稲葉篤紀2000本安打へカウントダウン!
2000本安打達成間近云々は別にしても、今の稲葉篤紀は絶好調だ。今日の4打数2安打1打点を加え、72打数27安打、3本塁打で21打点。打率は.375。前日の20日までで、ホークスのウイリー・モー・ペーニャが4本塁打を放っているため三冠王とはいかないが、打率、打点の二冠とともに安打数もパ・リーグトップ。得点圏打率が5割を超え、出塁率と長打率を足したOPSは1を超える。本人も2000本安打の早期達成を目指しているのであろう。異例の猛スパートだ。
稲葉の2000本安打達成が現実になってきたのは2010年のシーズン後といえよう。2006年から続いていた連続打率三割こそストップしたものの、このシーズンを終えて通算安打数は1842本。2000本安打まで残り158本となった。
年間の公式戦が144試合だから、残り158本を1シーズンで打つことは決して不可能な数字ではなかった。しかし稲葉とファイターズ球団は2010年オフに2012年までの二年契約を結び、二年越しでの2000本安打達成にタッグを組んだ。
実は稲葉の2005年から2010年までのファイターズ在籍六年間で、158安打を超えたのは首位打者を獲得した2007年の176本だけだ。2008年は北京五輪の日本代表に選ばれたから不出場の期間があり、安打数稼ぎにはマイナスになったが、好打者稲葉といえども一年間で到達する安打数ではないと判断したのだろう。
2011年、昨年の稲葉は守備も負荷の覆い外野から一塁、DHに変わり、より打撃に集中出来るようになった。稲葉が抜ける外野も、2010年までのメンバーでは森本稀哲もFAでベイスターズに移籍して手薄になるかと思われたが、中田翔が定着したほか、内野からコンバートの陽岱鋼もレギュラーとなり、糸井嘉男と三人で固めた。打順が三番から五番に変わり、2000本安打が近いのに何故?という声も一部では挙がったようだが、最初から二年計画で考えていたのだろう。稲葉が脇に周り、三番糸井、四番小谷野栄一が中心というのが梨田昌孝前監督の構想として実現した。
北海道移転から着実に地元に根付きながらも、球団経営上は決して冒険をせず、むしろファンからは時にドライすぎると思われる判断すら行うファイターズだが、稲葉に関しては無理のない二年計画を万全にバックアップしていると言えるようだ。
そしてその稲葉、いよいよあと7本と迫った。明日も今日と同じほっともっとフィールド神戸でバファローズ戦が行われ、月曜日が移動日になって火曜日から東京ドームで対マリーンズ三連戦。今日の様に2安打ずつ打っていくと、26日の木曜日に達成できるペースだ。
ただ、26日の一日前の25日には試合に始球式に映画の宣伝で貞子が始球式を行う。「リング」で人々を恐怖のどん底に陥れた貞子が3D貞子となってパワーアップしたそうだ。たぶん東京ドームのオーロラビジョンからにょろっと出てきて始球式を務めるのだろう<笑>。この試合で2000本安打を達成したら、貞子から花束を渡されるかもしれない<笑>。
敗戦処理。は東京ドームの三連戦は三試合とも生観戦の予定だが、さすがに三日間続けて仕事を休む訳には行かない。初戦をフルに観戦するつもりだが、二戦目と三戦目は仕事が終わり次第駆けつける予定。田中幸雄の2000本安打の時のように、東京ドームへ向かって都営三田線に乗っている途中に金字塔達成になりかねないが…。
もちろん、そのためには明日のバファローズ戦で安打数を稼いでおきたいところだ。これが京セラドーム大阪でなく、屋外のほっともっとフィールド神戸であるところがミソで実は明日の天気の予測は最悪のようだが、何と23日の月曜日が予備日となっているのだ。何たる天の配剤!
さて、順序が逆になった感があるが、わざわざ神戸まで足を運んで観戦した試合を振り返ろう。
ファイターズ打線がバファローズの先発、近藤一樹の調子が上がる前に打ち崩したという感じの試合となった。一回、二回と走者を得点圏まで進められながらも凌いできた近藤だったが、三回表、一死から小谷野にセンター前に運ばれると、糸井がレフトのフェンスを直撃する二塁打を放ち、小谷野が一気に生還。
中田倒れた二死二塁から稲葉がライト前に通算1992本目の安打を放ち、糸井を迎え入れて2点目。
さらに陽もライト前に運んで一、二塁とし、ターメル・スレッジもライト前にはじき返し、稲葉が還り3点目。そしてライトの川端崇義からの返球をカットしようとした一塁手のイ・デホがワンバウンドした送球を弾く間に陽までが一気に生還。
あれよあれよという間に4対0とリードした。
昨年来、援護点0またはそれに近い状態で投げることの多い先発の武田勝にとって4点あれば鬼に金棒。四回裏、バファローズの主砲、イ・デホに来日第一号となる特大のソロ本塁打を打たれたものの、立ち上がりの一回裏に三安打を集中された以外は二回以降、イ・デホの一発以外は安打はおろか四球の走者も出さず、三人ずつで片付けていた。
イ・デホのことを「韓国のボウカー」と笑っていた客がいたが、打率はジョン・ボウカーの約3倍だ。一緒にしてはいけない。
近藤も四回以降は立ち直っていたが、近藤が降板した七回以降に試合が崩れていった。
七回表、バファローズは二番手にミンチェを送った。
ミ
ンチェは先頭の田中賢介に四球を与えると小谷野にバントで送られ一死二塁。糸井とは勝負を避けたのか四球で一、二塁。中田がボテボテの投ゴロで二死二、三塁となると、ベンチから投手コーチが出てきて入念に打ち合わせした割には捕手が立たずにストレートの四球。2000本安打間近に迫った打者の前で一塁が空くことになるゴロを打った中田は罪作りだが、二死満塁から陽がセンター前に2点タイムリー。
6対1としてほぼ勝負を決した感じになった。
ファイターズは九回表にもこの回から登板の四番手、高橋秀聡を攻めて稲葉のこの試合二安打目、通算1993本目の安打などで満塁とし、一死からスレッジがセンターに2点タイムリー。8対1とした。
九回裏は武田勝に代わってルーキーの森内壽春が三人で抑え、ファイターズが8対1で圧勝した。
バファローズは一回裏に先頭の坂口智隆がいきなりレフト前に安打を放って先制のチャンスを作ったのだが、二番の大引啓次の強攻策が二塁ゴロ併殺打になると、さらに後藤光尊、イ・デホが連続安打で二死一、二塁と再びチャンスを作ったのだが、北川博敏が倒れて先制機を逃したのが響き、逆にファイターズに三回表に一気に4点を奪われると武田勝の投球の術中に完全にはまり、先発近藤が降りて力の劣る投手が出てきて追加点を奪われるという悪循環。
逆にファイターズはいかにもファイターズらしい試合運びだった。昨日の斎藤佑樹の完封劇に続き、このところちょっぴり不安な面をのぞかせる守護神武田久を今日も温存できた。
【21日・ほっともっとフィールド神戸】
F 004 000 202 =8
Bs 000 100 000 =1
F)○武田勝、森内-大野
Bs)●近藤、ミンチェ、海田、高橋秀-伊藤
本塁打)イ・デホ1号ソロ(武田勝・4回)
たまにはジャイアンツにもこういう試合をして欲しいものだ。
この球場には名前が変わるごとに来るといった感じで、グリーンスタジアム神戸、ヤフーBBスタジアム、スカイマークスタジアム、ほっともっとフィールド神戸といういずれの名称でも観戦している。今日は幸運にも入場前に、昨年から話題のバファローズのマスコットの女の子の方、バファローベルからサインをもらえた。昨年のジャイアンツ対バファローズの東京ドームでの交流戦で撮影した写真にサインを書いてもらった。もう少し早く着いていたらブルからもサインをもらえていたが、球場外周でのグリーティングから球場に入る直前だった。ブルには試合後にもらうことにした。
スタンドに入ると、通路でB☆Bと遭遇。ブル、ベルにB☆B、そしてあのゴーヤがグラウンドでパフォーマンス。ゴーヤは初めて見た。これはマスコットファンには垂涎の4ショットだ。
試合終了後に正面で待ち構えていたら、B☆Bとブル、ベルの三人が出てきた。ブル・ベル付きのお姉さんによると、「今日は写真撮影のみでサインは無し」だそうだ。うーん残念。7:3くらいでファイターズファンが多かったように感じたが、勝利に酔いしれたファイターズファンを中心にブル、ベル、B☆Bとの記念撮影で盛り上がっていた。
中にはファイターズの応援ボードをベルに持たせて記念撮影する強者集団がいて、ベルも「はめられた!」という感じの仕草をしていた<苦笑>。ファイターズファンの集団が応援ボードを抱えての記念撮影だったが、ベルの隣の男性がどさくさに紛れて「八木智哉」と書かれたボードをベルに持たせたのだ。これがツイッターで広くRTされた「裏切り者発見…」の真相だ。
内外野きれいに整備された天然芝。スタメン発表ではオーダーだけでなくマスコットまで発表する演出。試合後の帰りの客を見送るために列を作って挨拶する職員。本当に素晴らしい球場だ。これでファイターズの北海道移転後に敗戦処理。が関西遠征した戦績は2004年のここでの試合から7勝0敗(大阪ドーム、甲子園、倉敷を含む。クライマックスシリーズ、オープン戦含む)。いい土地だ。
P.S.
【今日のオマケ】
“ほも”フィー限定ショートコント!?禁断の関係!?
最後になりましたが、ファイターズのこの遠征にB☆Bも同行することで、出張観戦予定を組んでいながら、無念にも観戦がならなかった旧知の知人に、この1勝とB☆Bの笑顔を捧げたいと思います。
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コメント
肉うどん様、コメントをありがとうございました。
> 稲葉と宮本を同じ年に1位でなく指名しているスワローズ、なかなかの眼力とお見受けします。あちらは広岡監督以降は基本的に生え抜き系の監督が多いチームですが、こちらは生え抜き系の監督など想定しずらい編成で、体質の違いを感じます。生え抜き系と言えるのは土橋監督くらいでしたか?
ファミリー体質のチームと、そうでないチーム。まさに好対照ですね。
東京時代の1981年の優勝主力メンバーの大半がファイターズで現役生活を終了していないですからね。
良いか悪いかはともかく、監督だけでなくコーチも多士済々。
対してスワローズはファームの試合を見ると真中監督、池山コーチを筆頭に一時代を築いたOBばかりですよ。
> ところで敗戦処理。さんは、マスコット好きなのですね。マスコット好きではありませんが、小生もファイティ君の引退試合を生観戦しました(毎年、東京ドーム最終戦を生観戦するようにしているだけなのですが)。これで完全に北海道のチームになったような気がしました。東京はファンの数が少な過ぎです。ビジターのファンの方が多いくらいですから。
うーん正確に言うと、マスコット好きではなく、B☆B、C☆Bを始め、特定のマスコットに贔屓がいるだけです。例えば、惜しまれつつ去っていったホッシーファミリーには何の思い入れもありません。レックは残念でしたが。
ベルたそ~
> 残念ながらB☆Bにはいまひとつなじめず、首位を走るファイターズにも胸騒ぎを覚えるオールドファンの肉うどんでした。
2006年以降にリーグ優勝を三回もしていますが、今でも時々これは“夢”じゃないかと錯覚する時があります。
投稿: 敗戦処理。 | 2012年4月23日 (月) 23時22分
稲葉と宮本を同じ年に1位でなく指名しているスワローズ、なかなかの眼力とお見受けします。あちらは広岡監督以降は基本的に生え抜き系の監督が多いチームですが、こちらは生え抜き系の監督など想定しずらい編成で、体質の違いを感じます。生え抜き系と言えるのは土橋監督くらいでしたか?
ところで敗戦処理。さんは、マスコット好きなのですね。マスコット好きではありませんが、小生もファイティ君の引退試合を生観戦しました(毎年、東京ドーム最終戦を生観戦するようにしているだけなのですが)。これで完全に北海道のチームになったような気がしました。東京はファンの数が少な過ぎです。ビジターのファンの方が多いくらいですから。
ファイティが引退する前からB☆Bは東京ドームに出入りしてましたし、時間の問題だったのですが...
残念ながらB☆Bにはいまひとつなじめず、首位を走るファイターズにも胸騒ぎを覚えるオールドファンの肉うどんでした。
投稿: 肉うどん | 2012年4月23日 (月) 00時19分
宇宙狼様、
本来は貴blogを訪ねてコメントさせていただくべき所をトラックバックにて失礼いたしました。
私も二年前に母を亡くしましたが、奇しくも野球観戦遠征を直後に控えていた時でした。
いろいろと大変でしょうが、また特大デカC☆Bとともに球場でお会い出来る日を楽しみにしています。
投稿: 敗戦処理。 | 2012年4月22日 (日) 13時06分
チェンジアップ様、コメントをありがとうございました。
> 奇遇ですね。私は父と17日の阪神対ヤクルトをほっとももっと神戸で観戦しました。
おお、そうですか。私はほっともっとになってからは昨日が初めてでした。
> これは何ででしょうか?
自分の予想では、稲葉が監督に「2番は勘弁して」と言ったのではないか?と。
うーん、どうでしょうかね?
一番から三番まで左打者が三人続くことになるのと、それよりも、まだ未完成な四番・中田翔の後ろに稲葉を置くことで中田にもプラスになることを期待しているのではないか、と勝手に私は推測しています。
投稿: 敗戦処理。 | 2012年4月22日 (日) 13時00分
敗戦処理さま
お気遣いありがとうございます。
感謝です。
また、球場でお会いしましたら宜しくお願い致します。
投稿: 宇宙狼 | 2012年4月22日 (日) 03時27分
こんばんは。奇遇ですね。私は父と17日の阪神対ヤクルトをほっとももっと神戸で観戦しました。
本題の稲葉ですけど、開幕は2番でした。そしてその後ちょっとしてから、2番は小谷野が続いてますね。
これは何ででしょうか?
自分の予想では、稲葉が監督に「2番は勘弁して」と言ったのではないか?と。
色々言われてた栗山監督ですが、今のとこ彼の考えが良い結果になってますね。
2番最強説?は結構支持してます。
週刊ベースボールで、最近、豊田泰光氏が「2番=送りバント」に否定的な意見を述べてますが、賛成です。
投稿: チェンジアップ | 2012年4月22日 (日) 01時47分