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2011年3月29日 (火)

日本ハムファイターズ東京決起集会!に行ってきた

Dsc_0088 28日、杉並区の阿佐谷ロフトAで行われた「日本ハムファイターズ東京決起集会!」に行ってきた。そう、当初の予定では25日にセ・パ両リーグともにプロ野球公式戦が開幕し、ファイターズはライオンズ相手の札幌ドームでの開幕カードを終えて、29日からバファローズと東京ドームで三連戦を行う予定で、28日はいわばその前哨戦。そこでコラムニストで熱烈なファイターズファンのえのきどいちろう氏を中心にトークイベントで決起集会をという趣旨だったのだ。

(写真:会場の阿佐ヶ谷ロフトA入口の看板より)

 

 

出演はえのきどいちろう氏の他に週刊ベースボール(ベースボール・マガジン社刊)「綱島理友のベースボール意匠学」でおなじみの野球意匠研究家の綱島理友氏、ファイターズ球団スコアラー、元選手の渡辺浩司氏、文化放送アナウンサー水谷加奈氏、そして中島勇二&ヨシノビズム(野球DJ)の二人。

冒頭、まずはロフトAのPRタイムとなるのだが、今回はさすがに単にこれからのこの会場でのイベントの告知などだけでなく、万一イベントの最中に地震が起きたら…といった注意事項も説明された。この会場には二ヶ月に一回程度、「プロ野球ナイト」で来ているが非常時の際の注意を受けたのはさすがに初めてだ。店長曰く、地上より地下の方が安全らしい…。

そして、えのきど氏登場。まずはファイターズがどうこう以前に野球はどうなるのか?なんて話から始まる。次いで水谷アナ登場。えのきど氏と水谷アナは以前に文化放送でレギュラー番組で共演していたそうで、さすがに息が合っている。そしてたまたま観覧に来た文化放送の報道スポーツセンター部の関根英生部長さんという偉い人がステージに上げさせられ、どうやら今シーズンの文化放送は日曜日の野球放送から撤退するらしいという話が出て、会場がまず騒然。

文化放送の野球放送と言えば、月曜から金曜がライオンズ戦主体で土日はジャイアンツ戦など他カードと、色分けがしっかりしていた。関東四大キー局(TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送、ラジオ日本)から日曜だけとはいえ撤退する局が出てくるというのは野球ファンにとっては衝撃だし、野球界にとっても残念なニュース。なおかつ今年の節電対策で平日デーゲームが増えた場合の対応に関しても、えのきど氏から鋭い質問が続く。大竹まことがパーソナリティーを務めている人気レギュラー番組を飛ばして早々に野球放送を入れられないでしょう?とのツッコミに文化放送の偉い人は口ごもっていた。

そしてファイターズ球団の渡辺浩司スコアラーと、綱島理友氏もステージに。渡辺スコアラーはシーズン開幕が延びているからゲストとして登場しているのでなく、最初からメンバーに入っていたからすごい。えのきど氏の人脈で出演してもらったのだろうが、この後現職ならではの濃いぃ話がどんどん出てくる。

話は今月いっぱいで国に返納になる多摩川グラウンドの話や、FA移籍した森本稀哲の話など、徐々にファイターズ色が濃くなっていく。

森本がFA宣言して自分の身の振り方をいろいろな人に相談した時に、ほとんどの人がファイターズ残留を勧めたのに、「出ちゃえば!」と言った人と「好きにしたら」と言った人が一人ずついたという話になり、前者は渡辺スコアラー自身だとのこと。

「森本稀哲の野球をやろうとするのなら、今のファイターズより、求めてくれるチームでやってみる方がいいんじゃないの」というのがその趣旨だという。もちろん後者の言葉は新庄剛志

渡辺スコアラーは新庄がチームに来てから変わった点をいくつか挙げていたが、チーム内に誰と誰は仲が悪いという話を一切聞かなくなったと言っていた。時に他球団の人間関係の情報まで入ってくるが、ファイターズに関してはその後、今に至るまで不仲情報は一切ないという。よく「仲が良すぎるのも善し悪し」というが、ファイターズに限っては本当にいい意味でみんな仲良しだそうだ。

また、えのきど氏が「今年の二番は誰になるのですかね?やっぱり金子ですか」と渡辺スコアラーに降ると、渡辺スコアラーは金子誠の二番には反対らしく、その理由が、金子誠に二番をやらせればそれなりにはこなすだろうが、あと一、二年かもうちょっとの選手を二番に据えるなら、これからの選手を勉強もかねて二番に据える方が良いと言い放った。ただ渡辺スコアラーお墨付きの二番打者候補というのはいなく、極論すれば今季は日替わりでもよいといい、鶴岡慎也高橋信二の二番もあり得るのではとのこと。

ここでえのきど氏が陽岱鋼の名前を出そうとすると、ものを考えながら野球をするのは無理との鋭い指摘が…。天然系と言えばファンの間では糸井嘉男が浮かぶが、えのきど氏もその事に触れ、「外野から稀哲が抜け、稲葉も一塁やDHに回るケースが増えそう。そうなると左から中田翔、糸井、陽なんていう外野陣になる事も考えられるが、糸井は外野陣のリーダーになれますかね?守備力は天下一品ですけど、周りを引っ張れるかとか…」と渡辺スコアラーに質問。渡辺スコアラーは「彼は超人ですから、そう言う能力も身につけているでしょう」と糸井に関しては「超人」、「宇宙人」という表現で全幅の信頼を置いている様子。

こんな感じで、えのきど氏が一つ一つテーマを決め、渡辺スコアラーに質問していくという感じで、綱島氏は随所に的確なコメントをはさみこみ、水谷アナは佑ちゃんの話題とか、自分で入り込めそうな話題の時だけ眼をきらきらさせている。そして中島勇二とヨシノビズムの二人は第一部と第二部の間にミニミニ「プロ野球音の球宴」を演じて休憩の間、観客を楽しませていた。

その斎藤佑樹に関しては渡辺スコアラーは、「投手は専門外」といいながら、あらゆる面で「普通」と評した。小さくまとまらないで欲しいと言うことを繰り返し繰り返し力説していた。先日のタイガース戦こそめった打ちを食らったものの、それまでの実戦形式では無難に無失点に抑えていた佑ちゃんに対し、結果を欲しがって無難に無難にというのが目立つのが残念。甲子園でマー君と投げ合った時のように、ここ一番ではストレート勝負という斎藤を観たいというようなことを言っていた。

また、えのきど氏は「鎌ヶ谷から選手の供給が滞っている」ことを憂いていた。「稀哲、賢介、それに信二あたりもですかね。この世代の下が出てきていないのですよ」と、鎌ヶ谷に足繁く通う身には耳の痛い話もしていた。実際には小谷野栄一もふくまれるのだろうが、彼らの世代の下が実はまだあまり育っていない。糸井がいるのだが、彼は宇宙人だから除外なのか。そんななか、鵜久森淳志に対して渡辺スコアラーは「鵜久森には日本ハム版の『大道』になって欲しい」と評していた。たしかに現実に坪井智哉の退団で、ファイターズに出てきただけで相手に威圧感を与える代打要員はいなくなった。いたとしてもレギュラークラスが何らかの事情で代打に回った時くらいだろう。左の代打に関しても渡辺スコアラーは「小田で止まっちゃってますね」と手厳しい。余談だが若手では杉谷拳士の話題も挙がったが、渡辺スコアラーの杉谷に対する第一印象は「うざい」

その他、客席からの質問では「金子誠の後継者は?」「今年のクローザーは?」「綱島さんはファイターズの新しいユニフォームをどう思うか?」などの鋭い質問が飛び、出演者が真剣に応えてくれていた。

そんなこんなで約3時間のロングラン。東京ドームどころか後楽園球場時代からのファンならではの深い、濃い話が多かった。鎌ヶ谷関連では供給停滞の話題くらいだったが、在京ファイターズファンの琴線に触れる話題満載だった。正直、敗戦処理。は球場または球場周辺で行われる野球のイベントというものに、「プロ野球ナイト」を除けばほとんど足を運んでいない。このイベントも2月の「プロ野球ナイト」の際に知ったが、実は直前まで行くつもりはなかった。

 

ここから先は内輪話になるが、敗戦処理。の仕事は月末、期末、年度末のこの時期、本当はメチャメチャ忙しい。そんななか、ファイターズは29日から31日まで東京ドームで三連戦を組んでいる。年間で8試合しかない東京ドーム主催試合の内の最初の三連戦である。これは少しでも仕事の集中を避け、東京ドームに迎えるようにしなければならない。ましてや30日には佑ちゃんの公式戦初登板が実現する可能性が高い。親戚の一人くらい危篤状態にしてでも、30日の試合は試合開始から観たい。そう考えると、三連戦直前の28日の夜なんてイベントどころではないのだ。出来るだけ仕事を前倒しして、30日のフル観戦を中心に、2931の三日間の夜に仕事をせずに済むように細工しなければならないのである。中島勇二とヨシノビズムの中島さんには「プロ野球ナイト」でよく声をかけていただいているので不義理はしたくないが、このイベントは敢えてキャンセルして三連戦重視にしようとしたのだ。ところが、開幕そのものが延期になった。これで逆に28日は早々に切り上げ、29日からが繁忙を究めるようになっても、この決起集会に参加出来ることになったのだ。何が幸いするかわからない。お開き後、えのきどさんの近著「F党宣言! 俺たちの北海道日本ハムファイターズ」(河出書房新社刊)に、えのきどいちろうさんご本人と、水谷加奈アナウンサーからサインをいただいて、夜の阿佐ヶ谷駅に向かった。やっぱり野球は面白いのだ。

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