女子プロ野球リーグを昨年に続き観てきた!
まずは時間のある方は先に昨年8月22日付拙blog 初めて女子プロ野球を生観戦 を目を通されたい。
第一印象は最悪だった。レベルがお粗末だったのだ。男性の野球だったら二度と見に来ないだろう<苦笑>。
今年は兵庫の小西美加がリーグ創立二年目で初めてフェンスオーバーの本塁打を放って話題になったが、この事からもわかるようにまだ発展途上のリーグだ。関西に拠点を置き、先述の兵庫スイングスマイリーズと京都アストドリームスの二球団のみで構成。要はいつも同じチームと対戦してばかりいるのだ。せめて四球団にして欲しいところだが…。
今回は年に一度の関東遠征三連戦の中日。19日にサーティーフォー相模原で行い、今日(21日)は神宮球場で行う予定。
試合は京都の先発が小久保志乃。兵庫が田中碧。DH制だが京都はDHを使用せず小久保を打順に入れている。小久保は昨シーズンは兵庫でプレイしており、移籍した形になっている。
一回表裏はともに走者を出しながらも無得点。これだけでも昨年とは一味違う感じがした<苦笑>。
二回表、京都は一死一、三塁から梅本由紀の三塁ゴロの間に先制点を挙げる。
両チームとも、得点が入るとベンチからナインが総出でホームインした走者を迎える。
その後二死一、三塁から河本悠にもレフト前タイムリーが出て、京都が2点をリード。さらに二死一、二塁から黒木弥生の遊ゴロを兵庫の遊撃手厚ヶ瀬美姫がファンブルしたのでオールセーフかと思ったが二塁フォースアウト。見た感じ限りなくセーフに近いと思ったら、京都の佐々木恭介監督が猛抗議。
京都は続く三回にも安打と四球の走者を置いた二死一、二塁から小久保がライト前に。ダイレクトキャッチを狙ったライトの川崎ひかるがワンバウンドで頭を越される間に二者生還のタイムリー三塁打となり、4対0とリードを拡げる。この試合、この後、外野手がボールとの距離感を誤るプレイが続出する。
一方的な展開になるかなと思いきや、三回裏、兵庫は安打の坪内瞳を一塁に置いて、今日は四番DHで出場の小西がレフト前に。ダイビングキャッチを狙った梅本がわずかに及ばず安打とし、後ろにそらし、フェンスまでたどり着いた打球処理をもたつく間に打者走者の小西まで生還。記録はランニングホームランとなり、小西は通算2号。兵庫は2点差に迫る。
ダイレクトで捕れず、後ろに逸らすまでは仕方ないにしても(走者一塁だから本当はその無茶さが無謀なのだが)、フェンス際でのもたつきを考慮すれば記録はせいぜい二塁打と失策の間の進塁(生還)とすべき打球だろう。大甘の判定で第2号本塁打が誕生した。もちろん第1号はれっきとしたオーバーフェンス。
この後、京都は四回表に主砲川端の右中間をライナーで破る三塁打で2点を追加。 さらに続く大倉三佳の打球をライトの川崎が再びダイレクトで捕ろうとして及ばぬ三塁打でこの回計3点。7対2と再び突き放す。川端は前日のサーティーフォー相模原での一戦で内野フライを放って全力疾走を怠り、相手が落球したのに一塁でアウトになるというボーンヘッドをしたそうで、それが原因かどうかは不明だが、選手別のノボリは西武球場前駅から西武ドームへと続く通りではなく、レフト、三塁側入口の脇という非常に地味な場所に追いやられていた。
粘る兵庫はその裏二死から二塁打と四球でチャンスを得ると、一番の厚ヶ瀬がきれいに右中間を破るタイムリー三塁打を放ち、7対4とする。
さらに兵庫は続く五回裏にも、この回から登板の京都の二番手塩谷千晶を攻め、連続四球の無死一、二塁から川保麻弥の右中間三塁打で一点差に迫ると一死後、三塁ゴロエラーの間についに7対7の同点に追いつく。
まさかの同点劇直後の六回表、京都は三浦伊織と川端の連打で一死一、二里とし、大倉が遊ゴロを打たされるが併殺を焦ったか厚ヶ瀬がお手玉しオールセーフ。チェンジになるところが逆に一死満塁の大ピンチ。田中を三振に仕留めて二死まで漕ぎつけたが、投手降板後、ライトに回っている小久保が渋くセンター前にポテンヒット。
その裏、再び粘りを見せる兵庫は二死から坪内四球、田中幸夏安打で一、二塁として主砲小西に回す。
一塁側スイングスマイリーズ側スタンドを中心に最大の盛り上がりを見せる中、
小西の打球はいい当たりだったがセンターフライ。この回は無得点に終わった。
最終回に当たる七回表、京都も二死から塩谷四球、三浦ライト線二塁打で二、三塁として川端に回すと、まず暴投で三塁走者生還のあと、川端はレフト前にタイムリー二塁打。
これが日本女子プロ野球リーグ創立二年目にして初の通算100安打となった。
この2点がいわばダメ押しの形となり、11対7で京都アストドリームスが勝利を収めた。
【20日・西武ドーム】
京 022 302 2 =11
兵 002 230 0 =7
京)小久保、○塩谷-碇
兵)田中碧、●植村-川保
本塁打)小西2号2ラン(小久保・3回)
ヒーロー…もといシンデレラ・インタビューは決勝打の小久保と、通算100安打達成の川端。
川端は74試合目での100安打到達という。これをNPBの年間144試合に換算すると約195本になるから、かなりのハイペースということになり、女子プロ野球リーグの中では図抜けた存在であることになる。兄のスワローズ川端慎吾もようやく遊撃手のレギュラーポジションをつかみ、最近ではクリーンアップの一角、三番を任されている。日本プロ野球初の兄妹選手誕生なのだが、相乗効果が作用しているようだ。
昨年も同じ西武ドームでこの対戦を観たが、昨年と比べると全体的にレベルが上がってきたのは確かだと思う。昨年が酷すぎたのかもしれないが…。この試合は慣れない西武ドーム。同じ不慣れでも、屋外の未体験球場と異なり、ドーム球場特有の難しさもあったのかもしれない。それが両軍外野手のフライの打球との距離感を誤るミスを誘発していたのかもしれない。ただ、無理をせずにワンバウンドでシングルヒットにとどめるとかの瞬時の判断が出来ないという見方をすれば、やっぱりレベルが…となってしまう。ちなみに小西のランニングホームランを発生させてしまった京都のレフト梅本は次の回の守備からベンチに下げられた。
昨年の観戦記でも触れたが、大事なのは継続すること。そして何年かかるかはわからないが、裾野を拡充して球団数をせめて四球団とし、対戦のバリュエーションを増やすことだろう。拠点とする関西では独立リーグの運営がどうも悪戦苦闘という印象があるが、GPBLには何とか挫折せず、続けて欲しいものである。今回の関東遠征には夏休み期間とあって関西の常連ファンが大挙出張観戦していると聞く。
選手達は昨年同様に試合後はスタンドに足を運んでゴミの回収を自ら行い、手が空けばサイン、写真撮影とファンサービスに応じる。こうした行為も中断せずに継続して欲しい。
P.S.
今日のオマケ
試合終了後の西武ドームのグラウンドで、GPBLのスーパーバイザーを務める元祖「甲子園のアイドル」太田幸司の姿を発見。
8月22日追記
この試合の翌日、21日の神宮球場も試合途中から観戦した。当エントリーでも使用した写真に、100安打達成の川端友紀本人に直筆のサインをしていただいた。
本人が喜んでくれたのが何よりだった。
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