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2011年10月12日 (水)

山崎武司と不思議な仲間達…

Dsc_0120 球団から来季の構想に入っていないことを告げられ、用意されたコーチ就任を拒否して他球団での現役続行を目指す山崎武司のゴールデンイーグルスでの最後のプレイが10日のマリーンズ戦で行われ、17,931人の観客に見守られる中、代打で登場してセンター前に安打を放った。試合後にはヒーローインタビューという形でファンへの挨拶も行われ、ナインによって胴上げもされた。

あれ、来年も現役を目指す選手を胴上げしちゃうの?みんな泣いているけど、来年は対戦相手になるかもしれないんだよ…

(写真:今季限りでのゴールデンイーグルス退団が決まった山崎武司。2010年9月撮影)

Dsc_0074 42歳という年齢に加え、打率.22711本塁打、48打点という成績(109日現在)。来季、再び成績が上昇することを期待出来るかというと、難しいだろう。推定年俸2億5000万円を大幅ダウンしたとしても、年俸に見合うパフォーマンスが出来るかどうか疑問だ。ゴールデンイーグルスのフロントの主導であろうと、現場を預かる星野仙一監督の構想であろうと、山崎武司を来季の戦力構想から外すという結論が出ても、個人的には不思議だとは思わない。判断そのものは「やっぱりな」という印象だ。

しかし、その一方で球団が新規参入したときからのチームの顔であり、なおかつ来季、誰か代わりの選手を四番に立てて、今季の山崎以上の成績を確実に残せる選手がいるかというと、すぐには難しいだろう。山崎を構想外とした判断に対し、ファンが否定的な反応をするのも理解出来る。

敗戦処理。はゴールデンイーグルスファンの知人によく「山崎が六番くらいを打つようになったら強力打線が出来るよ」と言っていたが、その知人は「そうなったら山崎はバットを置くと思うよ」と常々言っていた。なるほどと思うが、各球団のアラフォーの主力選手を見ると、金本知憲にしろ、稲葉篤紀にしろ、全盛期のポジションを離れ、降格と言ってしまえばそれまでだが、責任と負担の軽い役回りに替えてもらっている。金本の場合は連続フルイニング出場記録、連続試合出場記録への挑戦が足枷となって無理を重ねたあげく、衰えをあらわにしてしまったところがある。稲葉などはかつて外野手でゴールデングラブの常連だったにもかかわらず一塁に回り、2000本安打達成を視野に入れているはずなのに休み休みの出場だ。ところが山崎に関してはチーム事情がそれを許さなかった。

若手の成長を待つというのでなくても、例えば四番を任せられる外国人選手の獲得に成功すれば打順を下げて負担を軽くすることも可能だが、これまた新規参入球団故の悲しさか、そういうパイプも弱いようだ。リック・ショートフェルナンド・セギノールは活躍したが、いわゆる自前の外国人助っ人ではない。また、ランディー・ルイーズルイス・ガルシアは、ポジショニングで山崎とダブる面があり、彼らが今の成績以上に活躍していたら、むしろ山崎の活躍の場を奪っていたことにもなりかねず、別の次元で山崎の進退問題が浮上したかもしれない。

そういう意味では、失礼な言い方になるが「老骨に鞭打って」頑張って頑張った挙げ句、成績の衰えやらチームの若返りやらを口実に戦力外扱いにされるのは、確かに気の毒な気がする。そんな浪花節感覚が通用しない世界だというのを承知の上で、チーム創立からの7年間の唯一無二の功労者であることを考えると。

敗戦処理。の推測はこうだ。

球団が来季の構想を立てていく中で、これまでに書いてきた理由から山崎と来季の選手契約を結べないと判断し、コーチの椅子を用意して山崎にその旨を伝えた。山崎はしかし現役続行にこだわり、シーズン後の自由契約扱いを希望した。球団も納得し、とりあえず今シーズンいっぱいのプレイを要請し、ホームゲーム最終戦でそれなりのお膳立てをしようとしたのだろう。ところが山崎がそれも拒否したため、チームがホームから離れる直前の9日のマリーンズ戦をラストゲームに設定し、発表をギリギリまで延ばしたのであろう。だからファンにはあまりにも唐突に、一方的に山崎が戦力外と見なされたように感じられた面もあろう。

ところでファンの反応を見ていると、一部ではあるが、星野監督が今季終了後に電撃辞任するのではというのがある。シーズン中のフロントの介入による一部コーチ陣の配置換え。特に盟友の田淵幸一に対する処遇に不満を内包している星野監督が子飼いとも言える山崎を戦力外にしたことで、ついに腹に据えかねて行動に出るというのだ。

敗戦処理。はそれはないと思っている。田淵コーチの件などは確かにあるかもしれないが、山崎の件に関しては決断をしたのは星野監督だと思うからだ。監督の立場としてチーム構成を考えたら、山崎以上の四番を求めるのは当然であろう。そこに山崎とのドラゴンズ時代からの関係がためらいをもたらすとは思えない。過去に星野監督はトレードで落合博満を獲得するために牛島和彦を差し出した男だ。

タイトルで「不思議な仲間達」と書いたのは9日のラストゲームでチームメートが山崎を胴上げしたからだ。普通、長くいたチームに別れを告げるにしても、来季のプレイ続行を願う選手を胴上げはしない。ましてや来季、同じパ・リーグで火花を散らせる関係になるかもしれないのだ。それに加えてファンが泣くのはわかるが、チームメート達も泣いているではないか…。

そういえばシーズン前の渡辺直人のベイスターズへの金銭トレードが決まった際にも何人かのチームメートが契約更改での会見でその事を聞かれ、涙ぐんでいた。渡辺のトレードに関してはいろいろ言われているように、特例という感じではあったが、プロ野球選手にトレードは付きもの。チームメートのあのリアクションに敗戦処理。は若干の違和感を覚えた。

山崎の話に戻ると、今回の球団の措置に関して、もうゴールデンイーグルスのファンをやめると公言しているファンがネットではチラホラ…。

自分の贔屓球団でないのでこのチームおよびそのファン気質に関してあまり深く追求したことのない敗戦処理。には当初、これら一連の感覚が理解出来なかった。

ジャイアンツとファイターズを応援する敗戦処理。であるが、これまでジャイアンツやファイターズに些かではあるが裏切られたような嫌悪感を持ったことはあるが、ゴールデンイーグルスに関しては感覚的に理解出来なかった。

出来なかった…と過去形のように書いたのはようやく自分なりに理解を示せる糸口が見つかったからである。

やはりそれはゴールデンイーグルスというチームがまだ出来たばかりのチームだからなのだろうという結論に至った。

三十年以上にわたってジャイアンツとファイターズを応援しているが、さすがに新規参入の苦労を味わってはいない。ファイターズは東映、日拓ホームを経て日本ハムが球団を所有して軌道に乗り始めた頃に応援し始めたが、ゴールデンイーグルスのような立ち上げの労苦を球団とともに分かち合った経験はない。山崎はゴールデンイーグルスが誕生する前年までオリックス・ブルーウェーブに所属していたが、いわゆる分配ドラフトでゴールデンイーグルスに割り振られたのではなく、戦力外通告を受けていたのである。山崎を筆頭に2005年の立ち上げメンバーはだいぶ少なくなりはしたが、まだ存在する。前述の渡辺は2007年の入団だが、この年はゴールデンイーグルスが初めてパ・リーグ最下位を脱出した年であり、ファンは一期生とほぼ同じ感覚で見ていたのではないか。

ほとんど0に近い状態から立ち上げたチーム。その時からいるメンバーや、その時から応援し続けるファンの結束力は本物の結束力であろう。今季、結束という言葉をスローガンにしている球団が別にあるが、札束と空目しかねないチームよりもゴールデンイーグルスにこそこの言葉は似合う。いや、スローガンに掲げるまでもなく、結束という言葉が、いや概念が既に染みついているのであろう。したがって応援年数が長いとはいえ、既存球団で産みの苦しみを知らない敗戦処理。がここまでに挙げた一連の感覚を理解出来ないのは無理もないのかもしれない。

ただ、それで本当の意味でチームが強くなれるかどうかは別の問題である。球団フロントが主導して来季構想を練っても、星野監督が現場を預かる視点で来季構想を練っても、山崎戦力外という結論はおそらく同じなのだろう。ホークス優勝のニュースを見れば、いつか俺たちもと思うだろう。ファイターズがクライマックスシリーズ進出を決め、2位も確定してホームグラウンドでファーストステージを闘える事が決まったと聞けば、また2009年のようにと思うだろう。そのためには乗り越えていかなければならない壁があるのだろう。脱山崎はその一環であり、強いチームになるための試金石なのだろう。

個人的には山崎を対戦チームの選手として見て、打撃より脚力の著しい衰えを感じた。二塁の塁上にいて、打者の決して拙くないバントで三塁に向かえず、二塁に止まった。走ってアウトになるのではなく、走れないという試合を観た。また、冒頭の写真は9月10日の斎藤佑樹田中将大が投げ合った試合で山崎が初回に先制の犠牲フライを放ったシーンだが、同じ試合で山崎は一死一、三塁のチャンスで二塁ゴロを放って二塁手のボビー・スケールズがボールをはじいたにもかかわらず併殺打を記録した。どちらのシーンも目を疑った。

星野監督はドラゴンズの監督の時も、タイガースの監督の時も、就任一年目より二年目に成績を向上させている。だから今回もとは必ずしもそうとは限らないが、ゴールデンイーグルスは前進のための苦渋の決断をしなければならなかったのだと思う。ファイターズファンである手前、あまりゴールデンイーグルスの成功を祈るのもオカシナ話だが、少なくともゴールデンイーグルスのファンにはこの件を境にゴールデンイーグルスのファンをやめるという選択だけは避け、茨の道を球団とともに歩んで欲しいものである。

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コメント

うめ様、初めまして。コメントをありがとうございました。

> イーグルスのお家事情として、野村さんを例外として監督が1年で交代していき、しかも伝統がないため監督人事に連続性がありません。新聞を見ていると、前監督の言っていたことと新監督と全く別のことを言ってることは結構あります。
そこから導き出せることは、あくまで個人的予想ですが、恐らく①の人達は毎年上司の意向が変わるのに困っているし、②の人達は新しい上司が自分を評価してくれるのか不安になっていると思います。

興味深い分析ですね。

> そこで「上が不安定で不安ならおれについてこい!」タイプの渡辺、山崎、草野、最近では小山もかな?に、若い選手は精神的に頼っていったのではないかと思います。
また、山崎選手には野村監督のイメージが重なり、くじけそうなとき、「あの時、CSに俺達でも出場できた」と言う自信を取り戻すことが出来る存在だったのだと思います。

ああ、なるほど。そこまでは気付きませんでした。

> 今まで数年積み重ねてきたものを捨てさせて、全く新しい集団にしようと球団や星野さんは思っているんだろうなと個人的には思って見てました。だから今まで応援してきたファンは切り捨てられた気持ちになってるのではないかなと思います。

なるほど。そこが、越えなければならない壁なのか、そうでなくて単なる迷走なのかは難しいところですね。

> 結局、野村監督が辞めるとき、そのコーチから監督を出すとか、コーチは残すとかしなかったことが、

確かに野村監督退任の時にそういう声は出なかったようですね。ブラウン監督退任の時に佐藤投手コーチの内部昇格かという報道がありましたが、それなら野村→橋上への禅譲はなかったのかと思いました。

> 監督の権威よりも選手間の結束が高い事態になっているような気がします。

そういうことなのですね。こちらの方は球団の方が乗り越えなければならない壁かもしれませんね。

どうもありがとうございました。またいつでも遊びにいらして下さい。

投稿: 敗戦処理。 | 2011年10月16日 (日) 21時28分

こんにちは。いつも楽しく読ませて頂いている者です。
イーグルスファンを少し距離をとって続けているものです。ファン目線での推測を話したいと思って書き込みします。
イーグルスという球団は、発足時は超ベテランも交っていましたが、現在のレギュラーは、
①最初の球団がイーグルスで他を知らない
②他の球団で戦力外同然の扱いを受けたけどイーグルス内では能力が高い
という面子が殆どです。
しかもイーグルスのお家事情として、野村さんを例外として監督が1年で交代していき、しかも伝統がないため監督人事に連続性がありません。新聞を見ていると、前監督の言っていたことと新監督と全く別のことを言ってることは結構あります。
そこから導き出せることは、あくまで個人的予想ですが、恐らく①の人達は毎年上司の意向が変わるのに困っているし、②の人達は新しい上司が自分を評価してくれるのか不安になっていると思います。
そこで「上が不安定で不安ならおれについてこい!」タイプの渡辺、山崎、草野、最近では小山もかな?に、若い選手は精神的に頼っていったのではないかと思います。
また、山崎選手には野村監督のイメージが重なり、くじけそうなとき、「あの時、CSに俺達でも出場できた」と言う自信を取り戻すことが出来る存在だったのだと思います。
今まで数年積み重ねてきたものを捨てさせて、全く新しい集団にしようと球団や星野さんは思っているんだろうなと個人的には思って見てました。だから今まで応援してきたファンは切り捨てられた気持ちになってるのではないかなと思います。
結局、野村監督が辞めるとき、そのコーチから監督を出すとか、コーチは残すとかしなかったことが、監督の権威よりも選手間の結束が高い事態になっているような気がします。

投稿: うめ | 2011年10月14日 (金) 12時34分

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