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2010年12月12日 (日)

茨城ゴールデンゴールズ、萩本欽一監督勇退

Cdsc_0291 野球界で異彩を放つクラブチーム、茨城ゴールデンゴールズを設立し、監督として、広告塔として先頭に立って引っ張ってきたタレントの萩本欽一監督がかねて退任を発表していたが、その最終戦が12日、平塚球場松坂大輔率いるサムライ相手に行われた。試合後のセレモニーでは次期監督に決まっている片岡安祐美から涙のメッセージを受けた。

片岡安祐美のメッセージによると萩本監督は「結局、野球界に何も遺せなかったな」と漏らしていたという。

(写真:試合後のセレモニーで萩本監督にメッセージをする片岡安祐美。涙でほとんど呂律が回らず…。)

まあ、本音を言うと、別に欽ちゃん球団のパフォーマンス目当てで平塚まで足を運んだのではないのだが…。

敗戦処理。がこのblogを始めて五年になるが、過去四年、贔屓チームであるファイターズとジャイアンツの少なくとも一方が日本シリーズに出場していた。それが今年、残念なことにどちらも日本シリーズに駒を進めることが出来なかった。そのせいか今年は長いオフシーズンを実感している。108日にジャイアンツの公式戦最終戦を東京ドームで生観戦した後、次の野球生観戦は明治神宮野球大会と1ヶ月のブランク。ファイターズがドラフトで指名した榎下陽大斎藤佑樹を生で観たいのと生観戦欠乏症対策での観戦だったが、それからまた1ヶ月、今年最後の野球生観戦は「久しぶりに松坂大輔でも観たいな」ということで、松坂大輔率いるサムライと、萩本欽一監督率いる茨城ゴールデンゴールズのチャリティーマッチを観ようとチケットを購入しておいた。

欽ちゃん球団の試合を生で観たのは200555日以来。漫画家の本宮ひろ志が監督を務めるサウザンリーフ千葉との対戦。片岡安祐美を近くで観たいというのもあったが、サウザンリーフの一日臨時投手コーチを江川卓が務めるという話題性に乗っかったのだ。クラブチームとしての公式戦以外の欽ちゃん球団のパフォーマンス付き野球がどういうものであるかは敗戦処理。的にはこの試合で理解したつもりだった。ちなみにこの日、ファイターズのファームでは当時ルーキーだったダルビッシュ有がイースタン・リーグに初登板初先発。こちらも相当な観客動員が予想され、「ダルビッシュも楽しみだけど、まあいつでも観られるだろう」と思って江川や片岡の試合を優先してしまったのだ<苦笑>。もちろんダルビッシュはあっという間に鎌ヶ谷を卒業、その後の活躍は言わずもがな…。

インプレー中であろうと、マイクを離さず何かあると面白おかしく観客席を沸かせる言葉を発し、場内アナウンスも専任のスタッフを置いて欽ちゃんと掛け合うという徹底したサービス精神。試合展開が仮に淡々と進むことになっても、観客席を飽きさせない趣向。社会人野球の衰退が叫ばれる中、新たな選手の受け皿になったり、新たな野球ファンを開拓しようという志は一定の成果を挙げたのであろうし、それなりの意義はあったのだろう。敗戦処理。は萩本欽一が行う野球を否定するつもりはないが、自分が子供の頃から愛し続けている野球とは同じカテゴリーのものではないなと五年前の生観戦以来、思ってきた。

「昭和の視聴率男・欽ちゃん」というブランドでいくつかのスポンサー企業を引っ張り、なおかつ私財を惜しみなく投入してのチーム運営には筆舌に尽くせぬ苦労があったことだろう。前述したように片岡安祐美のメッセージで明らかになったように本気で野球界に何かを遺そうとしていたようだから、野球界が見捨てられた訳ではあるまい。

今後は片岡安祐美が監督兼任としてチームは存続するという。大黒柱を失いクラブチームとしては大きな岐路に立つことになるだろうが、今後は「野球界のため」というより、自分たちが大好きな野球を続けていくための知恵を絞り、何とか継続して欲しいものだ。

茨城ゴールデンゴールズは監督の欽ちゃんと女性選手の片岡安祐美の他にも、元ジャイアンツ、カープの福井敬治、ドラゴンズ、マリーンズでプレーした酒井忠晴、今日は姿を見かけなかったがジャイアンツとホークスで投げていた吉田修司が所属しており、ヘッドコーチは松沼兄こと松沼博久が務めている。

一方のサムライには松坂大輔の他、その松坂と甲子園大会で延長15回の死闘を演じたPL学園の投手で立教大を経て日本テレビのアナウンサーになった「エース上重」こと上重聡や、その試合のPL学園のメンバーで松坂から三安打を放ち、横浜ベイスターズでプレーした田中一徳、ベイスターズ、バファローズでプレーして現在は格闘家に転身した古木克明、そして松坂の横浜高校野球部の一年先輩でタレントの遊助こと上地雄輔らが参加した。

試合は序盤から動いた。

一回表、茨城GG打線はいきなりサムライ先発の神宮正和に襲いかかり、先頭、片岡安祐美が鮮やかに三遊間を破り出塁。

Dsc_0077 (写真:綺麗に三遊間をゴロで破る安打を放った片岡安祐美)この安打を皮切りに無死満塁と攻め立て、四番のレモンガス岩田と七番坂巻卓也のタイムリーで4点を先行。

Dsc_0083 (写真:四番打者、レモンガス岩田の先制2点タイムリー。元NPBの福井、酒井を押しのけて四番に座るだけのことはある…)

その裏、サムライもすかさず反撃。茨城GGの先発、メロン鈴木から二安打で一死一、二塁とすると、「四番・遊撃手」でスタメン出場の松坂大輔が軽々とレフトスタンドに運び、あっという間に1点差に。

Dsc_0089 (写真:試合開始時にユニフォームが間に合わなかったのか、グラウンドコート着用でプレーしながら見事な3ランの松坂)

しかし1点差に迫ったのもつかの間、神宮が立ち直りのきっかけをつかめず、二回、三回と追加点を献上し、6対3と差は開く。サムライは三回裏に松坂大輔が安打で出塁するも続くエース上重が併殺打に倒れ、、ようやく到着した上地雄輔が代打で登場するがセンターフライに倒れ無得点と、反撃のきっかけをつくれず。

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四回にも2点を失ったサムライは五回には二番手に格闘家の古木克明を送るが古木も火に油を注ぐのみ。五回を終えて茨城GGが9対3とリード。

Dsc_0124

ここでハーフタイム。ゲストのSDN48がホームベース付近でミニライブを行った。

Dsc_480153 (写真:ホームベース付近にシートを敷き、ミニライブを行ったSDN48土曜の夜に活動するからSDN48なのに、何故に日曜の真っ昼間に…。どうせならAKB48を観たかったが…。

上地雄輔といい、SDN48といい、場を盛り上げてくれるのはいいが、野球場のお約束のマナーをわきまえないファンを相当数引き込んでしまった様で、野球を楽しみたい敗戦処理。には善し悪しなのだが、グラウンドの流れと無関係に前後左右に動きまくり、叫び声を上げる<苦笑>上地雄輔の愛称は「ゆうちゃん」らしく、「ゆうちゃ~ん」と黄色い声が飛びまくる空間は来季の鎌ヶ谷を彷彿とさせ、嫌な予感を増幅させた。やはり斎藤佑樹には1月の自主トレを終えたらずっと一軍に定着して欲しい。

試合再開。続投した古木は茨城GGの九番打者に2ランを浴びるなどさらに追加点を入れられ2イニング目の途中で降板。この回は一気に6点を失い15対3と点差を拡げられ、試合は一方的に。

大人の事情で松坂大輔をマウンドに上げさせられないばかりか、立教大時代に完全試合を記録したエース上重も何故かマウンドに上がらなかったサムライは七回からは試合前の練習を手伝った中学生の野球部員を次々と投入。

Dsc_0176 これがなかなか好投。茨城GG打線が空気を読んだ感もなきにしもあらずだったが、点差がついてだらけた試合を少しは引き締めた。

平塚市は神奈川県。横浜高校で全国制覇をするなど大活躍だった松坂に人気が集まるのと同様にベイスターズのドラフト1位だった古木克明の人気も捨てがたい。マウンドでは火に油を注ぐだけだったが、七回裏の打席では特大の一発をライトスタンドに放り込み、さすがとスタンドを唸らせた。

Dsc_0179 (写真:豊田大谷高校時代以来の会心の一打と思われる豪快な一発を放った古木)

古木はこの後、スタンドのベイスターズファン(あるいはシーレックスファン)に冷やかされながら三塁の守備にもつき、福井敬治が放った三遊間の痛烈なゴロを好捕してダブルプレーを完成。本人もよほど嬉しかったのか、大きなガッツポーズをしていた。

最終回、サムライはマウンドに上地雄輔を送る。

Dsc_0198 「また余計なことを…」と思ったが、茨城GGは監督の練習をするために試合から退いていた片岡安祐美が「代打、わたし」を告げて登場。一死後にはヘッドコーチの松沼博久が代打で登場!試合前の守備練習では茨城GGの背番号77のユニフォームでシートノックしていた松沼だが、ここは何と背番号15の西武ライオンズのホームユニで登場。

Dsc_0204 現役時代にもほとんど拝めなかった松沼兄の左打席を観られただけでも貴重。だが結果はあえなく投ゴロと凡退。

九回表二死となっていよいよ代打に萩本欽一監督が告げられる。上地雄輔のファン以外は「せめてここで松坂投げろよ」と全員が思っているのだが、うかつに口に出すとテキーラの入った灰皿が飛んで来かねないので誰もいわない。

Dsc_0213 サムライも超前進守備の欽ちゃんシフトで対抗。野球界でいえばホークスの王貞治会長の一歳年下に当たる欽ちゃんにどうすれば花を持たせられるのか上地雄輔も苦労しただろうが、何とか内野安打で花を持たせることに成功。

Dsc_0214

九回裏、松沼兄はマウンドに上がった。

Dsc_0227 あまり現役時代と代わらぬ体型からあまり変わらぬフォームで投げ込む。しかし九回裏のサムライは古木、上地雄輔、松坂大輔が代わる代わる打席に入る、

Dsc_0234 まるでサントリーモルツドリームマッチの最終回のような掟破りの打撃。ライオンズの大先輩相手に松坂大輔も情け容赦なく打ちまくる。

Dsc_0238 しまいには古木も外され上地雄輔と松坂大輔が交互に打つようになり、松坂が打てば上地も打つという感じで、上地雄輔も先輩の面目を保てただろう。

Dsc_0239 怒濤の連打で5点を返し、1512まで迫ったが、降板させてもらえない松沼兄の最後の気力の前に及ばなかった。

12日・平塚】

茨城GG 411 216 000 =15

サムライ 300 000 315 =12

茨)○メロン鈴木、山村、松尾、松沼兄-坂巻

サ)●神宮、古木、ゲンキ、松坂恭、中学生A、中学生B、上地-ノリ、中学生

本塁打)松坂3ラン(メロン鈴木・1回)、芹澤2ラン(古木・6回)、古木ソロ(山村・7回)

もともと、普段観戦しているプロ野球の一軍戦、二軍戦とは別カテゴリーという頭で金を払って観ているので一年の最後にはちょうどよいエンターテイメントだと感じた。

試合後にセレモニーが行われ、ハーフタイムのステージでとっくに帰ったと思われていたSDN48が再登場。欽ちゃんと松坂大輔に花束を贈った。

Dsc_480271 (写真:欽ちゃんと松坂大輔に花束を贈るSDN48のメンバー。足許は…誰か注意…いや、見なかったことにしよう。)

セレモニーの一環で、次期監督の片岡安祐美が萩本監督の労をねぎらってメッセージを送ることになっていたのだが、感極まってほとんど言葉にならなかったのが冒頭の写真。ちなみにこの後、引き継ぎとして片岡次期監督に監督用の背番号55のユニフォームが贈られた。

Dsc_550295

最後に欽ちゃんが熱望していたという、吉永小百合さんからのメッセージを欽ちゃん自ら代読し、茨城GGナインに胴上げされ、試合の幕を閉じた。

欽ちゃんが野球界に遺そうとしたものが何だったのかはわからない。欽ちゃんが野球場で見せるようなパフォーマンスが本当に野球界のためにプラスになるのかも正直わからない。ただし、敗戦処理。流に言えば、斎藤佑樹に野球界を超えた存在として大活躍して欲しいと願っているように、既存のプロ野球ファンを一喜一憂させているようでは最高峰の舞台である日本シリーズすら地上波で全国に載らなくなる時代なのである。NPBやアマチュア野球界に携わる人間は、欽ちゃんの野球を異端として別扱いするのであれば、正しいと思う方法で欽ちゃん並みに身体と言葉で野球界を変える努力をして欲しい。

 

 

 

P.S.

1213日追記

この試合を報じた13日付けスポーツニッポンにこんなコメントが。

「欽ちゃんはプロ野球が1リーグ制移行の問題とかでゴタゴタしてる時期に野球を盛り上げてくれた」

そう、日本プロ野球の危機に立ち上がって具体的に行動を起こしたコメディアンのことを忘れてはならないし、こんな気の利いたコメントを残したのが野球界から戦力外通告されて格闘家になり、日々苦闘している古木克明だということも明記しておきたい。自分のことで精一杯だろうに。

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自分のTwitterアカウントをフォローしていただいている方は既にご承知でしょうが、昨日は平塚球場へ「欽ちゃん監督勇退チャリティマッチ VS松坂大輔・チームサムライ」を見に行ってきました。 試合の経過については、Twitterで随時Tweetしてましたので、まずはこちら…... [続きを読む]

受信: 2010年12月13日 (月) 08時42分

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