さらば建山義紀、さらば森本稀哲
二人まとめて一つのエントリーするのはチームの功労者である二人に失礼かもしれないが、そこはご容赦を。
建山がFA権を行使して大リーグ入りを目指すと最初に報道で知った時には正直、何と無謀なと思った。ファイターズではここ数年、勝利の方程式を形成するのになくてはならない存在と化しているが、はたしてレベルの高い大リーグで通用するのだろうか?薮田安彦や福盛和男の例もある。35歳のベテランにとって、厳しいとはいえファイターズが安住の地かなと思ったのだが…。
ファイターズの決断も早かった。建山がFA権を行使すると、まだ行き先が決まる前に建山が12年間つけていた背番号22を鶴岡慎也に与えると発表した。建山は退路を断たれたようなものだ。実際大リーグの球団がメジャー契約してくれるのかなと敗戦処理。は不安視したが、もし大リーグからのオファーが無く、移籍が叶わぬ場合にはジャイアンツが豊田清の抜けた穴を埋めるために獲得すべきだと思ったほどだ。
しかし何はともあれ、建山にはテキサス・レンジャーズからオファーがあり、契約に合意したそうだ。悔いの無きよう調整し、自分が選んだ地での活躍を祈るのみである。
森本も正直、個人的には想定外。シーズン中から扇情的な報道が散発されたダルビッシュ有のポスティング移籍云々を別にすれば、敗戦処理。が気にしていたのは田中賢介のFA動向。国内FA権を行使すれば、それこそジャイアンツあたりが黙ってはいないだろうなと妄想していたら、田中は来季獲得する海外FA権を行使しての大リーグ入りを目指しているらしいとの報道が出始め、森本より田中が気になりだしたのだ。結局いろいろな報道はあったが、田中はファイターズと三年契約を結んだ。少なくとも向こう三年間はファイターズで頑張ってくれるということだ。
今でも鎌ヶ谷のネット裏に行けば「賢介は俺が育てた」とか、「ひちょりはワシが育てた」という常連さんにごまんと出会うが、今ではゴールデングラブの常連となった田中と森本はファーム時代は本当に下手だった。折しも敗戦処理。が鎌ヶ谷や他の球場でファームの試合を見るようになった時期だった。森本は主に三塁を守り、ポロポロやったり豪快なトンネルをやらかしていた。ネット裏の観客は森本のオヤジさんが観戦に来ていない(または球場を後にした)のを確認してから森本をヤジったものだった<苦笑>。
田中もまた然り。併殺が取れない。併殺崩れになるどころか、送球を受け損ねてオールセーフなんてことはざら。観る目がない敗戦処理。等は「打撃はそこそこいけそうだから外野にコンバートすべき」を持論にしていた。田口壮、福留孝介、新庄剛志…内野手としては難があっても、外野転向で大きくブレークした先例があったからだ。そして田中にもレギュラーをゲットする2006年の前年の2005年、外野転向の話があり、一軍公式戦でも外野を守った時期があった。ちなみにこの時期のファイターズの二塁手は木元邦之だった。
そんな森本と田中が一本立ちした2006年からファイターズの躍進は始まったのである。2006年のリーグ優勝、日本一を皮切りに三度の優勝を成し遂げたファイターズの顔はエースのダルビッシュ有であり、野手では稲葉篤紀ということになるのだろうが、ファイターズの野球の象徴という点では野手では森本稀哲と田中賢介と言っても過言ではないだろう。残念なことにその一方が抜けるのである。ファイターズが低迷期から抜け出し、五年間で培ってきたものが崩壊する危機かもしれない。
現実に二番打者がいないのである。ファイターズらしい野球の出来る二番打者が実は森本以外にいないというのがファイターズの実態なのである。にもかかわらず紺田敏正をトレードしてしまうのは如何なものかという意見もあるが、これから二番打者を作らなければならない。
本来であれば、金子誠が二番を務めてくれれば申し分ないのだが、本人が「恐怖の九番打者」で満足してしまっているのか、その気が無いようだ。もっともその金子誠にしても、先月35歳になった。そろそろ後継者を考えなければならない時期だ。
建山の穴も、菊地和正か金森敬之が埋めてくれるのが理想だが、なにぶんにも経験がものを言うポジションだ。授業料を払いながら「ポスト建山」を作っていかなければならないだろう。
森本も建山もファイターズとファイターズファンのためにプレーし、その対価として得たフリーエージェントの権利を行使して新天地に活躍の場を求めた。それは素直に送り出してあげたいが、二人が抜ける来季のことに頭が及ぶと…。
もちろんそれは森本と建山には直接関係ない話なのだが…。
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コメント
お名前が書かれていませんが、貴重な木元情報ありがとうございました。
木元は今、何をしているのでしょうか?
投稿: 敗戦処理。 | 2011年2月23日 (水) 00時34分
http://www.ryukoku.ac.jp/xr/contents/vol.15/graduation.html
木元さん見つけました
投稿: | 2011年2月22日 (火) 22時44分