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2011年7月 9日 (土)

ジャイアンツ球場のナイトゲーム

Dsc_0071 今季のジャイアンツ球場の売りはナイトゲームができる照明設備が整ったことだったが、東日本大震災に伴う節電対策で春先に予定していたイースタン・リーグ公式戦のナイトゲームをデーゲームに変更したため、昨日(8)からイースタン・リーグ公式戦でナイトゲームを開催。16時試合開始の試合が今後は増え、試合途中から照明を使うナイトゲームになる。今日も18時を前に照明を付け始めた。

(写真:七回表終了時のジャイアンツ球場。わかりにくいが時計はほぼ午後6時)

昨日のナイトゲーム開き<>はいきなり延長11回まで行う熱戦だったが、今日は…

先発はスワローズが赤川克紀、ジャイアンツが星野真澄と両サウスポー。

ともに無難な立ち上がり。

Dsc_0045 星野は二死から上田剛史を歩かせて盗塁を決められて二死二塁とされるが、落ち着いて四番の武内晋一をライトフライに打ち取った。

Dsc_0023 赤川はさらに素晴らしく、三者凡退。特に三番の大田泰示は完全に飲まれたよう手が出ず、見逃し三振。

Dsc_0031 この打席でネット裏のオッサンからさかんに「背番号が泣いてるぞ~」等とヤジられていたが、見逃し三振でとどめの「背番号が泣いてるぞ~」に大田が逆ギレした。

Dsc_0032 「うるせぇ、オラ!」

スタンドが一瞬凍り付いた…。このオッサンが常習犯なのか、それとも大田が一番気にしている点を突かれたからなのか定かではないが、大田の大声がスタンドまで響いた。

最近では少なくなったが、ファイターズの鎌ヶ谷を始め、ファームの試合では常套のシーンとも言えるヤジ。客が少ない分グラウンドの選手に届きやすいというのもあるが、一軍の試合の外野席で見られる、リーダーの指示によって統制される応援とは一味も二味も違う、見たまんま、感じたまんまを無作為にぶった切るヤジ。敵も味方もない。彼らは自分の目の前のグラウンドで起きた行為に対し、感情をそのままに遠慮なく叫ぶ。多くの選手は頭に来てもじっと耐え、自分への叱咤激励ととらえ、それを乗り越える選手になろうと努力する。最近では斎藤佑樹でさえ鎌ヶ谷のヤジの洗礼を受けている。

大田も、ヤジられるうちが華だと思い、現状を打破して欲しいものだ。

もちろん大田にお咎めなしだったが、肝心のヤジの主のオッサンがその後静かになってしまったのが残念だった。

さて、この試合のもう一つの注目点はジャイアンツの新外国人、ジョシュ・フィールズ。ファームとはいえ、ジャイアンツの背番号25のユニフォームを着て初の実戦出場。「五番・三塁」でスタメンだ。

一回表の守備で川崎成晃が放った三遊間のゴロの打球に飛びついて捕球し、上半身を起こしてのスローイングで見事に打者走者を刺したのは、さすがに上半身の力が強い外国人選手だなと唸らされた。本当に巧い三塁手なら回りこんで捕球したという見方もあるかもしれないが…。

二回裏の初打席ではレフトのポール際に特大の本塁打せいのファウルを放ったが、結局空振りの三振だった。

Dsc_0040 東京ドームの一軍戦では観客に団扇が配られているらしいが、炎天下のジャイアンツ球場には大型扇風機…?

0対0で迎えた四回表、上田が二打席連続の四球を選び、二死から二つ目の盗塁を決めたところで飯原誉士がレフトオーバーの打った瞬間にわかる一発。

Dsc_0048 スワローズが2点を先制。

星野は五回にも安打と四球で二死一、二塁のピンチを招き、川崎にライト前に運ばれるが、ホームを狙った中村悠平橋本到が好返球で刺し無失点で凌げたが、続く六回には安打と四球、自らの暴投で招いた一死二、三塁から衣川篤史にセンターオーバーの2点タイムリー二塁打を打たれ0対4とされ、ここでKO。

Dsc_0063 星野は交流戦期間中に一度一軍に上がったが長くはとどまれず再び落ちてきたが、その後もリリーフ登板の傍ら、今日の様に先発をする。ファームの首脳陣がどういう期待をしているのか今一つ謎なのだが、三回までの安定感と四回からのグダグダのギャップの大きさが解消されないと高評価を得ることはないだろう。

赤川が投げ続ければこれで勝負あったという感じの4点差だが、ファームの試合では多くの投手に登板の機会を与えたいが為に好投していてもイニングや投球数で区切って交代をさせ、それが故に試合の流れが一変することもある。だがスワローズは赤川を投げ続けさせる。

ジャイアンツは星野KOの後を受けたMICHEALが続く七回の先頭打者、荒木貴裕を打ち取ったところで古川祐樹にスイッチ。右打者が続く場面での謎の継投だったが、古川は続く八回のクリーンアップも三人で抑えた。

Dsc_0069 昨年から左腕をさらに下げたフォームで左打者専用のワンポイントが多かった古川を敢えて右打者主体の打順にぶつけてどう対処するか試したのであれば、今日の古川は合格と言えるだろう。

ジャイアンツ打線が中盤以降赤川に対して手も足も出ず0対4のまま進んだ九回表、ジャイアンツは二軍落ち後初めての実戦となるレビ・ロメロを投入。

Dsc_0080 いまだチームトップにしてリーグでも6位の11セーブを挙げているのだが、失敗続きで失格の烙印を押されてしまった。今日から挽回と行きたいところだったが、四球の中村に簡単に二盗を決められ、一軍のクローザー時に露呈した弱点をここでもさらし、その後併殺崩れの間に1点を失い、何とも不完全燃焼の投球となった。

ジャイアンツ打線は結局六回以降は赤川の前に一人の走者も出せないまま完封負けを喫した。安打はたったの3本。走者を得点圏に進めたのは二回に二塁打を放った矢野謙次だけ。左投手に対する強さを示したのはさすがだが、試合途中から点差が離れたためか、左投手に強いと思われる高橋信二土井健大も出番が無かったのは惜しまれる。

9日・ジャイアンツ球場】

Ys 000 202 001 =5

G  000 000 000 =0

Ys)○赤川-中村

G)●星野、MICHEAL、古川、ロメロ-市川

本塁打)飯原3号2ラン(星野・4回)

注目のフィールズは第一打席三振の後、第二打席は右中間にあわやスタンドインという大飛球を放ったがライトフライ。

Dsc_0060 第三打席は引っかけさせられた感じのショートゴロに打ち取られた。3打数0安打。パンチ力がありそうなのは確かだ…。

因みに今日のジャイアンツ球場で、ラスティン・ライアルの姿を観ることはなかった。

一方、第一打席で見逃し三振を喫した上にヤジに逆ギレした大田は、以後の打席で一発でも放ってくれれば格好良かったのだが第二打席はライトフライ。第三打席は芯で捕らえたかのように見えたがショートライナーと、こちらも3打数0安打。先月から取り組んでいるセンターの守備では飯原の先制2ラン直前の打者、武内の正面の低い打球のライナーを判断よく捕球。だいぶ慣れた感じを見せた。

ジャイアンツは野球界の裾野を拡げる一環として、育成選手制度の制定に尽力、これまでならドラフトで指名を見送られる様な選手の受け皿を不安定な立場ながら確立した。ファームのリーグの球団数が奇数になって試合開催に支障が出れば、ファームでも出場機会に恵まれない選手達による混成のフューチャーズを作成し、奇数故に試合を組めない球団に実戦の場を与える。育成選手制度によって大所帯になった自軍には同じく大所帯のマリーンズのファームとの混成チームシリアスを立ち上げて社会人のチームとの実戦機会を増やした。今季はジャイアンツだけで「第二の二軍」を作り、アマチュアとの交流戦をやりやすくするためにファームのジャイアンツ球場にナイトゲーム設備を整え、昼夜兼行も可能にした。

今季のジャイアンツ球場のデーゲームは試合開始を30分はやめて1230分とする一方、ナイトゲームは薄暮ゲームとなる16時試合開始に設定。最初の休日となった今日(9)は入場者数が767人と伸び悩んだ。

一軍が東京ドームでデーゲーム開催だったというのもあろうが、試合開始前の15時~16時とまだ暑い時間帯だったことも響いているだろう。一軍並みに18時試合開始でもいいような気もする。横須賀スタジアムのナイトゲームは以前から18時だ。ちなみに16時試合開始というのは節電対応ではない。震災より前に発表された日程でも16時試合開始となっていた。

一軍がデーゲームを他球団と違い14時の試合開始に固定しているのは地上波の日本テレビが15時から17時に放送時間枠を取りやすいかららしい(18時試合開始のナイトゲームを19時から中継するのと同じ)。ならばジャイアンツ球場のナイトゲーム開始を遅くずらせば、両方を楽しめるファンも増えよう。実際今日の試合終盤には東京ドーム観戦後と思える入場者もあった。個人的にもジャイアンツ球場のナイトゲームが18時試合開始になれば、平日でも仕事帰りに寄ることが出来る。

十二球団一とも言われる広大な室内練習場も完成し、練習の環境としては素晴らしいものが与えられているジャイアンツ。あとはそれを活かす選手が成長し、一軍で花開いてくれるようになるのを待つだけだが、せっかくだからファンのニーズに応えるものであって欲しい。13時や1230分試合開始よりは観易いのは確かだから…。

P.S.

今日のオマケ

ジャイアンツ球場での初のナイトゲーム観戦の帰り、これは盲点だった!

Cdsc_0099 「巨人への道」を下ると、出口が閉鎖されている!遊園地の閉場に合わせて閉めるようだ。迂回路が示されていてわかりやすかったが、一瞬焦った。もちろん「よみうりV通り」を通れば問題なし。

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コメント

長緯様、コメントをありがとうございました。

> 薄暮ナイター開始の週末に、早速G球場へ行かれたのですね。おつかれさまでした。

新しい物好きというか、ネタを探しにというか<笑>

> 確かに一軍が14時開始でしたら18時開始にして、ずらして見られるようにすべきと思います。二軍は試合時間もやや短いと思いますし、試合終了が遅くなって帰りが難しくなる、ということもあまり無いと思います。

ただ初日にいきなり延長11回だったそうですし、実はイースタン・リーグは「3時間半ルール」が適用されておらず例年と同じ時間無制限、延長は11回までということなので(ナイトゲームは違うのかもしれませんが…)、思わぬロングゲームに発展する可能性はあると思います。

> それにしても大田の逆ギレについては残念な気がします。新人の時に一軍で三塁守備についた際、相手応援席から「サードを狙え○○(打者)」とコールされた時に苦笑いしてた姿を見た時は、彼は精神的にもたくましい選手かと思っていたのですが。

送球イップスの件とか、見かけによらず繊細な感覚なのかもしれません。エントリーではあのように書きましたが、たまにはいいかなと…。

ただ次の打席とかで「見たか!」というような一打を見せて欲しかったですね。

いずれにせよ大田には小さくまとまって欲しくはないですね。

投稿: 敗戦処理。 | 2011年7月10日 (日) 21時54分

薄暮ナイター開始の週末に、早速G球場へ行かれたのですね。おつかれさまでした。
確かに一軍が14時開始でしたら18時開始にして、ずらして見られるようにすべきと思います。二軍は試合時間もやや短いと思いますし、試合終了が遅くなって帰りが難しくなる、ということもあまり無いと思います。
それにしても大田の逆ギレについては残念な気がします。新人の時に一軍で三塁守備についた際、相手応援席から「サードを狙え○○(打者)」とコールされた時に苦笑いしてた姿を見た時は、彼は精神的にもたくましい選手かと思っていたのですが。

投稿: 長緯 | 2011年7月10日 (日) 20時42分

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