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2011年5月 7日 (土)

二番打者陽岱鋼

Dsc_0127 今季、ファイターズでFA移籍で退団した森本稀哲の穴を埋める二番打者に抜擢された陽岱鋼の活躍が目覚ましい。そんな陽岱鋼に、北海道新聞毎週火曜日掲載の連載コラム「がんばれファイターズ」の5月3日付でえのきどいちろうが注文をつけた。

うーん、さすがえのきどさん。

(写真:森本の抜けた二番打者に定着した陽岱鋼。すみませんファイターズの一軍選手の写真がまだありません…20103月撮影)

えのきどいちろうが注文を付けたプレーは4月27日のホークス戦でのプレー。

0対5とリードされて迎えた六回裏。先頭打者の陽岱鋼は好投するデニス・ホールトンからセンターオーバーの長打を放つのだが、三塁を欲張ってアウトになった。

僅少差ならともかく、5点のビハインドで中盤となれば、先頭打者の役目は出塁すること。一つでも先の塁に進むということは優先順位としては低い。一か八かで先の塁にチャレンジする場面では無い。

今のところ三割に近い打率を残し、チームも打撃好調。上の試合は結局完封負けしたが、陽岱鋼が矢面に立つほどのことではないだろう。しかしこのようなプレーを繰り返していたら、いつかチームの流れをこわすことになるだろう。もちろん走塁コーチが即座に注意をしていると思うが…。

えのきど氏は返す刀で、アウトになってベンチに戻ってくる陽岱鋼を拍手で迎えたファイターズファンにも注文を付けている。

同時にスタンドにも注文がある。陽はチームの命運を握る選手だ。あの拍手はいらない。僕は札幌ドームの温かい雰囲気が大好きだけど、温かいのと甘いのは違う。ファンが選手を育てるのだ。辛抱強く、ひとシーズンかけて陽を本物にしよう。

呆れた。チームの反撃機を台無しにした選手を拍手で迎えるファンがいるのだ。おそらく相当数いたのだろう。走塁は別にして、ナイスバッティングだから拍手したのかもしれないが、たしかに記録上は二塁打だが、チームの反撃のきっかけになる先頭打者が塁に残らなかったのだから、勝敗という視点で考えれば凡打に近いのだ。えのきど氏がいうように甘いのならまだしも、ファンも陽岱鋼同様状況判断ができないのではと疑う余地もある<苦笑>

えのきど氏と陽岱鋼といえば、328日に行われた「日本ハムファイターズ東京決起集会!」でのファイターズ渡辺浩司スコアラーとのやりとりを思い出す。

森本の後釜の二番打者に金子誠を薦めるえのきど氏に対し、渡辺スコアラーは「チームの将来を考えると、ベテランであと二、三年の金子にやらせるより、長く二番を務めさせられる選手を育てて欲しい。でもそれがいないのですよね」というような事を言った。そんなやりとりの中で陽岱鋼の名前も出たのだが、えのきど氏が「陽岱鋼が内野から外野に本格的にコンバートされて、本人に内野と外野、どっちがいい?と聞いたら『内野と違って考えることが少ないから外野の方がいい』って答えが返ってきた」というエピソードを開かした。これにはさすがの渡辺スコアラーも「それじゃ二番は無理だなあ」と苦笑するしかなかった。

確かにまだ陽仲壽という名前で一軍と二軍を行ったり来たりしていた頃には一番打者で起用するとチャンスメーカーとして、あるいは走者がたまればそれを返す役割でその試合で良い働きをしていたが、二番に入れたり、僅少差の試合で確実に走者を進めたいときにそれを求めるプレーをさせても、期待通りの結果を残せないケースが少なくなかった。主にショートを守っていた内野守備でも肝心なときに悪送球をするケースが目立った。

一年目だったか二年目だったか、鎌ヶ谷でのイースタンで2点差を追う九回裏、陽仲壽が打席に入った。ベンチのサインは送りバントだったようだが、陽仲壽は空振り。二塁走者はリードが大きく、捕手からの牽制でタッチアウトになった。無死一、二塁から一死一塁に変わり、塁上から同点の走者が消えた。相手の投手がセットポジションに入ると、陽仲壽は再びバントの構えをした。投手が驚いたのかセットポジションを止めると、ファイターズの三塁コーチが慌ててタイムをかけ、陽仲壽を注意した。

blogを読んでくださる皆さんには釈迦に説法だろうが、2点差あるのだから今いる一塁走者を進塁させるだけでは意味が無い。陽仲壽が塁に出てやっと同点の走者である。自らのアウトと引き替えに走者を進塁させる送りバントをこの状況でやらせるはずがない。敗戦処理。は陽仲壽の野球センスを疑った。

02 一時期にはスイッチヒッターにチャレンジするなど、大型内野手として特に期待をかけられた陽仲壽だったがなかなか一軍レベルのプレーが出来なかった。投手から外野手に転向した糸井嘉男がブレークした2009年、陽仲壽もまた外野にコンバートされた。今でこそリーグを代表する名外野手といっても過言でない糸井が2006年に外野に転向された投手は酷かったのと同様、陽仲壽も危なっかしかった。それでもシーズンをかけて、イースタンで外野で使い続けて経験と実績を積ませる方針のようだったが、一軍を中心に多くの選手がインフルエンザにかかる異常事態があり、内野手として一軍に補充された陽仲壽を外野で起用せざるを得ないケースが発生し、そこで守備のミスをしてしまった。

そんな経緯を踏まえ、2010年には控えが続いたが一軍定着。そして今季は「二番・ライト」が指定席に。ただ、えのきど氏が指摘したようなプレーや、三振の数がチームで中田翔マイカ・ホフパワーに次ぐ多さだったり、まだまだ二番打者としては半人前だろう。かつてこのチームでは小笠原道大が二番を打った時期があり、「バントをしない二番打者」として超攻撃型打線を組んだこともあったが、今のチームが陽岱鋼に求めているのは違うだろう。

えのきど氏の連載コラムの今回のタイトルは2番打者・陽岱鋼 ファンが育てて本物に」である。陽岱鋼が二番打者に定着して活躍できるかはファンにもかかっているというのなら、ファンには甘さを排除する必要があるし、ここは拍手するべきか、叱咤激励すべきかを見極めるセンスの取得が求められることになる。コラムを読んだ地元のファンの皆さんは一度考えて欲しい。もちろん陽岱鋼本人はもっと考えて欲しい。

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