東京ドームがオレンジ色に染まり、ジャイアンツが今季初の貯金1!
本当に完売だったようだ。
おそるべし、橙魂ユニ効果。
今日のジャイアンツの予告先発は二年目の宮國椋丞だったから、宮國がマウンドにいるうちに東京ドームに着かないとと、早めに仕事を放り投げ…もとい片付けて東京ドームに向かった敗戦処理。だったが、宮國が右肩の違和感を訴えて一回表限りでマウンドを去ったことを知ったのは地下鉄南北線の車中だった。
ニッポン放送のスタッフのツイートを引用すると宮國に関して原辰徳監督は、
「ブルペンで何ともなかったし、あくまで大事をとっただけでひどくはないと思います。ワンアウト後、キャッチボールをしたときに違和感を感じたようだ。抹消は考えていません。大丈夫です」
と言っている。心配ではあるが軽傷であるようだ。
試合は一回裏に坂本勇人のタイムリーと高橋由伸の満塁本塁打で一気に5点を先制した。この長い攻撃の間に、福田聡志が充分に準備が出来たようで二回表から登板の福田は3イニングをパーフェクトに抑えた。
福田が緊急登板的な起用に応えてロングリリーフをするのはディッキー・ゴンザレスが二回表に回った打席で脇腹を痛めたドラゴンズ戦でもあったが、あの時は先に小野淳平がそれこそ緊急登板してドラゴンズ打線の餌食になり、その間に準備が出来た福田が三番手でロングリリーフをした。故障のゴンザレスと、準備不足とはいえ痛打を浴びた小野は翌日に登録抹消。小野はその後イースタンで二度先発したが二戦二敗と冴えない。
福田はその後、抑えの西村健太朗とセットアッパーの山口鉄也以外に信頼のおけるリリーフ投手がいない台所事情から、期待されてマウンドに上がるが今一結果を残せなかった。特に先週の宇都宮清原球場と東京ドームで行われたベイスターズ三連戦では、余裕のある得点差の終盤にリリーフ登板し、リードを縮められてマウンドを降りるという失態をやらかした。
自由獲得枠で入団して、もう七年目の投手。残されたチャンスは少ないと考えるのが普通だろうが、敢えてチャンスという言葉を使うが、福田は宮國の緊急降板というチャンスをつかんだ。
福田の後は星野真澄が五回から3イニング。プロ入り初登板となる一岡竜司が八回と九回を抑え、宮國、福田、星野、一岡とあたかもジャイアンツ球場のような継投で交流戦の初戦を飾ることが出来た。スタンドから観ている限りではバファローズ打線の覇気の無さも気になったが、一軍に上がっても負け試合でしか登板しないような投手が、リードを背負って投げて、それぞれ結果を出したのは大きいと思える。
大事に行くのなら六回までを若手で繋いで、七回以降はスコット・マシソン、山口、西村で1イニングずついった方が確実で、実際ベイスターズ戦の二の舞いになるのではないかと多少不安に試合を観ていたジャイアンツファンも少なくなかったかもしれない。
ただ、これから貯金を増やして行くにはいつもいつも八回に山口、九回に西村という訳にも行くまい。早い話が越智大祐や久保裕也の二の舞いになるだけだ。
だとすると、一人でも終盤の接戦で使える投手をジャイアンツは作らなければならないのである。1点ビハインドの試合の八回や最終回に山口を使っているようではダメなのだ。
敗戦処理。がジャイアンツ同様に応援しているファイターズは、今日(16日)タイガースに3対1で勝利した。先発の吉川光夫が6イニングを1失点に抑え、後の3イニングを森内壽春、宮西尚生、増井浩俊が1イニングずつ投げて守りきった。守護神武田久を欠いており、セットアッパーの増井を抑えに回しており、増井の役を宮西に託しているのだが、その前の七回をルーキーの森内に託した。
森内は昨年の社会人野球・都市対抗での完全試合で脚光を浴びたルーキーだが、既に27歳。オープン戦から一軍に帯同し、開幕一軍の座をつかんだ。これまでは劣勢の試合での登板に限られていたが、徐々に責任の重い場面で投げるようになり、今日は「勝利の方程式」の一角を担った。まだこれで一本立ちというには早計にせよ、新しい投手を戦力化するには上手いやり方だと思う。ファイターズでは二年目のサウスポー乾真大も森内予備軍的に一軍で場数を踏みつつある。ファイターズは負けた試合の中から収穫を得ている。
そしてジャイアンツ。ファーム落ちして先発で結果が出ない小野あたり、もっと上手い起用法をしていたら、今日の福田のような役割を果たせたのではないかと思う。
福田は間違いなく今日のヒーローだが、年に一回か二回、いよいよ覚醒か!という投球をするが、それが続かないということの繰り返しで七年目である。
個人的には福田の後に投げた星野、一岡には福田を早く超えて欲しいと思っている。もっといえば、ジャイアンツのファームの若い投手にはこの福田を始め、野間口貴彦、金刃憲人といった契約金泥棒トリオを超えてこそ一軍が見えてくるという発想で早くこの先輩達を超えて欲しいと思っている。
ジャイアンツは今日で初めて今季、貯金1が出来た。これからどんどん増やしていかなければならない。そしてなおかつ、勝利の方程式を担える投手を増やさなければならないのである。マシソンに少し兆しが出ている。二軍落ちしてしまったが真田裕貴の獲得もそうした意図があったのだろう。
今日投げた投手達が直ちに勝利の方程式に入れるとは敗戦処理。も期待しない。選手は失敗と成功を繰り返しながら成長していくものなのだ。一度の失敗ですぐに懲罰的降格を言い渡す原監督が心配なのだが、ファンも若手投手の多少の失敗には目をつぶるくらいの度量でチーム作りを見守っていくくらいの覚悟が必要だろう。
最後に宮國。前出の原監督のコメント通りなら軽傷だが、おそらく、プロ入り初の故障。ここは無理をさせず、きちんと治してから戦列に戻すという決断をして欲しいように思うのだが…。
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コメント
長緯様、コメントをありがとうございました。
> 福田のまさかの好投は感心しましたが、ベンチに入れておく投手それぞれをどういった場面の時に使うか、という一貫性がないのでこの前のベイスターズ戦のようにまさかの展開になるのだと思います。
おっしゃる通りだと思います。
> 福田は5点ぐらいリードしてても先発投手の勝ちがつくかどうかといった展開では緊張感からかノーコン病となるので困りますし、現状ではそういった場面では使ってはいけない投手と感じます。
昨日も宮國の後、香川という選択肢もあったと思います。
福田は次の登板がどういう状況でのマウンドになるか?そしてその起用にどう応えるか?そこが鍵でしょうね。
> まあそういった所が「雑草」のようでいて実は裏でお金をかけている温室育ちの印象も拭えないのですが・・・。
そういう意味では同義語として野間口と金刃を挙げたいです。
何度も何度も失敗を繰り返している投手が一回や二回成功したからと言って手放しで喜べません。
宮國に代わって田原が登録されましたが、田原や一岡、その他若手にとっての“超えなければならない壁”としてその三人には若手にプロの厳しさを示すというか、反面教師になってもらうのが契約金泥棒としての補填義務だと思います。
> 橙魂ユニに関してはいい企画だと思います。中継を見ていてもスタンドが一色で綺麗でした。
気持ちよかったです。
投稿: 敗戦処理。 | 2012年5月17日 (木) 23時48分
観戦おつかれさまでした。福田のまさかの好投は感心しましたが、ベンチに入れておく投手それぞれをどういった場面の時に使うか、という一貫性がないのでこの前のベイスターズ戦のようにまさかの展開になるのだと思います。福田は5点ぐらいリードしてても先発投手の勝ちがつくかどうかといった展開では緊張感からかノーコン病となるので困りますし、現状ではそういった場面では使ってはいけない投手と感じます。まあそういった所が「雑草」のようでいて実は裏でお金をかけている温室育ちの印象も拭えないのですが・・・。
橙魂ユニに関してはいい企画だと思います。中継を見ていてもスタンドが一色で綺麗でした。
投稿: 長緯 | 2012年5月17日 (木) 19時01分