八木と吉川が一軍先発ローテーション入りを目指しフューチャーズ戦に登板。
フューチャーズはイースタン・リーグの球団数が奇数になって常に一球団が試合を組めないことによる実戦機会の損失を防ぐために組まれたイースタン7球団による混成チームだ。今日はこの鎌ヶ谷以外にライオンズ対ジャイアンツ、マリーンズ対ベイスターズ、スワローズ対ゴールデンイーグルス戦が組まれている。自軍の試合に出場しない選手達の集まりなので、正直強いチームとは言えない。また公式戦ではないため、フューチャーズと対戦するチームも公式戦とは異なる選手起用をするケースもある。しかしファイターズは八木と、吉川という一軍先発ローテーションに最も近い二人を登板させた。また、一軍復帰が近いと言われている鶴岡慎也がスタメンマスクをかぶった。
ファイターズの八木は今季一軍で二度先発している。六連戦が組まれた週のみ、六人目の先発投手として一軍に登録されて投げている。吉川は故障で離脱した斎藤の代わりに今日一軍で先発する予定だったそうだが、一軍で12日に雨天中止があり、先発予定だったブライアン・ウルフが今日に回ったため一軍での先発予定が流れた。火曜日から交流戦が始まると、先発ローテーション投手は五人いればなんとかなるが、22日に先発投手が足りなくなる。八木にせよ吉川にせよ、今日投げて中六日で次の登板は一軍交流戦といきたいところだ。
八木は二回にマリーンズの蔡森夫とスワローズの佐藤貴彬に連打を浴び一死一、二塁とされるがジャイアンツの鬼屋敷正人、スワローズの又野知弥を連続三振に仕留めてピンチを切り抜けた。この回以外は走者を出さず、4イニングを無失点に抑えた。
フューチャーズの先発はジャイアンツの育成選手の岸敬祐。
拙blog8日付エントリー 三年目の大田泰示は足でも魅せる! の観戦記でも触れたが、左のショートリリーフとして頻繁に起用されている。イニングの途中で左打者が続くときなどの登板が多いが今日は先発。2イニング投げたが、スイッチヒッターの杉谷拳士を含む右打者と左打者三人ずつをノーヒットに抑えた。
フューチャーズは出場機会に恵まれない選手に機会を与えるのが趣旨だから、投手を小刻みに変えていく。2イニング投げたのは岸のみで、三回からは一人1イニングずつの継投となった。まずは三回表、ジャイアンツの野間口貴彦が登板。
ファームの試合をチェックしないジャイアンツファンの間では野間口は福田聡志と並ぶ一軍先発ローテを狙う有力候補だが、ファームでは公式戦に一度も投げていない。3月の震災前には一軍のオープン戦にも帯同していただけに残念だ。野間口は浅沼寿紀に死球を与えるが、中島卓也を三塁ライナーに打ち取り、浅沼が帰塁できず併殺になって1イニングを無失点。
四回表はベイスターズの国吉佑樹が無失点に抑え、0対0で迎えた五回表には金森敬之がフューチャーズの一員としてマウンドに登った。
金森は先頭の佐藤賢治に一、二塁間を破られるが、尾崎匡哉、加藤政義、谷口雄也を打ち取って無失点。フューチャーズの選手のなかでは最も大きな拍手を受けたが、「紅白戦か!」とのツッコミも飛んでいた。
ファイターズは五回裏、八木に代えて二番手に加藤武治を投入。捕手も鶴岡に代えて荒張裕司に。先頭のスワローズの佐藤貴にレフト線の二塁打を浴びる。
DHで出場している佐藤貴のスコアボードの表示は「佐藤」。場内アナウンスでは名前のあとに所属チーム名も紹介されるので注意していればスワローズの選手だと言うことはわかるが、混成チームで「佐藤」ではインパクトが薄い。せめてフューチャーズの一員で出場するときだけでも、「由規弟」という登録名に出来ないものか。鬼屋敷が送り、又野が歩いた一死一、三塁からマリーンズの吉田真央がセンターに高々と打ち上げ、犠牲フライとなってフューチャーズが1点を先制した。
金森が投げたあとの回にフューチャーズが先制し、このまま逃げ切ればファイターズが負けて金森が勝利投手になるという珍事も考えられたが、六回表、ファイターズはすぐに反撃。
六回表、フューチャーズ五番手のゴールデンイーグルス、木村謙吾に対し、一死から中島が四球で出ると、続く西川遥輝との間にエンドランが成功し、一、三塁に。荒張の一塁ゴロの間に中島がホームインし同点。フューチャーズの一塁手、蔡が間に合わないホームに送球する野選だったためさらに一死一、二塁と逆転のチャンスが続いたが、三番の杉谷拳士が三振。佐藤四球で二死満塁とするが尾崎も三振で一気に勝ち越しとはならなかった。
六回裏からファイターズは吉川を投入。今日函館で投げているはずが…
しかし吉川はフューチャーズの上位打線を三者凡退に抑える。
続く七回表、ファイターズはフューチャーズの六番手、マリーンズの山口祥吾から先頭の加藤政が右中間二塁打。谷口が送った一死三塁から浅沼が前進守備の一、二塁間を綺麗に破るタイムリーでついに勝ち越した。
ファイターズは八回にも代打の大平成一がフューチャーズ七番手のスワローズの上野啓輔からライトスタンドの先のネットに当たる2ランを放って4対1とリードを拡げると、六回から投げている吉川が4イニングをノーヒットに抑えて4対1で逃げ切った。
【15日・ファイターズスタジアム】
F 000 001 120 =4
フュ 000 010 000 =1
F)八木、加藤武、○吉川-鶴岡、荒張
フュ)岸<G>、野間口<G>、国吉<B>、金森<F>、木村<モ>、●山口<M>、上野<Ys>、鈴江<M>-鬼屋敷<G>、西田<Ys>、江村<M>
本塁打)大平2ラン(上野・8回)
今日一軍で先発したウルフが勝利投手にはなったものの、六回の投球時に守備動作に入るときに右足首をひねって降板してしまった。次回登板に支障がなければよいのだが、もしもの場合は八木、吉川ともども次回は一軍でということになるかもしれない。
特に吉川の安定感は抜群だ。今日の試合は公式戦ではないが、4イニングをノーヒットで無失点。イースタンでの前回登板、4日のマリーンズ戦は一人で9イニングスを投げきって完封勝利。その前の4月27日のベイスターズ戦は7回を自責点0。さかのぼって17日のライオンズ戦に先発で3回を自責点0、12日の非公式戦のフューチャーズ戦に先発で3回を自責点0、5日のベイスターズ戦に先発で6回を自責点0。最後に点を取られたのが3月27日のスワローズ戦。この試合で最後に投げた五回表に1失点しているので吉川は現在フューチャーズ戦を除いた公式戦で25イニング無失点を続けている。この好調を持続しているうちに一軍で先発して欲しい。
今日の先発が吉川でなく八木だったという点で優先順位は八木の方が上なのかもしれないが、個人的には吉川を一軍で見たい。ウルフも軽傷で、22日の横浜スタジアムのマウンドに吉川が立っているのを見たい。
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