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2011年6月29日 (水)

マリーンズがサブローを放出-ジャイアンツは駆け込み寺なのか…

Dsc_0145 正直驚いた。マリーンズがサブローを放出。ジャイアンツとの間で工藤隆人プラス金銭という形でトレードが成立。今日(29)両球団から発表された。サブローは右手薬指の打撲で登録抹消になってからファームで実戦に出始めていたがなかなか一軍に復帰とはならなかった。これは同じく今季途中にファイターズからジャイアンツに金銭トレードされた高橋信二のケースによく似ている気がする…。

(写真:12日のイースタン・リーグ、対ファイターズ戦で斎藤佑樹から本塁打を放つサブロー。一軍復帰は間近と思ったが…)

Dsc_0024 高橋信二も調整遅れで二軍落ちしてからイースタン・リーグでは格の違いを見せる活躍をしながら、なかなか一軍からお呼びがかからず、5月にジャイアンツへの金銭トレードが決まった。当初はファイターズ打線がシーズン開幕から好調で高橋信二が守っていた一塁には新外国人のマイカ・ホフパワーが入って長打力を発揮しており、すぐには一軍に上がってもポジションが空いている状態でないので一軍入りに慎重な判断をされていたのかと思っていたが、球団は高額年俸の選手の受け皿を模索していたようだ。サブローも推定で今季年俸1億3000万円。コストパフォーマンスを考えて金銭トレードに踏み切られたのではないかと、このトレードが発表されるやいなやツイッターなどでは囁かれている。

主砲キム・テギュンの腰痛が思いのほか重く、今季絶望などという報道もある中、タイプは異なるが同じ右打者で、四番を打てるサブローの一軍復帰が待たれると普通は考えると思うのだが、マリーンズは過去にローテーション投手の久保康友をタイガースで一軍半の橋本健太郎と1対1のトレードをしてファンを仰天させた前歴がある。後になってこのトレードは相手の橋本プラス金銭とのトレードだったことが明らかになるが、経営強化のためには戦力的に不均衡であると思われてもトレードを断行するとファンが考えるのも無理もない。さらに遡ればボビー・バレンタイン監督の下で日本一に輝いた2005年、立役者の一人である小坂誠をジャイアンツに金銭トレードしたことがあった。

先日発表された交流戦終了までの観客動員のデータによると、4月に平日デーゲーム開催を余儀なくされたマリーンズの観客動員減が顕著だった。昨年とは開幕の時期が異なるが、公式戦開幕から交流戦終了時点までの比較で、主催試合一試合当たりの観客動員数の比較でマリーンズは前年比24.5%減。これは十二球団でワーストだ。

Dsc_0008 当然ながらこの事実は球団としての収入減を意味する。こうした背景も、今回もまた不均衡トレードと思われるトレードの根源として推測される。

一部には春先に週刊誌で報じられたサブローの女性スキャンダルが球団幹部の逆鱗に触れたのではとの見方もあるようだが、プレイとは関係のないプライベートの出来事であるし、球団は静観しているというのが実態ではないのか?親会社のイメージ云々と書かれていたがそういうリスクを嫌う球団なら二軍監督は別の人を招聘していただろう。

一方、工藤より実績のあるサブローを獲得したジャイアンツだが、主砲のアレックス・ラミレスと進境著しい二年目の長野久義に加え、サブローがポジションをつかむと完全に外野陣が固定される。亀井義行をオフから取り組んでいる三塁に固定するとなると、獲得を決めたばかりの新外国人ジョシュ・フィールズともろにかぶる。ラスティン・ライアルが期待外れだったから亀井を三塁に固定して、空いた外野にサブローを補強するというのならまだ理解出来るが、ライアルと同じ三塁を本職とする新外国人を獲得していてすぐさまサブローとは実質的なGMである清武英利代表の真意を測りかねる。

そもそも高橋信二獲得の際にも、たしかにあの時点では高橋信と同じ一塁を守る小笠原道大がまさかの絶不調で、打線のてこ入れが必要な時期だったかもしれないが小笠原とポジションのかぶる選手をわざわざ獲得する意味が今一つ見えてこなかった。捕手の実績もあるが、膝や腰を痛めた関係で捕手としての常時出場は見込めない。資金力に余裕があるからといっていたずらに選手をもらえばいいというものではなかろう。いる選手を有効に試合に起用しようとすると、こんなオーダーになってしまう。

()長野久義

()坂本勇人

()小笠原道大

()ラミレス

()大村三郎

()フィールズ

()阿部慎之助

()亀井義行

()

もちろんフィールズが二塁を守れるのかどうか知らない。個々の選手の実績とプライドを考えると、誰に七番、八番を打たせるかも非常に気を遣うことになるだろう。フィールズがあくまで三塁手と言うことならば、藤村大介なり脇谷亮太なりに黙って「八番・二塁」を打ってもらうしかあるまい。上記の打順では亀井に八番で我慢してもらっているがサブローこと大村三郎とフィールズがそろって機能したら亀井はベンチスタートとなるだろう。

ファイターズの高橋信二放出や、マリーンズのサブロー放出が両球団の懐事情によるコストパフォーマンス重視のトレードだとしたら、受け入れ先となったジャイアンツは両球団にとっては頼みの綱、駆け込み寺だったことになる。さきほど小坂の例を挙げたが、さらに遡ればホークスの小久保裕紀の無償トレードも同様の発想に基づいたものだったのかもしれない。小久保獲得の時期には松井秀喜が抜け、清原和博高橋由伸は故障がちという状況だったため病み上がりではあるが実績は申し分がない小久保を獲得できると言うことはジャイアンツにとっては渡りに舟だったのだろう。同じポジションに江藤智がいるにしても…。しかし高橋信にせよサブローにしろ、どうしても手薄なポジションを埋めたとは言い難い感じがする。ましてや清武英利球団代表は「何でも欲しがる…」と揶揄された時代を教訓にし、育成選手制度の確立に骨を折り、育成選手制度からサクセスストーリーの創出を成功させているのだ。その清武代表が何故…?

うがった見方をすればジャイアンツがファイターズやマリーンズに救いの手をさしのべたとすら思える。

かつてジャイアンツはその圧倒的な集客力を背景に、ビジターゲームの開催において主催球団に入場料収入と莫大な放映権料をもたらすという意味でセ・リーグ各球団にとってはオイシイ金の成る樹だったわけだ。どっちのファンであろうと入場料はホームチームの総取り、放映権料も総取りという日本プロ野球の興行システムでは特にセ・リーグ各球団はジャイアンツにぶら下がるということになる。これはファンは否定するかもしれないがタイガースやドラゴンズも例外ではない面があると思う。それがあるからゆえ、何かあると「機構脱退、新リーグ設立!」という傍から見ると傍若無人な振る舞いを他球団が否定できないとか、長年にわたりセ・パ交流戦が実現しなかった理由が見えてくる。

だが入場料収入はともかくテレビ放映権料を餌にした主導が不可能になった昨今、ジャイアンツが他球団に影響力を及ぼす方法があるとしたら、イニシアティブを取る方法があるとしたら…現状期待出来るパフォーマンスに見合わない(過去の実績に基づく)高年俸選手を抱えきれる球団として恩を売ることによって影響力の増大を図っても不思議ではない。

高橋信二は今のところ戦力になっていないがサブローは戦力になる余地がある。ポジションを空けることが可能だからだ。

ところでサブローのジャイアンツでの登録名は普通に大村三郎で、スコアボードも「大村」と表記されると発表されたようだ。過去にカツノリが移籍してきた時には「野村」だったし、JP「パウエル」に戻され、MICHEALも移籍一年目は「M.中村」イチローカズ山本以来雨後の竹の子のように増え続けるカタカナ表記をジャイアンツは移籍選手でも踏襲しない。東京ドームのウグイス嬢にマリーンズホームゲーム担当の谷保恵美さんの様に「サブロ~」と語尾を上げろとは言わないが、他球団で定着した登録名を踏襲するくらいの融通は利かないものなのだろうか?

最近のファン気質(というか予定調和の「お約束」)としてFAなど自分の都合で他の球団に移っていった選手にはブーイングを浴びせるものの、トレードのように球団の都合で出ていった選手は温かく迎えるというものがある。サブローはもちろん後者だから、今季はもう交流戦は終わったが、マリーンズファンの前でジャイアンツの一員としてプレーするときに慣れ親しんだサブローなのか大村三郎なのかは天と地ほどの違いがあるだろう。大村三郎がジャイアンツで元気にプレイしたとして、マリーンズファンはジャイアンツで元気にプレイする大村を応援することはあってもサブローを大村にしてしまったジャイアンツを認めることはないだろう。

最後に、マリーンズに移籍することになった工藤隆人だが、二度目のトレードとなる。

Dsc_0099

マリーンズはサブローが抜けるとはいえ、工藤が売りにしている俊足好守の外野手としては岡田幸文伊志嶺翔大、故障中だが清田育宏がいて、内野兼任の早坂圭介もライバルになる。打撃は申し分なくても守備走塁に難のある外野手が一軍にいたジャイアンツと比べ、工藤にとってはマリーンズの方が存在意義を見出せないかもしれない。安直にこのトレードを出番が増えるチャンスと考えない方が良いと思う。

そもそもファイターズが何故工藤を放出したかが謎だったが、あの移籍時点では工藤のようなタイプの選手はジャイアンツには見当たらず刺激剤としても期待されたのだろうが、松本哲也の台頭により工藤の存在感は明らかに薄くなった。しかもファイターズでも存在がかぶっていた紺田敏正が今年は移籍してきて、今年は一軍に上がる事すら出来ないでいた。守・打・走のどれを取っても平均点より高い能力を持っているが、極めて高い能力を持つ分野がない…それが工藤の悩みだと思う。敗戦処理。は工藤を鎌ヶ谷でもジャイアンツ球場でも暖かく応援してきたつもりだが、QVCマリンフィールドならともかくロッテ浦和球場で汗を流す工藤なんぞ出来れば見たくない。今までになく厳しい競争に放り込まれることになるだろうが、工藤には何としてもマリーンズで存在感を示して欲しい。今度こそ一軍に定着できる選手になって欲しい!

P.S.

今日のオマケ

工藤隆人一世一代の晴れ舞台-プロ入り初の四番スタメン出場!

Dsc_0004 誰だ、試合終了時のスコアボードじゃないか?と言っているのは!正真正銘試合開始前、スターティングメンバーだ。前の日のナイトゲームでリーグ優勝を決めたファイターズが翌日のデーゲームで主力選手を休ませたのだがよりによって工藤が四番とは…場所はこれから工藤が活躍すべきQVCマリンフィールド(当時:千葉マリンスタジアム)相手マリーンズの四番はサブロー。

ほんの四年前の出来事なのに今も両チームに在籍するのがファイターズでは10人中4人、マリーンズに至っては10人中渡辺俊介今江敏晃のみ…

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コメント

巨人ファン様、初めまして。コメントをありがとうございます。

> 私は昨年ロッテが大村さんをロッテに獲得して戻したとき自分は正直ありえないと思いました。納得もしませんでした。

> 今後も巨人でやると思っていただけにロッテの球団に裏切られたと昨年思いました。

> 酷いと思いました。

> 未だ納得していません。

> 今も巨人に返して欲しいと思ってるくらいです。

> あのようなやり方は本当に酷いです。


何か勘違いをしていませんか。

昨年のシーズン中のマリーンズからジャイアンツへのトレードは球団の都合で球団間の合意での移籍ですが、シーズン後のジャイアンツからマリーンズへの移籍は、大村選手(サブロー)がFA権を行使して、獲得に乗り出したマリーンズと交渉して合意したから移籍したのですよ。

別にジャイアンツが追い出したわけでもないし、マリーンズが無理矢理奪ったわけでもない。

大村三郎がFA権を行使した際、マリーンズだけでなく、元のジャイアンツを含め、どの球団も自由に本人と交渉できたわけです。

「今後も巨人でやる」という選択をしなかったのは大村自身ですよ。

そもそもシーズンが終わればFA権を行使できる選手をトレードで獲得した時点で、ジャイアンツは半年後に出て行かれる可能性も考えていたと思いますよ。

そのうえで、工藤隆人を交換要員としてのトレードに踏み切ったわけです。

巨人ファンさんが何故そんなに怒っているのかがよくわかりません。

たしかに、FA権を行使する時期より前に、マリーンズのオーナー代行が具体名こそ出さなかったもののトレードの失敗、功労者の流出、戻ってきて貰いたい…などの発言をしてはいましたが、直ちにタンバリングと言えるほどのものでは無かったと思います。

極論を言えば、FA権を持っている選手は出ていく可能性があると考えていた方がいいと思いますよ。

投稿: 敗戦処理。 | 2012年5月29日 (火) 22時50分

初めまして。

私は昨年ロッテが大村さんをロッテに獲得して戻したとき自分は正直ありえないと思いました。納得もしませんでした。

今後も巨人でやると思っていただけにロッテの球団に裏切られたと昨年思いました。

酷いと思いました。

未だ納得していません。

今も巨人に返して欲しいと思ってるくらいです。

あのようなやり方は本当に酷いです。

それなのにロッテファンは巨人ファンを無視するように人ごとのように思って腹が立ちます。

巨人ファンじゃないからどうでもいいんですよね。

だったら初めから移籍させないでほしいとも思ってたくらいです。

2戦は敗れましたが東京ドームでは絶対ロッテに2勝させてもらいます。

本当にロッテ球団とファンには呆れます。

腹立たしいです。

投稿: 巨人ファン | 2012年5月29日 (火) 15時35分

長緯様、コメントをありがとうございました。

> その点に関連し、「名前が通った選手で給料が高くなったら、ウチに話を持ちかけてくれれば引き受けますよ」というような考えをジャイアンツのフロントも持っている気もしてなりません。
チームの編成方針と合致すれば、それも一つの方針とは思いますが・・・

端的に考えて、今季のジャイアンツは新しい低反発の統一球の影響か、一発攻勢による得点が見込めなくなった。一発が期待出来ないのなら打線のつながりで得点を重ねるしかないということで、つなぎの野球に実績のある球団の中心選手で、チーム事情で出場機会に恵まれない選手がいたので獲得した。高橋信二にしろサブローにしろそんな感じだと思います。

二人とも「つなぎの四番」と呼ばれましたが、当然ながら繋がりにはつなぐ人とつながれる人が必要なので「つなぎの四番」を補強すれば打線に繋がりが生まれるものではありません。

高橋信二はいまだ本来の調子にはほど遠い状態が続いていますが、サブローは初打席で本塁打、スタメンで出た翌日も安打といい状態のようですので今日もそのままスタメンで使って欲しかったのですが、右投手先発ならベンチという扱いなら残念です。

投稿: 敗戦処理。 | 2011年7月 3日 (日) 23時48分

サブローはマリーンズファンに愛されていただけに、ジャイアンツファンとして「ウチでも頑張れ」と軽々しく言えない面がありますね。たまたま移籍後初打席でホームランを打ちましたが、率が残せる選手と思いますので、レギュラーとして十分活躍できると期待してます。

経費の面で感じることですが・・・
自虐的ですが、自分も含めてジャイアンツのファンの特徴としてあえて感じることは「他チームの有名な選手も好き」「できたらその選手にはジャイアンツに来てほしい」という潜在的な意識があると思います。
その点に関連し、「名前が通った選手で給料が高くなったら、ウチに話を持ちかけてくれれば引き受けますよ」というような考えをジャイアンツのフロントも持っている気もしてなりません。
チームの編成方針と合致すれば、それも一つの方針とは思いますが・・・

投稿: 長緯 | 2011年7月 3日 (日) 18時41分

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受信: 2011年6月30日 (木) 06時17分

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どうも納得がいかない。なぜサブローがトレードされたのか…。 長年ロッテの顔として活躍してきたのに。 去年の日本シリーズでは第1戦負傷した大松の代わりに4番に入って活躍した選手なのに。 阪神以外の球団にも好きな選手は結構いるがサブローもその一人だ... [続きを読む]

受信: 2011年6月30日 (木) 12時05分

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