ミスターの背番号3を生で観たくて大阪まで行ったが…【回想】敗戦処理。生観戦録-第26回 1999年(平成11年)編
これまで当blogで毎月2日に交互に掲載していた 敗戦処理。が生観戦した野球場が55ケ所の観戦球場を出し尽くしたので当面 敗戦処理。が生観戦したプロ野球- my only one game of each year 主体にいくことにし、また新たに初めての球場で観戦したら臨機応変にはさむようにします。
1974年(昭和49年)に初めてプロ野球を生観戦した敗戦処理。はその後毎年、途切れることなく数試合から十数試合を生観戦しています。そこで一年単位にその年の生観戦で最も印象に残っている試合を選び出し、その試合の感想をあらためて書いていきたいと思います。年齢不詳の敗戦処理。ですが同年代の日本の野球ファンの方に「そういえば、あんな試合があったな」と懐かしんでもらえれば幸いです。
【回想】敗戦処理。生観戦録- my only one game of each year第26回 1999年(平成11年)編
(写真:三塁の守備位置で構える長嶋茂雄)
1999年、この年は大阪近鉄バファローズが球団創立50周年を迎えた。その記念事業の一環としてシーズン終了後の11月21日に大阪ドームにジャイアンツのOBを迎え、バファローズ対ジャイアンツOB戦を行ったのだ。ジャイアンツOBは往年のV9の名将、川上哲治が監督を務め、当時ジャイアンツを率いていた長嶋茂雄監督を始め、V9戦士がずらりと出場。当時ホークスの監督をしている王貞治もジャイアンツの背番号1のユニフォームを着て出場。敗戦処理。にとっては子供の頃に夢中にしてくれたONが揃って現役時代のユニフォームを着てプレイするという貴重な機会なのである。事前にチケットを取り、京王相模原線、JR横浜線、東海道新幹線、JR神戸線、大阪環状線を乗り継いで大阪ドームに駆けつけた。
当時長嶋監督は背番号33を付けていた。
結果的には翌2000年から二年間、栄光の「背番号3」を復活させたのだが、この時点ではFA宣言をしていたカープの江藤智を獲得するという話はあったものの背番号3を復活させるとは思わなかったのでビジターの「TOKYO」のユニフォームではあるが長嶋茂雄の「背番号3」をこの眼に焼き付けようと思ったのだ。
ジャイアンツ
(中)柴田勲
(二)土井正三
(一)王貞治
(三)長嶋茂雄
(指)張本勲
(右)国松彰
(左)高田繁
(遊)黒江透修
(捕)森祇晶
(投)金田正一
バファローズ
(遊)安井智規
(二)阪本敏三
(中)ブライアント
(左)土井正博
(右)永淵洋三
(三)小玉明利
(一)高木喬
(指)日下隆
(捕)有田修三
(投)鈴木啓示
ジャイアンツは期待通りのラインアップ。
先発投手に堀内恒夫といきたいところだが、大御所の顔を立てたのだろう。
バファローズの方は失礼ながら敗戦処理。が野球に興味を持つ前の時代の選手が多く、感情移入出来る選手が少なかった。
先発投手が鈴木啓示というのは当然として、捕手が、翌シーズンからの新監督就任が決まっていた梨田昌孝でなく、有田修三というところも興味深い。現役時代の相性の良さそのままの名コンビだ。
始球式はバファローズファンで書家の榊莫山、バファローズ出身で現役メジャーリーガーの吉井理人に加え、バファローズOBの吹石徳一の娘で女優の吹石一恵の三人による豪華始球式。
当時17歳だった吹石一恵の投球を捕手として受けたのは父の徳一だった。
正直に言って、試合の細かい展開は覚えていない。
王貞治が打席に立てばバファローズの守備陣が王シフトを敷くとか、当時まだ38歳で特別参加という形だったラルフ・ブライアントが大飛球を放って大阪ドームの天井に打球を直撃させたりとか、オイシイ場面満載だったのと、昼間からのビール攻勢のせいで試合展開が頭に入っていない。
もちろん試合展開などより懐かしい選手の動きが目当てなのだからそれで問題ないのだが…。
試合中盤くらいからジャイアンツはV9時代のメンバーに変わって藤田元司監督時代のメンバーに変わっていく。松本匡史、中畑清、原辰徳、山倉和博…。
原と中畑はONに代わって同時に出場したが、原三塁、中畑一塁ではなく、中畑三塁、原一塁だった。年上の中畑が「タツ、今日は俺が三塁をやるから!」といえば、原は「わかりました」と言うしかないのだろう<笑>。
篠塚和典の名がないのが残念だが、約一ヶ月前に発覚した車庫飛ばしの件で謹慎処分を受けていたのだ。バファローズOBに新井宏昌が出ているので余計に残念。
バファローズの方も、その新井や大石大二郎、羽田耕一、前述の吹石、小川亨、梨田昌孝といった面々に交代していく。
ジャイアンツの方では江川卓が、次の回からの登板に備えてベンチ前で投球練習を始めたとき、ONの打席並みに大歓声が起きたのには驚いた。
大阪と言えばバファローズだけでなく、タイガースの牙城でもある。反江川色は濃いと思っていたので意外だった。そして江川が実際にマウンドに上がって投球練習を始めると、バファローズは代打に現役バリバリの中村紀洋を登場させた。当時既に若き右の大砲として頭角を現していた中村はトレードマークのフルスイングで、レフトの頭上を超える二塁打を放った。
また角盈男が登板している場面で当時バファローズの主力選手の一人となっていたジャイアンツから移籍の吉岡雄二が代打で出て、こちらは本塁打を放った。中村はともかく、ジャイアンツ出身の吉岡が情け容赦なく本塁打を放つのがなんとも…。
結局バファローズはこの八回裏に角と鹿取義隆を攻めて逆転勝ちを果たした。
【1999年11月21日・大阪ドーム】
G 000 002 050 =7
Bu 300 002 05× =10
G)金田正一、堀内恒夫、西本聖、城之内邦雄、新浦寿夫、宮田征典、倉田誠、江川卓、関本四十四、●角盈男、鹿取義隆-森祇晶、吉田孝司、山倉和博、大久保博元
Bu)鈴木啓示、武智文雄、山口哲治、久保征弘、小野和義、加藤哲郎、神部年男、清俊彦、村田辰美、久保康生、清川英治、石本貴昭、○香田勲男、太田幸司-有田修三、梨田昌孝、山下和彦
本塁打)吉岡雄二(角・8回)
「バファローズ」という球団名が千葉茂さんのニックネームに由来することは有名だが、その千葉さんがジャイアンツの背番号3のユニフォームを着て試合中だろうがお構いなく、両軍ベンチを行き来していたのも微笑ましかった。また、この1999年まで監督を務めていた佐々木恭介がメンバーに入っていて選手紹介の時に場内アナウンスで紹介までされたが姿を見せなかったのも印象的だ。
先月、オリックス・バファローズが近鉄バファローズのユニフォームを復刻した。それに関する敗戦処理。の見解は拙blog8月8日付けエントリー バファローズが阪急に続き今度は近鉄を復刻 で述べたのでここでは割愛するが、オフシーズンのこの種の試みは楽しい。あまり頻繁にやり過ぎるとありがたみが薄れるが、12年前にこの企画が成り立ったのも旧バファローズがこの年創立50周年を迎える、パ・リーグで唯一、身売りを経験していなかったからというのもあろう。ジャイアンツとタイガースは定期的にOB戦をしているようなので、合併球団も旧阪急と旧近鉄のOB戦を企画するなどして歴史を振り返る機会をもっと設けて欲しい。
※ 一部選手のフルネームはTHE OFFICIAL BASEBALL ENCYCLOPEDIA 2004を参考にしたため、1999年時点の登録名と異なる可能性があります。
【参考資料】
1998ファン手帳(ファン手帳社刊)
スポーツ報知1999年11月22日付
THE OFFICIAL BASEBALL ENCYCLOPEDIA 2004 (社団法人日本野球機構)
@niftyベースボールフォーラム・テーマ館 回想のプロ野球「大阪近鉄巨人OB戦を観て」敗戦処理
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コメント
チェンジアップ様、コメントをありがとうございました。
> 私は週刊ベースボールのプレゼントで、ペア50組プレゼントに応募したら、当たったので、行けました。
当時、大阪に居た友人と行きました。
私は東京からこの試合を観るだけのために行きました。名古屋に住んでいる友人を巻き込みました。
> 中畑3塁、原1塁は私も「(?_?)」と思いましたね。
年功序列なのでしょうね…
> メンバー表に現役組がそれぞれ3人呼ばれてて、巨人は桑田、松井、由伸で、近鉄が中村、吉岡、香田でしたが、桑田は出なかったですね。来てなかったかも。
現役の吉岡の角からの一発には古巣への意地が感じられました。
> 京セラ、今年からフェンスが綺麗になりましたね。
どこの球場だょ!?って感じですね、なかなか馴染めません…
投稿: 敗戦処理。 | 2012年5月 3日 (木) 20時30分
こんにちは。私は週刊ベースボールのプレゼントで、ペア50組プレゼントに応募したら、当たったので、行けました。
当時、大阪に居た友人と行きました。
始球式には間に合わなかったんですよね。
中畑3塁、原1塁は私も「(?_?)」と思いましたね。
メンバー表に現役組がそれぞれ3人呼ばれてて、巨人は桑田、松井、由伸で、近鉄が中村、吉岡、香田でしたが、桑田は出なかったですね。来てなかったかも。
ブライアントが角から天井直撃は角@日本ハム時代に東京ドームで認定HRがありました。不思議な縁ですね。
あとブライアントだけがフル出場です。6打数1安打。
新井宏昌が4打数3安打で、MVPでした。
三本のヒットが、レフト、センター、ライトと広角なのを披露。さすがイチローの師匠という感じ。
京セラ、今年からフェンスが綺麗になりましたね。
投稿: チェンジアップ | 2012年5月 3日 (木) 09時38分