ゴンザレスがイースタンで7回無失点。一軍復帰にアピール。
ジャイアンツの一軍は前節から、交流戦が始まる前の次節まで、六連戦が三回続く。前節のベイスターズ戦に先発したゴンザレス、小山雄輝、カルロス・トーレスのうち、ゴンザレスが登録抹消になったが小山とトーレスは残ったので、明日からのドラゴンズ三連戦にはタイガース戦に投げなかった内海哲也と小山、トーレスの三人が先発すると予想出来る。ただ、タイガース戦ではリリーバーの金刃憲人を先発に回してローテーションを組んだ程。皮肉にも東野峻と澤村拓一で星を落とし、ローテーションの谷間で金刃を先発させた試合のみ勝つという結果だったが、左のリリーバーが高木康成一人という状況を考えると、金刃をリリーフに戻して六人目の先発投手を立てた方が戦いやすいはずだ。そしてそれをにらんだか、3日からのイースタンの対スワローズ戦に冒頭で記したように藤井、朝井、ゴンザレスと本来なら一軍ローテーションに入っていない三人を先発で並べてきた。藤井と朝井の登板結果は以下の通り。
藤井 5回・自責点2
朝井 1回1/3・自責点2
ちなみにその前の試合、1日のベイスターズ戦ではセス・グライシンガーが先発し、6回を投げて自責点2という結果が残っている。
藤井はその前の登板で6イニング自責点0と、安定しているようだ。朝井は二回に5連打を浴び、失策も絡んでKOされたそうだ。ゴンザレスも今日の結果次第で、次節の火曜から木曜のベイスターズ戦か、あるいは明日からのドラゴンズ戦でのトーレスの結果次第では次節のカープ戦での先発も考えられる。
今日はこどもの日なので、特に来場者が多いのではと10時過ぎにジャイアンツ球場に入った。近年は集客の見込める週末、休日にイベントを組み込むことの多いジャイアンツのファームだが、この三連戦は「峠の釜めし」の出張販売と、一回表のサインボール投げ込みくらい。ひょっとしたら自粛モードなのかもしれない。
スタンドに入ると、ジャイアンツの打撃練習の時間帯。
バッティング・ケージに阿部慎之助の姿が。そういえば本人が交流戦が始まる前に復帰したいというような事を言っていたというが、間に合うのだろうか。
阿部は打撃練習を終えると、一塁側スタンドの上にあるサブグランドに移り、河野元貴とともに野村克則バッテリーコーチの指導でスローイングの練習などをしていた。
時折、膝やふくらはぎに手をやるシーンが観られたが、まだ万全でないのかも…。それとも昨日の實松一成の活躍にうかうかしていられないと刺激を受けたのか…<冗>。
また、久々に謎のマスコット、ジャビットのイトコも登場。
立ち位置としてはファイターズのC☆Bやベイスターズのレックの様にファーム専用のマスコットなのだろうが、一軍がロードゲームの際には普段東京ドームで見かける5人のジャビットファミリーがジャイアンツ球場に駆けつけるケースが目立つ、存在価値の今一つ不鮮明なキャラだ。今日は一軍が東京ドームで試合をしているのでイトコの出番だ。
他にも試合前のスタンドにはカメラクルーを引き連れて目立つお姉さんが歩き回っていた。
CS放送のG+の「われらG党」のリポーターらしい。ファームで注目の選手を取り上げるコーナーがあるそうで、お目当ては河野らしかった。阿部と一緒にサブグラウンドで練習する河野に熱い視線を送り、練習の合間に河野に取材する算段だったようだが、なかなか河野がサブグラウンドから出てこず、時間をずらしたようだ。ただ残念ながら野球や巨人軍に関するお勉強が不足しているようで、昨日のヒーロー實松については名前すら知らないようだ。一緒にいたスタッフとのやりとりが聞こえてきたが、「さねまつ…誰?」というより、「さねまつ」というのが人の名前だと言うことすらわかっていない様子で居合わせたジャイアンツファンの失笑を買っていた。
偶然にも現在敗戦処理。の贔屓チームは両方とも正捕手が故障で戦列を離れているが、一昨日は鎌ヶ谷で鶴岡慎也の練習姿を観ることが出来、今日は阿部。いいものを観ることが出来た。ただ阿部は一昨日の鶴岡とは違い、シートノックには参加しなかった。サブグラウンドでの練習を終えるとグラウンドを通って室内練習場に移っていった。
先発はゴンザレスと、スワローズは育成選手登録のラファエル・フェルナンデス。ゴンザレス×フェルナンデスというと野球というよりボクシングのヘビー級タイトルマッチという感じで、ノーガードの打ち合いになるかという予感もあった<笑>が、静かな試合になった。
ゴンザレスは序盤から毎回クリーンヒットを打たれるが、連打を許さず無失点に切り抜ける。
フェルナンデスも二回に大田泰示、福元淳史に連打を浴びて、一死後に紺田敏正の打席にダブルスチールを決められ一死二、三塁のピンチを招くが紺田を三振、市川友也をレフトフライに切り抜けるなど、無失点を続ける。
均衡を破ったのは四回。ジャイアンツは二死から育成選手契約三年目の山本和作がライトオーバーのソロホームラン。1点を先制した。
先制点をもらったゴンザレスは五回以降は1安打に抑え、7イニングを散発4安打無失点で降板。
フェルナンデスも山本の一発だけで、6イニング1失点で降板。投手戦なのか貧打戦なのか、今一つ判断に迷う。ただゴンザレスは一見パワーピッチャーのようだが一軍で15勝を挙げた2009年には抜群の制球力も見せていた投手。今日の7イニング無四球という内容が本来の姿に近いということに結びつくかもしれない。ゴンザレスは一軍の公式戦が開幕する前にイースタンの公式戦に投げておりその試合では5イニングで自責点0。これでイースタン公式戦では12イニング連続無失点。
1対0という展開だが、決して淡々とイニングが進んだわけではない。
先述した二回裏のジャイアンツの攻撃ではジャイアンツのダブルスチールの際、今日は審判三人制で二、三塁間に位置していた岩下健吾三塁塁審のセーフの判定に真中満監督が猛抗議。
また七回裏のジャイアンツの攻撃ではこの回から登板の二番手渡辺恒樹を攻めて一死一、二塁とした場面で今日二軍落ちした橋本到のレフトへのハーフライナーを、前進したスワローズのレフト、松井淳がノーバウンドで捕球したと三塁塁審が判断。二塁走者の工藤隆人がハーフウエイから帰塁出来ず併殺となった。
松井淳の捕球がノーバウンドかワンバウンドかは微妙だったが、ノーバウンドと判断したのにアウトというジェスチャーが明確でなく、工藤の帰塁が遅れた感じだった。工藤としてはワンバウンドとしてもスタートが遅れたので三塁には進めず二塁に戻ったのだろうが、ワンバウンドで戻るなら二塁ベース上ではタッチプレーだが、ノーバウンドで捕られたのなら、タッチプレーでない。二塁ベース上でアウトと判定されて憤然としたことだろう。
川相昌弘監督の抗議も、自らの右腕を盛んに上に向けていたので「アウトならアウトと明確にジャッジしろ」というものだったと思う。判定したのは真中監督から抗議を受けたのと同じ岩下塁審。手元の選手名鑑で調べたら、関東に二人いる育成審判の一人だ。なるほど。
ちなみに川相監督と一緒に抗議をしていた背番号74は一塁ベースコーチを務める小関竜也外野守備走塁コーチ。昨年までの大西崇之コーチの一軍昇格に合わせ、今季からコーチに就任。
三塁コーチでなく一塁コーチなのは、三塁ベースにトラウマがあるからか…。ちなみに三塁コーチはこちらも新任の森脇浩司内野守備走塁コーチ。
ホークスでは王貞治監督が病気療養で戦列を離れた2006年のシーズン途中から監督代行を務めた程の経歴の持ち主なのに二軍コーチに配置とは意外だったが、同じく新任の川口和久を一軍に置き、森脇を二軍に配置することで年配の女性ファンを一軍と二軍双方に配分しようという魂胆か…<笑>。
そして川相が監督になった割にはバント失敗が目立つのもいただけない…。
覚えている方も多いかもしれないが、2月1日、キャンプイン初日に主力選手を含む全員が夜間練習で川相二軍監督の手ほどきを受けてバント練習をしていたと報じられていたが、「今年のウチは違うよ」というデモンストレーションに過ぎなかったのかと思える程。上のシーンで帰塁出来なかった工藤はこの回無死一塁で打席に立ち、左対左というのもあったのかバントを二つ失敗した後のスリーバントがキャッチャーゴロとなって一塁走者がフォースアウト。
その前に五回裏にも安打の工藤を置いて藤村大介がバントを失敗(ファウル)。この時はバスターに切り替え進塁打となる内野ゴロを放ったが、本来的にはバントを決めなきゃならないところ。
そういえばツイッターでドラゴンズファンの方から「川相は自分でバントをするのは上手かったけど教える方はねぇ…」というアドバイスをもらった<苦笑>。
試合に戻ろう。
抗議実らず、往々にして試合の流れが変わることがあるが、八回表、この回から登板の二番手、MICHEALは二死から安打を許すが、無難に無失点に切り抜ける。
1対0で迎えた八回裏。スワローズは渡辺が先頭の隠善智也を打ち取って右の大田を迎えたところで渡辺から右の高木啓充にスイッチ。するとジャイアンツは大田、福元の連打と相手失策で一死満塁のチャンスをつかみ、紺田が三遊間を破る安打で1点を追加。
紺田はファイターズ時代は守備力が売りの選手。ジャイアンツの外野陣でも当然上位だがこの日はスタメンDHで出場。二回の一死二、三塁では三振に倒れて得点機を逃したがその後はこのタイムリーを含め二安打と四球。これまた一軍復帰へのアピール。
さらに一死満塁で市川は敗戦処理。の席のすぐ近くにファウルフライを打ち込んだ後、三塁フライに倒れ二死満塁と変わると、スワローズベンチは左の工藤を迎えて高木から左の佐藤賢にスイッチ。加治前竜一でもいれば代打で出てくるところだが今日橋本と入れ替わりで一軍に行ったので工藤がそのまま打席へ。
工藤はライト前に弾丸ライナーのヒット!ただ当たりが痛烈だったので二塁からホームを狙った山本はタッチアウトとなった。
九回表。昨年までならここでイニングの頭からリリーフが出てくるのだが、今年のジャイアンツはイニングの頭ではなく、相手打線の右左に合わせての継投が多い。この試合もMICHEALが続投で、先頭の荒木貴裕に粘られて四球を出して左の上田剛史を迎えたところで左の上野貴久にスイッチ。
上野は上田、中尾敏浩の代打衣川篤史を打ち取ってあと一人。ここで左対左の森岡良介に一、二塁間を破られるかという痛打を浴びるが二塁手の福元がダイビングキャッチ。
【5日・ジャイアンツ球場】
Ys 000 000 000 =0
G 000 100 02× =3
Ys)●フェルナンデス、渡辺、高木、佐藤賢-水野、新田
G)○ゴンザレス、MICHEAL、S上野-市川
本塁打)山本2号(フェルナンデス・4回)
一軍のローテーションで投げなければならない投手が二軍戦で好投しても当たり前という考え方もある。正論だと思うが実際そうとは限らないのである。調整のつもりで二軍戦に登板した一軍投手がポカスカ打たれ、大丈夫かと思ったら直後に一軍で好投というケースもままある。今日の好投でゴンザレスにお墨付きとは素人の敗戦処理。では太鼓判を押せない。
また、ゴンザレスの場合は外国人枠の問題が絡む。
一軍の外国人投手枠は最大で三人。今季は外国人登録の野手がラスティ・ライアルしかいないので、三人使えるとしても、レビ・ロメロがクローザーに配置され、ジョナサン・アルバラデホが中継ぎで好投を続けているとなると、トーレスとの争いになるのである。トーレスは前回1日の先発では味方の援護点を持ちこたえられずに制球難で自滅。背番号42の先輩、マーク・クルーンを彷彿とさせる四連続四球をする程だったので次回登板で不甲斐ない投球をしたら入れ替えを検討させられるだろう。あくまで仮定だが、8日にトーレスが不甲斐ない投球をしたら登板後に登録抹消。11日には藤井を登録して先発。翌日に藤井(か他の投手)を登録抹消して15日にゴンザレスを登録して先発ということも考えられる。交流戦に入ると先発投手は4人で回せるサイクルにもなるので、ゴンザレスはワンチャンスかもしれない。
東日本大震災の影響で開幕が二週間半遅れたが、交流戦の開幕は予定通り。交流戦は丸一ヶ月続く。先発ローテーション投手の頭数不足が解消出来ずとも、ジャイアンツにとっては当面はラッキーなのかもしれない。しかし交流戦終了後、この問題は再燃するので問題を先送りするだけかもしれないが…。
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コメント
HARA88様、コメントをありがとうございました。
ジャイアンツ球場ではお世話になりました。
大田のエラーを見ることがなく意外でしたが…<笑>。
> 昨日の試合内容で言うとジャイアンツは3-0で勝ったとはいえ、大事な局面での送りバント失敗が気がかりです。
そうでしたね。
守ってはゴンザレスがスワローズ打線をサクサク打ち取っていたので締まっていましたが、攻撃は逆にバントがきちんと決まらず、流れが寸断するというか、その都度仕切り直しというか、結果オーライだったケースもありますがサクサク行きませんでしたね。
まあそのへんも、ファームの試合では定番なのかもしれませんが…。
> 私事ですが8日の日曜日には初訪のエコスタ(新潟)へ行きます。ただ、天気と地震が気になりますが…
お気を付けて…。
ベイスターズ対タイガース戦ですね。
昨年のファーム日本選手権で敗戦処理。はecoスタジアムに行きました。環境問題に配慮したスタジアムということですが、その割にはジェット風船飛ばしを公認していました<苦笑>。
8日の試合もそうなるのでしょうか…気になります。
投稿: 敗戦処理。 | 2011年5月 7日 (土) 01時04分
昨日はお疲れ様でした。
実は今年に入ってからまだファームのジャイアンツを見てなかったので私も昨日ジャイアンツ球場に参戦しました。ちなみに、1軍のジャイアンツは4月30日の浜スタ(ベイスターズ戦)で観戦済です。
昨日の試合内容で言うとジャイアンツは3-0で勝ったとはいえ、大事な局面での送りバント失敗が気がかりです。
私事ですが8日の日曜日には初訪のエコスタ(新潟)へ行きます。ただ、天気と地震が気になりますが…
投稿: HARA88 | 2011年5月 6日 (金) 19時10分