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2010年11月15日 (月)

ハンカチ・ハニカミ・こども店長-あぁ斎藤狂騒曲

Cdsc00 前日のファイターズ4位指名、榎下陽大(九州産業大)見物に続き、14日には注目のドラフト1位、斎藤佑樹を観てきた。

いやぁ、予想はしていたが、斎藤の集客力は凄い。

(写真左:斎藤祐樹目当ての観客で前の試合からほぼ満席のネット裏。写真右:先発した斎藤佑樹)

一日遅れになってしまった。試合結果や斎藤の投球内容に関しては各種報道を参照していただきたい。冒頭にも書いたように斎藤の集客力に驚いた。

現在行われている明治神宮野球大会は大学の部と高校の部が並行して開催されている。大学の部は各連盟の秋季リーグの優勝チームが参加(いくつかの連盟はさらに二、三の連盟から一つの大学を選ぶ)、高校の部も秋季大会を行い、全国を10ブロックに分けている。

斎藤は早稲田大学が東京六大学の秋季リーグで優勝しているから出場しているが、初戦に当たるこの日はまず高校の部の二試合が先に行われ、第三試合として早大と愛知学院大学の対戦が組まれていた。試合開始予定は13:30

せっかくだから出来るだけ近くで斎藤を観たいと考えた敗戦処理。は第一試合開始の8:30のタイミングで神宮球場に着くように向かった。実際はやや遅れてしまったが、既にこの時点でネット裏はほぼ満席だった。もちろん純粋に第一試合の大垣日大高校と天理の試合を観戦目的で陣取っている人も多いのだろうが、それだけではこれほどには埋まらないだろう。そしてその後も観客の数は増え続け、ネット裏二階席、一、三塁側内野席も徐々に埋まっていった。

第二試合の日大三高対北海戦の試合終盤くらいでついに外野席を開放しだした。何でも毎年秋のこの明治神宮野球大会で外野席を開放したのは33年ぶりだそうだ。33年前といえば、怪物・江川卓(法政大学)と原辰徳(東海大学)が対戦した時で、マスコミやファンが騒いでいたことは敗戦処理。も記憶している。

それでも素直に外野に回る観客はまだいい方で、この第二試合が終わったらネット裏の席が少しは空くのではないかと、いわば空席待ちの観客がネット裏の通路を埋め尽くし、おちおちトイレや売店にも行けない雰囲気になってきた。もちろん大半が斎藤目当てのネット裏だから、第二試合が終わっても、ほとんど空席は出来ない。

発表された観客数から観れば、先日の慶應義塾大学との優勝決定戦や、慶大とのいわゆる早慶戦の時より人数が少なかった様だから、斎藤は頻繁にこういう喧騒の中で投げているのだろうと思うと、それだけでもプロの荒波に立ち向かう第一段階は突破しているのではと、投げる前から心強く思えた。実は敗戦処理。は斎藤を初めて生で観たのだが、確かに一部のファンやマスコミが指摘するように相手打者を抑える圧倒的な迫力のようなものはないが、打者一人一人に対し、丁寧に打ち取っていこうという投球には好感を持てた。

本人も「出来は良くなかった」的なコメントを残したそうだが、仮にそうだとしても神宮大会に出てくるレベルのチーム相手に6回まで無失点に抑えるのだから、斎藤が持っているのは「仲間」だけでなく、巧みな投球術もあるのだろう。最大のピンチと思われた六回の一死満塁でこの日最速の147kmで三振を奪い、次打者の一塁ゴロでも捕球した一塁手が投げやすいタイミングで一塁ベースカバーに入るなど本当にソツがない。

敗戦処理。は当blog1031日付 斎藤佑樹への過大な期待。で書いたように斎藤に過大な期待をしている。そのためには乗り越えなければならないものはたくさんあるだろうが、この試合のようにとにかく結果を残すのが凄いと思う。

早大は斎藤の後に、ドラフトで六球団が1位指名をし、ライオンズが交渉権を獲得した大石達也ではなく、斎藤と先発二本柱を組む、カープ1位指名の福井優也をつぎこみ、4対0で完封勝ちした。

Dsc_0060 (写真:二番手で登板し、3イニングを無失点に抑えた福井優也)福井が五年前のドラフトでジャイアンツの指名を蹴ったことで印象に残っているが、一浪の末、名門大学に進み、前回は「評価が低い」と断ったが今回は1位指名だ。カープで是非頑張って欲しい。

そして早大の試合が終わると、さすがに超満員のネット裏も半分とはいかないものの三分の一くらいは空席が出来てきた。

敗戦処理。は第四試合に前日も観たがファイターズ4位指名の榎下陽大が投げるかもしれないので残ったが、さすがにこの時間帯になると寒さがきつくなり、九州産業大対國學院大戦の途中で球場を後にした。お目当ての斎藤はもちろんのこと、場所取りのために早出観戦した高校の部でも、小関順二氏が先般のドラフト会議実施の翌日に日刊スポーツで触れていた来年のドラフト候補の天理高・西口輔日大三高・吉永健太朗の両投手をも生で観ることが出来る副産物<!?>もあり、お得な一日となった。

Cdsc_00 (写真左:天理高・西口輔投手、写真右:日大三高・吉永健太朗投手)

この日のように斎藤見たさのファンが球場に殺到するとなると、来年、札幌ドームはともかく鎌ヶ谷はどうなってしまうのか?という不安というか、脅威がある。

ハンカチ・ハニカミ・こども店長-この世知辛いご時世の中、この三人は老若男女を問わず知名度があり、好感度が高いそうだ。ゴルフの石川遼に関する大騒ぎぶりでは、普通のゴルフファンなら当然心得ているはずのマナーを身につけていない多数のギャラリーが石川を至近距離で取り囲むことになったその挙げ句、プレイヤーの集中力をそぐような携帯電話のシャッター音が鳴り響き、石川自らギャラリーに注意を促すという異常な事態になったことはゴルフファンで無い敗戦処理。でも知っている。

さらに、ファンが過熱すればマスコミも暴走。TBSテレビの中継車がギャラリーに衝突するという惨事まで起きた。

これと似たようなことが斎藤の行く先々で起きるとしたら…。

昨日の傾向を振り返ると、外野席を開放したり、ネット裏の通路に身動き出来ない程の客が密集したのは第二試合の途中からだ。ここから先は敗戦処理。の推測であるが、基本的にこの時間帯に集まった人は早大の試合開始時間を認識しており、それより早めに来れば良いという感覚で球場に来た人が多いのではないか?もちろん他に何か用事があり、この時間帯でないと球場まで来ることが出来なかった人も少なくなかろうが。

実は敗戦処理。も最初はそんな感覚だった。明治神宮野球大会の大学の部の日程と組み合わせをスポーツ新聞で知り、斎藤のいる早大が日曜の13:30開始ということで、これなら観に行けると踏んだ。これだけなら敗戦処理。も自由席ということで試合開始の一時間前くらいを目標に球場に向かっただろう。そしてその後に高校の部の日程と組み合わせをやはりスポーツ新聞で知った。その時点で日曜のこの日、早大の前に朝8:30から神宮球場で試合が行われていることに気付き、第一試合から球場入りしないと間近な席では観られないなと考えたのである。

おそらくは毎年、この神宮大会に関心を持っているような、学生野球のファンには常識なのであろう。敗戦処理。自身、斎藤が投げる試合を生で観るのは四年間で初めてだから偉そうなことを言えないが、(他に用事もないのに、)試合開始一時間前前後に球場入りするファンは事前の調査不足であろう。そして、悲観論的にはその程度の認識で「斎藤を近くで観られる!」と騒ぐ人達が、前述したゴルフの石川を取り巻くようなトラブルの種となりかねないのかもしれない。

だがしかし、仮にそうであれ、ファイターズに限らず今のプロ野球界の状況はそういう人達をも大切なお客様として認識し、最初はトラブルの種となっても、固定ファンとして根付くように取り込まなければならないのである。コアなプロ野球ファンがいくら熱心にグラウンドに駆けつけたり、グラウンド外で様々な形で応援していても、最高峰の舞台である日本シリーズが「地元以外では盛り上がらないであろう」とみなされ、地上波で全国中継されないのが実態なのだ。

ハンカチ・ハニカミ・こども店長-この知名度と好感度をファイターズや、日本プロ野球界は利用しない手はないし、もっともっとイメージアップを図らなければならないのだ。

実際にドラフト会議でも1位指名の競合数では大石達也の方が上だったし、斎藤より投手としての能力が上な投手はアマチュアにいるだろう。来年も出てくるだろう。だが、斎藤にはそうした逸材には無いものがあるのである。

斎藤佑樹が持ってるものは「仲間」だけではない。国民的知名度と国民的好感度なのだ。

敗戦処理。の 斎藤佑樹への過大な期待。はこうして続くのである。

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コメント

HGK様、コメントをありがとうございました。

> 私はすでにハンカチのアンチです。
ごめんなさい。
管理人さん。

もちろん、好みは人それぞれ。

むしろアンチ派が出るというのもそれだけ注目されている証拠じゃないかなと思っています。

末永くお付き合い下さい。

投稿: 敗戦処理。 | 2010年11月16日 (火) 23時32分

私はすでにハンカチのアンチです。
ごめんなさい。
管理人さん。

投稿: HGK | 2010年11月16日 (火) 08時26分

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