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2010年11月11日 (木)

金本知憲よ何処へ行く?

Dvc00004 今季、通算3回目のFA権を取得したタイガースの金本知憲と球団との二度目の話し合いが10日に行われ、基本的には来季もタイガースでプレーする方向とのこと。ただFA権行使受付期間中にもう一度話し合うという。

今季、右肩痛が深刻化し、連続フルイニング出場が1,492で止まった金本だが日本プロ野球歴代二位の連続試合出場は1,763で継続中。選手寿命を考えればDH制のあるパ・リーグでのプレーが選択肢の一つであっても不思議ではないが…。

(写真:金本の残留が既定方針のように報じる11日付けデイリースポーツ1面)

金本と球団の話し合いは先月に一度、そして昨日(10)が二度目。金本は初めてFA権を取得した2002年のシーズンオフにタイガースに移籍。2回目のFA権を取得した2006年にはFA権行使の上でタイガースに残留。今季、3回目のFA権を取得した。早いものでタイガースに丸八年。球団との話し合いなど、儀礼的なもので宣言残留もしくは宣言せずに残留が発表されるのかと思ったが、二度目も物別れ?

11日付けデイリースポーツでは球団が金本に対して減額制限を超えるダウン提示をしていることを否定しているが、たしかに年俸、契約条件でもめていることも考えられる。また前述のように金本が自身の選手寿命を考えてパ・リーグでのプレーを考えてFA権の行使を視野に入れている可能性も考えられる。

連続フルイニング出場をストップさせた右肩痛はだいぶ治ったそうだが、その後のスタメン復帰後も広い甲子園の外野を守るにはしんどい状態であることは、タイガースファンで無く、対戦相手として観る敗戦処理。にも一目瞭然。このオフに昨年までのレベルに戻らない限り、来季も記録を続けるための出場と揶揄される状態になりかねない。なにしろ今季の金本は全試合に出場しながら、年間の規定打席に到達していないのだ。これは史上初のケースだそうだ。晩年は酷かった連続試合出場記録の持ち主衣笠祥雄も現役最終年も全試合に出場し、連続試合出場を継続したままで引退したが最終年は規定打席ぴったりの打席数だった。今年の金本は衣笠を下回った形になった。規定打席の計算式は試合数×3.1だから、金本は一試合に四打席立っていない計算になる。

せめて来季、四番の座も明け渡し、試合終盤には守備固めの選手との交代を余儀なくされてもバットでチームに貢献し、スタメンでの出場を続けられるレベルに復活すれば、存在そのものがプラスアルファをもたらすカリスマ性を持ち合わせているのだから、剣が峰といわれる三年目の真弓明信監督率いるタイガースの牽引車に返り咲く可能性はあるだろう。

しかし、いかに鉄人と言われた金本であっても、すでに42歳。今季の出場も無理に無理を重ねたことに変わりなく、昨年までの状態に返り咲くのは相当困難と考えるのが普通である。それならばDH制のあるパ・リーグでプレーする方が現実的と考えても不思議ではない。

そしてそのパ・リーグに元タイガースの監督が二人もいる。FA移籍当時の監督だった星野仙一がゴールデンイーグルスの新監督に就任。星野退任後、金本の在籍期間の半分以上指揮していた岡田彰布もバファローズで監督を務めている。これだけの条件が揃えば、たとえ本人に移籍という選択肢が無くても、マスコミは推測でものを書く(含・敗戦処理。)。金本の残留表明がいまだなされないのはこれらの状況が複雑に絡み合っているからではないか?

個人的にはこれからの金本にはタイガースで過度に連続試合出場記録にこだわらずにプレーしてもらいたいと考えている。今季ボロボロになりながらも継続させた連続試合出場も、衣笠の持つ日本記録の2,215に並ぶには現在の試合数ではあと丸三年間全試合出場を続けてもまだ20試合足りないのだ。その頃金本は46歳の誕生日の前後。仮にDH制で記録を続けたとしても難しいだろう。敢えて困難な目標を掲げ、高いハードルに進むという考え方もあるだろうが、いかに金本といえど現実的ではないと思う。それならばコンディションと相談しながら、タイガースナインと共に、タイガースファンと共に2005年以来の優勝を目指すというのが一番自然なのではないか。

今季は2位に終わったタイガース。クライマックスシリーズのファーストステージで敗退したが、その最終戦についに金本は出場しなかった。スタメンを外れ、どこかで代打出場の機会をうかがったが、ジャイアンツがマーク・クルーンではなく左投げの山口鉄也を抑えに使ったことなどもあり出場機会を逃した感じだった。今季何回か観られた、とってつけた様な代打出場を来季以降、ファンが許してくれるとも限らない。今季終盤何度か観られた、野手を試合途中ですべて使い果たしてしまう真弓采配も、金本を代打で出す。塁に出たら代走が必要。守りにつくのはまた別の選手というように、金本を出場させることによって複数の選手を使わなければならないケースがあるのである。そしてタイガースにとってそういう存在が金本のみでなく、代打の切り札桧山進次郎にも当てはまるのだ。他球団より野手のベンチ入り人数を増やさなければならない理屈になる。これを悪い方に考えれば、相対的に投手のベンチ入り人数が少なくなり、久保田智之、藤川球児に過剰な負担がかかることにも繋がるのである。

前述した衣笠の現役最後の二年間は、かなり強引に延命措置を講じていたが、当時ルー・ゲーリッグが持っていた大リーグの連続出場記録に並び、抜こうという大目標があってのものだった。金本に、衣笠に追いつく可能性がある限り幾多の犠牲をいとわず続けるのか、それならばコンディションが悪い時には休む勇気を持ちつつ、ベテランの存在感を見せる金本が六番当たりに座っている方が対戦相手としては嫌だろう。今年の金本には対戦相手のファンとして脅威を感じなかった。

そしていつの日か、金本がタイガースの選手として現役を引退する時、久しく誕生していない永久欠番の勲章がついてくるだろう。

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