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2012年4月 1日 (日)

ジャイアンツ、ようやく開幕…

Cdsc_0146セ・パ両リーグが開幕して三戦目。連敗スタートだったジャイアンツが三戦目にしてようやく今季初白星を挙げた。二試合ノーヒットだった阿部慎之助が口火を切り、同じく二試合ノーヒットの小笠原道大が勝ち越しタイムリーを放ち、それが決勝打となった。守っては「背番号18」杉内俊哉から山口鉄也、西村健太朗とつないで粘るスワローズ打線を辛くも振り切った。

 

何はともあれ嬉しい1勝だ。しかし課題はまだまだ多そうで…

 

(写真:今季初安打が勝ち越しタイムリーとなり、一塁ベース上からベンチに向けて小さくガッツポーズをする小笠原道大。ぶれててごめんなさい)


苦しい試合だった。

 

開幕戦は石川雅規の前にあわやノーヒットノーランという完敗。昨日の二戦目は勝てそうな試合を引っ繰り返されての逆転負けと散々なスタートのジャイアンツ。今日はFA補強の「背番号18」杉内俊哉を立てて、何とか三連敗を阻止したい試合。

 

なお、既に報道されているように今季から公認野球規則四.〇一にある試合開始五分前のメンバー表交換を規則通りに運用するために、いつもの試合開始30分くらい前のスターティングメンバー発表の際、場内アナウンスの女性は「本日のスターティングメンバーに予定されている…」というような断りを入れてスタメンを紹介していた。
Dsc_0083そして、実際に試合開始の5分前になると四人の審判員がホームプレートに集まり、原辰徳、小川淳司両監督を交えてメンバー表の交換を行った。
Dsc_0085セ・リーグが今季から予告先発制度を取り入れたのは反対の急先鋒と思われる落合博満ドラゴンズ前監督が退任したからと見る向きがあるが、落合監督がいたらこの5分前のメンバー表交換までに選手を差し替えたりとかするのだろうか?まあ相手投手がわかっていたらそんな必要は無いが…。

 

しかし変な規則だ。というか、今まで何で無視していたのか?どこの球場でもだいたい開始30分前くらいに発表するのが当たり前になっていたが…。

 

試合は序盤から動く。


二回表、スワローズは一死から川端慎吾、宮本慎也がそれぞれ逆方向に打ち返して一死二、三塁のチャンスを作る。七番のウラディミール・バレンティン、八番の相川亮二、九番投手赤川克紀という打線でジャイアンツは、一発もあるが打撃に粗い面もあるバレンティンの打席で中間守備というか前進守備を敷いた。二塁手の寺内崇幸だけでなく強い打球が飛ぶ可能性がある遊撃手の坂本勇人も前に守らせた。内野を前に守らせれば内野ゴロでの本塁突入を阻止できる可能性は高くなるが、強い打球が内野の間を抜ける確率が高くなり、大量点に繋がる可能性が拡大する。まだ二回裏ということを考えれば、三塁走者だけでなく二塁にも走者がいることを考えると前進守備がためらわれても不思議でない状況だったが、開幕二連敗で余裕がないのか、ジャイアンツベンチは
1点を防ぐことに尽力するシフトを敷いた。

これで攻め方が窮屈になったのか、杉内俊哉、阿部慎之助のバッテリーはバレンティンに四球を与えて満塁とし、相川にライトに犠牲フライを打たれて先制点を喫した。先制点献上は痛いが、1点で済んで良かったという印象だ。

 

その裏のジャイアンツは四球で出た阿部を一塁に置いて、高橋由伸がライト前に安打。これをライトのバレンティンが後逸し、阿部が一気に還り1対1の同点。なおも一死三塁として逆転のチャンスが続くが、小笠原道大と寺内が倒れ同点止まり。

Dsc_0115小笠原が三振して二死三塁となった時点で、スワローズベンチには八番の寺内と勝負を避けて昨年までパ・リーグ在籍で打席に立つ機会が少なかった杉内との勝負という選択肢も考えられたが、次の回に一番からの好打順を迎えるリスクもあり、寺内なら打ち取れると考えたのか、寺内勝負を選択。試合の序盤からばたばたと動かない小川監督の采配の方が理に適っているように思えた。

同点なのにまだまだ重苦しい空気が覆っている感じだった四回裏、先頭の阿部がライト前に今季初安打。まだ三戦目とはいえ、10打席目の初安打でホッとしたことだろう。ここで村田修一もライト前にはじき返して一、二塁。高橋由が倒れて一死一、二塁となると、今度はここまで7打席ノーヒットの小笠原がライト線に痛烈にはじき返し、二塁から阿部を還し、ジャイアンツが1点を勝ち越した。
Dsc_0144なおも続く一死一、三塁で一気にたたみかけたい場面であったが、寺内は敢えなくショートゴロ併殺打。二回裏に続いて得点を入れたが、どちらも1点ずつ少ない感じ。

 

五回裏にも二死無走者からジョン・ボウカーが死球、長野久義が四球と安打無しでチャンスを作り、阿部がしぶく一、二塁間を破って1点を追加。
Dsc_0153シーズン初安打が出て自分のペースを取り戻したのか、阿部が調子を上げてくれると心強い。

 

五回を終えて3対1。昨日の今日だけに楽観視は出来ないものの、リードする展開は願ったり叶ったり。ただ、制球が今一つな杉内の投球数は五回終了時点で98球に達していた。


昨日の先発、澤村拓一は3対0のリードから六回表に田中浩康にツーランホームランを浴びて1点差に迫られると、七回表には二つの四球で一死一、二塁のピンチを作り、降板を命じられた。二番手はオフの股関節手術の影響で調整遅れの久保裕也。一軍ではオープン戦最終戦のベイスターズ戦と、マリナーズとの試合のみだった。本調子なら抑えを任せられるはずだが、そうでないのだろう。それにしては荷が重い場面だったが、案の定四球で満塁とし、二死まで漕ぎつけたものの左の代打、武内晋一が送られたところで山口鉄也に交代し、その山口が代打の代打、飯原誉士に逆転のタイムリーを浴びた。ビハインドになってから投入した越智大祐も本塁打を浴びていることを考えると、今日の杉内には少なくとも7イニングを投げきって欲しいところだろう。

 

Dsc_0174死球と四球でピンチを招いた六回表を併殺で切り抜けた杉内は六回裏、二死二塁の場面で代打を送られずに打席に立った。原監督が久保を信じているのなら、久保が投げやすいイニングの頭から投げられるようにここで杉内に代打という選択肢も考えられただろうが、原監督はそうはしなかった。

 

七回表には先頭の代打飯原と、田中浩に連打されて無死一、三塁。左対左となる上田剛史まで投げさせて、ラスティン・ミレッジ、畠山和洋と右の主軸打者が続くところで右投手にスイッチしたいのだろうが、頼れる右のリリーバーがいない。

 

抑えとして期待して獲得したスコット・マシソンが先発の方が適性がありそうだとか言われているが、マシソンが抑えにいれば西村健太朗を中継ぎに回す事も出来たがそれも幻に。久保も越智も、レビ・ロメロも過去二試合で失点している。上田が併殺崩れの間に1点を失うが、ミレッジを迎えて出てきたのは川口和久投手総合コーチではなく原監督。
Dsc_0181監督が直々に出てきてもあまり奏効しないのが一昨年以来のジャイアンツの傾向だが、杉内はミレッジと畠山に連続四球を与え、さらにピンチを迎えて結局山口にマウンドを託した。

杉内俊哉、「背番号
18」の初陣は125球。七回一死満塁で力尽きた。

Dsc_0188山口は二日続けての修羅場であったが、こういう場面で最も頼りになるのはやはり山口だ。左対左の川端を三振に仕留めると、こういう場面で最も嫌な宮本もショートゴロに切り抜けた。

 

山口は八回表も投げきり、後は最終回を西村に託すだけ。ただ、西村も開幕から抑えを務めるのは初めて。追加点が欲しいところ。



八回裏、増渕竜義から先頭の村田がセンター前に。代走の鈴木尚広が二盗に成功。高橋由は三振で一死二塁で小笠原。

スワローズからすれば、ここでの失点は致命的。1点失うも2点失うも同じと考えれば、一塁が空いているので小笠原との勝負を避けるのも一つの選択肢。寺内、山口に代打が出るとしても亀井義行、谷佳知、隠善智也あたりだろう。しかしスワローズは小笠原と勝負。増渕の冒頭で一死三塁となってもその姿勢は変わらず。小笠原は三振に倒れた。

三振という結果よりも、この場面で警戒されて歩かされなかったことの方が今の小笠原の状態を如実に語っている様に思われる。小笠原は昨年の不振をまだ引きずっているのだろうか。少なくともスワローズサイドにはそう映ったのだろう。

寺内の代打、亀井が一、二塁間を鮮やかに破って待望の追加点。
Dsc_0211亀井の次には谷がスタンバイしており、スワローズはベテランの谷を嫌がって亀井でと考えたのだろうが、初球をあっさりと打ち砕かれた。4対2。

 

西村は最終回をあっさりと三人で片付けた。
Dsc_0231
今日の成功で、西村の抑えに太鼓判を押す気にはならないが、過去にジャイアンツで抑え投手が失敗するケースでは最初の登板でものの見事に失敗するケースが多いので、今日の結果を素直に喜びたい。

【1日・東京ドーム】
Ys 010 000 100 =2
G  010 110 01× =4
Ys)●赤川、日高、松岡、増渕-相川、川本
G)○杉内、山口、S西村-阿部
本塁打)両軍とも無し

相手に恐れられない小笠原、山口以外に自信を持って送り出せるリリーフがいない中継ぎ陣。上田の二つを含め四盗塁オール成功された阿部…まだまだ課題が多いが、とりあえず開幕三連敗を避けることが出来て良かった。2008年にもこの開幕カードに三連敗を喫して五連敗にまで伸びながら逆転優勝したことがあるが、あの時は神宮球場。本拠地の東京ドームでの三連敗は後で取り返せば良いとか言う次元のものでは無い。本当に今日は勝てて良かった。

 

思えば昨年の今頃は東日本大震災の後で、プロ野球公式戦開幕をどうするかで一悶着あった。震災の影響で中止になった試合と、日程変更で中止になった試合の払い戻しで敗戦処理。が東京ドームを訪ねた際にはあまりの静かさに愕然としたものだった。

 

いろいろあったが、今はこうして普通に4月に東京ドームで野球の試合が行われ、それを観戦出来ている。3時間30分ルールは今年も継続され、ヘルメットには引き続き「がんばろう日本」


野球を観られるのは幸せなのだ。

 

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