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2011年3月 8日 (火)

公認野球規則3.09(2)

Dsc_0008 日本プロ野球組織(NPB)とプロ野球実行委員会は7日、十二球団の監督、コーチ、選手そして審判員に対し、親睦的態度をとることを禁じる野球規則の徹底を文書で通達した。

公認野球規則3.09

ユニフォーム着用者は、次のことが禁じられる。

(1)プレーヤーが、試合前、試合中、または試合後を問わず、観衆に話しかけたり、席を同じくしたり、スタンドに座ること。

(2)監督、コーチまたはプレーヤーが、試合前、試合中を問わず、いかなるときでも観衆に話しかけたり、または相手チームのプレーヤーと親睦的態度をとること。

(写真:試合前の練習時間の切り替えの際に会話をしているマリーンズの堀幸一とジャイアンツの大道典嘉。今後はこういう行為も禁止される。 20104月撮影)

そもそも相手チームの選手との私語は野球規則で禁じられている。つまり新たにルールを加えたのではなく、今までも存在していたのだが等閑にされていた規則を規則通りに運用しようと言うだけのこと。もちろん大相撲における八百長疑惑の影響もあり、ファンの前で疑わしい行為をするなという事だろう。あくまで正論であり、考え方に一分の間違いもないと思う。

では、今までもルールで禁じていたのに、なぜ厳格に取り締まらなかったのか?という声もあろう。おそらくはいわば性善説的な考えで、多少のことに目くじらを立ててもしょうがないということだったのだろう。大相撲の八百長問題は直接には日本のプロ野球には全く関係ないが、取り巻く環境が厳しくなるのだから、少なくとも既存のルールくらいはきちんとルール通りに厳格に対処すべきだと敗戦処理。は思う。

ちょっと本筋から横道にそれるが、もはや伝説になっている野村克也の現役時代の「囁き戦術」はこのルールからいけば完全にアウトだ。野村本人は「独り言ですよ」と嘘ぶいて振り返るが、相手に囁きかけているのであればルール違反。それでもこうしてファンにも知れ渡る程に存在しているのは「どうせ規制されない」と完全になめきっていたと言うことだろう。古い話だが、ばかばかしい話だ。

開場してスタンドにファンが入ってからの私語厳禁となると、例えば試合前のメンバー交換で監督同士が儀礼的な挨拶だけでなく、会話を交わしたらアウトなのか?しかし上記の条文をよく読むと、監督同士の親睦的態度を禁じていない。大丈夫なのか、この規則<苦笑>

試合前後を含め、基本的に相手の選手と会話を交わす必要なんぞそもそもないのだから、ルール通りやりますと宣言した以上、厳しくやればいい。個人的には安打を放った直後の選手が一塁コーチと談笑しているのだって、もう少しTPOを考えろよと思う時がある。「牽制球に気をつけろよ」とかのアドバイスなら、笑顔になるはずはない。一々握手したりグータッチしたりするのも時にしらける。

日本のプロ野球界では今から約四十年程前に、実際に八百長行為が発覚して大問題になったことがある。いわゆる「黒い霧事件」である。しかも今の大相撲のように単に力士間で予め勝敗を決めてしまうと言うだけでなく、背後に暴力団が絡むタチの悪い不正行為であり、該当者は永久追放などの厳しい処分を受けた。

暴力団ら反社会勢力は隙を見せると近寄ってきて自分たちの利益を稼ぐために野球界や選手を利用しようとするから、常に厳しい姿勢で臨まなければならない。ダフ屋行為などの不当な行為も阻止しなければならないから、応援団組織などに入り込んで入場券の転売行為をしないよう、応援団組織の構成者をNPBがチェックする程だ。昨年ジャイアンツの応援団が突然解散したが、応援団員として届け出ていたメンバーの中にダフ屋行為をはたらいた者がいて処分を受けたことが発端だという。

そもそもは大相撲の問題を対岸の火事とせず、八百長はもちろん、その疑いがかかるような行為は慎もう。そしてそのためにわざわざルールを変えるのではなく、既にルールがあるのだから、この際きちんとルール通りにやりましょうということなのだろうから、かけ声だけでなくきちんと実行して欲しい。シーズン終盤になったら元の木阿弥では意味がない。罰則規定を設けるなど、やるなら徹底的にやるべきだと敗戦処理。は思う。

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