学は二部に落ちたくないと思い、二部リーグにいるチームはリーグ戦に勝って入れ替え戦で一部リーグの最下位チームを倒して第二球場を脱出出来るように切磋琢磨する。東京六大学野球にはない醍醐味がここにはある。余談だが三部リーグと四部リーグはそれぞれの加盟校のグラウンドを使用したりしているのでグラウンドルールがまちまちだと聞いたことがある。
冒頭の写真といい、打者を迎えた投球でも下を向いている。かつての岡島秀樹を彷彿とさせる投げ方だ。この回は二者連続三振を含む三者凡退に。そして続く七回表には東農大の外国人助っ人、じゃなくて主砲のトマセン・ダニエルと対決。どことなくタイガースのマット・マートンを彷彿とさせるたたずまいのこの三年生。一年後のドラフトが楽しみだが榎下からもセンター後方まで飛ばすフライ。この後、死球と、前の打席に先制本塁打の鈴木がエンドランを決め、東農大に一死一、三塁と追加点のチャンスを作られるが、続く井野雄太のスクイズが見破ってウエストし、三塁走者を挟殺すると、さらに二死二塁のピンチを三振で切り抜けた。榎下は結局この裏の一死満塁で回ってきた打席で代打を出され、2イニングで降板。困った時はフォークという感じでタテの変化で東農大打線を圧倒する半面、ボールが指にしっくりなじまない様なシーンもあった。
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