久しぶりに見たいいシーン@横浜スタジアム
ベイスターズとしては4点ビハインドながら、せめて九回表のファイターズの攻撃をさくっと抑えて九回裏の反撃に移ろうと思うところだろう。先発のブランドン・マンが2被本塁打、4失点ながら7イニングを投げきり、自己最多の
131球を投げて一定の感触を得たそうだが、その後、八回には菊地和正、九回にはこの林昌範と元ファイターズ勢を続ける継投になった。被安打1ながら1イニングを無難に抑えた菊地に比べ、簡単に二死まで取ってから二番の小谷野栄一、三番の田中賢介に連打を浴びた林は不満足。右の中田翔を迎え、ベイスターズベンチはたまらず右投手の小杉陽太にスイッチした。デニー友利投手コーチから何か告げられて林がマウンドを降りる。ここまでは(林がどうこうではなく、降板する投手に)ありがちなシーンだ。しかしマウンドを降りかけた林は再びマウンドに戻った。投手交代が取り消されたり、間違いだったのではない。ライトのブルペンからリリーフカーに乗って出てきた小杉を林はデニー友利投手コーチや内野陣らとともにマウンドで迎え、それを見届けてからあらためてマウンドを降りた。(冒頭の写真から連続しています。一度マウンドを降りて戻る背番号24が林)
こういうことを書くと年齢がばれるのであまり書きたくないが、昔のプロ野球では降板した投手が後を託すリリーフ投手にボールを手渡しし、「後をお願いします」というようにするのが普通であった。特にV9時代のジャイアンツではリリーフ投手の登場を待たずに前の投手がマウンドを降りるなんてもってのほかだった。「自分の後始末を他の投手にしてもらうのだから、それが当たり前だ」と当時、敗戦処理。が少年野球を教わっていた大人が言っていた。テレビや球場で観ると実際そうしていた。
いつからそれがなくなったかは定かではないが、今はイニング途中の交代ではどの球団においても、ベンチからタイムをかけると監督と投手コーチが一緒に出てきて、監督は球審に投手の交代を告げ、投手コーチは球審からニューボールをもらってマウンドに上がる。マウンドには降板する投手を含めバッテリーと内野陣が勢揃い。投手コーチは降板する投手に何か声をかける。投手はマウンドを降り、入れ替わる様にリリーフ投手が登場する。これが一般的だ。
敗戦処理。が比較的多く観戦するジャイアンツ戦で降板する投手からリリーフする投手にボールを手渡しするのシーンを最後に観たのは2006年7月の神宮球場での対スワローズ戦だ。不安定な投球をしていた先発の西村健太朗が四回途中で降板させられたのだが、二番手の前田幸長をマウンドで待ち、西村が前田に直接ボールを手渡していた。このシーンが印象に残っているくらいだから、この時も久々に観たのだと思う。チームが一体になって戦うとはこういう事なのだと子供の頃に教わったとおりだ。
ファームの試合ではたまに降板する投手が次の投手の登場を待ってマウンドを降りるシーンを今でも見かけるが、一軍ではどの球団でもあまり観られないシーンではないか。テレビ中継だと、監督が交代を告げた当たりでCMに入ることが多い。球場で観戦してイニング途中で投手交代が告げられる時には注意して見る様にしているが、この8日の交代シーンは逆の意味で新鮮に感じられた。
林から小杉への交代シーンは小杉にボールを渡したのはデニー友利投手コーチだったが、それを見届けてからマウンドを降りる林を見て、このチームは今の体制下にある間に何とか浮上できるのではないかという気がしてきた。もちろん林が一度マウンドを降りようとするのではなく、ずっとマウンドにとどまって小杉を迎えていればさらによかったのだが。
ベイスターズはいつもそうしているのだろうか?
気になって11日の対ゴールデンイーグルス戦のtvkの中継を録画してチェックしようと試みたが、この試合での投手交代はすべてイニングの頭からで、イニング途中での交代はなかった。
チームの一体感…
先頃、試合途中に退いたスワローズのウラディミール・バレンティン が試合終了前にツイッターに興じていた事が判明し、球団が問題視していたが当然であろう。ツイートの内容はチーム、試合に前向きなものであったが、それ以前の問題だ。
このチームを自らの意思で出ていった内川聖一や村田修一が新天地で古巣を振り返った発言に物議を醸したものがあったが、それらを通じて感じることは、このチームに蔓延するダメモードの根は深そうだということだ。あまり精神論が好きでない敗戦処理。だが、こういうことは改善して欲しい。中畑清はV9時代より後にジャイアンツに入団した選手で、長嶋茂雄監督になって前任の川上哲治監督時代に比べれば管理が甘くなっていて、たがが緩んでいた面があったそうだが、もしも中畑監督の方針であれば、ぜひとも徹底して欲しい。他球団も是非考えて欲しい。
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コメント
チェンジアップ様、コメントをありがとうございます。
> こんばんは。横浜から出て行った選手は、皆、横浜の酷さを言いますね。
そうですね。そしてそれだけでなく、他球団から来た選手は初めての契約更改の席で異常ぶりを訴えます。
> 多分、おかしくなったのは、権藤監督の時でしょうね。いわゆる「放任野球」
石井琢朗が「自由を勘違いして、皆、ワガママになってしまった」と当時を振り返ってましたが。
ただ、そうだとしても権藤監督のせいではないでしょう。自分を見失う選手達の未熟さでしょうね。そこまで監督のせいにされたらたまりません。優勝監督ですし、功罪の罪の方だけピックアップされては気の毒ですね。
その後、管理野球の神様の様な森監督を後釜に据えましたが、期間中にマルハからTBSに親会社が代わり、そこから転落の一都ですね。
> 4月に落合博満講演会に行ったけど、「ウチ(戦力)は巨人や阪神には太刀打ち出来ないが、練習することで、互角以上に渡り合えた。巨人や阪神が練習したら、お手上げ」みたいな事を言ってました。
私も7月に講演を聴きに行く予定なので楽しみにしています。日刊スポーツに定期的に書いていることの繰り返しでないことを祈ります。
> 去年、尾花が良い感じまで持っていったので、今年も尾花なら、もうちょっとやれたはずと思います。
どうなのでしょう?求心力0という声もありますし。
一番いいのは尾花投手総合コーチで投手陣だけ見させることなのでしょうが、ジャイアンツとの契約を一年残しているのを無理矢理引き抜いた経緯を考えれば、横滑りの同格というわけにはいかなかったのでしょうね。
投稿: 敗戦処理。 | 2012年6月14日 (木) 00時24分
こんばんは。横浜から出て行った選手は、皆、横浜の酷さを言いますね。
多分、おかしくなったのは、権藤監督の時でしょうね。いわゆる「放任野球」
石井琢朗が「自由を勘違いして、皆、ワガママになってしまった」と当時を振り返ってましたが。
中途半端にアメリカ式を持ち込んだというか、日本国憲法みたいな感じですから、権藤野球。
阪神もそうですが、弱いチームの傾向としては、とにかく練習しないですね。
4月に落合博満講演会に行ったけど、「ウチ(戦力)は巨人や阪神には太刀打ち出来ないが、練習することで、互角以上に渡り合えた。巨人や阪神が練習したら、お手上げ」みたいな事を言ってました。
>このチームに蔓延するダメモードの根は深そうだということだ
同感です。
去年、尾花が良い感じまで持っていったので、今年も尾花なら、もうちょっとやれたはずと思います。
http://www.zakzak.co.jp/sports/baseball/news/20120118/bbl1201181531008-n1.htm
尾花氏の激白?
投稿: チェンジアップ | 2012年6月13日 (水) 19時44分